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 1994年の南アフリカ 

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No.15 1994年4月 (4)

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 《今月の主な掲載内容》

 全人種参加での制憲議会選挙を26〜28日に控えた南アフリカ共和国で25日、全国6都市7か所で、選挙妨害を狙った爆弾テロ事件が発生、少なくとも46人が死傷した。このうち5か所では投票所周辺がテロの標的となった。
 27日、ヨハネスブルクのヤン・スマッツ国際空港の国際線出発ロビー前の路上で、車に仕掛けられた爆弾が爆発、居合わせた乗客ら16人が重軽傷を負った。空港という大きな公共施設がテロの標的になったのは初めてで、白人右翼が国際社会への衝撃的な効果を狙ったものとみられる。
 南ア選挙は最終局面で、テロ恐怖の中で「選挙週間」を迎えた。

 選挙は完全比例代表制で、全国区、地方区とも200人、計400人の制憲議会の下院議員を選出する。このうち、得票5%以上の各党の連立で、新政権「国民統合政府」を構成する。
 選挙で最も注目されるのは、過半数獲得は確実とされる最大政党「アフリカ民族会議(ANC)」が、正式憲法採択に必要な、下院の3分の2以上にあたる267議席を獲得するかどうかである。これを獲得すると、ANCは、南アの将来を単独決定できるようになる。

 全国9,500か所の投票所には、27日未明から、黒人の有権者2,200万人が列を作り、長かった解放闘争の末、ようやく手に入れた投票用紙により、1票を投じた。約5,000人の列ができた投票所もあった。
 ナタール、北トランスバール、東ケープの3州の一部地域での投票が29日まで延長された。アパルトヘイト下に、多数派の黒人を意図的に少なく算出した国勢調査に基づく有権者総数の把握が極めて不十分だったことや、ナタール州など一部地域で、選挙終盤戦で参加に踏み切った「インカタ自由党(IFP)」を加えた投票用紙の準備の混乱などのためであった。

 次期大統領就任が確実視されるマンデラANC議長はナタール州ダーバン北約20キロのインダナで投票した。満面に笑みをたたえたマンデラ議長は「何十年も我々が求めていた夢がついに実現した。我々は新しい希望の時代を始めるのだ」と、生涯をかけた黒人解放闘争の一つの結果に、感無量の表情だった。
 新聞には、この投票には夫人と一緒に投票したと書かれていない。夫人のウイーニー氏もこの選挙立候補して当選しているが、まだこの時期には離婚していなかったはずだ。

 余談であるが、マンデラ氏は1期で大統領を、現在のムベキ大統領にゆずり引退した。今は別の女性と再婚されて、数年前には癌の治療を受けられたが、積極的にいろいろな活動などを続けられている。つい最近では、エイズ撲滅活動のためにヨハネスブルクを訪れた、クリントン前米大統領と一緒の写真が新聞に掲載されていた。

 与党「国民党(NP)」のデクラーク大統領はプレトリアの自宅近くで、マリキ夫人とともに投票し、「この日を5年間、待ちつづけてきた。我々は目標を達成した。何の後悔もない」と語った。
 2001年12月上旬、私はヨハネスブルク国際空港に到着し、ヨハネスブルク北のサントンのホテルにいた。新聞には「マリキ、元デクラーク夫人殺される」というニュースが掲載されていた。白人の知人に聞くと「デクラークは、マリキと離婚して、別の女性と再婚している」と言った。

 すでにマンデラ議長はウイーニー夫人と別居していたことは周知の事実であったが、何故、選挙後にマンデラとデクラークの両氏とも、「新生南アフリカ」のために苦労を伴にしてきた夫人と離婚することになってしまったのだろうか?

 

マンデラANC議長が投票

(新聞から)

投票を待つ人たちの列

(雑誌から)

ANCの集会?

