ウォルバーハンプトン大学に
ジャパニーズ・マネージメント研究所を設立、
経営学部客員教授に就任!

 

 英国中部シュロプシャー州テルフォード市は、全欧随一の日系企業による投資集中エリアとして知られています。日本企業で働く外国人労働者が、ヨーロッパの中で最も多い地区であり、日本的経営学に対する学習意欲が著しく高い土地柄となっています。

 こうした背景から、このビジネススクールでは、日英国際企業文化の研究が活発に行われてきました。しかし、表面的なマナーや経営理論などを知ったとしても、それらが生まれた根底に流れる日本古来の思想や文化を知らなければ、真に日本的経営を理解することは難しいでしょう。

 この研究所は、深見東州先生のビジネスマンとしての業績と、実践家として日本の芸術文化への造詣の深さを知った当大学の理事の一人が、深見東州先生に協力を懇請され、これが受諾されて実現の運びとなったものです。日本的経営の特色や実情、またヨーロッパにおける日本的経営やビジネスについての、理解を促進するための活動が予定され、先生ご自身も客員教授としての就任を要請されたのでした。

 

 11月9日に行われた設立記念式典では、副学長の歓迎の挨拶、研究支援局長の感謝の言葉を受けた深見東州先生が、仕舞「高砂」を披露されました。経営学の客員教授が、なんと能楽師として登場するという、大学創始以来かつてないオープニングに、現地の方々も「これから何が行われるのか……?」と興奮の面もちで待ち受けます。

 そして、地謡を務める宝生流能楽師3名と共に、紋付袴姿の深見東州先生が登場されると、場内の雰囲気は一変。しんと静まり返った超満員の300名の観衆が息を呑むように、凛として神々しい舞と謡に引き付けられていきます。そして、終了と同時に、まさに万雷の拍手がホールに鳴り響いたのでした。

 引き続いて行われた就任記念講義は、能楽の歴史と意味についての説明から始まりました。そして深見東州先生は、「日英のビジネス文化の大きな相違点」として、英国で26年働いていた人の日英比較の分析と、米国で6年働き、米国の会社の日本支社を設立した人の日米比較の分析を資料で渡し、その背後にある文化性の違いと個別の批評を加える形で先生の英語の講義は進んだ。もちろん、いつものように何のメモも見ないでである。日本経営では個よりも組織や全体の継続性が何よりも最重視され、余剰利益は会社組織全体の発展存続と全員の幸福のためにボーナスや給与に還元され、それから役員賞与や株主へと還元されるのに対し、英米国ではまずそれらは株主や役員の個人への報酬となる傾向が強いことに言及されました。

 また、米国の成熟した資本の考え方やあり方がいいとは限らない。日本は資本や資本主義を生半可な咀嚼をしている面もあるが、それが日本的なとらえ方であり、1996年で世界のGDPの17%を占め、イギリスの4%と比べると、実に5倍のスケールにあたる。この成功の背景には、終身雇用や年功序列だけでない多くの日本的な工夫や特色があるのである。一つや二つの例では語り尽くせない。とくに、マレーシアの首相マハティールは「欧米の企業がアジアに来れば、ただ搾取するだけで後に何も残らない。しかし、日本企業がくれば必ず現地の人を育て、地域が発展する。また、会社が利益が上がれば、まずそれを次の投資に向けて企業を存続させることを第一とするから、我が国にとってもアジアの国々にとってもよい」と言っている。

 さらに敷衍して、「そうした価値観の相違の根源にあるものは、民族が攻撃的に獲物を求めて移動しつづける狩猟文化と、定住して隣近所が助け合い天候を祈りながら作物を育てて生活してきた農耕文化の相違と、2659年一つのファミリーが続いてきた天皇という存在によって、文化の継続性や連続性があることに行き着く」ことを指摘。日本的価値観の根底にあるのが、こういうコンセンサスの文化であるから、「自分が、自分が」という個性的独裁的指導者は、受け入れ難い傾向がある。したがって、小渕さんが首相になって支持率をぐんぐん伸ばしたのも、コンセンサスを取るのが上手で、あまり我を張り過ぎないところが好かれた。みんなの意見を気軽に汲み上げて、民の声を反映させられる人が、日本では最も好まれるのであることを明らかにされたのでした。

 さらに、首相がコロコロ変わるのは、首相の強いリーダーシップより皆のコンセンサスが取れればやって行ける日本人の政治姿勢の現れだが、ただしそれもイタリアほどじゃありません、とユーモアたっぷりにつけ加えると、場内は爆笑の渦。会場を埋めた300名を超える聴衆は、私語する人は一人もいないほど、食い入るように深見東州先生の一言一句に耳を傾け、熱心にメモを取る姿が目立ちました。

 

 歓迎夕食会の締めくくりに副学長が述べられた次の挨拶が印象的でした。

 「私たちは、優れた深い知識に裏打ちされたビジネス・芸術の実践家である半田先生を当大学にお迎えでき、日英企業文化理解の推進のすばらしい第一歩を踏み出せたことを、本当に幸運に思います。ただ、一つだけ心配なことは……私どもも新しい分野に積極的にチャレンジすることではどこの大学にも引けを取らないつもりでしたが、これほどの多彩な半田様のご活動についていけるかどうかです(笑)」

 

 こうして大盛況のうちに終了した就任記念講義でしたが、「講義で聞いたことだけあった能楽を生で拝見できるなんて、思いもしなかった、感激です」(学生)、「考えてもいなかったコメントが大変わかりやすくて刺激的だった、大変勉強になりました」(ビシネスマン)、「やはり実践されている方だけあって、説得力が全然違う。次の講義が待ち遠しい」(経営学教授)などの声が相次いだのでした。