『フランス10日間徒然日記』 2000年5月20日(土)記

  
第1号
 
1日目の1―――海を越えて山越えて、クレーターも越えてフランスへGo! の巻
  
2000.7.21 発行
  
 出発

 午前5時35分起床。前夜寝たのが午前3時にもかかわらず、一発で目が覚めた。さすが旅行。

 外は雨が降っている。TVで天気予報を見たら、なんとこの雨は台風の影響によるものだった。
 おいおい、まだ5月だぞ? 飛行機、飛ぶんだろうな? と一瞬びびる。
 さいわい、台風はまだかなり遠くにいるようで、飛行機の欠航などはないようだった。

 6時40分、自宅を出る。
 今回はなにしろ10日間の旅行だ。スーツケースは手持ちの中で一番でかいのを持って行くことにした。
 ま、ホテルは8日間同じところに泊まる予定だし、じゃまにならんだろう。
わたしが使う駅(国内)の昇りの階段は、ほとんどエスカレーターがついているし。持ち運びで苦労するのはほんのちょっとさ、とこの時は考えていた。

 今日は土曜日なので、電車は空いていると思ったのだが、実際にはけっこう通学途中の学生で混んでいた。それでも途中でどうにか座り、8時45分頃成田空港第2ターミナル駅到着。
 行きの飛行機は11時25分発なので、かなり余裕がある。うん、これならどこかでのんびり一服(コーヒーで)できるな。

 そしてすぐに出発ロビーに行ったのだけど、どういうわけかどこもかしこも人・ヒト・ひと。めっちゃ鬼ゴミ(非常に混雑している)状態だった。
 Why? ゴールデン・ウィークも終わったというのに。何なんだ、この混雑ぶりは。

 ロビーを移動しながら観察すると、どこの航空会社カウンターでも、スーツケースのX線検査に並ぶ人々は長蛇の列だった。きっと、長い時間待ち続けているのだろう。みんなうんざりした顔で、自分の順番がくるのを待っている。
 げげ、わたしもこの列に並ばなきゃいけないのか? 一抹の不安がよぎる。

 予定どおり、JALのカウンター前で連れの銀(ぎん)と無事合流。
 さしてきた傘を片付けたりした後、さっそくチェック・インの手続きを澄ませることにする。
 さいわい、ちょうど列に並ぶ人がとぎれたようで、比較的時間がかからずスーツケースのX線検査は終わったが、今度はチェックインのために並ぶカウンターが、これまた大混雑状態だった。

 ひゃー、こんなに混みあってる成田は初めてだよ。
 前回のソウルの時は、あまりの空き空き具合に寂しさすら覚えたほどだったけど、こんなに混んでるのはちょっと勘弁してほしいくらいだ。

 とりあえずカウンターに並ぼうと思ったのだが・・・はて、どのカウンターに並ぶんだろう?

 実は、旅行会社のツアーを使わずに海外旅行に行くのは、わたしは今回で2度目。銀は初めてである。
 わたしは前回のソウル旅行がそうだったわけなんだけど、ソウルへは成田から1日1便しか飛んでいないアシアナ航空を使ったので、どのカウンターに並べばいいのか、なんて疑問は必要なかった。

 しかし、JALは日本のフラッグ・キャリア。カウンターはたくさんある。
 むう・・・どこに並べばいいんだ?
 ツアーなら、何番のカウンターに並んでくださいって指示があるけど。

 こんな所で悩んで足を止めていても仕方がないので近くにいた係員のひとに訊いたら、「どこのカウンターでもいいですよー」とのことだった。ふうん、そういうものなのか。知らんかった。
※Attention! ちはるは国内線にもほとんど乗ったことがないのです)

 たいした違いはないみたいだったけど、それでもできるだけ空いていそうなカウンターを見つけて並ぶ。本当にどの列にもすごい数の人が並んでいる。
 自分たちもこんな時期に休みをとっているわけだから、人のことはあれこれいえないのだけど、みんな、こんな5月の終わりなんていう時期にどこに行くんだろう?