(雑誌から)

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《南アフリカのニュース》
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南ア 選挙妨害テロ続発 7か所で46人死傷

【ヨハネスブルク=25日】94.4.26読売

 全人種参加での制憲議会選挙を26日に控えた南アフリカ共和国で25日、全国6都市7か所で、選挙妨害を狙った爆弾テロ事件が発生、少なくとも46人が死傷した。このうち5か所では投票所周辺がテロの標的となった。選挙管理委員会は、投票所の変更などで対応し、「選挙混乱はない」としているが、投票低下を恐れる見方も強まり、南ア選挙は最終局面で、テロ恐怖の中で「選挙週間」を迎えた。

投票率低下の不安も

 ヨハネスブルク郊外のジャーミストンで25日午前、黒人運転手が多い、客待ちのタクシーの列を狙った爆弾テロ事件が起き、通行人を含め黒人など10人が死亡、36人が重傷を負った。警察は、事件後に現場付近から逃走した白人男性2人の情報を集めている。
 このほかにも、やはりヨハネスブルク郊外のランドフォンテーンで、同様の事件が発生、多数のけが人が出た。
 また、投票所を標的とした事件も、東ケープ州、ステインスブルクで2か所、北西州、ブルームホフなど地方3都市で1か所ずつ発生した。選管は、これらの投票所を近くに移して対応する。
 一連の事件に関して、犯行声明はなく、犯人に関する具体的な情報はない。
 しかし、「アフリカーナー抵抗運動(AWB)」など白人極右組織や、選挙をボイコットする白人保守派「保守党」の支持者などは、これまで、多数黒人が主導する新制権誕生につながる選挙に反対、武装闘争を含めた抵抗を開始する姿勢を示していた。
 また、白人鉱山労働者に労組「鉱山労働者労組(MWU)」の中でも、これまでの高賃金を独占していた白人労働者が、将来への危機感を抱き、取り扱いに慣れた爆発物を使っての抵抗を示すのではないかと指摘されていた。

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駆け込み投票申請続々 急きょ参加のIFP拠点 住民に残る対立

【クワマシュ(ダーバン近郊)=25日】94.4.26読売

 南アフリカ共和国初の全人種選挙の投票開始を26日に控え、直前で急きょ選挙参加を決めたインカタ自由党(IFP)の拠点、同国東部ナタール州では、投票に必要な身分証明書(ID)の駆け込み申請が相次ぎ、慌しさをましている。
 同国ダーバンから約20キロの旧黒人居住区、クワマシュの役所で女子高校生、ダザ・ヌズルさん(19)は「ようやく申請に来られた」とひとみを輝かせる。
 役場の助役シフォ・ヌズローズさん(30)によると、ID申請者は、これまで1日100人前後だったが、23日から一挙に300人以上になった。
 役場では、24日になって初めて、IFPの支持基盤ズールー族のホームランド(部族別黒人居住地域)、クワズール政府の職員を対象に、投票所詰臨時職員としてのにわか教育が始まった。職員らはIFPの参加表明まで、自由で公正な選挙を目指す選挙委員会(IEC)に抵抗してきただけに、表情は複雑だ。
 しかし、こうした選挙への熱気も、一歩旧黒人居住区に入ると、様相を一変する。IFP支持者の多く住む地区では、放火された車の残がいの横を、ヤリを持った目つきの鋭い若者が徘徊(はいかい)する。
 IFP支持者、マンラ・ジャズ君(19)は23日に自宅に火炎瓶を投げ込まれたばかり。隣家はアフリカ民族会議(ANC)の支持者で、黒焦げの室内をぼう然と見ながら「ANCのやつらめ」とつぶやいた。指導者同士の長年の対立に踊らされた住民にとって、両党間の不信の根は深い。

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ANC 3分の2議席狙う  南ア総選挙 本土で投票開始

【ヨハネスブルク=26日】94.4.27読売

 南アフリカ共和国で史上初の全人種参加による制憲議会選挙の南ア本国での投票が、26日午前7時(日本時間同日午後2時)から、3日間の日程で始まった。この日、約1,200万人の有権者のうち、入院患者や身体障害者、受刑者などのための「特別投票日」で、海外在住者対象の特別投票も同日、各国の時間に合わせて行われた。同国での一般投票は、27、28の両日行われる。アパルトヘイト(人種隔離政策)に代表される少数白人支配に終止符を打ち、多数派黒人が初めて国政に参加する歴史的選挙だが、選挙への反対勢力によるとみられる爆弾テロ事件が投票日直前から各地で相次ぎ、厳戒下での投票となった。

