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 1994年の南アフリカ 

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No.18 1994年5月 (3)

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 《今月の主な掲載内容》

 南アフリカ史上初の全人種参加での制憲議会選挙が4月26〜29日に行われた。

 初の全人種参加選挙で選出された南アフリカ共和国の制憲議会が9日、ケープタウンで召集され、第1党となった「アフリカ民族会議(ANC)」のネルソン・マンデラ議長(75)を、同国史上初の黒人大統領に選出した。
 同議会はさらに、同党のターボ・ムベキ全国委員長(51)を第1副大統領に、第2党となったこれまでの政権与党、国民党の党首、フレデリック・デクラーク現大統領(58)を第2副大統領に選出、新政府「国民統合政府」の指導層を決定した。

 しかし、連立政権「国民統合政府」の閣僚人事を巡って、各党は同日も幹部会議を開き、水面下交渉を行う形で、激しく火花を散らしていた。
 「国民統合政府」では、各党が、制憲議会選挙での獲得議席数により、計27の閣僚ポストを、ANC18、国民党6、黒人右派政党「インカタ自由党(IFP)」3で分け合うことで、原則合意していた。
 国民党が最もこだわったのは、ANCが6日発表した同党選出の17閣僚候補者リストで、国民全体、特に白人市民が強い危機感を抱く治安問題にかかわる4省、つまり「司法」「国防」「矯正(刑務所管轄)」と新設の「警察」の各省をANCが独占した点であった。
 ANC、国民党の間で閣僚人事調整を行うことになったが、IFPのブテレジ議長が、残るポストによっては不満を持つ恐れも指摘されていた。

 マンデラ新大統領は9日午後、ケープタウン市庁舎前の広場「グランド・パレード」で約10万人の市民を前に、演説した。
 「グランド・パレード」はマンデラ氏が1990年2月、27年余りの政治犯としての獄中生活を終えた後、ANC支持者を前に、自由の身となってから初めて演説した記念すべき場所であった。

 マンデラ大統領の就任式は10日、首都プレトリアで開かれる。
 世界各国から約5千人が招かれ、米国のゴア副大統領、ヒラリー・クリントン大統領夫人、英国のフィリップ殿下、台湾の李登輝総統、さらにはガリ国連事務局長やパレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長も顔を並べる「世界最大級の式典」(就任式組織委員会)となる予定で、アパルトヘイト(人種隔離政策)に名実ともに終止符を打つ新生南アフリカを祝福する。

 南アフリカ共和国の各州議会は7日、全国9州のうち、ナタール州を除く8州で初めて開かれ、中央政府の法秩序相であるヘルナス・クリール氏(52)が唯一の白人州首相に就任した西ケープ州を除く7州で、黒人州首相が大統領より一足先に誕生した。
 南アフリカ最大級の「アフリカ民族会議(ANC)」と対立するズールー族政党「インカタ自由党(IFP)」が制したナタール州会議は、選挙結果を巡る両党の争いが決着するのを待ち、11日に初議会を開く予定となった。

マンデラ大統領就任に支持者歓喜

(新聞から)

大統領就任宣言

(新聞から)

ムベキ副大統領が祝福

(新聞から)

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《南アフリカのニュース》
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南アきょう制憲議会 マンデラ大統領選出へ

(ヨハネスブルク8日)94.5.9読売

 南アフリカ共和国の初の全人種参加による選挙で選ばれた制憲議会が9日、ケープタウンで初めて召集され、第1党となった「アフリカ民族会議(ANC)」のネルソン・マンデラ議長(75)を、同国史上初めての黒人大統領に選出する。
 同選挙ではANCが62.6%を獲得し、全400議席中、252議席を占める第1党となった。
 これまでの政権党「国民党」は20.4%で82議席、ズールー族政党「インカタ自由党」は42議席を確保、アフリカーナー政党「自由戦線」が9議席でこれらに続いている。
 大統領選出を受け、就任式は翌10日、首都プレトリアで開かれる。
 世界各国から約5千人が招かれ、米国のゴア副大統領、ヒラリー・クリントン大統領夫人、英国のフィリップ殿下、台湾の李登輝総統、さらにはガリ国連事務局長やパレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長も顔を並べる「世界最大級の式典」(就任式組織委員会)となる予定で、アパルトヘイト(人種隔離政策)に名実ともに終止符を打つ新生南アを祝福する。
 日本からは現職閣僚の派遣はなく、中西啓介・元防衛庁長官が政府特使として出席する。

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黒人州首相が7州で誕生

(ヨハネスブルク8日)94.5.9読売

 南アフリカ共和国の各州議会が7日、全国9州のうち、ナタール州を除く8州で初めて開かれ、中央政府の法秩序相であるヘルナス・クリール氏(52)が唯一の白人州首相に就任した西ケープ州を除く7州で、黒人州首相が大統領より一足先に誕生した。
 南ア最大級の「アフリカ民族会議(ANC)」と対立するズールー族政党「インカタ自由党」が制したナタール州会議は、選挙結果を巡る両党の争いが決着するのを待ち、11日に初議会を開く予定。

