最終更新日:2003年04月16日

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著者名の50音順に並べてます

 

『地下鉄(メトロ)に乗って』 浅田次郎著 講談社文庫 580円

『妖しいクレヨン箱』 阿刀田高著 講談社文庫 400円

『最後のメッセージ』 阿刀田高著 講談社文庫 350円

『プロジェクトX リーダー達の言葉』 今井彰著 文藝春秋 1,300円

『聖の青春』 大崎善生著 講談社 1,700円

『銀座探偵局』 大沢在昌著 光文社文庫 560円

『毒猿、新宿鮫2』 大沢在昌著 光文社文庫 700円

『野獣駆けろ』 大沢在昌著 講談社文庫 550円

『英雄達のバラード』 落合信彦著 集英社文庫 320円

『狼たちへの伝言』 落合信彦著 小学館 1,000円

『狼たちへの伝言2』 落合信彦著 小学館 1,000円

『日本の常識を捨てろ!』 落合信彦著 光文社 480円

『これからの勝ち組・負け組』 落合信彦著 ザ・マサダ 1,575円

『五体不満足』 乙武洋匡著 講談社 1,680円

『島津義弘』 加野厚志著 PHP文庫 690円

『後宮小説』 酒見賢一著 新潮社 1,300円

『深夜特急』1〜8巻 沢木耕太郎著 新潮文庫 400〜460円

『項羽と劉邦』上・中・下 司馬遼太郎著 文春文庫 480〜520円

『新選組血風録』 司馬遼太郎著 中公文庫 980円

『世に棲む日日』1〜4巻 司馬遼太郎著 文春文庫 440〜460円

『竜馬がゆく』1〜8巻 司馬遼太郎著 文春文庫 520円

『まる子だった』 さくらももこ著 集英社 1000+税円

『この一冊で聖書がわかる!』 白鳥春彦著 三笠書房 520円

『チーズはどこへ消えた?』 スペンサー・ジョンソン著 扶桑社 880円

『生命燃ゆ』 高杉良著 新潮文庫 580円

『金融腐食列島』上・下 高杉良著 角川文庫 各600円

『辞表撤回』 高杉良著 講談社文庫 650円

『社長の器』 高杉良著 講談社文庫 650円

『人事異動』 高杉良著 集英社文庫 330円

『人事権!』 高杉良著 講談社文庫 600円

『懲戒解雇』 高杉良著 講談社文庫 650円

『燃ゆるとき』 高杉良著 講談社文庫 660円

『羽生善治 神様が愛した青年』 田中寅彦著 KKベストセラーズ 1,200円

『ミナミの帝王 ゼニの超法律学』 天王寺大編著 日本文芸社 1,200円
       郷力也

『十七歳だった!』 原田宗典著 マガジンハウス 1,200円

『だから私は嫌われる』 ビートたけし著 新潮社 1,000円

『ウィンダリア』 藤川桂介著 角川文庫 380円

『ジャパニーズドリーム』 藤田晋著 ダイヤモンド社 1500円(税別)

『サンクチュアリ』(漫画)1〜6巻 原作 史村翔 小学館 880円
            作画 池上遼一

『もの食う人々』 辺見庸著 角川文庫 720円

『坂本龍馬・男の魅力』 宮地佐一郎著 三笠書房 440円

『上海の西、デリーの東』 素樹文生著 新潮文庫 700円


 『深夜特急』

    あらすじ・・・・一応僕もバックパッカーを名乗るなら、この本を取り上げなくてはなりません。
            それほどこの本は自由旅行者の間ではバイブル的扱いを受けています。
            横浜国大卒業で、サラリーマン生活一日目にして退職し、フリーライターとして生きて
            いた著者。
            その著者が26歳で仕事をすべて投げ出して、香港・マカオ〜イギリスのロンドンまで
            1年以上にわたってユーラシア大陸を放浪した旅の記録。
            映画化もされました。 

    感想・・・・・・うーん、といっても僕はあまりこの本は好きじゃないんですね。
            というのも、ちょっと沢木耕太郎さんの物事の捕らえ方はネガティブな気がして・・・
            どうも「何かのために旅をしている」というより、「旅のために旅をしている」
            という気がして。
            ただ、この小説は画一的な価値観の中でがんじがらめになって、何か違うと感じな
            がらも身動きが取れない・・・そういった人の心にはしみわたると思います。
            こういう生き方も、考え方もあるんだ・・・という発見にはなるでしょう。
            そういう僕も小説中に出てくる、マカオのリスボアカジノでギャンブルをしたし、
            香港のスターフェリーにもちゃっかり乗ったんですけどね。
            今や、バックパッカーでこの本を読んでないとモグリ・・・というほどの雰囲気がある
            ので、賛否はともかくとして、押さえておきたい本ではあります。

お勧め度 ★★☆☆☆


 『聖の青春』

    あらすじ・・・・将棋会の鬼才・村山聖の29年の魂の軌跡。
            彼は難病と闘い、死を見つめ、名人の夢ひとすじに生き抜いた。
            家族の絆、友情、そして心にしみる師弟愛の実話。

    感想・・・・・・僕は将棋が大好きです。
            大学のときにアマチュア初段(頑張れば誰でも取れる)を取得して大喜びしてました。
            だけど、それは多分に趣味の世界の話で、それに命を賭けようなんて思ったこと
            は一度としてありません。
            だけど、命以上に自分の全存在意義をそこに求め、信じられないほどの難病の中、
            文字通り命を削るようにして将棋を指す姿には圧倒されました。
            将棋の世界という所の容赦のない厳しさもわかりました。
            また、聖の師匠の森さんとのやりとりには胸が熱くなる。
            人間同士ではなくて、犬の親子がじゃれあうようにして彼らはお互いに接する。
            人間ひとりひとりが、複雑な形のジグソーパズルだとしたら、その2つのパズルの形が
            ぴったりはまったとき、これほどの美しい絵になるんだ、ということを教えられた。
            「障害はハンデではない」って誰かが言ってたと思いますが、その本当の意味を痛感
            しました。
            聖は巨大な障害の中、人間の持つ全精力を注ぎ続けたからこそ、これだけの輝きを
            放つことができたんだと思う。
            僕達は五体満足であるがゆえに、日常を薄めて生きてるんじゃないだろうか・・・
            そんなことを考えさせられました。
            「とにかくこれから頑張らなきゃ!」って気にさせられます。
            そんな気分はすぐに忘れちゃうんですけどね。

