編集上の注意事項 最悪の例 返信時の識別記号 スレッドと件名 スレッドを切る
Re:の意味 茶番劇 公式定義 ラテン語 res レスする 英文ビジネス文書 永遠に続く?

本稿は、MLにおけるリテラシー(literacy:読み書きの能力、転じて知性・教養)の基礎的な理解を目的に書かれています。
これは一種の「文化論」であり、守らなければならない「規則」「規律」という拘束条件ではありません。

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返信時の注意事項

返信メールの編集上の注意点

OutlookExpress では、MLから受信したメールに対し、「差出人へ返信」を選ぶと、投稿用アドレス宛ての返信メール作成ウィンドウが開きます。
このとき、返信メールの件名は、受信メールの件名の頭に Re: が追加されたものとなり、本文は、受信メールの全文が、行頭ごとにインデント記号 > が付加された状態で表示されます。

To: ****@freeml.com
Subject: Re: [****:0890] ECO:サンゴ産卵
>香奈@感動です。
>昨日のナイトダイブで遂に見たんです。念願の
>サンゴの産卵を...
>感動で眠れませんでした。
>詳しくは帰ってからご報告します。
>ではでは (^_^)/~~
>*******************
>かな
>kana@nirai.***

実際に返信する前に、以下の点を吟味・斟酌して下さい。

(1)書こうとする内容が、主に、元メールに対するコメントである場合のみ、返信機能を使う。そうでない場合は、「差出人へ返信」でなく「新しいメッセージの作成」を選ぶ。

(2)返信の場合、件名を以下のように編集する。
 * 件名から [nirai-ml:****] を削除する。
 * Re: 以下を必要に応じて書き直す。
 * 必要に応じて、識別記号を変更する。
 * 元メールの引用部分は必要最低限のみを残す。

とくに、 元メールの署名や冒頭や末尾に付加された広告などは、絶対忘れずに削除して下さい。

To: ****@freeml.com
Subject: Re:ECO:サンゴ産卵
香奈さん、こんにちは。ゆー丸です。

>香奈@感動です。
>昨日のナイトダイブで遂に見たんです。念願の
>サンゴの産卵を...
私は3年間、ずっと狙ってるんですがまだ1度も...
羨ましいです。

>詳しくは帰ってからご報告します。
ログを楽しみに待っています。
ゆー丸でした。
---
yu-mal@****

上のような吟味と編集を行わず、元メールにメッセージを書き加えてそのまま送信すると、例えば、以下のようなメールが配信されてしまいます(最も悪い例です)。

From: YU-MALL
Subject: [****:0893] Re: [****:0890] ECO:サンゴ産卵
ゆー@マールです。
オフ会の日程が決まったので参加希望者は
至急連絡下さい。
P.S.キビちゃんへ、昨日はたのしかった。。。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
ゆー@マール

>香奈@感動です。
>昨日のナイトダイブで遂に見たんです。念願の
>サンゴの産卵を...
>感動で眠れませんでした。
>詳しくは帰ってからご報告します。
>ではでは (^_^)/~~
>*******************
>かな
>kana@nirai.***

これは多くの問題を含んだメールです。 問題がより重大なものから列挙します。

(1)他人の署名を平気で引用して送信している。
* 内容によっては著作権上の問題が生じる可能性があります。

(2)因果関係の全く無いメールを返信にしているので、つながりの無い引用になっている。
* これでは香奈さんの感動を台無しにしてしまう可能性すらあります。自分のメールにこんな細工をして皆に配られたら、どう感じるでしょう?
「自分なら何も感じない。」は正当化の理由になりません。

(3)件名(サンゴの産卵)が実際の内容(オフ会の参加募集)と遠くかけ離れている。
* 一見、「なんだ、これ?」と違和感を感じます。また、タイトルだけ見て中を読まない人も居ますから、オフ会に 関係ある人が読み落としてしまう可能性が高くなります。 そうじて、訴求力の弱いメッセージになるでしょう。

(4)件名が長くて読みづらい。
* [****:xyzw] が2回繰り返している からですが、ブラウザによっては件名の初めの方しか表示されない場合があるので、そういう人にはじれったく、不快感を感じさせるでしょう。

(5)P.S.に特定の個人間でしか分らない事を書いている。
* 普通ならそれぐらいは許される程度と判断できますし、全体の中の極く一部であれば、問題にはなりません。しかし、当該メールでは、(2)の意味で、その無神経さをより強く感じさせます。

