牛海綿状脳症(BSE)(いわゆる狂牛病)雑感


ご挨拶

よしか@管理人です。
海の向こうの出来事だと思っていたBSEが日本でも騒がれ出して、久しいです。食卓に牛肉が上がらなくなった家庭も多いのではないでしょうか。
そんなおり、私のゲストブックに時々コメントを寄せて下さるしげさんに、2001/10/12(Fri) 00:37:23に「牛海綿状脳症(BSE)(いわゆる狂牛病)雑感」という投稿をいただきました。大変判りやすく適切な内容でありましたため、一過性のゲストブックではなく、一人でも多くの方に読んでいただけるよう、ご本人に許可を頂いた上で、TOPから特集頁としてリンクを貼らせていただきました。
また、今回、特集頁とする上で、新たに原稿に手を加えていただきました。
しげさん、どうもありがとうございます。



しげです。狂牛病騒ぎもちょっと落ち着いてきたかなぁ、という感じですが、やっぱり肉の消費は伸びないみたいです。まあ、肉が嫌いな人(ニンニクラーメンチャーシュー抜きが好きな人(^^;))は決して無理に食べる必要ないですし、肉ばっかり食べていると別の病気になりそうですのでその辺は適宜加減していただくとして。以下に掲示板での内容と、県職員相手に話をした時の質疑応答内容を掲載したいと思います。

まず、掲示板の内容。

・原因体の「プリオン」は神経系以外では増えない→神経系以外にはほとんどいない
・肉にするときに捨てる「特定危険部位」は、脳、脊髄、眼、回腸遠位部の4つ
・回腸遠位部ではプリオンは増えないが、口から入ったプリオンがここから体に入るため、ここで引っかかる可能性がある
・現在の新型クロイツフェルトヤコブ患者のほとんどはヒトからヒトへの感染。ウシから感染したのは数人。
・ウシからヒトへは「動物種の壁」があってそう簡単には感染しない。
・ただ、一度、壁を越えてしまえばヒトからヒトへは感染しやすい。
・でも、硬膜移植とか、脳成分を食べない限り同じ動物間でもそう簡単には感染しない。
・イギリスで感染したのはミンチの中に甘みを増すために脳を混ぜ込んでいたのが原因らしい。

∴日本で普通に牛肉だけを食べてヒトに感染させたくても多分できない。

で、その補足です。

・ヨーロッパや日本に広まったのはイギリスが自国で売れなくなった汚染肉骨粉を輸出したのが原因。決してウシに自然発生する病気ではない。
・イギリスでは汚染肉骨粉の給与をやめた結果、発生頭数は激減。2010年には発生はなくなるとの予測。
・他の国でも汚染肉骨粉及び可能性のあるものすべてを断ってしまったので、遅かれ早かれなくなってしまう病気。
・どのような動物でも感染してから数年にわたる潜伏期の後、徐々に脳細胞が破壊されて死に至る。
・ウシからヒトへの「動物種の壁」は相当強烈なものがあり、簡単に感染は成立しない。狂牛病が発症したウシの危険な部位(脳など)を用いた場合でも数キロ単位で食べないと無理。
という感じでした。


さて、10月末から県職員や栄養士さん相手にお話をしてきましたのでその中での質疑応答です。
・ゼラチン、肉エキスは大丈夫ですか。なぜ回収したのですか。

 まず大前提として、原料となっている日本のウシにいったいどのくらいの割合で狂牛病のウシがいたかです。今のところ350万頭のうちの1頭です。原料として使われた可能性は非常に低いです。
 それでも不安だ、という方がいるかもしれません。基本的にゼラチンなどは脳や脊髄が混ざる確率はなく、国際基準では汚染国からもゼラチンに関しては輸出可能となっています。また、肉エキスに関しても「濃縮してあるから不安」という人がいるかもしれませんが、そんなに濃縮したらスープにならないでしょ?濃すぎて。
 あと、回収騒ぎはすべて、何でも騒ぎ立てるマスコミの目を気にした結果です。その結果新たな風評を生んでしまっていると思いますが、私は回収しなくても全然問題なかったと思います。

・肉骨粉って肉と骨でしょ。それが危ないから不安なのです。

 あくまでも「汚染された肉骨粉」で、肉骨粉そのものは非常に有用な蛋白資源です。汚染とは、狂牛病に感染したウシの脳や脊髄が多量に混入していたので今回の騒動の原因となっているのです。通常の肉骨粉に問題はありません。

・じゃああなたはインスタントラーメンは覚悟して食え、と言いたいのですね(これ県職員が言いました)

 他人から答えを引き出し責任をかぶせようとは、いかにも公務員的発想で嫌いです。今説明したとおりです。狂牛病を心配してラーメンをやめるより、常時ラーメンを食べるあなたの食生活の方が心配です。

・肥料に使われている骨粉を吸い込んだ場合が心配です。

 たとえ汚染された骨粉であっても吸い込んだくらいでは感染しません。じゃあ、感染するぎりぎりの量、これも現実では考えられないくらいの量で多分窒息死すると思いますが、その場合は潜伏期が極端に長くなります。動物実験ではすべて寿命の方が先にきています。計算上は私(36歳)の寿命も簡単に越えるくらいの長さの潜伏期です。

・人間で狂牛病が発生したとの噂がありますが。

 現在のところ、発生例はありません。週刊誌の見出しに載っているものも内容をちゃんと読むと従来からあるクロイツフェルトヤコブ病であることが記載されています。まあ、記事を埋めるために今ですと狂牛病と書けば適当に埋められるからでしょう。昔からあるこの病気は人間では 自然発生してきます。遺伝子の異常とも言われていますが、日本人ですと年間100人くらいはなぜか発生してきます。狂牛病や他のプリオン病との関連性はありません。


しげさんのプロフィール

某県に勤める獣医師(家保職員)


 お読みいただきまして、どうもありがとうございました。
この件で何かご感想等ございましたら、メールではなくゲストブックへお願いいたします。
内容が専門的質問等であります場合は、大変恐縮ですが管理人には返答できません。しげさんも多忙でいらっしゃいますので、残念ながら必ず回答できるかどうかはお約束できません。申し訳ございません。
また、ゲストブックへの投稿は、必要に応じて管理人が予告無く削除させていただくことがございます。ご了承下さい。

TOPへ  ゲストブックへ