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お久しぶりの「ふじ丸」


サロン桜
サロン桜の夕暮れ

2002年10月30日(水)に、東京晴海に停泊中のふじ丸を訪ねました。
航海クラブの秋の懇親会があるとのことで、会員以外でも船好きの方ならどうぞ、
とお誘いの通知を渡辺元キャプテンから頂き、両親と私とで申し込んでみたのでした。
何よりも、当日は、渡辺キャプテンと元クルーズコーディネータ大平さんのトークショーがある、
というので、お世話になったお二方に久しぶりにお会いできるのが楽しみでした。
ふじ丸が日本チャータークルーズに移籍してから、乗る機会がなくなったので、
久しぶりにふじ丸船内を見てみたい、という気持ちもありました。

当日の参加者は約200名。航海クラブ会員は140名と聞きましたので、殆どが非会員?
(参加は約250名で、会員が約70名という情報も)
参加費用は8,000円でした(ちょっと高いかな)。

以下に、当日の模様をご紹介します。

16:00-16:20 乗船・受付・ご挨拶

 このところ、晴海には車で行くことが多かったのですが、この日は銀座から晴海ふ頭行きのバスに乗車。久しぶりにバスに乗って驚いたのは、晴海行きが大混雑。途中でどんどん降りるかと思ったら、ホテル浦島の近くまで、つままるところが無い位の混雑ぶりでした。どうやら、晴海通りに面してトリトンスクエアという高層ビルができたためのようです。ここで多くのサラリーマンが下車していました。これから晴海に行くときは気をつけなくちゃ。
 ふじ丸はL岸壁に停泊。船客ターミナルからのボーディングブリッジではなく、岸壁からのタラップで乗船という珍しいケースでした。

 エントランスホールのすぐ上のインフォメーション前で受付。ここで名前の印刷してあるシールをもらえます。これを名札のように服に貼ることになっていましたが、このシールが剥がれ易くてちょっと苦労。他の方も困ってらっしゃる様子で、剥がれ落ちたシールが床などに落ちているのをあちこちで発見。
 受付のすぐそばに、元クルーズコーディネーターの大平さんがいらっしゃったので、今のうちにとご挨拶。私の両親も私も大の大平さんファンです。ファンもかなり多いと思いますが、大平さんは我々の顔もしっかり覚えていてくださり、いつもの笑顔で対応してくださいました。まだ空いていたので、私はちゃっかり大平さんと記念撮影。
 時間がまだあるので上のサロン桜に行こうと階段を上ったところで、今度は今日のもう一人の主役、元船長の渡辺キャプテンに遭遇。いつもの制服ではなく背広姿でしたので、なんだか雰囲気が違って見えました。
 
 懐かしいサロン桜は「ふじ丸」で大好きな場所。久々に入れたのが嬉しくて写真を撮っていると、あちこちに見たような顔がちらほら。何人かとは「お久しぶりです」のご挨拶。まるで同窓会のようでした。MOPASのリピーターやファンが中心という感じでした。
サロン桜
 

16:20-16:50 船内見学!

 事前に、「船内見学をご希望の方はお知らせください」と案内があったのですが、何も申し込まずにいましたところ、どうやら当日、どさくさに紛れて見学ができそうでしたので、船内見学希望者の集合場所に行ってみました。参加者は30名ほど。既に何度も見たふじ丸ではありますが、もうなかなか見られないと思うと、できるだけ色々なものを見ておきたい、と欲が出ます。
 まず最初に行ったところは...いきなりブリッジ。停泊中なので開放してくれたのでしょうか。ちょうど前方の窓から沈む夕日が見えていてとても綺麗でした。
ブリッジから見る夕日 レインボーブリッジ ふじ丸の八点鐘

 次にさまざまなタイプのモデルルームへ。スイート、デラックス、スーペリア、ステートルーム。上のクラスの部屋はこういう機会でないと見られないので私を含め、皆さん夢中でご覧になっていました。それぞれのドアの入り口に、ちゃんと「モデルルーム」というプレートがついていたのには笑ってしまいました。まるで分譲マンションの見学会のようです。
スイートルーム 上のクラスに残る花毛布

 そして「次はどうしましょう...?」と案内係の方。誰かが「エンジンルーム」と言ったのか、案内の方が提案してくださったのか、その場でエンジンルームに行くことが決定しました。このあたりのフットワークの軽さといいますか、手軽に機関室が見られる船のありがたさを感じました(びいなすも頑張って欲しい)。エンジンルームも何度も見た場所ですが、停泊中というのは初めてかも。いつものように、上から主機関を見下ろし、人の背丈よりも大きい予備のプロペラ(もしかしたら就航時からずっと変わらず置いてある?)を見て、熱風と重油の匂いを浴びてきました。
エンジンルーム 予備のプロペラ
 以上、30分ほどの船内見学会でしたが、このコースの中にしっかりブリッジとエンジンルームが入っているところ、さすがMOPASと感心しました。