(6) ゆー@マールは不自然な表現である。
* いわゆるハンドル名における @の意味・用法 を確かめた方がいいでしょう。そもそも、ハンドル名自体がパソコン通信由来の特殊な習慣なので、「これが正しい、あれは間違い」などと言われる筋合いはないのですが、インターネットの中にはこんなくだらない外形的なことにこだわる「上級者」がゴマンと居ますので、ご注意。

(7) ついでに。。。
* 余計なお世話ですが、こんなメールを平気で書ける人は、「コイツ、頭悪いな」と思われていることはほぼ確実です。

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返信時の識別記号の付け方

詳細は、「☆ サブジェクト,識別記号,署名」を参照して下さい。

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返信が繰り返される場合

【スレッド(Thread)】

上述のように、正しく返信が行われていった場合、幾つもの投稿が共通のテーマについて徐々に発展するように繋がって行きます。このつながりをスレッド(Thread:糸)と言います。ニライMLの過去ログでは、スレッドが表示される設定になっていますので、ご確認ください。
スレッドを辿って過去ログを見る場合などに、関係のない話がスレッドの中に入ってくると煩わしく感じることが多く、良い印象を与えませんので、ご注意ください。

返信が続くと、次のような件名ができてしまいます。

Subject: Re:Re:Re:ECO:サンゴ産卵

これでは見づらいので、Re: は一つだけにするのが普通ですが、敢えて3回の繰り返しであることを残したい場合は、

Subject: Re3:ECO:サンゴ産卵

と書きかえるのも有効です。このときの "3" は、累乗(べき)指数を表します。つまり、"Re"の 3乗("Re" to the third power)という意味です。
べき指数であることを表わす為に、記号 ^ (accent circumflex) を使うことも多いのですが、場合によっては見づらく感じるかも知れません。こんな非本質的なことに、一切こだわる必要はありません。

Subject: Re^3:ECO:サンゴ産卵

多くのMLでは、配信メールの件名の冒頭に、[****-ml:01234] のようなML名と連続番号が付加されます。既に述べたように、[****-ml:01234] の部分は毎回削除して件名を書き直すべきです。なぜなら以下のような実に見づらい件名のメールが配信されてしまいます。多くのメーラーではこのタイトルは長すぎて表示できないはずです。

Subject: [****-ml:01246] Re:[****-ml:01237] Re:[****-ml:01234] ECO:サンゴ産卵

議論を行っている場合など、返信が繰り返されるうちに、テーマが深まったり、分岐していったりして、最初の件名では内容にそぐわなくなることがよくあります。このような場合には、同じスレッドの中でも、件名を適宜、変更すべきです。
件名の変更に関しては、本文冒頭で断るか、件名を以下のように補足します。

Subject: ECO:プラヌラ幼生 (Re:サンゴ産卵)
にらい太郎です。
サブジェクト変えました。
サンゴの生活史は、カプセルに入った卵と精子が放出されて...

ただし、これは一連のスレッドが成立している場合に限ってのことです。全くかけ離れた(脱線した)話題の場合は、以下のように「スレッドを切る」べきです。

【スレッドを切る】

一連の話題から派生しながらも、その話題からかけ離れた話題を投稿する場合、「返信」によって、スレッドの中に留まるのでなく、「新しいメッセージの作成」によって、スレッドから離れる方が良い場合があります。
これは、(このメッセージに返信が来れば、)新しいスレッドを形成することをも意味します。

Subject: JNK:プラプラ妖精(Re:サンゴ産卵)
にらい可奈子です。
横から失礼します!プラヌラという言葉に反応しました。
プラヌラ幼生ならぬ「プラプラ妖精」というマンガを...


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返信時に付加する Re: に関する議論

繰り返される茶番スレッド

MLの分野に関わらず、多くのMLで一度は議論になる共通のテーマがいくつかある。その代表例が以下のスレッドであろう。

返信のときにつく Re: はどういう意味ですか?