お勧め度 ★★★☆☆


 『もの食うひとびと』

    あらすじ・・・人は今、何をどう食べているのか、どれほど食えないのか・・・。
            飽食の国に苛立ち、異境へと旅立った著者は、噛み、しゃぶる音をたぐり、紛争と
            飢餓線上の風景に入り込み、ダッカの残飯からチェルノブイリの放射能汚染スープ
            まで、食って、食って、食いまくる。
            「食」の黙示録。

    感想・・・・・・・なぜこの本を買ったのか忘れましたが、整然と並ぶ本棚の中で、この本は光彩を放っ
            ていました。
            とにかく、おもしろい!!
            買ってすぐに読破し、友人にも勧め、さらにもう一回読破しました。
            とにかく辺見庸スゴイ!!
            僕じゃ食べれません。あんな怖い色んなものは。
            放射能スープですよ!バングラデシュ人の残飯ですよ!
            この本は日本人が忘れている「食べれることのありがたさ」という重いテーマを扱っ
            ています。
            事実、筆者は「たくさんの悲劇を尻目に旅を続け、悲劇から悲劇へと渡り歩いた果て
            にいま平然と生きてあるという自責に似たなにかの感情が抜けない。」とあとがきで
            語っています。
            ですが、そんな重いテーマとは関係なく、マジ?マジ?食べるの?それ?
            という感じで読んでるうちに一冊終わります。
            お時間があれば、是非一読を!という一冊です。

お勧め度 ★★★★★


 『サンクチュアリ』

    あらすじ・・・・厳しい過去を持つ二人の若者が、お互いに強い絆で結ばれ、それぞれ助け合いなが
            ら共に理想郷「サンクチュアリ」を作り上げることを目指すストーリー。

    感想・・・・・・とにかく熱い!!
            この本はストーリー的に男性向けです。
            うまくいえませんが、男のロマンではちきれんばかりの内容です。
            僕の友人はこの漫画を「人生のバイブル」と呼んでいます。
            まぁ漫画だけに、そううまくは・・・現実では・・・と思う部分もありますが、そこは
            ご愛嬌。
            例えば、北斗の拳に燃えたあなた!
            ガンダムに熱くなったあなた!
            そう、そういうあなた向きの本です。
            間違いなく、彼らの生き様に惚れちゃいます。

お勧め度 ★★★★★

  


 『竜馬がゆく』  

    あらすじ・・・・平成8年に亡くなられた日本歴史小説界の巨星、司馬遼太郎氏の代表作。
            誰もが考えつかない発想の数々と、その人間的魅力で世界史上の奇跡の無血革命
            である明治維新を成し遂げ、流星のようにその生涯を閉じた、英雄「坂本竜馬」の
            生涯が描いた大作。

    感想・・・・・・人間の器とはなにか、なぜ土佐藩でも身分の低い家に生まれた竜馬がこれだけの奇跡
            を成し遂げられたのか、そのすべてがこの小説の中に詰まってます。
            幼き頃はあまりの物覚えの悪さと、いつまでも寝小便をたれていたことから、まわりから
            馬鹿にされてばかりだった竜馬。
            子供の時分に、竜馬はその悔しさから
            「世の人は われをなんとも 言わば言え 我が為すことは 我のみぞ知る」
            という短歌を詠んだ竜馬。
            その後の成長と行動が、膨大な取材資料と、著者のあふれんばかりの情熱で見事に
            描かれています。
            特に、「竜馬が富士山を見るシーン」と、大政奉還後に「世界の海援隊でもやりましょう
            かな」と言うシーンは感動の嵐です。
            男たるものかくあるべし!
            と考えさせられる珠玉の小説です。

お勧め度 ★★★★★


 『ウィンダリア』

    あらすじ・・・・アニメ化されたこともある、藤川桂介氏のファンタジーの名作。
            世界樹のごとく空高くウィンダリアの巨木そびえるサキという村を中心に、イサとパロ
            という都市国家があった。
            この二つの国が戦火を交えることになる。
            サキの村に住む夫婦、イズとマーリン。
            パロの王子ジルと、イサの王女アーナス。
            二組の男女の織りなす愛を中心に描かれる華麗なるファンタジーの世界。

    感想・・・・・・藤川桂介氏は、かつて宇宙皇子(うつのみこ)という作品で一世を風靡しましたが、あの
            作品は僕はあまり好きではありません。
            それより236ページのありふれたような物語ですが、この本の方が心に残りました。
            立身出世によって女を幸せにできると考える男・・・
            そんなことよりただ一緒に時間を共有したい女・・・
            その食い違いが生む悲劇には、誰もが悲しくなるでしょう。
            特に驚きのラストには、読者は息をのむでしょう。
            一日で読めますので、ちょっと時間のあるときに、軽い気持ちで読んでください。
            女の人も抵抗なく読めると思います。    

お勧め度 ★★☆☆☆


 『後宮小説』

    あらすじ・・・・酒見賢一氏が1989年、第1回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した作品。
            シンデレラ+三国志+金瓶梅+ラスト・エンペラーの面白さ、奇想小説の神技、と
            絶賛された作品。
            素乾国という国の最後の皇帝を副主人公とし、中国の歴代王朝に必ず存在した
            「後宮」を舞台に話は進みます。
            最後の正妃となる女主人公と、ちょっと楽しいことをしたいがために反乱を起こす
            ならず者。
            舞台が後宮だけに、多少いやらしい話が多く挿入されますが、全体として感動的な
            ストーリーではあります。

