ヤミ語

自称:tau(人)

人口:3000

蘭嶼島の6つの部落(紅頭、漁人、椰油、東清、野銀、朗島)に居住する。
方言差異は小さい。ヤミ語を理解する子供は少ないという。
言語の通称として、旧称のヤミをここでは用いる。

子音:p/b/m/v/t/n/l/r/d[D]/s[S]/z[Z]/c[tsj]/j[dzj]/k/g/ng/h/'/w/y[j]の20種類。

母音:i/e/a/uの4種類。

アクセントは最後の音節に置かれる。


接辞は以下の通り。

ma- 名詞の動詞、形容詞化
mang- 名詞の動詞化
mi- 〜を作る
i- 〜の人
maka- 名詞の動詞化

-um- 名詞の動詞化

-an 動詞の名詞化
-en 動詞の名詞化

ka-...-en 〜のある場所

形容詞の重ね型は強調を表す。

pia 良い pipia とてもよい

名詞の重ね型は複数を表す。末子音は脱落する。

tukun 山 tukutukun 山々

動詞の重ね型は名詞化を表す。

patuk 叩く papatuk 槌

数詞の重ね型は人数を表す。

duwa 2 daduwa 二人 teylu 3 tateylu 三人


一般名詞の主格はuを前置する。

Mapazaku u wawa.
満潮する が 海

属格はnuを前置する。中心語の後に置く。

Tumanang u anak nu kawalan umlavi.
登る が 子供 の 竹 泣く (竹の子供が登って泣く)

位置格はduを前置する。

Umusuk du kazatayan u anak nu vatu.
下がる へ 平地 が 子供 の 石 (石の子供が平地へ降りる)

目的格はsuを前置する。

Miyanak su tau u vatu.
産む を 人 が 石 (石が人を産む)


人名名詞の主格はsiを前置する。目的格は主格と同形。

Umlavi si Mapay.
泣いている が マパイ (マパイが泣いている)

属格はniを前置する。

Ayub ni Manluk.
服 の マンルク

位置格はjiを前置する。

Yapiya tau u yanimangay ji Manluk.
美しい 人 が 行く へ マンルク (マンルクの所へ美しい人が来た)


2.代名詞

人称代名詞は以下の通り。目的格は主格と同形。

私が yaken/ku  私の ku  私の所へ jaken
自分達が yamen/namen  自分達の namen  自分達の所へ jamen ※聞き手を含まない
私達が yaten/ta  私達の ta  私達の所へ jaten
君が imu/ka  君の mu  君の所へ jimu
君達が inyu/kamu 君達の niyu 君達の所へ jiniyu
彼が siya  彼の na 彼の所へ jiya
彼らが siza  彼らの da  彼らの所へ jiza

Mangay ku du Izara.
行く 私が へ 蘭嶼島

Magna zana yamen su zaku a amung.
釣る もう 自分達が を 大きい な 魚 (自分達はもう大きな魚を釣った)

U anak na tatey lu mangay mahap su muhamuha na jit Anasay.
が 子供 の 3 人 行く 取る を 作物 彼の へ 火焼島 (彼の3人の子供が火焼島へ作物を取りに行った)

Mangay namen jiniyu.
行く 自分達が 君の所へ


指示代名詞にはya(これ)、uyitu(それ)、siya(あれ)がある。

Avwa ya.
ビンロウ これ (これはビンロウだ)


疑問代名詞は以下の通り。多くは文頭に置かれる。

sina(誰)
inimagung(どう)、da'inimagung(なぜ)、ajinja(どこ)、anukangu(いつ−過去)、simangu(いつ−未来)、
ikungngu(なに)、pira(いくら)

Ajinja u kanganangana ku?
どこ が 友達 私の (私の友達はどこだ?)

Ikungngu ya?
なに これ


3.数詞

asa(1)、duwa(2)、teylu(3)、apat(4)、lima(5)、anem(6)、pitu(7)、wawu(8)、siam(9)、puhu(10)

回数を表すにはika-を前置する。
ika duwa(2回)

また、10〜19は次のように表される。
asa u ika duwa
1 が 回 2 (2回目の1=11)

20〜60は基数詞にngangazanan(10倍)を後置して表される。
duwa ngangazanan (20)、anem ngangazanan (60)

100〜900は基数詞にpuhu(10)を後置して表される。
asa puhu (100)

1000〜9000は基数詞にzanaw(1000)を後置する。
asa zanaw (1000)

umrivu (10000)

数詞の前にmaka-を前置すると、序数となる。
maka anem (第6)、maka pitu (第7)

数詞は一般に中心語の前に置かれ、kaが後置される。

Masari siza su asa ka mangataw.
見つける 彼らが を 1 の 小島 (彼らは1つの小島を見つける)


