五発:粗筋

五発:粗筋



内容:北朝鮮のある女が、台風の日、毒草(朝鮮あさがお)にあたり死ぬ話。

主題:どこでも何か起こる。

要点:ヨーガ:半島情勢:サットバ:

ロケ地:北海道(北朝鮮住居セット)、ソウル(KBS)、玄海町

音楽:ポチョンボ電子楽団、アカシアの雨にうたれて、ジェフ・ミルズ、村八分、Akasha、ジョン・レノン

参考文献:北朝鮮 普通の人々 チャン・キホン著 イーストプレス発行
:煙草と悪魔 芥川龍之介
:解説ヨーガ・スートラ 佐保田鶴治著 平河出版社発行
:ヨーガの思想 番場一雄著 NHKブックス発行

役者:死ぬ女(B);25:中島
:亡命者(A):本物;
:ピザ屋バイト;19:田中
:ピザ屋店長;32:薬師寺保栄
:女子大生;19:井手
: 田中の母;42:田中裕子
: 田中の姉;22:
: 田中の妹;15:智子
:新聞勧誘員;36:町田町藏
:歌う人:内田裕也

設定:1998年8月野草食料化


:博多駅前:3秒/3秒
人、車、多い。
宅配ピザ屋の出前 田中がバイクで横切る。

:バイクから後ろ向きの見ため:5秒/8秒
路地のある界隈。
全速力(68km/h)、危険。

:宅配ピザ屋:15秒/23秒
店員3人が 田中の話をしている。 田中がヨーガを始めたこと。 幼稚園児が店前を通る。


:バイクから後ろ向きの見ため:3分/3分23秒
音は、 田中の出息(90秒)と入息(30秒)、保息(60秒)の音のみ。

:15秒/3分38秒
無風、夏、晴天、昼。、歩いている。短髪。荒れた唇。
非常に痩せた体。
統制区域の看板。金日成を称える看板。

:ソウル、街:5秒/3分43秒
やや風あり。

:ソウル、KBSスタジオ:3分/6分43秒
男、韓国KBSテレビの取材を受けている。
同時通訳の声(訳が少しおかしい。)
「シベリアからハンガリーを経て、ソウルに到着して二年。」
「私の恋人は、死んでいる。」
「そのことを思うと、気が狂います。」
取材者「どうして?生きているかもしれない。」
「私は、北では成分がよかったのですが、彼女は、よくなかった。」
「彼女の家族は、統制区域で生活していました。」
「お祖父さんが政治犯だったということで成分がよくない。」 :


:ピザ屋:20秒/7分3秒
田中と、店長 薬師寺がつまらないことで口論している。
薬師寺「お前見たいな奴、」
  「ついていけないから。」
  「嫌いなんだよ。」
田中「うれしいね。」
  「片金野郎。」
薬師寺「なんだそれ、」
  「お前、そう言って楽しいのか、」
田中「片金野郎。」
薬師寺「気が狂ってんじゃねーのか。」
田中「ほんと、片金だな。お前。」
薬師寺「話にならねーよ。」
田中「片金。」

:西陣、の部屋(一階):40秒/7分43秒
呼び鈴鳴る。
インターホンを取る。
薫「はい。」
男の声。
「すいません、読売入ってますか?」
薫「はい。」
「それじゃ、これどうぞ。」
薫「なんですか。」
「読売ですよね。これタオルどうぞ。」
ドアを開ける。
ひどく痩せた男がタオルと洗剤を持っている。
タオルには、朝日新聞と書いてある。
「タオルどうぞ、」
薫「あっ、いや、読売に入ってますから。」
「いえ、どうぞ、」
薫「いらないです。」
「いや、一度くらいいいでしょ。朝日。」
薫「すいません、読売ですから。」
「どのくらい、1年間?その後でも、」
薫「いらないですから、すいません。」
ドアを閉める。
薫「なんで。」


: 田中の家:3分/10分43秒
田中帰宅する。
母、姉、妹が夕飯の用意をしている。

ヨーガの修行中なので断食(三日目)している 田中に怒る母。
姉「よろよろして、」
妹「煙草買って来ちゃろうか。」
田中「修行中ですので。」
田中、ちょと手伝う。
妹「お兄ちゃん、」
田中「なんや、」
妹「 薫ちゃん、きれいかねー。」
田中「きれいかろう。」
薫の顔が浮かぶ。
田中「やめてくれ。」
田中、家族に甘えて遊ぶ。
田中、シャワーを浴びて外へ出る。