    感想・・・・・・この作品には他の歴史小説のような、血なまぐささは全くなく、むしろ爽やかな風が
            吹くようにして革命が進みます。
            題材の取り上げ方からして、今までない視点、つまり後宮から歴史を眺めます。
            この中で、非常に楽しい人物が一人いて、その名は渾沌(こんとん)という名の反乱
            軍の参謀的存在。
            彼はとても自分勝手で、あまり人気がなく、でもなんか自分の美学を持った、楽しい
            奴です。
            読み終わった後に爽やかな感動の残る・・・
            夏の暑い日ののどかな木陰・・・といった作品です。

お勧め度 ★★☆☆☆


 『羽生善治 神様が愛した青年』  

    あらすじ・・・・平成8年に奇跡の将棋会七冠を達成した「天才羽生善治」の歩みを描いたもの。
            それを同じ棋界の9段である田中寅彦氏が将棋会の内部から見た視点で
            その内容を書いています。

    感想・・・・・・将棋好きの僕としては期待してこの書を買ったんですが・・・
            はっきりいって、かなりいまいちです。
            というのも著者が自分の意見・主張を書きすぎ!
            単に自分を自慢したいだけで、文才なしです。
            しかも文末の方では「俺はこれから本気で将棋をやるから、羽生など倒してやる」
            と息巻いていますが、その後5年、鳴かず飛ばずの体たらくです。
            冷静に書かれたドキュメンタリーの方がよほど面白いはず。
            田中寅彦は・・・ダメですね。

お勧め度 ☆☆☆☆☆


 『項羽と劉邦』

    あらすじ・・・・紀元前3世紀末、中国史上初の統一国家を創出した秦の始皇帝の死後、天下は
            再び大乱の時代に入る。
            その時、沛という村のごろつき上がりの劉邦と、楚という国の猛将・項羽が天下を
            争うことになる。
            劉邦は百敗しつつもついに楚を破り漢帝国を樹立するにいたる。
            この実話をとおし、天下を制する“人望”とは何かをつわめつくした物語である。

    感想・・・・・・これを読むと、めちゃくちゃビックリします。
            何にビックリするかというと、劉邦のあまりのダメ人間ぶりにです。
            秦の都・咸陽を落とした劉邦は、ダメだ!といってすがりつく部下を引きずって
            後宮の美女に襲い掛かります。
            また、項羽に負けて追われている時には、馬車に乗っていた自分の2人の子供を
            投げ落とし、「馬車を軽くするのだ!」と叫びます。
            それをとがめた部下が子供を拾ってくると、劉邦はまた投げ、そんなことを10回ほど
            繰り返します。
            人間のクズです。
            また漢軍(劉邦軍)は死ぬほどに弱く、楚軍(項羽軍)は死ぬほどに強い。
            猛将項羽は、中国大陸一の武勇を持ち、生涯70回ほど戦い、1度しか負けていない。
            逆に劉邦は項羽にコテンパンにやられまくり、最後の1回以外は勝ったためしがない。
            しかし、天下を統一するのは劉邦なのです!
            それはひとえに劉邦の持つ「徳」によるものなのです。
            賢くもなく、強くもないのに・・・
            この作品には、人の上に立つ者の資質、について考えさせられました。
            かなり面白い本です。

お勧め度 ★★★★☆


 

 『日本の常識を捨てろ!』

    あらすじ・・・・ジャーナリスト・作家として有名な落合信彦氏の作品。
            彼自身の経験を踏まえ、これからの時代の目指すべき「日本人像」というものを、
            彼なりに描いています。
            著者独特の視点から、世界と日本の常識の違いを述べています。

    感想・・・・・・・この作品は、特に10代・20代のこれからの日本を担う世代に向けられたメッセージ
            だと思います。
            今、僕達日本人に足りないモノ、必要なモノ。
            それを解りやすい表現で説明してくれている著者の力量には驚きます。
            また、この作品の素晴らしいところは、「日本の将来」を激しく憂いている反面、
            ポジティブな思考で貫かれているところです。
            著者はただ、日本人をこき下ろして悲観しているのではありません。
            次代を担う人間に、強い希望を託しているのです。
            この本も好き嫌いがかなり分かれそうですが、海外経験者にはかなり共感する
            部分が多いと思います。
            今後、世界を選択肢として人生を考えている人、ただ漫然と日々を過ごしている人
            は必読です。
            毎日ボケーッとしてる僕も、かなり刺激を受けました。

お勧め度 ★★★★★


 『ジャパニーズドリーム』

    あらすじ・・・・著者はサラリーマンから一転して独立。
            そして、ITビジネスに参入しました。
            彼が起こした会社の名前は「サイバーエージェント」。
            メルマガ発行者、サイト運営者の方はご存知かもしれませんが、
            「バリュークリック」というサービスの運営会社です。
            そして彼は、26歳で会社を上場させます。
            その彼のここに至るまでの自伝的文章、そしてこれからへの展望が描かれた作品です。

    感想・・・・・・・いつも思うのですが、起業家ってのはどうしてこうも熱いんでしょう。
            でもそういう熱さ、僕は好きです。
            彼らはみな、自分が革命を起こす意気込みで動いています。
            まるで明治維新の志士のように。
            起業家ってのも、タイプが二つあるように思います。
            起業前に万全の計画を練り、おおむね計画通りに突っ走るタイプと、
            とりあえずスタートし、挫折もあり、それでもあがきぬいた結果、展望がひらけるという
            タイプです。
            この著者は後者のタイプでしょう。
            ひらめきを信じて、強力な補助者を得て行動すれば、必ず道は開ける!
            そんな気持ちにされます。
            アメリカンドリームに対して、夢の実現しにくい・・・チャンスが少ない・・・
            と言われがちの日本。
            でも著者は「ジャパニーズドリーム」を声高に叫んでいるのです。
            落ち込んだとき、進退に迷ったときにお勧めの一冊です。

お勧め度 ★★★★☆


 『世に棲む日日』

    あらすじ・・・・僕の尊敬する司馬遼太郎氏が、幕末〜明治維新にかけての長州藩を、2人の人物に
            スポットライトをあてて描いた作品。
            その人物とは、吉田松陰と高杉晋作の2人。
            どちらかというと、「動けば雷電のごとく 発すれば風雨のごとく」と称された、高杉晋作
            の方が中心です。
            著者はその2人の人生を描くことによって、
            「人が人に影響を与える」という現象について考察しています。

