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 1994年の南アフリカ 

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No.9 1994年1月

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 《今月の主な掲載内容》

 黒人が初めて参加し、4月27日に憲法制定議会選挙が行われる南アフリカでは、年明けとともに有力政党が一斉に選挙キャンペーンを展開し、選挙戦は早くも過熱気味となりました。
 南アフリカ最大の黒人解放組織、アフリカ民族会議(ANC)は21日、全国区候補者200人の名簿を公表し、名簿1位には予想通りマンデラ議長を指名しました。
 国連安保理事会は、国連から約1800人の選挙監視団を派遣する決議を全会一致で採択しました。

1.年明けとともに有力政党が一斉に選挙キャンペーンを展開
 年明けとともに有力政党が一斉に選挙キャンペーンを展開し、支持者拡大に全力を挙げ始めました。アパルトヘイト(人種隔離政策)改革を2人3脚で推進してきた最大の黒人解放勢力「アフリカ民族会議(ANC)」と白人与党国民党も真っ向からぶつかり、選挙戦は早くも過熱気味となりました
 ANCは今回選挙を「アパルトヘイトに賛成か反対かを問う脱植民地選挙」と位置付け、人種平等を求めるなら、解放闘争を続けてきたANCに投票すべきだと、生まれて初めて参政権を得る黒人層を中心に支持を訴えました。
 これに対して、「悪ければ13、14%の得票」と苦戦が予想される国民党(党首・デクラーク南ア大統領)は、「政権担当能力こそが政党に問われる」と強調し、これまでの政府としての中立的立場を捨て、国民党がANCを抑えて第1党を目指すと気勢をあげました

2.マンデラ議長が政憲議会選挙を予定通り実施すると強調
 南アフリカ初の全人種参加の政憲議会選挙を右派連合組織「自由同盟」のボイコット戦術に屈することなく予定通り実施すると改めて強調しました

3.南ア黒人右翼勢力は制憲選挙参加を拒否
 黒人右派勢力「インカタ自由党(IFP)」は7日夜、政策決定機関、中央委員会を開いた後、制憲議会選挙をボイコットする方針を発表しました。
 IFPは、州憲法制定、財政面での完全自治、制憲議会選投票制度の変更などの要求を掲げている。
 白人右派団体「アフリカーナー人民戦線(AVF)」は、これまでの交渉で、主要問題でANCなどとの合意達成前にまでこぎ着けた模様ですが、選挙参加は不安定だと報じられました。

4.ホームランドの黒人、750万人が国籍回復
 アパルトヘイト(人種隔離)政策推進のため南アフリカから”独立”させられたボプタツワナなど(ベンダ、トランスカイ、シスカイ)黒人ホームランド4か所の住民約750万人が1日、約15年ぶりに南ア国籍を回復しました。国籍回復により国民すべてが選挙に参加できることになりました。

5.政府軍と旧ゲリラ統合
 過去30年以上にわたるアパルトヘイト(人種隔離)体制下で互いに反目していた政府軍とゲリラが、初の全人種参加の総選挙を控え、統合に向けて踏み出すことになりました。

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《南アフリカのニュース》
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南ア・ホームランドの黒人 750万人が国籍回復

【ヨハネスブルグ=31日】94.1.1共同

 アパルトヘイト(人種隔離)政策推進のため南アフリカから”独立”させられたボプタツワナなど(ベンダ、トランスカイ、シスカイ)黒人ホームランド4か所の住民約750万人が1日、約15年ぶりに南ア国籍を回復する。
 4月27日実施予定の全人種参加選挙では南ア国籍の保持が投票の要件とされており、国籍回復により南ア国民すべてが選挙に参加できることになった。また、国籍回復はホームランド政策の破たんを意味し、人種隔離政策の最後の柱が崩れたことになる。

