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 1994年の南アフリカ 

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No.12 1994年4月 (1)

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 《今月の主な掲載内容》

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 今月の26日から行われる全人種参加による初の制憲議会選挙が間近に迫った。しかし黒人右派組織・インカタ自由党(IFP)は参加に歩み寄りを示しているものの、参加を決定していなかった。
 選挙ではアフリカ民族会議(ANC)が第1党になり、マンデラ議長の大統領就任はほぼ確定だった。ANCは今後の南アフリカの政治の安定ためにも全人種、特にIFPの選挙参加が必要であった。
 一方、白人政党・現与党の国民党はANCの単独政権化を阻止するためにも、IFPの選挙参加が必要であった。内閣は政党比率による連立内閣で、副大統領が2人選出されることになっていた。第1党が3分の2以上の得票を得られない場合は、第2党となることが予想された国民党から、1人の副大統領が選出されることになっていた。IFPが選挙に参加することにより、ANCの3分の2以上の得票が阻止できるからであった。

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 5日夜から6日朝にかけて、アフリカ民族会議(ANC)支持者と、選挙実施に反対するIFP支持者による抗争が最も激しい地域のナタール州のホームランドで黒人の若者同士の衝突があり、23人以上が死亡した。
南ア政府は先月31日、同州などの非常事態を宣言したが、その後の抗争犠牲者は計111人になった。

 ヨハネスブルグ近郊のソウェトでは、1年前に暗殺されたクリス・ハニ南ア共産党書記長(アフリカ民族会議=ANC=全国執行委員兼務)の追悼集会が開かれた
。参加者を乗せたバスが会場からの帰途、銃撃を受け、1人が死亡、6人がけがをした。

 選挙へのIFPの参加問題をめぐり、14日、メイヤー憲法開発相は記者会見し、国際仲介が、IFP側の反対のため、実質的な作業に入れないまま「事実上終わった」と語った。これにより、IFPの地元ナタール州などでの政治暴力が激化する恐れが高まった。
 国際仲介は暫定憲法をめぐるIFPとANCの対立解消を目指すもので、元英外相のデビット・キャリントン卿やヘンリー・キッシンジャー元米国務長官ら7人が、先にANCとIFPの間で合意された協議事項に基づき、13日からヨハネスブルグで作業を始めることになっていた。しかし、政府が新たに協議に加わって、これまでなかった「選挙期日の延期は仲介過程の課題としない」との条項が挿入された。選挙の延期をこれまで求めつづけているブテレジIFP議長は記者会見で、これを不満とし、IFPはこの条項を承認できないと明言した。

 最大政党・ANCのネルソン・マンデラ議長(75)と、与党国民党党首のフレデリック・デクラーク現大統領(58)は14日夜、ヨハネスブルグで約2週間後に迫った選挙に向け、南ア放送、米CNNテレビを通じてのテレビ討論を行った。これは、デクラーク大統領が、新大統領就任が確実と見られるマンデラ議長に申し込んで実現した。
 両者は、有権者2200万人のうち2、3割とされる浮動票の掘り起こしのため、1時間の論戦でそれぞれ自党をアピールした。
 過去、ANCは同国最大の黒人解放勢力、国民党は最大の白人政党だったが、両党とも現在は人種別政党の立場を捨て、国民党はカラード(混血)などの候補を多数擁立、ANC側も候補の3割が白人となっていた。

マンデラ議長とデクラーク大統領のテレビ討論

(新聞から)

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《南アフリカのニュース》
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若者同士衝突で23人以上が死亡 南ア

【ヨハネスブルグ=6日】94.4.7読売

 南アフリカ共和国の東部ナタール州、ホームランド(黒人別黒人居住地域)、クワズルで5日夜から6日朝にかけて、黒人の若者同士の衝突などにより、少なくとも23人以上が死亡した。同州周辺は、今月末の制憲議会選挙参加を求める「アフリカ民族会議(ANC)」支持者と、同選挙実施に反対する黒人右派組織「インカタ自由党(IFP)」支持者による抗争が最も激しい地域。南ア政府は先月31日、同州などの非常事態を宣言したが、その後の抗争犠牲者はこれで計111人。

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ハニ氏追悼集会参加バスに銃撃 南ア

【ヨハネスブルグ=11日】94.4.12朝日?

