南アフリカの古いニュース

2010年W杯は南ア
14対10 投票1回で決着

サッカーW杯 2010年は南ア

 市場初のアフリカ大陸でのサッカー・ワールドカップ(W杯)は南アフリカで――。国際サッカー連盟(FIFA)は15日の理事会で、ブラッター会長以下24名による投票を行い、2010年W杯開催国に南アを決めた。前回の理事会で10年大会の共催を認めないことを確認していたため、この日の投票は共催を目指すリビアを除外して行われた。南アは1回目の投票で過半数を超える14票を獲得し、開催国に選ばれた。モロッコは10票、エジプトは0票だった。06年大会誘致選では1票差でドイツに敗れた南アは、2回目の立候補で大願を成就した。モロッコは4度目の立候補で、またも敗れた。01年7月のFIFA総会で、W杯開催国の大陸巡回制とそのスタートをアフリカ大陸にすると決めてから、立候補した国々はし烈な招致合戦を繰り広げてきた。FIFAの報告書で最有力に推されたの南アは、ラグビーW杯などこれまでの国際大会の開催実績を高く評価された。 <1面>

前大統領 喜び爆発 前回の屈辱晴らす

 「50歳に若返ったような気分だ」――。アフリカ大陸初のサッカー・ワールドカップ(W杯)開催の栄誉を担うことになった南アフリカのネルソン・マンデラ前大統領が喜びを爆発させた。
 W杯開催国を決める15日の国際サッカー連盟(FIFA)理事会は、2010年大会の開催国に南アを選んだ。24人の理事会メンバーによる無記名投票は1回目で決着、ライバルのモロッコに4票差をつける14表を南アは獲得した。
 過去W杯出場は1998、2002年の2度。FIFA理事会はアラブ色の強いモロッコよりも、ブラックアフリカを選択したことになる。

良い大会になる
 
ブラッター国際サッカー連盟(FIFA)会長の話 ついにアフリカ人の手にW杯を託すことができて幸せだ。南アフリカは、今は多文化多人種の存在する自由の国。平和のメッセージがこもった素晴らしいW杯になるだろう。(共同)

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「挑戦」を選んだFIFA

 「共催にしたくなる気持ちが分かりました」と投票後、小倉純二FIFA理事は苦笑いした。南アフリカにもモロッコにも縁もゆかりもない同理事にすれば、選択の理由はみつけにくい。
 前回の招致選では、ドイツがアジアサッカー連盟(AFC)にコーチなどの人材を派遣する見返りに、アジアの4票はすべてドイツに流れた。今回はAFC理事会で早々と自由投票を決議。実は投票日の前日の14日、韓国の鄭夢準理事らがアジア票をまとめる動きを見せたが、小倉理事はこれを拒否している。
 大陸ごとの集団行動が取りにくい情勢になったとき、実に様々なものが作動した。同じ欧州でも地理的にも歴史的にも濃い関係にあるフランスとスペイン、同じイスラムのトルコはモロッコについたとされる。一方、前回は一致団結して苦汁を飲ませた他の欧州理事には罪滅ぼしの意識が動いたようだ。
 南米は前回に続いて南アを支持したとされ、英連邦のつながりで南ア、というケースも考えられる。理事の間には「モロッコではアラブ色が強くなる」と心配する空気もあったという。イスラムの連帯が強く出れば、カウンターパワーも強く働くということか。
 小倉理事は、そんな南ア支持に回った理事たちの心理を「チャレンジ」という言葉で説明する。ドイツ大会は完ぺきなW杯になる安心感があるならば、その次は、ブラックアフリカを選ぶ冒険をしてもいいのでは、という心理である。
 FIFA調査団は「人口の20%がエイズ患者」と報告している。企業が南アという市場をどう評価するかは未知数だ。FIFA内には既に「我々は全精力をアフリカに投じるべきだ」という意見があるという。6年後のW杯はFIFAと南アの"合作"と考えてしかるべきだろう。

FIFA理事会メンバー

会長
ブラッター(68、スイス)

副会長
グロンドーナ(72、アルゼンチン。同国協会会長)、ウイル(67、スコットランド)、ヨハンセン(74、スウェーデン。欧州連盟会長)、ハヤトウ(57、カメルーン。アフリカ連盟会長)、鄭夢準(52、韓国協会会長)、ワーナー(61、トリニダードトバゴ。北中米カリブ海連盟会長)、ビジャロナ(54、スペイン。同国協会会長)

理事
アルル(62、チュニジア)、ドーグ(58、ベルギー)、サッソサッソ(78、コスタリカ)、テシェイラ(56、ブラジル)、ビン・ハマム(55、カタール、アジア連盟会長)、エルジク(61、トルコ。同国協会名誉会長)、ブレーザー(59、米国。北中米カリブ海連盟専務理事)、マクディ(52、タイ。同国協会専務理事)、レオス(75、パラグアイ。南米連盟会長)、バムジー(60、ボツワナ。同国協会名誉会長)、ディアキテ(50、マリ。同国協会会長)、コロスコフ(62、ロシア。同国協会会長)、マイヤーホルフェルダー(71、ドイツ。同国協会会長)プラティニ(48、フランス。元フランスW杯組織委員長)、フシマロイ(37、トンガ。同国協会専務理事)、小倉純二(65、日本協会副会長)

(注)欧州9、南米3、アジア4、アフリカ4、北中米3、オセアニア1

2004.05.15 日経新聞(武智氏)

新聞記事を勝手に掲載していることをお詫び致します

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