4.形容詞の多くはma-を前置する。

mavaeng 黒い、makupad 苦い、mazahet 悪い、maatnaw 清い、maahen 寒い、makeykayi 早い、
matava 太っている、maabsuy 満腹する、masazay 楽しい、mapuru 粗い、mapayit 塩辛い、maganinam 甘い

形容詞は中心語の前に置かれ、aが後置される。

Mangay zana siza du vahay da ji Kavucidan, tangtangen su macigrang a vahalang, tangtangen su mehmehma a perak.
行く もう 彼らは へ 家 彼らの へ カブチダン 叩く を 硬い な 鉄 叩く を 軟らかい な 銀
(彼らはもう彼らの家カブチダンへ行き、硬い鉄を叩き、軟らかい銀を叩いている)


5.動詞

現在(将来)形は語幹にma-を前置するか、CumV-という形を取る。

Maahap ku su panay. (ahap 取る)
取る 私が を 茶碗 (私が茶碗を取る)

Tumanang u anak nu kawalan umlavi. (tanang 登る)
登る が 子供 の 竹 泣く (竹の子供が登って泣く)


過去形は現在形にni-を前置する。

Ni maahap ku su panay.
した 取る 私が を 茶碗 (私が茶碗を取った)


受動態は語幹に-enを後置する。

Ahapen ku u payay.
取られる 私 が 茶碗 (茶碗は私に取られた)


命令形は語幹そのままか、-enを後置する。

Inum! 飲め! Kan! 食べろ!
Ahapen! 持て! Citaen! 見ろ!


6.副詞

否定副詞は以下の通り。

ji(しない)

Ji siza nawud.
しない 彼らは 繁殖する (彼らは人口が増えない)


yabu(〜がない)は、多くはnuを後置する。

Yabu nu kanem nu tau, zungsung marakat zana u tau.
ない の 食べ物 の 人 全て 死ぬ もう が 人 (食べ物はなく、人はみな死んでいる)


beken(〜ではない)は、aを後置する。
Beken a yaken.
ではない な 私 (私ではない)


程度副詞は以下の通り。

pa(まだ)は中心語に後置する。

Yabu pa nu apuy siza nukanunang.
ない まだ の 火 彼らが あの時 (あの時かれらはまだ火を持たなかった)


zungsung(全て)は中心語に前置する。

Zungsung marakat zana u tau.
全て 死ぬ もう が 人 (人はみな死んでいる)


時間副詞は以下の通り。

Mangsaw zana siza.
嫌になる もう 彼らが (彼らはもう嫌になっている)


tu(突然)は動詞の前に置かれる。

Tu siya macita su kazam du ingatu.
突然 彼らが 見る を 鼠 へ 上 (彼らは突然上にいる鼠を見る)


7.接続詞

kanu(と)

U kuyis kanu kagling kanu manuk kanu kazam zungsung marakat zana.
が 豚 と 羊 と 鶏 と 鼠 全て 死ぬ もう


ta(〜のために)、su(従って)

Ta mazazaten siza, su zana nimaviyay ikakateyluwan da.
ために 邪悪だ 彼らが だから まだ 生きている 30人 彼らの 
(彼らは邪悪であるために、30人だけがまだ生きている)


8.助詞

格助詞 u/nu/du/su/si/ni/ji

結合助詞 a/u/ka/nu

感嘆詞は以下の通り。

am(〜である)

Mangsaw zana siza am, mikala sira su pivahayan da.
嫌になる もう 彼ら である 探す 彼らが を 居住地 彼らの 
(彼らはもう嫌になったので居住地を探している)


ya(〜か?)

Yaten ikungngu ya, ji nawud?
私達の 何 か しない 繁殖 (私達はどうして、人口が増えないのか?)


複文の例

Umusuk du kazatayan u anak nu vatu, tumanang u anak nu kawalan umlavi.
下りる へ 平地 が 子供 の石 登る が 子供 の 竹 泣く 
(石の子供は平地へ下り、竹の子供は高地へ登って泣いた)

Amiyan zana du tahed nu ili da am, sumawuy zana siza.
到る もう へ 境 の 村 彼らの である 逃げる もう 彼らは 
(海水が村の境に到ったとき、彼らはもう逃げていた)

Anu makasazi siza su kanekanen da du keysakan am, sazay siza kawuli da ya du arcip.
もし 会う 彼らが を 食物 彼らの で 磯 である 喜ぶ 彼らが 戻る 彼らの この へ 洞穴
(もし彼らが磯で食料を見つけるならば、喜んでこの彼らの洞穴へ戻るだろう)

Ta miangay u ngepen da, ji miangay u katawutawu da, su pancian ya "kazam a amung".
だから 同じ が 歯 彼らの ない 同じ が 体 彼らの だから 呼ぶ この 鼠 の 魚
(彼らは歯が同じで体が違うので、これを鼠魚と呼ぶ)


以上