【田んぼとお米の秘密】

■毎日あたり前の様に食べているお米。なぜ毎日食べていても飽きないのでしょう? お米は主食として、そしてお餅やこうじ、お酒など様々に姿を変え私たちの生活を支えています。 ここでは米作り体験をキッカケにして、そんなお米を育む田んぼのシステムと、お米(稲)のパワーを調べて行きたいと思います。

■日本人の誰もが、無我夢中でザリガニを捕った思い出や、田んぼと米作りのある風景を心に留めているのではないでしょうか。 それは田んぼが私たちの暮らしだけでなく、心の支えになっているということだと思います。 田んぼは自然の産物ではありません。なのに自然の一部の様に見え、更に機能しています。 人間と自然が共存するための掛け橋と言えます。 残念ながら、町田周辺での田んぼ(米作り)は減少しています。それだけに、今一度見つめておきたいのです。


驚異の田んぼシステム
(1)田んぼのあらまし

・河川などから引き込まれた「灌漑(かんがい)用水」は、十分に田んぼをみたしてくれます。 肥よくとは言えない日本の土壌でも毎年収穫できるのは、この用水が山からの豊富な養分を絶えず田んぼに運び込んでくれているからです。 田んぼの図(1)

・「底面の鋤床層(すきどこそう)」と「畦(あぜ)」が入れ物となって、用水を蓄えます。 常に水を蓄えることにより、土が酸性から耕作に好ましい中性に改質されたり、有害生物の酸欠による除去、養分の補給が効率的に行われています。 田んぼの図(2)

(2)環境や暮らしを支える田んぼ

・田んぼの底面、鋤床層には少しずつ水が浸透しています。それはやがてろ過されて、きれいな水を地下へしみ出します。 この地下水は、飲み水になったり私たちが暮らしている地盤を支えてくれます。 そして田んぼは、その地下水を一定の量に保ち安定させる働きや、降雨時の治水にも一役買っているのです。

 田んぼ(1)  田んぼ(2)  田んぼ(3)

・日本は山地が多く傾斜のきつい土地が多いので、降水量が多い場合には、土砂崩れや洪水などの災害に結びついたり、結果として 表土(養分や水分を保ち耕作に適している土)が流失しやすいと言えます。田んぼは雨が降るとその水を一時的に貯めて、 徐々に流す働きがあるので、防災効果、表土流出の防止に威力を発揮します。えらいですねぇ。

・田んぼや用水路は様々な
小動物たちの命を育んでいます。

 ドジョウ  ニホンザリガニ  オタマジャクシ

怒涛のお米(稲)パワー
(3)日本と稲は相性ピッタリ

・世界中の人々は何らかの穀物を主食としていますが、ご存知の通り日本ではお米(稲)が主食として広く耕作されています。 なぜ、日本ではお米が定着したのでしょうか? 日本の田んぼ

その1. お米は収量が多く、狭い耕地でもたくさんの人々が食べて行ける極めて生産性の高い穀物 であると言えます。ですから、昔から人口密度の高い日本に適していたのです。同じ作付け面積あたりのお米の収量を10割とすると 小麦の収量は概ね7割となります。

その2. 畑で育てる種類もあるそうですが、普通のお米(稲)は水の中で育てます。 日本は多くの雨が降り、豊かな水に恵まれています。また、お米の育成に必要な暑さも備えています。気候が適しているのですね。

(4)稲の特徴

・稲の特徴は水の中で育てられることです。日本の気候に適しているのも、高い収量を達成できるのも、全てはこの特徴によります。

その1. 他の作物も水の中で育てられないものでしょうか?そうすれば収量を増やせるのでは? でも、答えはNoです。普通の植物は根に空気があたらないと枯れてしまうのです。稲には根に空気を送り、また根から水を通して蒸発 させる「気孔(きこう)」がたくさんあります。これによって根は枯れず、暑さを利用し水を蒸発させることによって多くの養分を吸収する コトもできるのです。

その2. 高収量は水による養分の吸収だけによるものではありません。 稲は「分けつ(ぶんけつ)」と言って、ひとつの「種籾(たねもみ)」から最大で20本以上にまで増えて行きます。 さらにその1本1本の穂に実を付け、最終的には2000粒ものお米が収穫可能だそうです。 これが小麦であれば2、3本の分けつで100粒程度の収穫となります。

■こうやってお米の特徴を見てきましたが、実は小麦やトウモロコシも稲と同じイネ科で、 お米に「糯米(もちごめ)」と「粳米(うるちまい)」がある様に、アワやヒエ、トウモロコシなどにも「もち」と「うるち」がある のだそうです。ちなみに「糯」はお餅の「餅」とは違います。