大抵の場合、女性の初心者が尋ね、大抵の場合、男性の中級者が次のように答える。

「返信」を意味する記号で、多分、reply か respond の省略だと思います。

すると大抵の場合、男性の上級者が吠える。

ばか野郎!思い付きで嘘つくな!無責任だろ! だいたい辞書を引こうと思わんのか!
辞書も引かないで何でも聞けばいいと思ってる能無し初心者を甘やかすだけだから、上級者の俺は正解を知っていても教えてやらないのだ。

ああ、うんざり。。。

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過去に示された回答例

re: は、返信を意味する記号である。

re: は、返信を意味する記号ではない。

re: は、reply の略語である。

re: は、respond の略語である。

re: は、regarding の略語である。

re: は、reference の略語である。

re: は、略語ではなく、英語の前置詞 re である。

re: は、略語ではなく、ラテン語の前置詞 re である。

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Re: の意味を探るまともな議論

【メールソフトにおける Re: の定義】

Microsoft社の Outlook Express では、メールの返信時のほか、ネットニュースの記事へのフォローアップを行う際に、件名に自動的に Re: が付加される。一方、メールを転送するときには、件名に Fw: が付加される。これは多くのメールソフト(MUA)に共通して見られる設定である。

Microsoft社による公式ガイドブック "Running Microsoft Internet Explorer 5"(author: Bryan Pfaffenberger, published by MicrosoftCorporation in 1999) (日本語版:Internet Explorer5 オフィシャルマニュアル)によると、返信時に付加される Re: に関しては次のような記述が見られる。

(返信に設定すると)件名の先頭に「Re:」が追加される

ここでは、Re: の意味を定義したり、宣言していない。が、「返信時のみに現れる」という Re: の特異性は窺える。

また、件名の構文を見ると、

Subject: Fw: ニライMLへようこそ
Subject: Re: ニライMLへようこそ

これら2つの記号と記述法が、同じ系統の意味を持つ識別子であると考えるのが自然である。つまり、一方の Fw: が「転送を表わす特異的な記号」であるならば、他方の Re: が「返信を意味しない非特異的な記号」であるとは考えにくい。

Outlook Express をはじめとして、Re: の定義を公式に示している MUA は無いのだから、メールソフトにおける Re: の意味を次のように解釈しても、何の矛盾も無いと思われる。

Re: は、「先行メールに対する返信」を意味する特異的な記号である。

"Re: ABC" can be replaced by "Reply to the preceeding E-mail whose subject line is ABC"

ということは、上段のスレッドでの親切な中級者氏の回答の前半部分は状況的には矛盾しない。後半はどうだろうか?

受信メールの転送時、件名に付加される Fw: に関しては、転送を意味する forward の省略形だろうという察しがつく。ならば、たぶん、Re: も reply の省略形だと考えるのが自然だろう。
実際、非公式の解説書には Re: は reply の省略形だと断言するものが見られるし、珍しく、respond の省略だと言うものまである。しかし、これらは全て非公式の解説書であり、著者の勝手な思い込みかも知れない。
一方、「Internet Explorer5 オフィシャルマニュアル」には、何らかの語の省略形だという記述は見られない。

インターネットメールにおいて、返信を意味する専門用語は reply であり、語学的にも respond とは区別される。
一方、ネットニュース上の記事にコメントする場合には、follow up という語が主に使われる。

よって、Re: は reply 等の省略形であるとは断定できないが、「返信を意味する特異的な記号」と解釈しても差し支えない。ただし、これは飽くまでも解釈であって、本来の語義は以下のように語源を辿らねば理解することはできない。

【英英辞書に見る前置詞 Re: の意味と語源】

"Chambers 21st Century Dictionary" で Re を調べると、

[18c, from Latin res thing]

とあり、更に "The Pocket Oxford Dictionary of Current English"(8th Edition,1999) では、

[18c, Latin ablative of res thing]

とある。即ち、18世紀頃から使用の痕跡が認められるラテン語由来の英語の前置詞であり、語源はラテン語の第五変化女性名詞 res の奪格(ablative)形の re である。決して何かの語の省略形などではない。

ラテン語の res は、英語の thing、日本語の「物・事・件」に相当する語で、文脈・状況に応じて、「実体・現物・お金・利潤・題材」など様々な意味で使われる。
(例)res publica:「国家」など。

また、名詞の奪格(ablative)とは、対応する名詞に out of や from をつけた「感じ」を表わす。「〜に関する、〜からの」などという意味を包含すると考えて良い(奪格の限定的用法)。
即ち、ラテン語の re は、「(その)物件・題材に関するところの」という意味に(何となく)解釈できる。

多くの英英辞書では、英語の前置詞 re について、以下のように記述している筈である。

re: [especially used in business letters]
with regard to (regarding), concerning, about, with reference to...