ANC 6州は勝利濃厚  「IFP」が不確定要素に

 26日、南アフリカ共和国で始まった制憲議会選挙は、完全比例代表制で、全国区、地方区とも200人、計400人の制憲議会の下院議員を選出。このうち、得票5%以上の各党の連立で、新政権「国民統合政府」を構成する。
 選挙で最も注目される点は、過半数獲得は確実とされる最大政党「アフリカ民族会議(ANC)」が、正式憲法採択に必要な、下院の3分の2以上にあたる267議席を獲得するかどうか。これを獲得すると、ANCは、南アの将来を単独決定できるようになる。
 選挙直前の予想では、インカタ自由党(IFP)参加による黒人票の分散で、ANCの目標達成は難しくなった、と見られている。だが、IFPの地盤ナタール、与党国民党支持のカラード(混血)有権者が多い西、および北ケープの各州を除いた6州では、ANC勝利は動かない模様。
 また、第2党を狙う国民党も、IFP参加のあおりを受ける。事前調査によると、国民党得票予想は、一時の13%から20%に上がったが、これが、自由主義経済堅持、増税反対などの政策面で似通ったIFPに、どれだけ食われるかがポイントとなる。
 さらに、アフリカーナー(欧州系白人)による自治政体、「民族国家(フォルクスタット)」樹立を狙う白人政党、自由戦線は、ANC、政府との合意(23日)に基づき、これに必要な「相応の支持」を、アフリカーナー票の過半数で、全有権者の約4%に当たる100万票に設定、この獲得を目指し、国民党票を削る構えだ。
                  ◇
 一方、東京都千代田区にある南ア大使館でも、在日南ア有権者のための特別投票が行われ、推計200人のうち100人が投票した。投票のため名古屋市から新幹線で上京したプレトリア出身のデビット・ゲフィンさん(43)夫妻は、「非常に重要な選挙だと思い、どうしても1票を投じたかった。私たちが子供のころは、バス停も学校も、人種で区別されていたが、今はそんなことはない。この選挙で南アがよくなることを期待している」と話していた。

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南ア選挙、本格スタート 30日にも大勢判明
白人支配国家崩壊へ

【ヨハネスブルク=27日】94.4.28読売

 初めて全人種が参加する南アフリカ共和国の制憲議会選挙は27日、一般有権者による本格的な投票が始まった。17世紀からの少数白人国家で、アパルトヘイト(人種隔離政策)に代表される人種差別で知られる南アを、実質的な黒人主導に導く歴史的な選挙で、欧州各国による植民地支配が続いたアフリカ大陸で、最後の白人政権がこれで崩壊することになる。
 全国9,500か所の投票所には、同日未明から、黒人の有権者2,200万人が列を作り、長かった解放闘争の末、ようやく手に入れた投票用紙により、1票を投じた。
 投票は28日までで、選挙結果は30日発表の予定。かつての黒人解放勢力「アフリカ民族会議(ANC)」が第1党となり、ネルソン・マンデラANC議長が、初の黒人大統領となることが確実視される。
 各地の投票所の混乱は少ない模様だが、南アの玄関口、ヨハネスブルク郊外のヤン・スマッツ国際空港で同日午前、爆弾テロ事件が起きるなど、一部勢力の抵抗が続き、緊迫した選挙となっている。

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南ア選挙 一般投票開始 民主化へ喜びと不安交錯

【ヨハネスブルク=27日】94.4.28読売

 南アフリカ共和国全人種選挙は27日午前7時から一般投票が始まり、多数の黒人が生まれて初めての選挙権を行使、全国で喜びの笑顔が見られた。だが、空港が初めて爆弾テロの標的になるなど、不穏な動きも見られた。

