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カウリ・コースト

Kauri Coast


タネ・マフタ


 国道 1 号線から分岐してノースランド(Northland)の西海岸を走っている国道 12 号線に沿った地域は、カウリ・コーストと呼ばれています。これは、この地方にカウリの巨木が残っており、保護されているからです。カウリの見学は、ノースランドの観光の目玉のひとつです。

 カウリ    カウリ博物館    ワイポウア・カウリ・フォレスト




■カウリ(Kauri

 カウリはニュージーランドでしか見られない、とても大きな木です。かつては北島北部を中心とした広大な森林に分布していましたが、ほとんどは伐採されてしまいました。現在残っているカウリは大切に保護されており、伐採はできなくなっています。

 カウリには、たくさんの特徴があります。
 特徴の第1は、その大きさです。高さ 50m 以上、幹の直径 15m 以上、幹の容積 240 立方メートル以上になるものもあります。実際に目にすると、あまりの大きさに、わけもなく感動してしまいます。
 第2の特徴は樹齢です。樹齢が 1,000 年を越すものも多く、100 年程度の木は baby tree と呼ばれてしまいます。
 第3は、枝の生え方です。幹の下の方の枝は自然に落ちる性質らしく、最初の枝が地上十数メートルというのが普通です。したがって、枝のない太い幹が真っ直ぐに伸び、途中から枝が出ているという独特の姿になります。一方、その大きさ・太さとこの特徴のため、木材としての価値が高く、競って伐採される原因にもなりました。
 もう一つ特徴をあげるとすれば、それはカウリ・ガム(kauri gum)と呼ばれる樹液です。カウリは松の類だそうなので、これは一種の松ヤニのようなものでしょう。このガムはマオリ人によって、入れ墨・燃料・チューイングガムとして用いられてきましたし、ヨーロッパ人入植後は、ニスの原料に使われました。また、倒木のガムが化石化した琥珀は、装飾品として珍重されました。

 カウリの木で作ったサラダボールやお皿などがお土産として売られていますが、もちろん伐採して手に入れたカウリから作っているわけではありません。お土産屋さんにきいたところ、現在では、倒木を発掘して木とガムを手に入れるんだそうです。そのため、カウリの価値は年々上がっており、数年後にはカウリ製品は現在の倍の値段になるといわれています。





■カウリ博物館(Kauri Museum

カウリ博物館  国道 1 号線から 12 号線に分岐して 26km 行くと、マタコヘ(Matakohe)という町に着きます。ここにカウリ博物館(http://www.kauri-museum.com)があります。これは、絶対に見るべきです
 館内はいくつかのコーナーに分かれています。カウリ材で作った豪華な家具を展示した部屋を通ると、いくつかの小部屋があります。ここには、1900年頃のニュージーランドの生活ぶりが再現されています。そこを過ぎると、カウリの伐採・加工の作業場面を人形を使って再現したコーナーに入ります。道具も多数展示されており、その種類の豊富さに驚きます。また、巨大な木を伐採し切断する作業の大変さをうかがい知ることができます。左下の写真のような丸太も置いてありました。この木は1960年に切り倒されたものですが、年輪にしるしがしてあって、年表のようになっています。タズマンによるニュージーランド発見(1642年)やワイタンギ条約(1840年)も、この木にとってはそれほど昔のことではないようです。
 その先はホールになっていて、長さ 22.5m の巨大な板(写真中央)が展示されています。そのほか、たくさんの写真や家具、ワインの樽などもあります。中でもカウリで作った階段は見事です。一番奥の部屋には木を切る道具が展示されています。これも人形があったり、実際に動いていたりで、工夫されています。ノコギリ、チェーンソーから、蒸気エンジンで動く巨大なノコギリまであり、見応えがあります。

カウリの年輪で作った年表   カウリ材の巨大な板   カウリ・ガム

 地下には、カウリ・ガムの展示室があります。右上の写真のようにガラスケースに入っている物と手に取ることのできる物がありますが、ものすごい数が展示されています。
 カウリの森で実際にカウリを見る前に博物館で勉強しておくと、巨大なカウリを見る目も変わると思います。





■ワイポウア・カウリ・フォレスト(Waipoua Kauri Forest

 マタコヘのカウリ博物館から、12 号線を約 95km 北に行くとワイポウア・カウリ・フォレストという森林保護区があります。その手前にもトラウンソン・カウリ・フォレスト(Trounson Kauri Forest)という保護区がありますが、ワイポウアの方には巨大カウリが残っているので、より人気があります。
 ワイポウア・カウリ・フォレストに入ると道路の両側の景色がかわり、恐竜が出てきそうなニュージーランド独特の原生林になります。カウリの木もちらほらと目に付きます。奥まで行くと、道路脇に駐車場があります。「キウィが生息しているため、犬は進入禁止」という看板を横目に遊歩道を数分歩くと、まさしく巨大なカウリに出会います。これが、タネ・マフタ(Tane Mahutaという名のカウリです。マオリ語で「森の神(God of the Forest)」という意味です。案内板によると、幹の容積が 244.5 立方メートルあり、これは現存のカウリの中では最大です。高さは 51.5m、幹の周囲は 13.8m、樹齢は何と2000年(1200年ぐらいだという説あり)です。このページのトップの写真が、このタネ・マフタですが、下の方に写っている人間と比べると、その大きさがわかると思います。
 タネ・マフタの駐車場から少し南に戻ると、12 号線沿いに Kauri Walk という看板が出ています。看板にしたがって脇道に入ると、すぐに駐車場があり、遊歩道がはじまります。このエリアの見どころは、フォー・シスターズ(Four Sistersテ・マトゥア・ナヘレ(Te Matua Ngahereです。駐車場で自動車を監視してくれるサービスの人に 2 ドル払って、遊歩道に入ります。シダが生い茂り、カウリが点在する中を 10 分ほど行くと、フォー・シスターズがあります。これは 4 本のカウリが寄り添って立っている(左下の写真)ものをさします。

フォー・シスターズ   テ・マトゥア・ナヘレ

 さらに 15 分ほど奥に行くと、テ・マトゥア・ナヘレ(右上の写真)です。これはマオリ語で「森の父(Father of the Forest)」という意味です。高さは 29.9m で、それほどでもありませんが、幹の周囲は 16.41m もあり、現存するカウリの中では最も太い木です。それどころか、世界でもカリフォルニアのコセイアに次ぐものだと言われています。幹の容積は 208.1 立方メートルで、これはタネ・マフタに次いで 2 番目の大きさです。また、現地の案内板によれば、これも樹齢は2000年だそうです。
 この遊歩道は、ゆっくり歩いて往復 50 分くらいです。子供連れでも大丈夫などころか、驚いたことに車椅子でも散策できるように作られています。これはタネ・マフタの方も同様です。こういう点に関しては、日本はニュージーランドの足元にも及びません。




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