Lord of the Rings: The Two Towers

第一作目のリリースからちょうど1年後の2002年12月18日、待望の第2作目となる本作(邦題:『二つの塔』)が欧米で公開されました。3部作の真ん中ということで、完結した映画としての出来栄えなどについて危惧する声も聞かれましたが、そんな心配はまったく不要でした。本当に素晴らしい映画です。(ただし、第1作目を観ていることを前提とします。そうでないと、本作に『前回のあらすじ』のようなものは含まれていないので、話が理解できないと思います)

イギリスでは、FOTRはPG指定でしたが、TTTは「12A」という新たに導入されたレーティングになっています。「12A」とは、British Board of Film Classificationによると、これまでの「12」指定と同様のレーティングで、Aは「accompanied」と「advisory」両方の意味、とのこと。つまり、12歳に満たない子供は大人同伴でなければ観ることができない、という意味です。なお、この「12A」という表記は映画のみのレーティングで、今のところは、ビデオやDVDには従来通りの「12」という表記を適用する予定だそうです(ややこしい・・・)。

いずれにしても、PG指定(Parental Guidance の略で、どの年齢の子供でも大人の同伴なく観て構わないが、幼い子供や繊細な子供には適さないシーンも含まれるかもしれない、という少々曖昧なレーティング。FOTRの場合も、『8歳に満たない子供に適さないシーンもあるかもしれない』、と注意書きがありました)よりも厳しいレーティングになっています。TTTでは、戦闘シーンなどがより過激になっているからだと思います。

公開前から、「TTTが三部の中で原作と一番異なるだろう」と言われていたように、原作からの改変が至るところに見られます。私は初めて観た時、あまりにも原作と異なるシーンや設定が多いので、戸惑いすら感じてしまいました。公開前に、内容に関しての情報を極力シャットアウトしていたせいもあると思います。しかし、観る回数を重ねるにつれ、少なくとも映画を観ている最中は原作と比較する自分がいなくなり、純粋に「映画として」ありのままを受け入れて、楽しめるようになりました。

前作は原作の「二つの塔」の冒頭に食い込んでおり、本作は原作の「二つの塔」の途中で終わっています。つまり、本作でカバーされている原作の範囲は、前作と比べてさほど多くはないわけですが、その分、FOTRのように「映画として不必要なシーンが容赦なく削除」され、「どんどん話が進行していく」のではなく、「各場面をじっくりと描写している」ように思えます。

原作にはないエピソードを挿入させるなど、映画としての創意工夫も見られます。もちろん、全く不満がないわけではないですが、「どうしてジャクソン監督はこういう演出にしたんだろう」と考えるのも、なかなか楽しいです。

前作同様、3時間という長さをまったく感じさせません。観れば観るほど新たな発見があり、深みが増していく映画だと思います。ゴラム(ゴクリ)、木の鬚、セオデン、エオウィン、ファラミアなど、魅力あふれる新しい登場人物の存在感も、目を見張るものがあります。

この作品の象徴的な台詞、心に残る台詞はどれだろう・・・と考えると、たくさんありますが、私の場合下記の2つの台詞がまず頭に浮かびます。

"There is still hope."

"There is always hope."

一つ目は、エルロンドの「アラゴルンはもはや戻っては来ぬ。望みがないのに何故とどまろうとする?」という問いに対して、アルウェンが返す言葉です。

二つ目は、アラゴルンが角笛城内で戦闘準備中、不安そうな目をしたハレス(戦死したハマの息子)にかける言葉です。

この二つの台詞は、対になって用いられているような気がします。アラゴルンとアルウェンは、絶望的な状況でも共に希望を捨てていません。二人の絆の強さや、伊達に将来を誓い合った仲ではないということが暗示されているように思えます。本作では、「エルロンドの説得が功を奏して(?)、無理やりお互いのことを諦めようとする二人」、というような設定になっていますが・・・。

特にアルウェンの台詞の場合、「望み」はアラゴルンの幼名「エステル」の意味でもあることから、意図的にこの語 (hope)が使われているような気がしてなりません。

アルウェンは上記の会話の後、エルロンドに説得されて苦しみ迷った末、裂け谷を去り西方へ渡る船へ向かう、というような設定になっていますが、第3部で彼女がどうするのか(最終的には原作通りになると思いますが)、楽しみです。

アラゴルンの場合、絶望的な状況でも最後まで望みを捨ててはならない、とハレスに対してだけでなく、彼自身にも言い聞かせているように思えます。

もう一つ印象的なのは、サムがオスギリアスでフロドに語りかける言葉です。

"Even darkness must pass. A new day will come."

サムは直接「hope」という語は使っていませんが、絶望の日々はいつかは過ぎ去って、希望に満ちた日がやって来る、と言っているのでしょう。そう考えると、「hope」は本作の核となる言葉と言えるかもしれません。

(ここまで書いてふと思ったのですが、イシリエンで、「揚げた魚やじゃがなんて・・・」と拒絶反応を示すゴラムに、サムが呆れて何気なくボソっと「You're hopeless.」なんて言いますが、よく考えると意味深な台詞なのかも・・・?)

いずれにしても、第3部がどのようになるのか非常に気になります。ファンとしては、今までの3時間という枠にとらわれず、必要ならば4時間だろうが5時間だろうが、いくらでも長くしてほしいと思います。何と言っても大切な最終部なのですから・・・。

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各キャラクターなどに関する感想など細かなことは「英国指輪雑記」内で書いていますので、下にリンクしておきます。


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