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南ア政府軍と旧ゲリラ統合へ

【ロンドン=5日】94.1.7時事

 南アフリカ共和国政府の活動を監視している暫定執行評議会(TEC)の国防委員会は5日、政府の世紀軍と黒人開放団体の軍事組織(旧ゲリラ組織)を統合することで合意した。
 過去30年以上にわたるアパルトヘイト(人種隔離)体制下で互いに反目していた軍とゲリラが、初の全人種参加の総選挙を控え、統合に向けて踏み出すことになる。
 合意を受けて合同軍事調整評議会(JMCC)と国家平和維持軍指令評議会(NPFCC)が設置され、直ちに活動を開始する。

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南ア制憲選挙4月実施
ANC vs 国民党 過熱気味の前哨線

【ナイロビ=7日】94.1.8読売

 黒人が初めて参加し、4月27日に憲法制定議会選挙が行われる南アフリカでは、年明けとともに有力政党が一斉に選挙キャンペーンを展開、支持者拡大に全力を挙げ始めた。アパルトヘイト(人種隔離政策)改革を2人3脚で推進してきた最大の黒人解放勢力「アフリカ民族会議(ANC)」と白人与党国民党も真っ向からぶつかり、選挙戦は早くも過熱気味だ。

ANC2/3確保に”脱植民地”訴え
国民党 巻き返しに議長夫人批判

 選挙戦では、ネルソン・マンデラ議長が率い、世論調査では約6割の支持を得るANCが圧倒的に有利にある。ANCは、今月中に全国区候補リストを発表する予定だ。
 ANCは今回選挙を「アパルトヘイトに賛成か反対かを問う脱植民地選挙」(カール・ニーハウス広報官)と位置付け、人種平等を求めるなら、解放闘争を続けてきたANCに投票すべきだと、生まれて初めて参政権を得る黒人層を中心に支持を訴える。
 1月1日付けで南アの選挙権を得た各ホームランド(部族別黒人居住地域)住民を含めて、南アの有権者は2200万人から2400万人と言われる。全人口の4分の3を占める黒人は、13%の白人、8%のカラード(混血)を圧倒的にしのぎ、ANCが過半数を獲得するのは確実視されている。ANCの当面の目標は、「議会で正式憲法を単独で採択できる3分の2」(選挙対策委員会)以上の議席数だ。
 これに対して、「悪ければ13、14%の得票」と苦戦が予想される国民党(党首・デクラーク南ア大統領)は、猛烈な巻き返しを図っている。デクラーク大統領は、「政権担当能力こそが政党に問われる」と強調、これまでの政府としての中立的立場を捨て、国民党がANCを抑えて第1党を目指すと気勢をあげた。
 同党はアパルトヘイト導入の過去を持つだけに、国民党自体がアパルトヘイト解体に貢献した実績を訴え、過去のイメージを払拭に必死だ。
 国民党の選挙戦略は、経済運営能力アピールに加えて、カラード票の取り込み、ANC批判が中心となっている。
 カラード票が多い同国南部では、人気の高いパトリック・マッケンジー氏(現カラード国会議員)をはじめかなりの数に非白人候補を立て、黒人票もかき集めようとしている。
 また、国民党はANC批判では、特にマンデラ議長と別居しているウィニー夫人についての全面広告を有力紙に連日掲載して、夫人批判を展開している。
 ウィニー夫人は、1988年に旧黒人居住区ソウェトで起きた少年4人の誘拐事件に関係し、誘拐罪で5年の執行猶予付き収監2年の判決を受けるなどの数々のスキャンダルにまみれた。しかし、同夫人は昨年末、過激な若者層の支持を受け、夫人同盟議長としてANC幹部の座に返り咲き、現在では「閣僚当確」とさえ言われる。
 国民党は、夫人をANCの危険な要素のシンボルとし、「このような人物を法秩序相や、福祉相にできない」と訴えており、両党の非難の応酬はますます激しさを増すだろう。

南ア制憲議会選挙
 昨年暮れに承認された暫定憲法に基づき、99年までに、正式憲法を制定する制憲議会を選出する。
 立法府となるのは下院、全国区200、州代表200の計400議席で構成。暫定政府には、下院の第1党などの主要政党から閣僚を出すため、マンデラ、デクラーク両氏など大統領候補者は下院に立候補する。定員90の上院は、同時に行われる州議会選挙をもとに各州10人ずつの議員で構成する。
 有権者は、各党に1票だけ投じ、比例代表制を原則に下院の全国代表、州代表に割り振られる。