    感想・・・・・・・吉田松陰の純粋さにも打たれますが、何より高杉晋作カッコイイ!
            メチャクチャカッコイイ!
            特に彼の辞世の句、
            「おもしろき こともなき世を おもしろく」
            この句には、彼の人生のすべてが凝縮されていて感動します。
            27歳と8ヶ月で死を迎えても、これだけの人生を生きてるんや!スゴイ!
            と思います。
            物語の要所で出る、晋作特有の短いセリフもまたカッコイイ!
            確かこの辞世の句については、最近さる大企業のトップが講演会の中で使ってました。
            ただ漫然と生きたら面白いこともない世の中、いかにして面白く生きるか・・・
            大きな命題だと思います。

お勧め度 ★★★★☆


 『島津義弘』

    あらすじ・・・・「島津に暗君なし」といわれ、常に名君を輩出してきた島津家。
            その島津家が関ヶ原の合戦時に擁した君主、島津義弘。
            不世出の豪将と呼ばれたこの武将の生涯と、関ヶ原の合戦の人間ドラマを交互に
            描いています。

    感想・・・・・・・この著者は、意外な武将認識を持っています。
            例えば、小早川秀秋をそれなりに優秀な武将として捉えています。
            そんな人は初めて見ました。
            島津義弘の生涯も興味深いのですが、僕はそれよりも関ヶ原の人間ドラマに引きつけ
            られました。
            合戦に参加した武将は、大きく分けて2つに分類されてます。
            義と理想に命を賭けた武将達と、現実と打算で動いた武将達です。
            理想派が勝てばよくできたドラマなんですが、実際は打算派が勝ちます。
            まぁ、敗れたからこそ、理想派には一層の哀愁が漂うんでしょう。
            いい作品です。 

お勧め度 ★★★★☆


『プロジェクトX リーダー達の言葉』

    あらすじ・・・・2000年3月から放送されているNHKの人気番組の感動が一冊の本になった作品。
            不可能を可能にした無名の18人のリーダーの物語が掲載されています。
            それを、彼らの紡ぎだした「言葉」を中心にまとめています。
            これらの言葉は、後世に残すために飾り立てたり、机上で計算したものではありません。
            逆風にさらされ追い詰められたとき、あるいは勝負所で、振り絞るようにして発せられた
            ものです。
            崩壊しかけたプロジェクトを救いたいと語り始めた言葉、若者達に夢を切々と伝えた言葉、
            リーダーとしての自分に鋭く問い掛けた言葉、目標を成し遂げ感極まって叫んだ言葉。
            この本はそれらの言葉を中心にして、
            「思いは、かなう。」という信念で一貫されています。

    感想・・・・・・・僕はこの番組も大好きです。
            一時的な感動の盛り上がりは、やっぱりテレビの方があるんですが、
            活字には活字の良さがあります。
            じわりじわりと感動が積もっていきます。
            この本にでてくるリーダー達の生き様には、尊敬の念を抱かずにはいられません。
            そしてその言葉の重さを前にしたとき、自分にはこんな重い言葉は一生紡ぎ出せない
            のでは・・・
            と思ってしまいます。
            この本では、日本人の底力が証明されています。
            現在の日本の繁栄は、こうして築かれたものなんだと・・・
            感謝せずにはいられません。
            自信を失いかけているこの日本、自分自身の生きる指針を見つけられない若者、
            そういったものに向けられた本ではないでしょうか。

お勧め度 ★★★★★


『ミナミの帝王 ゼニの法律学』

    あらすじ・・・・劇画「ミナミの帝王」の中で描かれた、金銭に関わる法律をあらゆる角度から網羅した
            本です。
            これまでの法律本と違って、物語を読むようにおもしろく、わかりやすく、より具体的に
            書かれています。

    感想・・・・・・・著者の言葉、「法律は知る者にとって味方、知らない者には敵となる!」
            には共感する部分があります。
            せめて金銭に関わる法律だけでも強くなっておかないと、我が身を守れない
            と思います。
            最近、携帯電話にワンコールだけかかってきて、残された履歴に電話したら10万ほど
            請求されるという被害がありました。
            過去にはダイヤルQ2代の滞納が利息がついて数万円になっている、という請求電話が
            ガラの悪い人からきて、支払ってしまうという事件がありました。
            いずれも法律を学べば、ありえないことだということは一目瞭然です。
            だから、僕はそういう罠を張る人も、払ってしまう人も嫌いです。
            この本を読めば、もっとえげつないことがいっぱい書いてあります。
            法律のプロにうまくやられると、素人には勝ち目がありません。
            特に不動産、この売買に手を出すつもりのある人は、一読してみる価値があると思います。

お勧め度 ★★★☆☆

      


『狼たちへの伝言』

    あらすじ・・・・この本は著者26冊目の本にして初の彼の人生論です。
            「落合信彦という、ひとりの男からのメッセージ」と、著者は位置付けています。
            著者はおそろしい表現を随所に使い、
            「今の世の中は、ブタのような人間ばかりがはびこっている。」
            と書きます。
            その中で、この本は「狼たち」への伝言とされています。
            彼の言う「狼」とは、小利口に生きることを捨て、大きな馬鹿として生きるという
            ことです。
            それだけで世の中はどれだけおもしろいか、退屈しないか、とうことを著者は自らの
            人生経験をもとに語ります。

    感想・・・・・・・信彦の言うことは過激です。
            そして彼の人生も過激です。
            この本を読むと、まず彼の歩んできた半生に愕然とします。
            あんたスゴイ!あんたからみたら僕もブタだよ!ブヒブヒブヒ。
            と言いたくなります。
            ですが、どうも落合信彦氏の言うことと、石原慎太郎氏の言うことは似ている気が
            します。
            彼らは狼なのでしょう。
            少し著者の考えを代弁しておくと、彼は「日本はブタばっかりだ。」と言いながら、
            決してブタを抹殺したいという思いで書いているのではないと感じます。
            ひとりでも多くのブタに、彼の言う狼になて欲しいと望んでいるのです。
            言葉の使い方は別にして、内容的には意義深い本だと思います。