:本屋:20秒/11分3秒
本屋の店主は足が悪い。
ヨーガスートラとパチンコ必勝ガイドを買う。

西陣:5秒/11分8秒
やや風ある。野菜や、色々な食材を売る多くの屋台に人々が多い。

: 薫の部屋:1分40秒/12分43秒
エアコンの音。パソコンを起動させる。TVソフトを起動させ、テレビを見る。テレビのチャンネルを変える。30局位変えたところで、韓国KBS放送の日本向けチャンネルで止める。先の取材が生放送中。
TVからは通訳の声、画面下に台風情報。
田中がベランダから入って来る。
田中「鼻から、いや、その前に、呼吸を整えて。」
薫「なんで?」
田中「、、やって。」
薫「いや。」
田中「なんで」
薫「。」
田中「、長い付き合いで。」
薫「うん」
田中「呼吸整えて。」
薫「。」「何に凝ってんの。」
田中「ヨーガだ。」
薫「あ、オウム。」
田中「。」
薫「台風が来るって。」
田中「愛してるよ。」
薫「は。」
田中「何が。」
薫「?」
田中「愛してる。」
薫「ほー」
田中「この前、馬鹿やった時、解脱した。今は消えたけど、多分あれが解脱の感覚やろうな。」
薫「ラリッただけでしょ。」
田中「お。」
「だから、麻原とかも、ラリってんだ。」
「..。」
薫「ん。」
田中「あん時は、もう、さすが、解脱。」
「ヨーガをやる。」
薫「私はしません。」
田中、ヨーガの調身を始める。


:パチンコ屋:3分/15分43秒
音=パチンコ屋のメタメタな音と 田中の頭のなかの声
田中、パチンコを打ちながらヨーガスートラを読んでいる。傍らには、パチンコ必勝ガイドがある。
田中の頭の中-この機種の確率-設定の可能性-回りはいい-バイト代-時間-空腹-断食3日目-
断眠2日目-女 薫の乳房-断射精7日目- 薫の顔-禁煙10日目-え、とっリーチ-だめ-
520回転-まだ-あっいい女-煙草欲しい-タマス-非暴力-誠実-不盗-梵行-不貪-
真我は見るという能力だけからなる純粋精神である。-おもしれー回れー
-ヨーガとは心の働きを止滅することである。-たいへんだ-リーチ-だめでよかった確変が欲しい-
-心の働きが止滅された時には、純粋観照者たる真我は自己本来の態にとどまることになる。-
-どんなんかなっ-Lと似て-リーチ確変-だめか-揉みてえ--腹へった- 薫の背中-


: 薫の部屋:3分/18分43秒
薫シャワーを浴びている。

:小学校トイレ:10秒/18分53秒
教師が小便をしている。

:丘の家:夕方5時:15秒/19分8秒
女(B)が、家族と野草を煮ている。

:小料理蝶柳:夜11時過ぎ:1分45秒/20分53秒
とても繁盛している。
田中入ってくる。
薬師寺がひとりでいる。
田中横に座る。
田中「ここ。」
田中「モンタナの新台打った?」
薬師寺「いや。」
田中「裏ロムかなあ。」
「一回もかからぜ。」
「2450回も回して。」


「新台やけ、設定はいいやろ、もし、設定最悪でもあれ365分の1やろ。」
「サンヒチ21、7倍以上回した。」
「でも、確率としては、ありえるべぼ。」
「初めてや、2千回もはまった。」
「365やけ、2450人の人達の誕生日を連続して当てられんやったちゅう事やけ、ありえるたい。」
「1000回くらいのはまりの頃は、頭きて、沸騰したけど、」
「2000回頃は突き抜けてハイや。」
「あの台あしたも打って、ハマリの記録を作っちゃる。」
「365分の364の2千450乗は0.00120468。」
「830分の1のパチンコがあったとしたら、それが一発めでかかった確率と一緒。」
「それくらいありびゃ。」
「まだ、甘い。」
薬師寺「お前、寝たほうがいいよ。」
田中「修行中ですから。」
薬師寺「じゃあ、なんか食べろ。」
田中「いらん。」


:高速道路入り口:夜11時半:1分/21分53秒
ピザ屋のバイクに乗っている。
50ccはだめだと料金所の人に注意される
警察にも届けているとうそをつき高速に乗る。


:田中の家:5秒/21分58秒
妹が心配している。


: 薫の部屋:7分/28分58秒
薫寝ている。
ナチュラルハイの田中が合鍵で部屋に入る。
薫は気付くが、寝た振り。
田中の目つきが鋭い。
ベッドの薫が見える。
ヨーガの調息を必死でする。
田中の頭の中の声「あの布団の中で、入れながら、おにぎり食べながら、眠れたら、」
田中、薫の近くで視姦している。
薫、目を開け見つめ合う。
薫「う。」
田中、ヨーガの調身をはじめる。
薫そのままベッドで横になっている。
田中、調身をしながら、「心を止滅するには、あらゆる欲望を捨てないといかんらしい。」
「無理なこと言うよね。」
「でも、それが解脱への一歩めで、それが出来てもまだ解脱へは遠いんやて。」
「死ぬ間際の感覚かな。」
薫、田中を見ている。
薫「自分の事。」
田中、薫の声を聞いただけでも、勃起したペニスが脈打ち、目眩がする。
目を閉じて調息を繰り返す。
薫、田中を見ている。薫も濡れている。
田中、ヘッドホンを付け、cdを聞き始める。
薫ベッドから降りて、後ろから田中の胸を触る。