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南ア黒人右翼勢力 制憲選挙参加を拒否

【ロンドン=8日】94.1.9読売

 南アフリカ共和国からの報道によると、黒人右派勢力「インカタ自由党(IFP)」は7日夜、政策決定機関、中央委員会を開いた後、4月27日に行われる全人種参加の制憲議会選挙をボイコットする方針を発表した。
 IFPは最大の黒人開放組織「アフリカ民族会議(ANC)、南ア政府と、地方の権限拡大を要求して対立を続けてきたが、数回の水面下交渉にもかかわらず選挙参加を拒否したもの。選挙参加を求めるIFP内柔軟派を強硬派のブテレジ議長が押さえ込んだ結果と見られる。
 IFPは、白人右派を含んだ保守派連合組織「自由同盟(FA)」(5団体)の中核。州憲法制定、財政面での完全自治、制憲議会選投票制度の変更などの要求を掲げ、これがANC、政府に認められない限り、選挙ボイコットだけでなく、ANC参加の中央政府による一切の干渉を拒否する構えだ。
 FA参加の白人右派団体「アフリカーナー人民戦線(AVF)」は、これまでの交渉で、主要問題でANCなどとの合意達成前にまでこぎ着けた模様だが、IFPの強硬姿勢は右派全体の合意を不可能にする。このため選挙はその直前まで、全勢力参加の保証の無い不安定なものとなる。

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南ア議会選、予定通り実施強調
ANC議長

【ナイロビ=8日】94.1.10共同

 ヨハネスブルグからの報道によると、南アフリカの黒人勢力、アフリカ民族会議(ANC)のマンデラ議長は8日ヨハネスブルグで演説し、4月27日に設定された南ア初の全人種参加の政憲議会選挙を右派連合組織「自由同盟」のボイコット戦術に屈することなく予定通り実施すると改めて強調した。

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南ア議会選に1800人の監視団
安保理が派遣決議

【ニューヨーク=14日】94.1.16読売

 国連安保理事会は14日、4月27日に予定されている南アフリカの新憲法制定会議選挙に、国連から約1800人の選挙監視団を派遣する決議を全会一致で採択した。
 南アフリカには、92年9月から「南アフリカ国連監視団(UNOMASA)」約50人が派遣されているが、ガリ事務総長は、同監視団の規模を3月までに500人増やしたうえで、さらに選挙間近になった段階で1300人増派し、計1800人規模とするよう勧告した。報告によると、投票所のうち、紛争のない平穏な9割では2人組の監視員が14から20の投票所を受け持って移動監視にあたり、残り1割の、紛争地区では各投票所に1人ずつの監視員を常駐する。

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下院選挙候補者ANCが名簿
マンデラ氏1位

【ヨハネスブルグ=22日】94.1.23共同

 南アフリカ最大の黒人解放組織、アフリカ民族会議(ANC)は21日、4月末の全人種参加による制憲議会下院選挙の全国区候補者200人の名簿を公表した。名簿1位には予想通りマンデラ議長が指名され、2位はラマフォサ書記長、3位はムベキ全国委員長だった。下院の定数は400人で半分が全国区から比例代表で選出される。世論調査ではANCが60%以上の支持率を得ており、名簿の上位100人程度は当選が確実視されている。
 名簿登録者の人種別内訳は公表されていないが、少なくとも過半数以上は黒人。新議会が従来の3人種(白人、インド人、カラード)議会と異なる人種構成になることを印象付けた。
 白人の中で最も上位に指名されたのはユダヤ系南ア共産党スロボ議長の4位だった。また、2年前の野党の民主党を離党、ANCに参加したファンエリック氏ら白人議員4人も名簿に登載された。

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選挙直前の写真かもしれません

 

(雑誌から)