お勧め度 ★★★☆☆

      


『チーズはどこへ消えた』

    あらすじ・・・・この本すごく有名になったので、あらすじを書く必要はないかと思います。
            なにせ350万部を売り上げて、ある会社では社員に配られたりしましたからね。
            簡単にいうと、2人の小人と、2匹のねずみがある迷路の中に住んでいます。
            それぞれ性格の違う彼らですが、生きていくためにチーズを食べなければなりません。
            その行動をおっていく中で、著者なりに人生で大切なもの・考え方について
            考察をしています。

    感想・・・・・・・世間ですごく評判が良かった本ですが、読んでみるとそうでもありませんでした。
            なにせ、「そんなん当たり前やん。」と思うことばかりが書いてあったからです。
            例えば「全米が震撼した!」という映画を見に行ったところ、期待はずれだった、
            という感じでした。
            書いてあることは正しいとは思います。
            言わんとするところもわかります。
            けれど、この程度の意見を読んで、
            「目からウロコが落ちた!」
            と言う人が多いとすると、悲しい世の中だと思います。
            そう高くもないですから、一度読んでみてもいいかもしれません。

お勧め度 ★★☆☆☆

      


『上海の西、デリーの東』

    あらすじ・・・・著者は船で日本を出国します。
            そして上海に上陸し、そこから遠くインドまでバックパック旅行します。
            彼はなんと旅行にワープロを持っていって、日記を綴り続けます。
            そして帰国後にこの本をまとめました。
            旅行中の体験・考えたことをときに愉快に、ときに哲学的に書いてあります。

    感想・・・・・・・ひとこと、大傑作です!
            旅行記という範疇で、これ以上の作品に出会ったことはないですし、沢木耕太郎氏の
            「深夜特急」よりも数段高いレベルにあると、個人的には思います。
            それは文学的表現が豊か、とかいうのではなく、非常〜に素直な文章が、とて〜も平易な
            表現で綴られているからです。
            僕もいつかはこんな文章を完成させたい!
            そう思わされた本でした。
            バックパック旅行をこれから考えられている人、行く前に是非読んでください。
            著者は自由旅行の素晴らしさだけではなく、その苦悩も見事に描いています。
            そしてこの著者の書く文は、僕としては全面的に肯定できます。
            著者はかっこをつけてません、ごまかしてもいません、僕達と同じ、ひとりのバックパッカーの
            等身大の視点で、その文章をあらわしています。
            その素直な文章は、面白くもあり、納得させられるものでもあります。

お勧め度 ★★★★★

      


『狼たちへの伝言2』

    あらすじ・・・・これは1989年12月に出版された、「狼たちへの伝言」の続編です。
            ここでも著者は、「日本はブタばっかりだ!」と叫び、
            彼のいう「狼たち」に叫び続けています。

    感想・・・・・・・この本が落合作品として初めてだと、結構いいと思います。
            けれど何冊か読んできていると、きっとこう思うでしょう。
            「今までの本と、似てる部分が多い。」
            前作「狼たちへの伝言」が出版されたのは、ほぼ一年前。
            それからは著者の得意とする国際情勢も極端には変わっていません。
            彼には小説を書かせるとスゴイ能力があるのですが、いかんせんこの本は
            著者の「人生観についてのエッセイ」です。
            ですので、正直前作に比べて「スゴイ!」と思う新たな認識も、感動もほとんど
            ありません。
            表現も、言いたいことも、出てくる事例も、どこか他の落合作品で読んだようなこと
            が多いです。
            これだけ偉大な物書きにして、人生観を書かせるとこうなるのか、と思いました。
            確かに毎回新しい題材を使う小説と違い、人生観の文章を新鮮にするには
            人生観を新鮮にする必要があります。
            1年程度では、それは望むべくもないのでしょう。
            もし続編が出たとしても、僕が定価で買うことはないでしょう。 

お勧め度 ★★★☆☆

      


『地下鉄(メトロ)に乗って』

    あらすじ・・・・大財閥の息子でありながら、父親に反発し、しがないサラリーマンとして
            母親と2人で暮らす主人公。
            彼がメトロを通じて、非常に不思議な体験をします。
            そして彼は、真の父親の姿に触れることになります。

    感想・・・・・・・この本はスゴイ!
            現実的な状況を描いていながら、ファンタジーのような不思議な現象が起こります。
            ですが、その現象をうまく読ませる力がこの著者にはあります。
            僕は物語の内容と、著者の力量の両方に大拍手を送りたい気分です。
            物語の最後には、僕は泣きました。
            人に人生あり!
            それぞれの人が、それぞれの人生に、色んな想いを持って真剣に生きているのです。
            例え口に出さないとしても、深い想いがあるのです。
            文句無しに推薦できる作品、素晴らしいのひとことです。
            是非、読んでみてください。 

お勧め度 ★★★★★

    


『毒猿、新宿鮫2』

    あらすじ・・・・大ブレイクして映画にもなった「新宿鮫」、その続編です。
            「毒猿」と呼ばれる完璧な殺し屋が日本に潜入し、それを新宿鮫こと鮫島警部が知る。
            鮫島は、恐るべし人間凶器の暴走を止めるために行動します。          

    感想・・・・・・・これはメチャクチャ面白い!
            主役であるはずの鮫島は、今回は脇役的なポストについていて、多彩な脇役キャラクター
            達が縦横無人の行動を繰り広げます。
            特に毒猿、こいつが動き出した時の行動が与える戦慄は、すごいものがあります。
            恋愛のようなものと、男の友情のようなものも絡み、圧倒的な興奮と感動があります。
            もう作品が終わる!という後半、胸に込み上げるものがあります。

お勧め度 ★★★★★

   