薫、田中の上着のボタンをはずし、乳首を直に触る。
薫、乳首をなめ始める。
田中、出そうになる。
田中「だめ、修行中ですから、」
薫、続ける。
田中、至福の顔。
薫「出さなきゃいいんでしょ。」
田中、薫に触る。
田中、目を開け、薫の体を触りながら見る。
出そうになる。
こらえる。
薫、胸を揉まれながら、田中の胸を嘗め続けている。
田中「い!」
田中、薫の顔を取り、激しく舌を吸う。
田中、薫に柔道の締め技のように覆いかぶさる。
田中「勝った。」
薫「じゃあ、私は?」
田中「外にでよう。」



:薫のアパート前:午前0時:20秒/29分18秒
風が強い
ふたり、ピザ屋のバイクに乗る。

:丘の家の前:6秒/29分24秒
少し風がある。

:走行中のバイク:5秒/29分29秒
田中「どこ行く。」
薫「ん。」
田中「が。」


:六本木交差点:午前0時半:5分/34分29秒
バイクを降る。
歩いて5分程のよごへ歩く。

:クラブよこ:5分/39分29秒
ドキュメント
飽きる田中、薫と外に出る。

:クラブよこ前:5秒/39分34秒
雨が降り始めている。
ふたり、歩いていく。

:玄海原子力発電所前:午前3時半:30秒/40分4秒
ふたりが乗ったバイクがやって来て通り過ぎる
風は強いが雨はまばらで蝉が鳴いている。


:玄界灘の海辺:3分33秒/43分37秒
ふたりいる。
田中「朝鮮半島は。」
「北朝鮮はなくなるんか。」
調息をしている田中
薫「帰ろう。」
田中「ん。」
薫、田中を押し倒して羽交い締めにする。
田中「帰ろう。」
雨が強くなった。


:薫のアパート前:午前5時:20秒/43分57秒
雨は強いが朝日はある。
ずぶ濡れのふたりがバイクで来る。
薫だけ降りて部屋に帰る。


:田中の家:午前5時半:4分/47分57秒
濡れ鼠の田中。
そっと鍵を開け家に入る。
玄関で服を脱ぎ、パンツだけで風呂場へ行く。
後ろからお母さんに頭をひっぱたかれる。
田中「おはようございます。」
母「ふざけるのも、いいかげんにしなさいよ。」大声。
「大学なんか行く意味ないとかえらそうに言って、遊び回りよるだけやんね。」
家のものがぞろぞろ出てくる。
母はすごい剣幕で支離滅裂に怒鳴っている。
父「まあ、よかたい、お前はなんばそげん怒鳴り,,,。」
と、とりなす。
母は興奮のあまり泣きながら、父にも怒鳴り始める。
田中、手を付いて詫びる。
田中「ごめん。」
「,,,」
「叩いて。」
、ひっぱたく。

:薫の部屋:3秒/48分
薫、ベッドで熟睡している。

:田中の家:午前7時:1分/49分
田中、台風が来ているので、屋根上で瓦を修繕している。
下で、姉と妹が心配している。
姉「もう、危ないって。」
妹「煙草かってきてやろうか。」
田中「修行中ですから。」
姉「ご飯食べて寝なさい」
妹「修行中ですからー。」


:ちゃぶ台:2分/51分
一家全員いる。
ちゃぶ台には田中に食べさせる為の食事がある。
母「食べなさい」
田中「いらん。」
姉「食べんね!少しでも。」
田中、倒れそうだ。
父「寝れ。」
妹「死ぬよ。」
田中「バーカ、楽勝や。」
母「もう、早く食べて寝なさい」
田中、時計(8時45分)ちらと見る。
田中「トイレ。」
部屋を出る
雨合羽を取り、トイレ入る。


:外:5秒/51分5秒
トイレの窓から出てくる。
雨、風強い。

:キャッシュコーナー:10秒/51分15秒
田中、貯金の9万2000円を下ろす。

:パチンコ屋前:15秒/51分30秒
新台入れ替え2日目で、雨風強いが、人が並んでいる。
ある男「あんた、きのうえらいはまっとったな。」
田中「はい。」
ある男「今日もあの台打つんか?」
田中「ん。打つよ。」
ある男「今日は出るばい。」
田中「いや、当たってもらっちゃ困る。」


:店内:15秒/51分45秒
田中打っている。
田中「2520、2521、2522、2523、、、」
台の上部には回転数のカウンターがあるが、
わざわざ自分でスタートチェカーに玉が入る度にカウントしている。
「当たるな、2530、当たるな、2531、当たるな、2532、、、」


:店から外の見ため:5秒/51分50秒
雨風がひどい。
田中の声「当たるな、当たるな、、、」


:外:5秒/51分55秒
雨風がひどい。
田中の声「当たるな、当たるな、、、」


:丘:5秒/52分 雨風がひどい。
田中の声「当たるな、当たるな、、、」


:丘の家:3分/55分
ひどい下痢をして、布団の中で苦しむ女(B)。
回りには家族が集まり、泣いている。


終り