PATAGONIA bicycle touring report.  Vol.U

"Carretera Austral " 第六話

* 1000ペソ≒204円 (2001年当時)

2001年1月8日 チャイテン〜ラゴ エルチョ

 朝、荷をまとめてから朝食。コーヒーはしっかり2杯、パンも3つ食べた。今は青空ものぞく天気、出発の前に用事を済まそうと町へ出る。しかしなかなか針金が置いてある店が無く最後に銀行の奥にある店に辿り着いた。客が多くなかなか順番が回ってきそうに無いので宿の支払いを済ませに戻る。朝食付で4000ペソは安い。出発。
 先にワイン、缶詰、エンパナーダ(ミートパイの様なもの、うまい!)等買い最後に金物屋に戻る。またかなり待ってから太目の針金を1m程とスペイン語で"Abrazaderas"と呼ばれる多分蛇口とホースをつなぐ金具(金属製ストラップ?とりあえずキャリアはこれで補強した)を買う。しめて350ペソ。
 町を出るのに少々迷ったが冷静に地図を見て何とか抜け出す。すると昨日町で見かけたアップハンドルのド派手で妙な自転車が持ち主と供にいた。じいさんで国籍不明、帽子はバッチ、服はワッペンだらけでズボン迷彩と怪しい。一緒に走りたくねーなと思っていたらチャオ!とどこかへ消えていった。ほっ。
 町から約10Kmは新しい舗装路であった。ちょっとショック。その後のダートも平坦で路面も水たまりの穴は多いけどまあ走り易い。やがて雨になる。アマリージョ"Amarillo"にはキャンプ場、商店あり。温泉はさらに6Km山の中である。教会の軒でエンパナーダを食べる。教会は木造でこの辺り独特のうろこ状の壁である。
 雨は激しくなり黙々と走る。湖が見えてくる。エルチョ湖"Lago Yelcho"だ。橋がありその下に雨をしのげるスペースがあったけど7Km先にキャンプ場があるので行ってみることにした。キャンプ場の入り口が2つあるが結局同じ所、バックパッカーが一組いたので料金を聞くと7000ペソと言う。高い!彼らは泊まらないようだ。しかし他に行く所も無いのでここに泊まることにする。レセプションは隣接のホテルで豪華だが静かで落ち着いた雰囲気、パタゴニアの森の中にこんな立派なホテルがあるとは驚きだ。高いはずだよ。
 サイトは広く屋根とベンチ、薪も豊富で電灯まである。火を熾して濡れ物を乾かしテントは張らず軒下にブルーシートを敷きその上にシュラフを広げる。寛げそうなのでホテルのレストランでワインを買う。Concha y Toroの白で2500ペソ。バーテンがコルクを空けてサルー!と言って渡してくれる(サルー!Salud!とは乾杯の意)。しとしとと降り続く雨音を肴にゆっくりと飲み11時頃就寝。

走行DATA D 57.78km T 4.12.41 A 13.7km/h Max 40.8km/h


アマリージョの教会で休憩


しっとりと雨に濡れた路面を行く


キャンプ風景

2001年1月9日 ラゴ エルチョ〜ヴィリャ サンタルシア

 朝も雨は降り続いている。アウストラル街道の天気には何の期待もしていないつもりだが…でも出来ることなら出発とテントを張る時だけは止んでほしい。しかしこの高いキャンプ場に連泊することは出来ないので出発だ。キャンプ場の掃除をしていた人にここから先のことを聞くと次のヴィジャ サンタルシア"Villa Santa Lucia"には宿があるらしい。スーパーはないとのことだが、まあ行ってみよう。
 日本から持参したモンベルのオーバーグローブは初めこそ雨を良くはじいていたが結局中まで濡れてしまった。多分雨でなく雪用だったのだろう。
アグアミネラール"Agua Mineral"と言う地名は町ではなく登山口のようだ。そこを過ぎると道は上りになる。しばらく走ったが下りにならない所を見るとどうやら本格的に山越えするらしい。ジャケットの中は汗&雨でグショグショ 、こうなるとゴアテックスでも無理だ。朝飯の手を抜いたせいか腹に力が入らない。しかしこの雨の中で休む所など何処にも無い。
 沢を回りこむ橋の上で自転車を止めクッキーを数枚かじる。峠には小さな鉄塔があった。ここからは長い下り。寒い、本当に夏か?足の指先が痛い。真夏の凍傷?シャレにならんぞ!
 やがて平野部が見え町がある。が、ここから路面が波打ち車体が暴れサイドバックに括っていたペットボトルが落ちる。慎重に慎重に。とりあえずバス停に逃げ込む。ここはアルゼンチン側から下ってきた道が合流する分岐点の町で軍の施設がある。バス停のすぐ前の学校のような建物の敷地に"CAMPING"の看板があるが誰もいない。町には数軒の商店と2軒の宿があるが人が居ていい匂いのするほうへ行く。でなんとなく飯付きで泊まることにする。多分8000ペソ。自転車を倉庫に入れて部屋で着替える。しばらくするとお呼びが掛かり台所で食事を宿のおかみさんとお婆さんと一緒に頂く。ジャガイモの入ったうまいスープとパン。年代物の白黒TVを眺めながら極基本的な会話のみ。


泊まった宿の前で

 彼女らの2皿目は茹でたジャガイモだが僕にはカレー味のエンパナーダが2つ出た。2つとも食べコーヒーを飲む。やがて子供と親父が戻ってくる。シャワーを借りると子供が洗濯中。悪いね、よけてもらう。水量はしょぼいが熱くてサイコー。
 その後町を一回りしたがここは酒類は売っていないようだ。宿に戻ると2台の自転車が止まっている。2人とも身長180cm以上の長身カップルでオランダ人。アルゼンチン側から来てプエルトアイセン"Puerto Aisen"からチロエ"Chiloe"に渡るそうだ。パンを3つ買って出て行った。
 6時過ぎ、ようやく太陽が姿を見せる。婆さんはテーブルでパンをこね。宿の子は手作りのバギー車を押して遊んでいる。近所の子も大きなMTBに乗ってそこらをグルグル。宿の前にはトラックやバスが時々止まり少し休憩してまた旅立っていく。トイレの使用にお金を取っているようだ。
 午後8時を回っても夕食の声は無くもう寝るかと思い始めた9時過ぎにノックがある。ドアを開けるとおかみさんが食べる仕草をする。やった!夕食だ。熱いスープが用意され焼きたてのパンもある。なんか涙が出そうになるくらい嬉しい。さらにパスタとジャガイモが2つも付いた。食べ終わり紅茶を飲んでいると親父と子供も食事を始める。一般家庭の夕食ってこんなに遅い時間なんだ。へえ。
 満腹で就寝。

走行DATA D 25.61km T 2.19.06 A 11.0km/h Max 38.2km/h

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