『金融腐食列島』上・下

    あらすじ・・・・映画化もされた傑作経済小説。
            舞台はバブル崩壊後の大手都市銀行。
            主人公、竹中治夫は、総会屋対策を担当するポストである「渉外班」へ異動になります。
            そして上層部の特命を帯び、心ならずも不正融資に手を貸してしまう。
            その後、不良債権処理を担当する「営業本部プロジェクト推進部」に配属になった彼は
            右翼や暴力団からターゲットにされ、辛く苦しい戦いを強いられる。
            日本の大銀行の恐るべき内実を明らかにし、話題を呼んだ迫真のドラマ。 

    感想・・・・・・・マジか!日本の金融業界は、こんなに腐ってるのか!
            これがホンマだとしたら、日本は沈没するな!
            と思ってしまいます。
            そして、これは、事実に基づいた作品なのです。
            もう、衝撃です。
            もうあかんわ・・・そんなショックを3日は引きずることでしょう。
            誰もが目をそらしてきた部分、その部分をこれだけ克明に書いた著者の力量と信念には
            尊敬の念を抱かずにはいられません。

お勧め度 ★★★★★

   


『社長の器』

    あらすじ・・・・兄は多国籍企業の総帥、弟は中小企業の二代目社長。
            冷徹で攻撃的な兄と、柔和で温情型の弟。
            経営理念も器量も異なる兄弟が、経営者として織りなす凄絶な戦いのドラマ。
            それを通して、社長の器とは何か、を考えさせる経済小説。
            実話に基づいた作品です。

    感想・・・・・・・弟経営者の人間にはきっと心を打たれます。
            こんな経営者の方が、いまや少ないのだと思います。
            作品としては、途中までは面白いのですが、後半は少しだるくなってしまいます。
            著者は、この兄の方にかなり嫌悪感を持っていて、その執拗な攻撃が続くからです。
            確かに兄経営者の人間性には、目を疑うものがありますが、著者の個人的な憎しみの強さが
            この作品の出来を悪くしている気がします。

お勧め度 ★★★☆☆

   


『辞表撤回』

    あらすじ・・・・一度は転職を決意し、辞表提出まで考えたJTBの中年はぐれ社員が、驚くべき新商品を次々に
            開発する。
            ヒットメーカーに大変身できた秘密とは何か。
            厳しい時代を生き抜く術とは。
            一人の“男の才気”を蘇えらせた企業の人材活用を描く長編モデル経済小説。
            これまた実際の人間をモデルにした作品です。

    感想・・・・・・・主人公は、猛烈社員ではありません。
            また新人時代にはとんでもないヘマもしてしまい、退社を考えた人物です。
            その主人公が、すごい新商品を開発していく過程には、血沸き肉踊るものがあります。
            主人公が持っているものは、不退転の決意と仕事に対する情熱です。
            サラリーマンというと、つまらない人生のように捉えられがちですが、こんなに輝けるサラリーマン
            もいるんだ!ということを主人公は教えてくれます。

お勧め度 ★★★★★

  


『人事異動』

    あらすじ・・・・大手商社に勤務する新井治夫は、出世コースの海外転勤を拒否、電子工業メーカー
            に転職したが、破格の厚遇にも関わらず、サラリーマン生活に決別する。
            有能なるがゆえに権力闘争に巻き込まれ悩むエリート社員。
            情け容赦ない組織の論理を背景に、人間的信義とは、男の潔さとは何かを真摯に問う
            経済小説。

    感想・・・・・・・主人公の人柄には感動してしまいます。
            特にその奥さんに対する愛情は、美しいものがあります。
            ですが、実社会においては時に人間的信義に反することもしなくてはならない。
            潔癖で、まっすぐで、優しすぎるがゆえにうまく対応できない主人公。
            人一倍の才能を持ちながら、主人公は社会的に見れば負け犬と呼べる立場に
            行きつきます。
            それでも、彼の選ぶ道には潔さがあります。
            組織と個人の軋轢に悩む人は、この作品を読んでみてください。
            一人の人間としての信条を曲げない生き方が、ここにあります。

お勧め度 ★★★☆☆

  


『懲戒解雇』

    あらすじ・・・・これは過去に実際に起こった事件をもとに創作されたものです。
            大手企業に勤務する森課長は、社長表彰も受けた同期のエース社員でありながら、
            その正義感ときかん気の強さゆえに上層部に睨まれ、不当な懲戒解雇を勧告されます。
            常人なら屈服してしまうだろう重圧の中、主人公は自分自身の名誉と、愛社精神のために
            孤独な戦いを展開します。
            一人の企業人の執念を描いた作品。

    感想・・・・・・・主人公とその補助者である同期の人事課長との友情には胸を打たれます。
            彼らの、お互いを思いやる優しさ、企業人としての限界ギリギリの戦いを続ける精神力には
            感動します。
            文句無しに一級作品。
            読んで泣かないサラリーマンはいないでしょう。

お勧め度 ★★★★★

  


『この一冊で聖書がわかる!』

    あらすじ・・・・知っておきたい聖書の知識を平易に説明した一冊。
            これを読めば、旧約・新約聖書のあらすじ、その大きな違い、ユダヤ教とキリスト教と、イスラム教
            の違い、なぜエルサレムが3宗教もの聖地になっているのか、そういうことがわかります。

    感想・・・・・・・この本は、そう面白くはないですが、タメになります。
            どの時代も必ずある宗教問題。
            そのバックグラウンドを理解しておくことは、国際社会に生きる個人として、大切なことだと
            思います。
            難しくなりがちなこの問題を、全く知識のない人でも理解できるように、易しく説明してくれます。  

お勧め度 ★★★★★

 


『妖しいクレヨン箱』

    あらすじ・・・・ショートショートの名手、阿刀田高氏のショートショート35編。
            人生のワンショットから滲み出る喜怒哀楽のしたたりを、様々な色彩に染めて書いて分けて
            深い衝撃を与えます。
            また著者は、ブラックストーリーの書き手としても、卓抜した手腕を持っています。

    感想・・・・・・・この著者は、一風変わった作品を書きます。
            すべてが短話であるために、非常に読みやすくなっています。
            少しほんわかした、不思議なストーリーを読みたい人は、手にとってください。  