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ガリ総長南ア入り

(ヨハネスブルク8日)94.5.9読売

 ブトロス・ガリ国連事務総長は7日、南アフリカ共和国の首都プレトリアで10日に行われる新大統領就任式典に出席するため、同国入りした。

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各国首脳南ア入り

(ヨハネスブルク9日)94.5.10読売

 南アフリカ共和国初の黒人大統領に選出されたマンデラ大統領の就任式が10日に首都プレトリアで行われるが、この歴史的式典に出席する世界各国元首や代表が9日、続々と南ア入りした。この日は未明から、VIP乗せた特別機などが間断なくヨハネスブルクのヤン・スマッツ国際空港に到着。アパルトヘイト(人種隔離政策)に強く反対してきたアフリカ諸国の元首ほか、アラファト・パレスチナ解放機構(PLO)議長らが南アの地を踏み、米国のアル・ゴア副大統領、ヒラリー・クリントン大統領夫人も同日夕には到着予定。
 式典には140か以上国の元首、代表をはじめ、ガリ国連事務総長ら国際機関、南ア国内の賓客約5000人が列席。市民用に式典会場前庭への無料入場チケットが15万枚発行された。

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中国代表団と会見

(中国通信=東京)94.5.10読売

 プレトリア8日発新華社電によると、南アフリカの次期大統領に就任が決まっているマンデラ・アフリカ民族会議議長は8日午後、新大統領就任式列席のため同国を訪れた中国アフリカ人民友好教会代表団(団長=謝邦定副会長)一行と会見した。

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マンデラ大統領誕生 南ア史上初の黒人
副大統領 ムベキ氏ら2名

(ケープタウン8日)94.5.10読売

 初の全人種参加選挙で選出された南アフリカ共和国の制憲議会が9日、ケープタウンで召集され、第1党となった「アフリカ民族会議(ANC)」のネルソン・マンデラ議長(75)を、同国史上初の黒人大統領に選出した。同議会はさらに、同党のターボ・ムベキ全国委員長(51)を第1副大統領に、第2党となったこれまでの政権与党、国民党の党首、フレデリック・デクラーク現大統領(58)を第2副大統領に選出、新政府「国民統合政府」の指導層を決定した。制憲議会は今後、1999年発効の正式憲法を制定する。

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 新議員400人のうち、圧倒的多数派黒人で、全人種が本会議場へ入ったこと自体が、史上初めて。1910年の南ア連邦発足以来、白人が占拠してきた南ア議会は、84年9月に3人種議会体制となり、カラード、インド系にも参政権が認められたが、両者の議会は白人議会とは別の建物だった。
 新議員はマンデラ氏を先頭に次々と議員としての宣言を行った後、大統領、副大統領を選出、下院議長にはANCのフレネ・ジンワラ女史(61)(インド系)を選んだ。
 マンデラ大統領は10日、首都プレトリアで開かれる大統領就任式に臨み、正式に新政府を発足する。
 マンデラ新大統領は同日午後、同市市庁舎前の広場「グランド・パレード」で約10万人の市民を前に、演説した。
 「グランド・パレード」はマンデラ氏が1990年2月、27年余りの政治犯としての獄中生活を終えた後、ANC支持者を前に、自由の身となってから初めて演説した記念すべき場所だ。

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マンデラ大統領誕生 閣僚人事で火花
治安4省が焦点 連立与党、水面下の交渉

(ケープタウン8日)94.5.10読売

 アフリカ民族会議(ANC)のマンデラ議長が8日、当地の制憲会議で、南アの新大統領に選出され、ムベキ第1(ANC)、デクラーク第2(国民党)の副大統領も、ほぼ順当に選ばれた。しかし、連立政権「国民統合政府」の閣僚人事を巡って、各党は同日も幹部会議を開き、水面下交渉を行う形で、激しく火花を散らしている。

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 たたき台となっているのは、ANCが6日発表した同党選出の17閣僚候補者リスト。だが、これは第1党となったANCが、欲しい主要ポストを勝手に押さえて発表した人事だったため、デクラーク現大統領は同日午後、両党間の事前協議でマンデラ議長に強い不満を示し、この結果、ANCはリストの再検討を余儀なくされる失態となった。
 デクラーク大統領が最もこだわったのは、国民全体、特に白人市民が強い危機感を抱く治安問題にかかわる4省、つまり「司法」「国防」「矯正(刑務所管轄)」と新設の「警察」の各省をANCが独占した点。
 これまでの与党、国民党は、アパルトヘイト(人種隔離政策)がまだ強力に大多数の市民を縛っていたフォスター首相時代に、有名な黒人運動化、スティーブ・ビーコ氏を獄中で拷問死させた経験(1977年)などから、これらの権限を一手に握ることの重要性と恐ろしさを、為政者の立場から熟知している。このため、これらのポストの一部、特に「司法」を要求して、マンデラ議長に再調整を求めた。
 さらに、仕事が効率的でないことを理由に、ANCのラマポーサ現事務局長に職を譲った過去を持つアルフレッド・ンゾ氏が、外相に決まったことにも、デクラーク氏は難色を示したと伝えられる。
 「国民統合政府」では、各党が、制憲議会選挙での獲得議席数により、計27の閣僚ポストを、ANC18、国民党6、黒人右派政党「インカタ自由党(IFP)」3で分け合うことで、原則合意している。しかし、ANC、国民党の間で閣僚人事調整を行っても、IFPのブテレジ議長が、残るポストによっては不満を持つ恐れも指摘されている。
 これからの5年間の暫定政府は、各党の強調精神を基本とするもので、マンデラ議長も「政府参加の全政党が、権力を分かち合っている実感を持つべきだ」(6日)と語っているが、国民和解という高い理想を掲げたANCは、早くも難題に直面している。

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