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メールマガジン「FUTの小日記」内容


南タイ、ハジャイ近郊での暮らしの中で、思ったこと、感じたこと、
考えたことなどを書きつづっていこうと思う。

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◆FUTの小日記◆  2001.12.04
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   友達が来た

 先週の火曜(十一月二十七日)、オースト
ラリアの友達がやってきて、土曜までうちに
泊まっていった。
 友達といっても、年は自分の親よりも離れ
ている。カンタス航空を定年退職してもう十
年たった。さすがに体は年を隠せない。階段
の登りなどはつらそうだ。でも気持ちは若い。
誰にでも気軽に話しかけるし、時間さえあれ
ば世界中を旅してまわっているし、去年から
はシドニーの大学に入学して美術と写真を勉
強している。
 つきあいは長く、もう十二年になる。日本、
オーストラリア、タイなどで何度もあって、
小旅行したりして、互いにいいところも嫌な
ところもわかっていると思う。

 南タイは彼にとって初めてだったので、い
わゆる定番観光コースを妻と三人でまわった。
 ワット・ハジャイ・ナイの寝釈迦仏、ハジ
ャイのブラックマーケット、ソンクラーのサ
ミラビーチ。
 それからハジャイのよく知った旅行代理店
で一日(二十四時間)千三百バーツでレンタ
ーカーを借りて、トンガチャング滝、国境の
町パダンベザールの市場、パダンベザール近
くの洞窟寺院ワット・タムカオルプチャング、
ソンクラー湖に浮かぶコヨーにかかるティン
ナスラノン橋も渡った。
 丸二日ぐらいで見るべきところはみんな行
けてしまう。やはりソンクラー県は観光地と
はいえない。

 自分がシドニーに行ったときもそうだった
が、いわゆる観光というものより、現地の日
常生活のほうが興味深かったりする。
 だから今回も日ごろ買い物したり、食事を
したりするところに一緒に連れて行った。
 二十バーツのおいしい安食堂、ローカル市
場、あとは郊外型のスーパーにも行った。
 交通もそう。レンタカーの日以外は主にソ
ンテウ。ハジャイ市内でもソンテウの路線で
行けるところは市内五バーツのソンテウ。倍
の十バーツするトゥクトゥクは使わない。
 何も特別なことをするのではなく、普段の
生活感覚のままでまわった。
 バックパッカー的な旅をずっとしている彼
なのでかえって楽しんでくれたと思う。

 とはいえ彼の感覚は先進国オーストラリア。
何にでも「安い」というし、氷の入った飲み
物は飲もうとしない。水道もないような道端
の屋台は避ける。
 自分のことをふと考えてしまう。仕事をや
めて日本を出たばかりのころ、同じような感
覚を持っていた。
 知らないうちに感覚が土地に同化してしま
ったようだ。
 食事がひと皿三十バーツなら高いと思うし、
氷なんて意識すらしていない。
 同化がいいのか悪いのかはわからない。た
ぶんここで暮らすにはいいのだろうし、日本
に帰るとしたら弊害になるのだろう。

 土曜(十二月一日)の朝の飛行機で彼はバ
ンコクに飛んでいった。このあと大学のクラ
スのみんなと合流してイタリアに美術見学旅
行に行くらしい。
 また元の生活に戻った。ふたりと二匹で十
分にぎやかなはずなのに、ひとりいなくなっ
た家はずいぶんさみしく感じる。
 ひとと別れるときは、残るより去っていく
ほうが絶対にいい。去っていく側はまだ非日
常が続く分さみしさも少ない。訪ねられる側
は訪問中自分の日常まで変化してしまうので、
元に戻るギャップでさらにつらかったりもす
る。

 疲れることは疲れたけれど、楽しくにぎや
かな日々だった。自分にとっても得るものが
多かった。慣れてしまって無感覚になってい
ることも、彼の外国人の目を通してまた新鮮
に感じることもできた。
 昼間の熱い風にさえも、いまは旅の途中に
いるような開放感と爽快感を感じることがで
きる。

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