お勧め度 ★★★☆☆

 


『最後のメッセージ』

    あらすじ・・・・巧みなプロット、しゃれた語り口、意外な結末で読者を異次元に誘う、42編のショートショート
            作品集。

    感想・・・・・・・どこからこんな豊富な発想がでてくるのだろうか?
            と疑問に思わずにはいられないほど、摩訶不思議なストーリーが展開されます。
            時にジーンとし、時にゾッとし、読後に不思議な感覚が残る・・・
            そんな本です。
            忙しい日常の息抜きには最適の一冊です。  

お勧め度 ★★★☆☆

 


『十七歳だった!』

    あらすじ・・・・当時34歳の著者が、自分自身の高校生当時を振り返って、いくつかの出来事を短編でまとめた
            作品。
            基本的に遊び心いっぱいの人です。

    感想・・・・・・・この人の文章は独特です。
            個人的に好き嫌いが分かれるでしょうが、僕は大大大好きです!
            「さくらももこ」さんのような文章が好きな人向きです。
            しかし、内容のおもしろさはさくらさんの比ではありません。
            とにかくユニーク。
            今よりよっぽど純粋だった著者の高校時代の心の動き、行動に、腹の底から笑えます。
            僕は彼の文章を読むと、いつも爆笑してしまいます。
            文章で爆笑させられる・・・これはあまりないことですし、そんな文章が書ける才能に驚かされます。

お勧め度 ★★★★☆

 


『銀座探偵局』

    あらすじ・・・・シティマガジンの編集長が、旧友で銀座ビュウ・ホテル・チェーンの御曹司である「ムウ」
            に強引に探偵業に協力させられる。
            ハードボイルド作品で知られている大沢さんの、もうひとつの魅力を満載した快作。
            5編の短編から成っています。

    感想・・・・・・・この作品は常にハードボイルド、かっこいい登場人物ばかりの大沢作品にあって、ユーモアをふんだんに
            織り込んだ作品。
            独特のテンポの良さに加え、突飛なストーリー設定、ユニークな登場人物などが楽しい作品です。
            最後など半魚人が登場したりと、普段の超現実的なストーリとは違います。
            こういうのもおもしろいのですが、僕としてはやはり新宿鮫等の本格派ハードボイルドの方が
            魅力的に感じます。

お勧め度 ★★★☆☆

 


『燃ゆるとき』

    あらすじ・・・・高杉作品のなかでたまにある実名小説。
            主役は東洋水産の創業者、森和夫さんです。
            築地魚市場の片隅に興した会社が、「マルちゃんの赤いキツネ」で有名な一部上場企業に
            育ちます。
            その道は決して平坦でも順風満帆でもなく、商社の横暴、競合との特許抗争など、厳しい状況が
            相次ぎます。
            バブル期のなかでも決して財テクには走らず、実業のロマンを追求した経営者のすべてを描く小説。

    感想・・・・・・・僕が読んだ数ある高杉作品の中でも、この作品は感動的です。
            いつもながらに主人公の行動の素晴らしさに感動しますが、高杉作品の感動の根底にあるものは、
            これが豊富な取材に基づいた実話だということです。
            こんな世の中にも、こんな素晴らしい人がいたのだ!
            この感動が、僕達の心を熱くします。
            文句なしの一級作品。
            サラリーマン、経営者、大学生を問わず、前途ある志ある人には是非とも一読を薦めたい名著です。

 お勧め度 ★★★★★

 


『新選組血風録』

    あらすじ・・・・テレビ化されたこともある、司馬さんの新選組に関する短編集。
            短編といっても、15編625ページもあります。
            悲恋に涙する沖田総司、隊士の心を妖しくときめかす前髪の美剣士、薩摩の間者富山弥兵衛、
            幕末の大動乱期、剣に生き剣に死んでいった新選組隊士1人1人の哀歓、生死の形を冴え冴えと
            浮き彫りにした作品です。

    感想・・・・・・・新選組といえば「池田屋事件」ばかりがクローズアップされますが、本来の新選組の魅力は、
            彼らの日常生活の中にあります。
            「誠」の一字に生死を賭け、剣によってのみ自己表現した剣客集団。
            すべての隊士が素晴らしい人間ばかりではなく、その中には打算も欲望も渦巻いています。
            そういう隊士一人一人の人生の一端に、触れることができる作品です。
            ほとんどの短編が無名の剣士の話だったので、僕も新鮮な気持ちで読み進めることができました。

 お勧め度 ★★★★☆

 


『英雄たちのバラード』

    あらすじ・・・・自らの内に燃えたぎる理想を次々と実現していった男、ロバート・ケネディ、アラブの誇りを武器に
            無血クーデターに成功、過激な指導者として君臨するリビアのカダフィ大佐、猫の目のように変わる
            国際情勢を背景に、美しくも壮烈に歴史を生きる男達の姿をあざやかに描いた入魂のドキュメンタリー
            小説集。

    感想・・・・・・・この作品は、4編の短編、つまり4人の実在人物をクローズアップして書かれています。
            最初に登場するロバート・ケネディ。
            落合氏の中では彼との出会いがよほど強烈だったらしく、彼についてはよく文章を書いているので
            そんなに新鮮ではありませんでした。
            一番良かったのは、3編目に登場するエジプト首相サダトの話です。
            アラブ世界とイスラエルに平和をもたらすために命がけ・名誉を賭けて行動したサダト。
            そして4編目に登場する、行き過ぎた愛国主義者のカダフィ。
            この2編の迫力は相当なものがあります。
            熱いドキュメンタリーです。

 お勧め度 ★★★★☆

 


『坂本龍馬・男の魅力』

    あらすじ・・・・高知市生まれの著者が、坂本龍馬の思考・行動・人生について、数々の龍馬の書簡を交えて
            鮮やかに描き出す一冊。

    感想・・・・・・・正直、期待して購入した割にはいまいちでした。
            書簡も歴史に忠実に原書書きで掲載しているのですが、現代訳がほとんどないため、
            今ひとつ内容が伝わってきません。
            読んでいると眠気を誘う本です。