 銀が、「やっぱり今頃はいい季節だもん」と言う。なるほど。5月に海外旅行に行くのは初めてのわたしには、この混雑は意外なものだった。

 成田からパリまでは、直行便でだいたい12時間半かかる。トイレに行ったりする時の出入りの便利さを優先して、席は中央4列の端っこ2席を所望する。機内が空いていれば、窓際の席に移動すればいい、と銀。確かに。

 チェック・イン無事終了。この時点で時刻は9時45分。空港についてからすでに1時間が経過している。
 あー、ようやっとチェック・インが終わった。腹減ったから、どこかで軽く食事でもするかー、とのんびり気分でJALカウンターの囲みの中から出たわたしの目に入ったのは、今度は手荷物検査前の大行列だった。

 うっひゃー、なんだこの列の長さは。ここはディズニー・ランドかっ!? 列の終わりが出発ロビーの端の壁までのびて、さらにこっちへ折り返してるじゃんっ!

 ちはる、銀、一瞬絶句する。しかし、この列に並ばんことには出国できん。
 銀がガイドブックを買いたいというので(お前、まだ買ってなかったのかよ・・・)、2階の本屋で買った後、JCBのカウンターでパリの地図(がついている小冊子)をタダでもらい(これがけっこう役に立つ)、列に並んで手荷物検査、出国審査を終え、ようやく免税店が並ぶロビーにたどりついたのは10時20分。

 しかも、銀が円をフランス・フランに両替をしたいというので(お前、いまさら・・・)、やはり混雑している銀行窓口に並んでいたら、あっという間に搭乗開始時刻の5分前、10時50分になってしまった。

 がーん、あんなに早く家を出たのは、空港でのんびり一服したかったからなのにー。何をするにもこんなに時間がかかる出国は本当に初めてだ。
 しかたない、メシは機内食までお預けだ。いっそいで銀とふたり、ゲートに向かう。すでに搭乗は始まっていた。だが、機内はそれほど混んでいない。よかった。
※Attention! あんまり遅く乗ると、手荷物入れがいっぱいになって、荷物が入れられなくて困るのがちはるは嫌いなのです)

 席に着いたら、全席に個人用モニターがついていた。おお便利。個人モニターがついてる飛行機は、博多に行く時乗ったトリプル・セブン以来だ。
 モニターはTVや映画が見られるだけでなく、Windowsにおまけでくっついてくるようなゲームもできるようになっていて、しかもリモコンは肘掛から取り外しできるタイプのものだった。こんな飛行機は初めてだ。
※Attention! いまどきのヨーロッパ線はこういうものらしいです)

 しかし、この着脱可能なリモコン、操作がコンピュータ・チックだったので(項目をカーソルで選択して決定する必要がある)、年配のお客さんたちは扱いがわからず、とても困っていた(もちろん客室乗務員が教えていたが)。
 うーむ、できることが増えたのはありがたいけど、操作性に関しては万人向けではないかも。

 席は混んでいるのかな? と思っていたら、やったらノリと愛想のいい客室乗務員の男性が、「今日は125席ほど席に空きがありますよ」と別の乗客に告げていた。
 そっか、成田空港自体は混んでいるけど、パリ行きの飛行機は空いているんだな。事実、わたしの隣とうしろの席も空席だった。ラッキー(^ ^)。

 飛行機はほぼ定刻どおり離陸。まもなくして飲み物のサービスが始まった。
 ちはるは白ワイン、銀はビールをGet。
 この時はエコノミーにしてはめずらしく、ドリンク・サービスが2度まわってきて(いつもは来ない)、ちはるは赤ワインもGet。おつまみのおかわりもくれた。ありがたや。

 ちなみに行きの機内食は、おやつ(refreshment)を含めて合計3回でる。
(※メニューはこちら!)。

 離陸後1時間半で出た昼食は、ちはる・銀ともに洋食を選択。メインディッシュは若鶏赤ワインソース煮だそうな。その他、スモークサーモンのポテトサラダ添えやらパスタやら。なかなか美味。さすが日系。

機内食(洋食)
これが洋食

 使わなかった塩やこしょう、ドレッシングにバターも全部バッグへ。
 これは単なる貧乏性だけでなく、実益を兼ねている。というのも、今回パリで泊まる予定のホテルは、キッチンがついたアパートホテルなのだが、調味料類はぜんぜん持ってこなかったのだ。実際ここで調達した塩・こしょうはあとで役に立った。

