長野県飯島町

*参考資料 『日本城郭体系』

*参考サイト 信玄を捜す旅  城跡巡り備忘録  ちえぞー!城行こまい

飯島本城・城山城(本郷城・飯島町本郷)

*鳥瞰図の作成に際しては、現地案内版の図を参考にした。

 国道153号線を北上し、子生沢川橋を渡って飯島町に入ると、もうそこが城内である。

 城は大きく2つの区画に分かれている。1つは台地下にある城山を中心とした城である。 ここには深い堀によって区画された5つの郭があり、連郭式の城となっている。
 一番先端部が城山であり主郭であると思われるが、そこかから見ると4郭、5郭はかなり高いところにある。末端の郭の方が高位な位置にあるという構造であるが、これは地形なりに仕方のなかったことなのかもしれない。主郭部が低い位置にある、いわゆる「穴城」というやつであろう。

 このうち4郭の中心部を国道が貫いている。国道の東側には土塁状の高まりが見られるが、これは土塁ではなく、削り残された郭の一部である。

 ここから見ると、1,2,3郭はかなり下の方にある。しかし、2郭と3郭との間の堀は見えている。
 1郭との間は一見つながっているように見え、すぐに案内版のところまで、行けそうに見えるのだが実際には1郭の手前には古城窪と呼ばれる、幅30mほどもある堀が横たわっている。近くまで行ってびっくりするほどの堀である。深さも10mほどある。


 この下の城に対して、比高50mほど上の台地縁部にも、城郭遺構が存在する。これが上の城ともいうべき場所で、「本城」と呼ばれている。
 台地上は大規模な耕地整理が行われたようで、遺構のかなりの部分が失われてしまっているのだが、1郭を中心に高い土塁と深い堀が残されている。
 案内版を見ると、この図のような構造であったようで、直線連郭式の下の城山とは異なり、梯郭式の構造となっていた。特に登城の北側の大手方向は二重堀となっていた。

 ところで、この上の城と下の城とはどのような関係にあったものだろうか。普通に考えれば「居住地区」と「詰めの城」とでも見るべきところであるが、どちらの城もかなりの規模があり、それ相応に堅固である。関連した1つの城というよりは、それぞれ独立した別の城のような印象も感じられる。
 いずれにせよ、飯島氏の勢力の大きさを感じさせる城である。


 飯島氏は片桐氏の一族で、現在の飯島町を中心に勢力を誇っていた。武田信玄の伊那侵攻後は、武田氏に従うようになる。
 天正10年(1582)、織田氏による信濃侵攻が行われ、木曾氏、小笠原氏、松岡氏など多くの豪族が寝返る仲、飯島氏は、飯島城に拠って、織田方に抵抗した。『信長公記』には、大島城を陥落させた後の織田軍が、飯島城の攻撃に向かったことが書かれている。
 しかし、織田方の圧倒的な勢力の前には、1豪族に過ぎない飯島氏はたいして抵抗もできなかったのではないだろうか。飯島城は落城し、以後は廃城となったと思われる。

国道153号線によってきり通されてしまった部分。これによって4郭(陣の恒外)の大半は隠滅してしまっている。 4郭から城山方向を見たところ。先端分がかなり低い位置にあるのが分かる。ここからだと城山にすぐに行けそうに見えてしまうが、実際には城山との間には「古城窪」がある。
2郭と3郭との間の堀。かなり埋められているが、端の方は本来の深さを残している。 2郭から見た1郭(城山)間の堀(古城窪)の巨大さはあきれるばかりである。深さ10m、幅は30mほどもあろう。中世城郭でこれほど巨大な堀にはまずお目にかかれない。
城山から2郭を見たところ。城塁は段々になっている。 続いて山上の本城を目指す。本城は詰めの城というよりは、別の城のような気がする。本城は1郭を除き、耕地整理で大半が隠滅しているが、中央部分には堀切跡の窪みが残っている。
1郭の虎口。 1郭の土塁を内部から見たところ。土塁の上は櫓台といってもいいjほどの面積がある。




飯島陣屋(飯島町飯島)

 飯島陣屋は、JR飯田線飯島駅の北西600mほどのところにある。復元された陣屋建築があり、あちこちに案内表示が出ている。陣屋跡の南側には無料の駐車場も完備している。入場料は300円である。


 飯島陣屋は、この地域の幕府直轄領を治めるために、延宝5年(1677)に設置されたものである。陣屋は代官によって支配され、手付や手代といった役人たちが業務をこなしていた。
 支配規模は最初は3,4万石程であったが、最盛期には5万石程もあったというから、ちょっとした大名規模の支配地を持っていたわけである。。ただし幕末には1万5千石ほどになっていた。

 明治維新後は、伊那県庁として、そのまま陣屋が利用された。この頃には32万石程の地域を統括していたという。しかし、明治4年に、松本研に併合されると、飯島陣屋は政庁としての機能を失い、廃止されることとなった。







飯島陣屋の冠木門。 復元された陣屋。


































大竹屋旅館