 南アフリカ共和国、ヨハネスブルグ近郊の旧黒人居住区ソウェトで10日、1年前に暗殺されたクリス・ハニ南ア共産党書記長(アフリカ民族会議=ANC=全国執行委員兼務)の追悼集会が開かれた。席上マンデラANC議長は、デクラーク大統領を激しく非難した。この後、参加者を乗せたバスが会場からの帰途、銃撃を受け、1人が死亡、6人がけがをした。

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南ア総選挙 インカタ参加絶望的
国際仲介失敗 抗争激化の懸念も

【ヨハネスブルグ=14日】94.4.15朝日?

 南アフリカ共和国で今月末に予定されている初の全人種選挙へのインカタ自由党(IFP)の参加問題をめぐり、14日、メイヤー憲法開発相は記者会見し、13日から始まった国際仲介が、IFP側の反対のため、実質的な作業に入れないまま「事実上終わった」と語った。これにより、IFPの選挙参加への最後の希望とされた国際仲介がほぼ絶望的となり、IFPの地元ナタール州などでの政治暴力が激化する恐れが高まった。
 国際仲介は暫定憲法をめぐるIFPとアフリカ民族会議(ANC)の対立解消を目指すもので、元英外相のデビット・キャリントン卿やヘンリー・キッシンジャー元米国務長官ら7人が、先にANCとIFPの間で合意された協議事項に基づき、13日からヨハネスブルグで作業を始めることになった。
 しかし、政府が新たに協議に加わって、協議事項を修正、これまでなかった「選挙期日の延期は仲介過程の課題としない」との条項が挿入された。選挙の延期をこれまで求めつづけているブテレジIFP議長は13日の記者会見で、これを不満とし、IFPはこの条項を承認できないと明言した。
 これにより仲介は冒頭から中断。同日午後から14日の午前にかけ、政府、ANCとIFPが協議したが、結局、事態を打開するに至らなかった。

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マンデラANC議長 支持訴えTV討論 デクラーク南ア大統領
制憲議会選まで2週間

【ヨハネスブルグ=14日】94.4.16読売

 南アフリカ共和国の最大政党・アフリカ民族会議(ANC)のネルソン・マンデラ議長(75)と、与党国民党党首のフレデリック・デクラーク現大統領(58)は14日夜、ヨハネスブルグで約2週間後に迫った制憲議会選挙に向け、南ア放送、米CNNテレビを通じてのテレビ討論を行った。
 これは、デクラーク大統領が、新大統領就任が確実と見られるマンデラ議長に申し込んで実現したもの。両者は、有権者2200万人のうち2、3割とされる浮動票の掘り起こしのため、1時間の論戦でそれぞれ自党をアピールした。
 南ア史上初の全人種参加選挙は、長期間の白人少数支配の象徴で悪名高いアパルトヘイト(人種隔離政策)を完全廃止する意義が強調され、そのほかの政策論争はこれまであまりなかった。討論では、一般犯罪増加の原因といわれ大きな関心事となっている貧困層、特に黒人の生活向上、これに関する税制改革問題、教育問題、経済政策が焦点となった。
 デクラーク大統領が、アパルトヘイトを完成させた国民党は、すでに過去を精算したとして、「われわれの手は汚れていない」と訴えたのに対し、マンデラ議長が、「多くの黒人の犠牲と、国際社会の圧力によって、一連の改革が推し進められたことは周知の事実だ」と、自身の27年間の投獄経験も交え厳しく反論するなど、両者が乗り越えようとしている対立の深さも垣間見せた。
 過去、ANCは同国最大の黒人解放勢力、一方、国民党は最大の白人政党だったが、両党とも現在は、人種別政党の立場を捨て、国民党はカラード(混血)などの候補を多数擁立、ANC側も候補の3割が白人となっている。

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