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ベルゲン&フロム山岳鉄道


この国の稀有な人口、地形の複雑さを見るにつけ、複線を設置できない理由が良く分かると思う。
特に鉄道マニアであれば、知っているはずのベルゲン線、フロム線、オフォート線は、その代表的な鉄道だ。


私の仕事の一つにTVのコーディネイターの仕事がある。
今までに、主なもので「Railway Story・Norway、Sweden」Wao Wao、「世界の車窓から」TV朝日、2001年8月8日には「世界の山岳鉄道・白夜のフィヨルドを走るノルウェー・ベルゲン線とフロム線」NHK SPECIAL HIVISION、これは、自慢するようだが、私の著書「ノルウェー・フィヨルドの旅」が原作になリ、南らんぼう氏が旅人という設定で本の通り列車、フィヨルド船、ローカルバスに乗り撮影、作成したもの。
ノルウェーのTV番組の最後に、村上の名前がテロップで流れれば、私のこと。
まあ、そんなことはどうでもいいことだ。
これから、ノルウェーの鉄道の歴史、景観、そして撮影のエピソード等を気が向くままに書いていきたい。


フロム線
ノルウェーの厳しい地形、自然に挑戦するかのように、岩盤を削り、多くのトンネルを完成させたフロム鉄道に、ただただ人間のすごさを感じさせる。
フロム線/昔のフロムを車窓から撮影
フロム駅を出てすぐ、箱庭のような昔のフロムの中心地が右に見えてくる。氷河、雪解けの水は川となり谷間の奥のフィヨルドに流れ込んでいく。写真の真ん中にあるのは、1667年建設のフロム教会。
まだ牧歌的な風景だが、これから全行程20,2km最大斜度5度で18m進むごとに1m上がる計算。標準軌1435mmの鉄道の崖、絶壁と20のトンネル(うち18は機械を使わず掘った。トンネルの総延長距離は約6Km最長のトンネルは1350m)を時速20Kmで、海抜866mの終点ミュルダールまで列車は、はうようにして、上っていく。
近年は多くの旅行者が、フロム線を観光に使うようになったが、もともと、村民の足だった。もちろん、今もそうだが、すっかり観光の行程の一部になっている。当然、以前からベルゲン線、フロム線はあったが、私が「地球の歩き方」で両線を紹介してから、圧倒的に日本からの旅行者が増えた。
良くも悪くも、私が仕掛け人である。

フロム線/黄葉のじぐざく道を車窓から撮影
当時、ベルゲン線の工事用資材を運ぶために造られた道路である。この道路のおかげで、工期の大幅短縮が可能になった。
現在は、ハイキング、サイクリング用に使われているが、20km以上もある。四輪駆動の車ででも、写真で見るじぐざぐ道の途中までしか行けない。
国会で道路を造る決定したのが1894年で4年後、1000人の人を導入して、1898年に完成した。
写真で想像がつくと思うが、全部で21のカーブがある。 鉄道の完成は20年の歳月をかけて、1944年に完成。
鉄道の完成でソグネフィヨルド地方の果物等を海抜866mのミュルダールまで運送して、そこからベルゲン、オスロに出荷できるようになった。

写真左上は落石用のシェルターと滝だが、フロム線では珍しい景色ではない。

フロム線/ヒョース滝
トンネルとトンネルの間にプラットポームがあり、そこで列車は約5分間、滝を見る為に止まってくれる。
フロム線最大の見所。ヒーヨス滝は93m。(海抜670m)、正確には滝の全落差225m、全長700m。滝の水源はレイヌンガ湖(海抜767m)、写真で見ても分かるように大変に水量の多い滝だが、冬は湖が凍結して、滝は大きな氷の塊のようになる。
写真の中央下は童話に登場する山の妖精、フルドレという美人に扮装している演劇学校の夏休みの美人アルバイト学生(多分)。
赤い衣装を着ているが、この写真では遠すぎてよく分からない。
2人いて交互に現れる。
ヒョース滝をから、ヴァトナハルセン経由、10分後にミュルダールに着つく。ミュルダールには、駅しかない。駅内には小さなお土産店、簡単な軽食が取れるカフェーだけで、接続時間を誤ると時間を持て余あます。要注意。


ノルウェー鉄道史
1848年鉄道法制定。
1854年9月1日ノルウェー最初の鉄道がオスロ-アイスツヴォル間開通。
1870年12月イタリア〜フランス間のアルペンに、12.5kmのMount Cenisトンネルが完成。
ノルウェーにも新聞で大々的に報道され、ノルウェの鉄道工事に刺激を与える。
1874年6月10日、ベルゲン、ボス間鉄道設置決定。
1877年同時に6路線が設置工事。
1883年ベルゲン〜ボス間開通。鉄道総延長距離1562km。
1902年11月、オフォート線開通/ナルビクとスウェーデンのキールナ(公には1903年6月14日開通)
1907年10月9日、ウスタオーセにて、ベルゲンからの線路とオスロからの線路が結合。
1908年トロンデルラーグ地方の鉱山鉄道の電化。
1909年11月27日、公式にベルゲン線開通。食堂車の営業開始。
1914年最高時速90kmを記録。
11916年標準軌(1435mm)国鉄1718km/私鉄222km。狭軌(1067mm)国鉄996km/私鉄241km設置。
1922年ベルゲン線オスロ〜ドランメン間電化。
1931年ノーラン線、トロンハイムから設置工事開始。
1944年フロム線開通。
1945年ディーゼルカー(急行)導入。
1962年ノーラン線ボードーまで開通。
1964年12月、ベルゲン線前線電化。
1977年蒸気機関車の廃止。
1993年6月1日、ハーラル5世を向かえてフィンセトンネル開通式。
ベルゲン線
ノルウェー鉄道史はベルゲン鉄道史といって過言ではない。
実際に列車に乗ってみるといい。
世界の鉄道建設史に名を残す 難工事を完成させたのが実感として分かると思う。
工事には最も多い時で2200人もいた。
地方の農家の息子達も現金収入を得るために工事に参加した。
トンネルを掘る時には、缶詰、乾燥魚、練乳等を食料として山にこもり作業をしていたそうだ。
時には12人に1人のコック、また40人に2人のコックでチームを作り、山小屋生活をしながら厳しい冬がくる前に、突貫工事を敢行した。

