2013年5月 日経新聞


レアメタル確保 官民連携


南アでマンガン権益



中国買占めに抵抗

 新興国でのレアメタル(希少金属)資源確保に向けた日本の官民連携が動き出す。世界最大の埋蔵量を誇る南アフリカの鉱山の採掘権を新日鉄住金グループの日本電工などが取得する。頑丈な鋼材を生産するのに不可欠なマンガン鉱石の権益を確保。中国の攻勢に対抗するため、日本の年間輸入量の2割にあたる20万トンを日本企業に優先して輸出する。
 鉱物専門商社アジアミネラルズ(本社・香港)が南ア北部に広がるカラハリ鉱床の一部の鉱区で採掘権の49%を獲得し、特定目的会社(SPC)を設立する。同鉱床には世界のマンガン資源の8割に相当する約40億トンが埋蔵されているという。
 アジアミネラルズが開発する鉱区の埋蔵量は5億トン。SPCには日本電工が1割超の出資を検討している。独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)も、鉱山開発など投資の回収に時間がかかる案件を対象とする「産業投資出資金」の枠から2.5%(約10億円)を出す計画。「産業投資出資金」から鉱物資源の案件に拠出するのは今回が初めてとなる。
 6月から生産を始める。2013年度の生産量は150万トン、14年度には250万トンに増やす。総投資額は350億円を見込む。掘り出したマンガンは日本電工や神戸製鋼所、中央電気工業などが輸入を検討しているほか、インドやマレーシアなどに輸出。13年度の日本向け輸出量は合計20万トン、14年度以降は40万トンに増やす予定だ。
 日本はマンガン鉱石のほぼすべてを欧米や南アの資源メジャーに依存している。一方、中国の11年のマンガン鉱石輸入量は1300万トンと日本のおよそ13倍もある。資源メジャーは需要が急増する中国向けの供給を優先しており、「安定したマンガン鉱石の調達先を増やすことが産業界の課題」(資源エネルギー庁)だった。
 茂木敏充経済産業相も16日、南アのシャバング鉱物資源相と会談し、採掘権を認可するよう求めていた。日本政府は6月1日から横浜市で開催されるアフリカ開発会議(TICAD)で、日本企業がアフリカ市場に進出するための環境整備を支援すると表明する。
(日経新聞 2013年5月31日)

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