マンデラ議長   「夢ついに実現」
デクラーク大統領 「後悔何もない」

 次期大統領就任が確実視されるマンデラ・アフリカ民族会議(ANC)議長はナタール州ダーバン北約20キロのインダナにあるオフランゲ高校で午前7時、投票した。満面に笑みをたたえたマンデラ議長は「何十年も我々が求めていた夢がついに実現した。我々は新しい希望の時代を始めるのだ」と、27年3か月間に及んだ政治犯としての服役期間を含め、生涯をかけた黒人解放闘争の一つの結果に、感無量の表情だった。
 一方、デクラーク大統領はプレトリアの自宅近くで午前8時45分、マリケ夫人とともに投票。1948年以来、初めて国民党が政権の座から滑り落ちる見通しだが、「この日を(政権に就いた89年から)5年間、待ちつづけてきた。我々は(アパルトヘイト=人種隔離政策=を廃棄し)目標を達成した。何の後悔もない」と語った。
 また直前になって選挙参加を決めたインカタ自由党(IFP)のブテレジ議長もナタール州ダーバン近郊の旧黒人居住区、ウムラジで投票した。

国際空港で爆弾テロ

【ヨハネスブルク=27日】

 南アフリカ共和国全人種の一般投票が始まった27日午前7時15分(日本時間同日午後2時15分)、ヨハネスブルクのヤン・スマッツ国際空港の国際線出発ロビー前の路上で、車に仕掛けられた爆弾が爆発、居合わせた乗客ら少なくとも16人が重軽傷を負った。今のところ、死者は報告されていない。
 爆弾の衝撃で空港ビル正面は窓ガラスなどが吹き飛ばされ、天井から金属パネル類が落下、手荷物類が床一面に散乱した。警察が、白人男性1人を取り調べている。
 空港という大きな公共施設がテロの標的になったのは初めてで、白人右翼が国際社会への衝撃的な効果を狙ったものとみられる。

「台湾とは断行せず」 マンデラ議長

【香港=27日】

 27日の台湾・中国時報によると、南アフリカ共和国の黒人最大勢力、アフリカ民族会議(ANC)のネルソン・マンデラ議長は、同紙記者の質問に対して、「目下のところ、南アフリカが台湾と断行する計画は知らない」と語り、初の黒人政権が誕生しても台湾との外交関係を維持する考えを示した。
 同議長は「数十年来、我々(ANC)は中国と関係を保ってきたし、北京は肝心の時に我々を支持してくれた。台湾とは全く関係がなかったが、昨年私が訪台して以来、双方の関係は面目を一新した」と、慎重な言い回しで台湾と中国双方との友好関係を維持して行きたい意向を表明した。
 南アのデクラーク現政権は、台湾を外交承認する数少ない有力国だが、初の黒人政権誕生の可能性が高まる中で、台湾の李登輝総統は来月の次期大統領就任式に参加する予定。
 一方、中国も同就任式に有力指導者を参加させる方針で、南ア新政権を巡って中台が火花を散らしている。

ANC支持者 「感動した」
国民党支持者 「経済頼れる」

 多数派黒人が、建国以来初めて政権に就くことが確実視される南アフリカ共和国の制憲議会選挙。一般有権者による投票が始まった27日、ヨハネスグルク郊外のソウェトとケープタウン郊外のボンテベルで、それぞれ歴史的な1票を投じた人々の声を拾った。

【ソウェト=27日】

 「世界一朝が早い町」と数年前まで言われ、黒人を中心とする非白人労働者200万人以上を押し込めてきた、最大のタウンシップ(旧黒人居住区)、ソウェト。
 最近になって、マイカーの普及など交通事情の改善で、かつてほど朝は早くなくなったものの、歴史的な選挙の日とあって、多くの有権者がいつもより少し早い午前5時前から、152か所の投票所に、長い列を作った。
 「感動した。数年前まで予測も、期待もできなかったことだ。この変革をもたらしたのは、もちろん、マンデラだ」
 アフリカ民族会議(ANC)のバッジを、ダウンジャケットに付けたトラック運転手、ジェリー・マシラさん(22)は、白い息を吐きながら胸を張る。
 ANC支持者の黒人が圧倒的なソウェトだが、町には対立する黒人政党、インカタ自由党(IFP)支持者も住んでおり、最近まで抗争事件が絶えなかった。このため投票後、マシラさんのように、支持政党を明らかにする人は多くない。
 長年の夢を託した投票を終え、足早に投票所を去った多くの人々の目は、30日の選挙結果発表に向けられている。