 食事の後、寝ようかな、と思ったのだが、あまり眠くない。ひまにまかせて個人モニターで映画を2本も見る。いずれもまだ見ていなかった「アンドリューNDR114」(原題「Bicentennial Man」=200歳の人?)と「アンナと王様」(原題「Anna and the King」)。いつもは日本語吹き替え版はきらいで見ないんだけど、飛行機の中では楽だった。

 途中、おやつに飲み物とチョコレート・デニッシュ、もしくはおにぎりが配られた。しかし、全然からだを動かしていないのでお腹が空いていない。飲み物だけ飲んで、パンはバッグへ。この地道さが、逆に貧乏(性)から脱出できない原因なんだろうな。

 時々モニターで、機外下方カメラの映像を見る。
 パリへの直航便は、ほとんどずーっとシベリア上空を飛んでいく。たいした景色もなく、草木の一本も生えていない灰色の山や平地が続いていたのだけど、途中で巨大なクレーター(crater)がぼこぼこ口を開けている地域があった。

 なんじゃ、こりゃ? 1万メートル上空からこのでかさで見えるんじゃ、相当大きな隕石が落ちてできたとしか考えられないぞ。しかも、クレーターはひとつだけでなく、どしゃぶり雨の波紋のように、あちらこちらで幾重にも折り重なり、連なっている。
 うーん、これじゃ『X‐FILE』(※アメリカのTV番組)とかでロシアにUFOが降り立ったとか描かれちゃうわけだよ(そんな話、なかったっけ?)。

 現地時間で午後2時過ぎ。ふたたび食事。
 スパゲティー・カルボナーラとサラダ、果物、その他。さすがにお腹が空い
ていたので食べたのだけど、炭水化物摂取により腹がふくれてつらい。うう。

到着前の食事
到着前に出た食事

 この頃になると、下界はのどかな田園や海の風景がひろがるようになった。
太陽の光を反射して、海がきらきらと輝いている。きれい。
 モニターの別画面で航路を確認したら、オランダやデンマークの上空を飛んでいるようだった。そうか、もうそんな遠くまで来たんだな。

 そして午後4時ちょっと過ぎ、飛行機は何気なくシャルル・ド・ゴール[Charles de Gaulle]空港に到着した。しかし、中央の列に座っているわたしたちからは、まだ外の風景はよく見えない。
 だが、ちはる・銀、ついに初ヨーロッパである。

おわり

  
 ● 今回のフランス語 
 
フランス語総括

 はい、初回でいきなり総括です(笑)。
 つまりそれくらい、わたしはフランス語を話しませんでした。

 今回の旅行では、フランス語は銀が担当、わたしは英語を担当しました。
 もちろん、わたしもフランス語を勉強しようかな、とは思っていたのですが、ガイドブックで見たCharles de Gaulle(シャルル・ド・ゴール)空港のつづりを、何の迷いもためらいもなく「チャールズ・デ・ガウレ」と読んだ瞬間、「あ、こりゃだめだ」とあっさりあきらめました(笑)。

 でもやっぱり、フランス語は話せなくても、せめてフランス語のつづりくらいは読めるようにして行けばよかったです。だってそうしないと、駅名すら読めないんですもん。

 駅名が読めないというのは、けっこう不便でした。どういうわけかガイドブックのメトロ路線図も、つづりは載せていてもカタカナで読みは載せてくれていないんです。
 おかげで、メトロの1号線に「Saint Paul」という駅があるのですが、これを読むのにも四苦八苦で、

ちはる:「サン・ポールって読むのかな?」
  銀:「まさか」
(※注:偶然にも日本には「サンポール」という名前のトイレ用洗剤があるのです)
ちはる:「じゃあ、サン・パウロ?」
  銀:「ここはブラジルかいっ(^_^;)」

などというまぬけな会話をしていました(実は「サン・ポール」で正解)。
 まあ、カタカナで表記するのがむずかしいから、仕方ないんでしょうけどねえ。

 いま考えてみると、前回の旅行でソウルをひとり歩きして不安もなく、特に大きく困らなかったのは、やはりいざという時にハングルが読めたからだと思います。
 ん〜、いまさらですが、旅行の前には訪問先の国の言葉は学んでおくべきですね。