要するに、英語の前置詞 re は、「〜について」を意味する一般的な語であり、Subject とほぼ同義である。
従って、メールソフトにおいて、返信時にのみ特異的に付加される Re: は、本来の英語の前置詞 re と完全に一致するものでなく、特別の意味を持った記号と捉えるべきであろう。なぜなら、前置詞 re を次のように使うことは、同じ意味の語を二重に使うことになり、文法的に誤りとまでいかなくとも、かなり不自然だからである。

Subject: Re: ECO:サンゴ産卵

「ラテン語の前置詞 re」という誤った記述をした英文電子メールの解説書を見かけたことがあるが、研究社「羅和辞典」等を参照しても、ラテン語にそのような前置詞は存在しない。

【パソコン通信における Res との関連性】

MLで、誰かが返信のことを「レス」と表現する度、罵倒して物議を醸す人がいる。そもそも「レス」というのは、主にパソコン通信で使われていたスラングであり、「ラテン語の res」とは何の関係もない。
インターネット以前のパソコン通信(Nifty,PC-VAN,Compuserve等)では、元来、CUIインターフェイス(コマンドライン)で、コマンドを使ってメッセージの送受信を行っていた。先行する書き込みに対しての返事を書くコマンドは、殆どの場合が Response 、省略形として Res や Re が使われる場合もあり、返事の件名にも自動的に Re: が付けられていて「返信」であることを示していた。そこから「返信」を意味して「レスする」という表現が使われるようになったのである。
インターネットメールはパソコン通信とは別のものだといっても、使う人や使い方、用途目的など、大して違うものではない。結果として、パソコン通信の経験のない人までが「レスする」という言葉に慣れ、MLの発展に沿って、「亀レス(遅い返信)」「化石レス(皆が忘れた頃になってする返信)」「横レス(議論に横入り)」「マルチレス(複数のサブジェクトに対する一括での返信)」など、様々に使われるようになってきた。
こうした中で、"re"=「レス」=「返信」という誤解 が蔓延していったものと考えられる。  

【英文ビジネス文書における Re:】

Re: が件名の冒頭に付けられるのは、インターネットメールが最初ではなく、もともと、英文ビジネス文書、とりわけファックスのヘッダ・カバーでは頻繁に用いられてきた表記法である。以下はその実例である。

To: Global Forum JAPAN Atten: Dr.Nobuaki KAWAGUCHI Fr: Dr.Carl SAGAN Cc: Prof.Robert SOCOLOW Re: Proceedings of Science Sector Meeting ------------------------------------------

To: は宛先、Fr: は差出人であることはすぐ分かるだろう。
Atten: は受取人を指定する attention line であり、
Re: は件名(subject line)を意味する。Re: の代わりに Subject: や Reference: が用いられる場合もある。即ち、これらの語は、ほぼ同じ意味を持っているのである。

このような背景があるからだろうか、英米語圏のビジネスパーソンズの中には、Re: が「ラテン語由来の英語の前置詞」であることを知らず、regarding(〜について)や reference(参照情報)の省略形だと思い込んでいる場合が多いらしい。

インターネットの世界では,電子メールより先に、ネットニュースが確立され、ネットニュース用のソフト(ニュースリーダー)では、返信する際、Subject に Re: を自動的に付加していた。電子メールはこの形式をそのまま踏襲したものといえる。
これは、本来の語源である「英語の前置詞 re」の用法からはずれて、返信特異的な記号に流用されていった結果と考えられる。そのとき、転送記号 Fw: と形式的に一致させたことが今日の混乱?を招いたと言えるのではないか。

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永遠に続く議論

多くの MUA で返信時のみに付加される Re: は、様々な状況証拠から、reply や respond の略ではなく、「返信を特異的に示す記号」と解釈できる。語源的には英語の前置詞 re に由来すると思われるが、英文ビジネスメールなどにおける用法とは明らかに違う部分があり、前置詞 re そのものだと断定するには説得力がなくなっている。むしろ、「英語の前置詞 re から派生した、メール返信に特異的な記号」と言った方が理解しやすい。

インターネットメールの更なる普及により、英米語文化圏の人々の多くが、Re: は reply の略だと思い込むようになる可能性は高い。その場合、辞書的に Re: がそれらの略語として定義される日がやがて訪れるのだろうか?

メーリングリスト(ML)に対する意識調査の問20において、ML参加者がどう考えているかのアンケートを行った。集計結果は以下サイトを参照。

第1回ML意識調査(集計結果)

第2回ML意識調査(集計結果)



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