17:15-18:00 カクテルパーティ・胡弓のコンサート

 カクテルパーティが始まるまで東京湾の夜景などを眺めてぶらぶらしていたのですが、実はこの日、売店もオープンしていたのでした。それに気づいたのが、パーティ会場のラウンジに入る直前(ラウンジ入り口のすぐ前に売店があるのです)。もっと早く気づいていたらふじ丸グッズを買ったのに〜と、ちょっと後悔。
 さて、パーティの会場のラウンジには、ぎっしり椅子が並べられていました。カクテルは3種類。お酒が駄目な私はオレンジジュースを取ろうと思いましたが、ノンアルコールカクテルとして"シンデレラ"が用意されていたので助かりました。
 相席で、9月のにっぽん丸仙台クルーズでお会いした方とご一緒になりました。ますます同窓会の雰囲気です。
 挨拶に出ていらしたのは、渡辺キャプテン、大平さんの他に、天文学者で、元国立天文台館長の村山定男先生。私は一度、「飛鳥」でご一緒したことがあります。なぜここで村山先生が登場されたかというと、1988年3月に小笠原で皆既日食が見られたとき、前の「にっぽん丸」で観測をしよう、と村山先生と渡辺キャプテンが企画をされ、それ以来、お二人は仲良しなのだとか。この時は、直前まで雲に邪魔され、太陽が見えないかとヒヤヒヤしたそうですが、村山先生の指示で船を移動させ、無事に皆既日食を観測できたとか。このときばかりは、船の操縦権を船長でなく天文学者が握ったとのことで、面白い体験だったそうです。

 予定では知らされていませんでしたが、若い中国人女性による胡弓のミニコンサートもありました。この後、ふじ丸は香港クルーズに行くので、その乗船ゲストなのかもしれません。胡弓の演奏を生で聞くのは初めてかも。「草原情歌」「花」などなじみのある曲が多く、心地よい時を過ごしました。
渡辺キャプテン 大平さん 村山定男先生

18:00-18:50 渡辺元キャプテン&大平さんのトークショー(バトル?)

 さて、いよいよ今回の目玉イベント、渡辺キャプテンと大平さんのトークショーです。一体何が話題になるのかと興味津々。お二人とも今は船を離れているせいかリラックスされて、「今だから話せる」話題がバンバン飛び出しました。
 まずは、お二人が初めて出会ったときの印象から。大平さんは「変なおじさん」。渡辺キャプテンも「誰だろう、このオバサン」。そこで大平さんからの反撃が...。お二人の会話は、ここまで言っていいのか?というスレスレのところまで達し、トークショーというよりトークバトルの感が。大平さんの巧みな話術と話題の切り替え、渡辺キャプテンのとぼけた感じのキャラクターがうまくかみ合って、爆笑の連続でした。TVの漫才よりずっと面白く、これを聞けただけでも来た甲斐がありました。
 渡辺キャプテンの思い出話には、世界一周クルーズで行ったマゼラン海峡やイースター島のことや、南アフリカの海岸で拾われたケルプ(笛として持参されていました)のことなど、世界じゅうの話題が出てきました。他にも、日本最東端の南鳥島に行ったときの苦労話〜どこまで行っても低気圧に追いかけられて船は揺れまくり〜が出てきて、こちらは大きくうなずいたり、笑ったり、時間がたつのを忘れるほど話にひきこまれました。こういうお話の記録、何かの形で残るといいのになぁ。
トークショー

19:00-20:30 ビュッフェディナー(食べ物争奪戦!)

 笑ってお腹もすいたところでいよいよディナー。参加費で8千円も払ったので、「しっかり食べていこう」と意気込みは十分。そこに釘をさすかのように、トークショーの最後に大平さんからの注意がありました。「ダイニングに行かれても、全員で乾杯するまではお料理に手をつけないでお待ちください」。なるほど、食べ物を前にすると殺気だってしまう人々を多く見てきましたから、よくわかります。でも、先ほどの挨拶では「航海クラブの会員のみなさんは紳士・淑女です」と仰っていたけれど?

 ダイニングルームの中央には、見事なお造りなど、豪華なお料理が山ほど用意されていました。全員が席について飲み物が渡るまで10分ほどかかったでしょうか。乾杯の前に、航海クラブの方からのご挨拶があり、乾杯の音頭とりは「ふじ丸」の現キャプテン八重樫さんが取りました。なんと、八重樫さんはつい9日前に船長になったばかりのピカピカの一年生だそうです。私は、1988年に船でお世話になって以来、年賀状を出すのみで14年間まったくお会いしていなかったので、ちょっと興奮。あとで挨拶に行こうと決めます。
 
