イランの行事

正月

 イランの一年は、春分の日から始まります。正月はノウルーズと呼ばれ、様々な行事が催されます。毎年、正確に春分の時を計算し、新年を祝う。外で、みんなでカウントダウンするということはなく、自分の家で家族で祝うものとされているのです。

 まずは日本と同じで、暮れの大掃除。また、ノウルーズの期間中、市場も休日になるので、食材の買い出しも忙しいです。それに、ハフトスィーンと呼ばれる伝統的な飾り物も用意しなければなりません。ハフトスィーンとは7つのSという意味。ペルシャ語のSから始まる7つのもの、りんご、酢、にんにく、青野菜、金魚、香辛料、お菓子などを揃えて飾ります。

 また、暮れの最後の火曜日には、チャハル・シャンベ・スーリーというゾロアスター教時代からの行事があります。焚き火の上を跳んで、幸運や健康を願うもので、町のあちこちで行われています。

 さて、ハフトスィーンを飾った自宅で新年を迎えると、親戚の家を1軒1軒挨拶に回ります。子供たちにはお年玉に似た、エイディーを渡します。紅茶や果物、お菓子を食べながら、ダンスしたり、おしゃべりに興じたりします。

 3,4日すると、ハフトスィーンの飾り物は青野菜を除いて片付けます。青野菜は残しておくと、家の悪運を吸い込んでくれると言われています。新年の13日目はスィーズダべダルと呼ばれ、縁起が悪い日とされるので、全ての人は家から出てピクニックに出かけます。公園や郊外の野原は人であふれ返ります。これが終わってようやく、人々は日常に帰るのです。

結婚式

 イランには結婚にまつわる行事も大変多いです。基本的に、見合い結婚で決められます。まず、男性側の母親などが、親戚や友人の中から適齢期の女性を探します。
 
 見合いは、男性本人とその母親、姉妹、義姉妹など女性ばかりを伴って、相手の家を訪問します。女性を男性の目に晒すのは良くないという文化があるので、見合い相手と言えども、父親や兄弟がついていくことは少ないです。世間話を通して、相手をよく観察します。

 しかし、見合いのみか、その後数回の訪問だけで、結婚するかどうかを返事しなければなりません。大抵、見合い相手は親戚の一人か、親しい友人の娘などであるので、家族ぐるみの付き合いが長い為、互いを既に知っている、という背景があるので、すぐ返事するのも可能なのだと思います。

 二人の了承があれば、次はハステガリと呼ばれる、プロポーズの訪問を行います。それも個人の話ではなく、また家族を伴って訪問します。見合いの時のように、世間話から入るが、結婚の話も盛り込まれる。どんな仕事をしているか、結婚後どこに住むつもりか、などです。

 そして,主役の二人は別室で話し合う。男性側はプロポーズし、条件を述べます。住む場所や仕事のことです。女性側も、仕事や勉強を続けたいなどの条件を述べます。返事は後日でも良いそうです。

 女性がプロポーズにも良い返事をしたら、メヘリエを決めなければなりません。メヘリエとは、妻が夫に要求できるお金のことで、主に離婚の慰謝料を指します。今度は父親や男性の親族も集まって、金額が決定したら契約します。

 婚約は結婚式のようなパーティを開いて、盛大に祝います。コーランに基づいた、結婚の儀式の真似事(リハーサル?)を行い、指輪まで交換し合います。婚約パーティは大抵、花嫁の実家で行われます。儀式をした後、ダンスや音楽で楽しみます。

 婚約で、宗教的な意味の儀式を終えるまでは、二人がデートすることもご法度なので、二人の女性の親族を伴い、指輪など結婚式の為の買い物に行きます。金の結婚指輪や花嫁の為の金のネックレスやピアス、ドレス、時計、靴など。式に必要なものはすべて、花嫁のものは花婿が、花婿のものは花嫁が買わなければなりません。

 結婚式に先立って、女性のみの披露宴も行われることが多いです。花婿も出席せず、親戚、友人の女性のみが、花嫁を囲んで祝います。保守的な女性も、男性の目を気にせずに、のびのびとダンスに興じます。

 結婚式の儀式は、花嫁宅で行われることが多いです。イスラムのお坊さんを呼び、コーランを読んで、結婚の契約のサインをします。二人の前には、新居を象徴する鏡とキャンドルのセット、豪華なコーランの本、後からライスシャワーのように投げる、札のお金を折ったものなどが飾ってあります。自宅といえど、百人以上も集まって、音楽とダンスで賑やかに祝われます。

 披露宴は、遠い親戚、友人、近所の人までよばれるので、数百人を超えることが多いです。ホテルや式場で行われるが、イスラム法に基づき、会場は男女別々です。楽隊が呼ばれ、ビュッフェの食事、紅茶、果物などを食べながら、順番にダンスに興じます。

 式の後は、新郎新婦の車はリボンや花で飾りつけられており、その車で町を巡ります。兄弟や友人の車も周りを走り、二人をひやかしながら花嫁宅へ戻ります。二次会もそこで行われ、深夜まで盛り上がるのです。

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