 お勧め度 ★☆☆☆☆

 


『まる子だった』

    あらすじ・・・・「ちびまる子ちゃん」の原作者として有名な「さくらももこ」さんが、自身の小学生時代の
            出来事を独特の書き回しで綴ったエッセイ。

    感想・・・・・・・おもしろい!といえばおもしろいのですが、熱くなるおもしろさではありません。
            悪くいえばばかばかしさを感じるような内容ですが、作者の人柄がよく出ています。
            読後、特に得るものはないのですが、読んで愉快になる本だと思います。

 お勧め度 ★★★☆☆

 


『野獣駆けろ』

    あらすじ・・・・六本木の遊び人であり、傭兵の経験を生かしたノンフィクション作家である高松圭介
            が、社会派の大物作家のボディガードを依頼される。
            相手はプロの殺し屋を雇っていて、圭介はその殺し屋と対決することになる。
            洒落た会話と戦闘シーンの迫力、そして意外な真相・・・
            人気ハードボイルド作家の息もつがせぬ傑作長編。

    感想・・・・・・・大沢氏の作品は、似たような設定や展開があるのですが、毎回毎回作品に夢中になって
            しまいます。
            とにかくかっこいい男達が登場します。
            ハードボイルド、この僕の人生で出会ったことのない人種の生き方とセリフが、たまらなく
            かっこいいのです!
            作品中盤から終盤にかけてヒートアップしていく文章はさすがです。

 お勧め度 ★★★★☆

 


『生命燃ゆ』

    あらすじ・・・・昭栄化学工業という企業を舞台に、45歳で逝った技術者の、最後の美しい完全燃焼を感動的に
            描く長編経済小説。
            これまた実在の人物のモデル小説であり、昭和電工の大分石油コンビナートの建設に文字通り
            生命を賭けた垣下怜という人物がモデルです。

    感想・・・・・・・主人公柿崎の常に全力・目一杯の生き様には、強く胸を打たれます。
            こんなに一途に生きることは、今の世の中のほとんどの人にはできていないでしょう。
            別に特殊な仕事をしていなくても、平凡なサラリーマン人生の中で、これほど熱く生きることが
            できるのです。
            亡くなる最後の時に柿崎は声を振り絞るようにして言います。
            「俺は、どんな、ことでも、つねに全力で、やって、きた。
             だから、未練はあるが、悔いはない。」
            普通の人間が口にすれば、強がりか思い上がりのようにも響くこの言葉も、柿崎の生き様に裏打ち
            されると輝きを帯びます。
            偉大な生き方の一つの見本だと思います。

 お勧め度 ★★★★☆

 


『だから私は嫌われる』

    あらすじ・・・・一世を風靡したビートたけしのエッセイ。
            お笑いという立場上、普段はあまり話さない内容について、たけしさん自身が自分の言葉で
            様々な考えを語っています。

    感想・・・・・・・僕は最近のビートたけしは好きではありません。
            おもしろいと思えないからです。
            ですが、頭のいい人だということは本書を読めばわかります。
            本人は「毒舌」と考えているようですが、本の内容は至極まっとうなことを言っています。
            僕達の一世代前の日本を知っている人として、たけしさんは雄弁に語っています。
            基本的には国を憂い、日本人を憂うような内容です。
            何かの道で一流になった人というものは、生き方・考え方についてもしっかりとしたものを
            持っているんだなぁ・・・と感じました。

 お勧め度 ★★★★★

 


『人事権!』

    あらすじ・・・・人事の決定権を握る会長の逆鱗に触れたとき、当人はもとより社内は一瞬にして緊張が高まった。
            人事権!
            生殺与奪の宝刀をめぐる大企業の修羅場をリアルに描いた作品。

    感想・・・・・・・他の高杉氏の作品と比べ、この本は読後に感想があまり残りませんでした。
            おもしろくないわけではないのですが、自分から距離の遠い話だからでしょうか。
            企業の上層部の争いという感じで、大変だなぁ、とは思いました。

 お勧め度 ★★☆☆☆

 


『五体不満足』

    あらすじ・・・・知らない人はいないでしょう乙武君の書いた本です。
            幼児期から早稲田大学時代までの話を順序だてて書いています。
            本人の素晴らしさとともに、彼を囲む人々の素晴らしさに出会うことができる本です。

    感想・・・・・・・彼のしてきたことは、素晴らしいです。
            彼の考え方も、尊敬に値します。
            それでもこの本は本人の自慢話のような感じがして、少し鼻につくのも確かです。
            この本を読めばわかりますが、障害者を心まで障害者にしてしまうのは、周囲の人間です。
            乙武君の両親を含めた友人達の彼への接し方には学ばされることが多く、彼が彼になれたのは
            そういった周囲の力が大きいのではないかと思います。
            五体不満足・・・その彼がこれほど前向きに生きていることから考えると、五体満足の自分の
            甘さが嫌になったりしてしまいます。

 お勧め度 ★★★☆☆

 


『これからの勝ち組・負け組』

    あらすじ・・・・ジャーナリスト落合氏が、逆風の時代に成功する条件について熱弁をふるいます。
            彼はダイナミックに予測します。
            日本の失業率は数字のトリックであり、若者の失業率が20%を越える日が来る。
            21世紀には勝ち組と負け組の格差が広がる。
            その時代に勝ち抜くために、「出る杭になれ!」「野心を持て!」と氏は言います。

    感想・・・・・・・落合氏の予測するような状況になるかといえば懐疑的にならざるをえませんが、勝ち組と負け組
            の格差が広がること、日本の経済はますます厳しくなっていくこと、この2つは間違いありません。
            8割が中流階級という温室のなかで暮らしてきた日本は、これから厳しい淘汰の時代に入ります。
            その中で年金も全くあてにならないだろう将来、勝ち組に入るために必要なこととはなんなのか。
            落合氏の考えに賛同できるかどうかは別にして、現代を生きる日本人、特に企業人であれば
            読む価値のある本です。

 お勧め度 ★★★★☆