 乾杯が終わると料理が解禁(?)になりました。さすがに走っていく人はいなかったけれど、200人もの人が一度に料理に向かうとすごいものがあります。私は先に八重樫キャプテンにご挨拶。前にお会いしたときは二等航海士でらしたのに、もうキャプテンだなんて時の流れを感じてしまいます。さらに、「にっぽん丸」でお世話になった竹田機関長に声をかけられそこで少しお喋り。そうこうしているうちに、料理はあっという間になくなっていました。本当に、見事に、残っているのは空の容器ばかり。機関長に「料理が全然ないよ」と言いに来た人もいたくらいです(^^;)。

 私はビュッフェスタイルの食事では、人の流れとは逆に先にデザート類を取り、その後で第二弾で登場した料理をゆっくり取ることにしています。ところが今回はケーキ類ですら列(女性ばかり)ができていました。ケーキの多くは切り分けてられていないホール状態でした。つまり、その場で担当の人に「このケーキを何切れください」とお願いして皿に盛ってもらうのです。そのせいか自分の番が来るまでに非常に時間がかかりました。
 さらに私の前の人が凄かった。既にケーキを山盛りにした皿を両手に持っているのに、「マンゴームースとミルクレープを3切れずつください」などと言っている!後ろに人がいるのがわからないのでしょうか。自分で取る分だけにすればいいのに。その食い意地というか迫力に唖然とし、なんだか恐ろしいものを見てしまった気分になりました。
 災難はこれだけではなく、私が食べ物を捜しに行く度に殆どの料理がない状態が続きました。一度は、私の目の前に巻き寿司の詰まった寿司桶が出されたのに、私が手を出す前に四方から四人のおばさんが一斉に箸をのばし、その後は殆ど寿司がなくなった状態に...。唖然。それにしても一瞬の勝負だなぁ。皆さん、紳士・淑女ではなかったの?
 結局、料理は15品ほどありましたが(デザートを除く)、私が目にしたのはそのうちの半分でした。食べられた数ではなく、料理が実際にあるのを確認できたものが半分です。こんなことは初めてで、もうぐったり。同席の人たちと「あれがあった、これはなくなった」と万全の情報交換をしたにも関わらず、です。やっぱりビュッフェスタイルは命がけですね。こういうとき、食べ物がなくならない「飛鳥」だったらいいのになぁ、と思います。
 ちなみに、この日のメニューは以下の通りです。*印がついたものは、一度も見ることなく終わってしまった料理です。

        オードブルの盛り合わせ
       スモークサーモンの飾り盛り
           チーズ各種 *
         刺身の盛り合わせ         (鯛、天然鰤、平貝、鮪、平目)      
       オマール海老のチーズ焼き *
         天麩羅の盛り合わせ    *   (海老、ハゼ、イカ、南瓜、しし唐)      
         帆立貝の照り焼き *
          ブイヤベース  *
         ローストビーフ 
     牛フィレ肉とマッシュルームの煮込み *
     子羊のほうれん草焼き トマトソース *
          サラダバー
       ミックスサンドイッチ *
          若布そば
      細巻き寿司、白ご飯、香の物
         フルーツ各種
         デザート各種      (トロピカルムース、マンゴームース、バナナタルト、洋梨のタルト、
                                   マロンパイ、ブラウニー、ズコット、カフェポワール、ミルクレープ、
                                   シードルゼリー、グレープフルーツパンチ、ショートケーキ他) 
        アイスクリーム各種  (レモンシャーベット、バイン、バニラ、チョコレート)    
          飲料各種        (ウーロン茶、オレンジジュース、コーヒー、紅茶) 
        
料理のお味の方は...今ひとつ、かな。若布そばは味はいいのですが、ぬるくて不評でした。ケーキも見た目よりはあまり。MOPASのコックさんではなくなってしまったのでしょうか。父は「酒がうまい」とお酒ばかり飲んでいました。
 と、散々だった食事でしたが、同じテーブルの方たちとは和やかにお話ができ、大平さんも各テーブルを回ってくださって、楽しい時を過ごすことができました。
ケーキ各種

◆航海クラブとは?
船と船旅を愛する人たちの親睦を目的とし1977年に設立された会。東京のほかに、関西、名古屋に支部があるそうです。年に4回の会報の発行、毎月第三金曜日に東京で茶話会が行われているそうです。参加資格は15歳以上。年会費は一人5千円。
そのうち、航海クラブで船をチャーターしてクルーズをやろう、という企画があるらしく、そうなったらにわか会員になろうかな、と思っているところです。

◆一般向け「ふじ丸」クルーズのご案内

「ふじ丸」を下船する前にインフォメーションを見たら、「にっぽん丸」と「ぱしふぃっくびいなす」のパンフレットが仲良く並んで置かれていました。やっぱり船や人は変わっていなくても、もうMOPASではなく日本チャータークルーズになってしまったんだなぁ、と思いました。

チャーター専門になってしまった「ふじ丸」ですが、旅行代理店などがチャーターする一般向けのクルーズも年に何度か実施されています。一般人でも乗船するチャンスが増えて嬉しいです。



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