ビジャンシーコ(Villancico)
「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」
聖夜にこのように歌った天使たちは最初のビジャンシーコの作り手であり、最高の歌い手であった。


  クリスマスの時期に 歌われる大衆的な歌(クリスマス・キャロル)をスペインではビジャンシーコといい、クリスマスが近づくとあちらこちらから聞こえてくるようなります。ビ ジャンシーコ(Villancico)と言う言葉がVillano(村人)から来ているように中世から農民の間でクリスマスに歌われてきました。
    ビジャンシーコは9世紀のスペイン・アンダルシア地方のカブラという小さな町で生まれたと言われています。自然、仕事、家族への愛、恋人や大切な人への思 いや苦しみなど幅広いテーマのものが時期を問わず歌われていましたが、次第にクリスマスの頃に歌われることが多くなっていきました。そして17世紀以降は 聖書の福音に基づいてマリアの受胎告知、イエスの誕生、羊飼いや三博士の礼拝、イエスの誕生、エジプト滞在、イエスの幼年時代のことなど宗教的雰囲気を持 ち、クリスマスの時期だけに歌われるものをビジャンシーコと呼ぶようになりました。

  ビジャンシーコは一 般的に親しみやすく明るい曲調のものが多く、サンボンバ(Zambomba)とパンデレタ(Pandereta)という賑やかなクリスマス独特の楽器が伴 奏を奏でます。長い年月の間にビジャンシーコは優しさと人間味あふれるものとなりました。しかし、単純で遊び心あふれるその歌には、キリストによる贖罪 (イエス・キリストが人類のために十字架にかかり世の罪をあがない、神と人との和解を成就したこと)に関する奥深い内容が秘めらていてます。人々は街で、 食卓で、ベレンのまわりでビジャンシーコを歌いクリスマスを祝います。そして、より層の家族の結びつきを感じるのです。


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