 というわけで、フランスではとんどフランス語を話さなかったわたしですが、さすがにあいさつ程度のほんとーに簡単な言葉はいくつか話しました。全部合わせてもたいした数じゃないので下に列挙します。

・Bonjour (ボンジュール:こんにちは)
・Bonsoir (ボンソワール:こんばんは)
・Merci  (メルスィ:ありがとう)
・Pardon (パルドン:すみません)
・Deux cafe´ s'il vous plai^t. 
      (ドゥ カフェ スィルヴプレ:コーヒー2つください)

※「e´」と「i^」はアクセント記号付きの文字という意味です。
※「´」はアクサンテギュといい、「e」のみにつきます。
※「^」はアクサン スィルコンフレックスといい、「a、e、i、o、u」につきます。

 うおおっ! こうしてあらためて書いて気付いたけれど、たった5種類だけなんだ。ひどいもんですねえ。

 その他には、博物館のチケット売場で「コーヒー2つください」を応用して、

・Deux , s'il vous plai^t. (ドゥ スィルヴプレ)

と言っていました。
 言い方として正しいのかどうかは不明ですが、ま、とりあえず通じたし、チケット売場でこう言って、チケット以外のものが出てくることもないでしょう(料金設定の都合上、年令を訊かれることはあるかもしれませんが)。

 ちなみに数字は、アン[un:1]ドゥ[deux:2]トロワ[trois:3]サンク[cinq:5]の4つしか知らずにフランスに行きました(現地でゼロ[zero:0]はすぐに覚えた)。
 1、2、3は常識として、なぜ4を抜かして5を知っているかというと、ルノー・サンク[Renault 5]という車は知っていたからです(笑)。
 ルノー・キャトル[Renault 4]やルノー・ヴァンサンク[Renault 25]だってあるのにね。ばかですね(でも、日本ではキャトルはマイナーだと思う。少なくともわたしは見たことないし)。

 まあ、数字はそれほど知らなくても不便はしませんでした。値札のついていない商品もなかったですし、数字表記は当然アラビア数字だし。
 ただ、自分のホテルの部屋番号くらいは言えたほうがいいかな? わたしは510号室に泊まっていたので、ホテルのフロントで鍵をもらう時に
「Cinq un zero , s'ilvous plai^t」と言いました。でも、それだけです。あとは全部英語で通してしまいました。

 昔はよく、どんなに外国人が困っている時でも、フランス人はフランス語しか話してくれないいう話を聞いたものですが、今回の旅行で感じた限りでは、決してそんなことはなかったです。実際、駅やホテルでは、銀が話したフランス語よりも、わたしが話した英語の方が圧倒的に多かったし、それでいやな顔をされたこともありませんでした(むしろ、こちらがフランス語を話せないとわかると、向こうから「Can you speak English?」と訊いてくることがよくありました)。

 それでもやっぱり、あいさつくらいは覚えていきましょうね。それが礼儀ってもんだと思いますしね。

 ところで、自分で言うのもなんですが、初回で総括して次回はあるのかな?
 ま、何にせよ、次回があったとしてもたいした内容ではないと思います。間違ってもこのコーナーを自分のフランス語学習に役立てようとは思わないでください(笑いものにするのはOKです)。

※このコーナーは不定期です。

 

 ● 今回のおこづかい帳 
 
自宅→成田空港:1,140円
 海外旅行保険:2,680円
  その他雑費:3,800円

小計: 7,620円
合計:16,360円(支払済の空港使用料などの8,740円含む)

 

 ● 編集後記 
 
 はい、出国騒動記&JALリポートでした。
 いま考えてみると、この成田出国でドタバタした時点から、わたしたちの旅行には不吉な影がかかっていたのかもしれません。

 そして次号、いきなりトラブルが起こります。なので、内容がちょっと愚痴っぽいかもしれませんが勘弁してやってくださいね。

 それではまた次号でお会いしましょう。

 


1日目の1――海を越えて山越えて、クレーターも越えてフランスへGo! の巻
1日目の2――ロワッシー → パリ、そは茨の道なり の巻
1日目の3――パリ、ベンツの車窓から の巻
1日目の4――カフェ、その心得(こころえ) の巻
1日目の5――オレンジ色の夜 の巻
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