【ボンテベル=27日】

 黒人、白人につぐ約200万人の有権者カラード(混血)と呼ばれる人々。そのカラードの大半が住む西ケープ州は、アフリカ民族会議(ANC)と国民党が激しくしのぎを削る激戦区だ。投票開始前に約5,000人の列ができたカラードの旧居住区、ボンテベルの投票所でも支持政党はほぼ、真っ二つに分かれていた。
 国民党支持の公務員フェルロン・クリスチャンさん(29)は「国民党の人種差別は過去のこと。経済政策を頼れるのは、結局のところ、国民党しかない」と語る。
 「ANCはここでも反対住民の家を焼いたり、ネックレス・キリング(油をかけたタイヤを首にかけ、焼死させる)を行った」と反発する人も。
 これに対し、ANCのマンデラ議長のバッジを胸に付けた無職クリスタル・マーチンさん(19)は「私たちは黒人とともに、長年、国民党の過酷な政策に苦しんできた。私たちの中に国民党の支持層があるのは、黒人はカラードよりも下、という国民党のプロパガンダからいまだに解放されていないからだ」と話した。

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南ア選挙期間 一部で1日延長 大勢判明あす以降

【ヨハネスブルク=29日】94.4.30読売

 南アフリカ共和国の初の全人種参加制憲議会選挙は、ナタール、北トランスバール、東ケープの3州の一部地域での投票が29日まで延長され、開票開始も30日に順延された。界標結果の大勢判明は、5月1日以降になる見込み。
 ナタール州など一部地域で投票ができなかったのは、選挙終盤戦で参加に踏み切ったインカタ自由党(IFP)を加えた投票用紙の準備の混乱などから、予定の投票用紙の未到着、不足の投票所が相次いだため。ヨハン・クリーグラー選挙管理委員会は28日午後に暫定執行評議会(TEC)とデクラーク大統領にこれらの地域での投票延長を勧告、両者がこの勧告を受け入れた。

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南ア選挙 開票混乱、判明ずれこみ
ANC勝利は確実

【ヨハネスブルク=30日】94.5.01読売

 全人種が参加しての南アフリカ共和国の初の制憲議会選挙は、30日午前7時(日本時間午後2時)から開票作業が始まった。しかし、投票箱が開票所に届かないなどの混乱から、西ケープ州、北トランスバール、およびナタール州の各州の一部地域では、開票作業が1日にずれ込み、大勢判明も当初予定の同日夜より大幅に遅れそうだ。
 アパルトヘイト(人種隔離政策)下に、多数派の黒人を意図的に少なく算出した国勢調査に基づく有権者総数の把握が極めて不十分だったことから、投票は1日延長され29日深夜まで行われた。
 このため、一部地域では開票作業が始められない状況。投票最中に投票用紙を増刷したほどの混乱により、選挙管理委員会はまず投票総数の見直し作業を余儀なくされており、投票率もまったく分からない状態に陥っている。デクラーク大統領は29日、「選挙結果が(現地時間)3日朝までに確定することを望む」と、大幅な遅延を認めた。
 この選挙は、アフリカ最後の白人支配体制が続いてきた南アのアパルトヘイトに正式に終止符を打ち、多数派黒人主導の民主的国家への脱却を目指すもの。80年以上にも及ぶ黒人解放闘争を展開してきた最大政党の「アフリカ民族会議(ANC)」が勝利することが確実視されている。
 選挙結果確定後の6日、ネルソン・マンデラ議長が南ア史上初の黒人大統領に選出されるものと見られる。しかし、現政権党の国民党(党首=フレデリク・デクラーク大統領)もANCに次ぐ第2党の座を確保、今後5年間はANCと国民党による”2人3脚”の政治体制となる見込み。

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