当時、 鉄道工夫が使用した山道は部分的に補強され、現在はハイキング、サイクリングに使用されている。
鉄道開通前はベルゲンはイギリス、ヨーロッパ大陸との関係が強かったのが、開通後オスロとの距離が一気に縮まった。
1907年11月27日、開通時の全線の距離は471kmだったが、1993年6月1日に全長10.3kmのフィンセトンネルが開通して全長465kmになった。
ガムレ・ヴォセ線
初期のベルゲン線の山岳地帯を走った蒸気機関車255。
1964年7月31日廃線。その後、一部の路線で貨車を牽引したが、2000年12月1日に完全廃線になった。
現在はガルネスからミッツンまで18km、旧ボス線を6月中旬から9月中旬まで運行している。
蒸気機関車を運行させている人達は、蒸気機関車保存会のような組織を作り、正式の資格を取り自分達で整備、運転をしている。
保存会の人達とはTVの取材で合った。皆、歳も職もバラバラだが、心底、蒸気機関車が好きな人達だった。
蒸気機関車だけではなく、同じ目的を持った仲間との時間が大切なのだろうか。
そんな印象だった。
写真はその時に撮影したもの。

ベルゲン線というぐらいだから、ベルゲンを基点にして書きたいところだが、ノルウェーに来る旅行者の多くは、オスロを出発、途中フィヨルドの観光を済ませてから、ベルゲンに入っている。
ここでは、オスロ発の紹介をする。

*オスロ、北緯59度55分(札幌が43度)、駅の海抜4m、オスロより0km、人口53万人、首都
(08:11発)
*ドランメン、59度42分、2m、41km、5万4000人
(08:49)
*ホーネフォス、60度10分、96m、112km 、2万2000人
(09:42)
*ネスビーエン、60度34分、168m、208km、3500人、ノルウェー最高気温を記録した町、といっても35.6度(1970年6月20日)
(10:50)
*ゴル、60度42分、207m、225km、4300人
(11:03)
*オール、60度38分、436m、250km、4800人
(11:24)
*ヤイロ、60度32分、794m、275km、2800人、スキー場で有名。ベルゲン線が開通してから、セカンドハウスが多く建設される。お気に入りのサイト、「旅のひとりごと、怖くない幽霊」を参考にして欲しい。
(11:45)
*ウスタオーセ、60度30分、996m、286km、セカンドハウスが1000軒前後あるが、ウスタオーセに定住している人はホテルの従業員などを含めて数十人以下と思う。ここから車窓の景色は、グリーグのピアノ協奏曲のまっただなかにいるようにドラマチックに変化していく。 ときどきすき間だだらけの柵が鉄道と道路沿いに見られる。雪が風に舞って鉄道、道路に入り吹き溜まりを防ぐためのものだ。北緯60度の樹木の成長限界線は約900mだ。このへんにくると、背の高い木はなく、岩と苔だらけの地表に潅木が目につくだけだ。前記の「ノルウェー鉄道史・1907年」参考。
(11:56)
*フィンセ、北緯60度36分、1222.2m(駅としては、最高地)、324km、ホテルが駅の横にあるのみで、村を形成していない。フィンセに入る少し手前左側にハルダンゲル・ヨークレン氷河が見えてくる。しかし、春先は雪が多く、雪が氷河を覆っているので、判別しにくい。1993年、10.3kmのフィンセトンネルが完成。フィンセは雪との戦いだが、トンネルの完成により、大幅に改善された。以前のベルゲン線より4.5km短縮された。また通過最高地点1301mも1237mになった。
(12:25)
*ミュルダール、北緯60度43分、866m、354km、フロム線への乗り換え駅しかなく、ミューダールは町ではない。海抜は1000mもないのだが、周りの山(崖)には常に、 残雪があり、肌寒いところだ。フロム線の電車は列車を降りて、数十 m行ったところにあり、乗り損ねることはない。
(12:53着)(12:58発)
*ヴォス、北緯60度38分、56m、人口1万3700人。夏冬通して旅行者が多いが、観光地というより、地方のごく普通の町だ。町は第二次世界大戦の時にドイツ軍によって破壊されたが、町の中心にある1277年の石の教会は残った。当時は 木造の教会が多く、石の教会はあまり見られない。
(13:42)
*ベルゲン、北緯60度23分、2m、465km、人口23万人。ノルウェー第二の都市。HPの写真にもあるように、非常に美しい町。ベルゲンの天気は西海岸特有で、雨がやたらと多く、1年に300日以上が雨。年によっては400日以上も降るかも知れない。

(14:52着)
つづく