2013年12月 朝日新聞


アフリカの父へ、追悼の歌と雨



アフリカの父へ、追悼の歌と雨
 世界の首脳、南アに集う


 南アフリカ共和国のヨハネスブルク郊外で10日、ネルソン・マンデラ元大統領の追悼式が開かれた。会場の球技場では雨が降り注ぐ中、数万人が、反アパルトヘイト(人種隔離)闘争の際のマンデラ氏をたたえる歌を大合唱し、写真を掲げて踊るなど熱気に包まれた。「私たちの大統領」「あなたのような人は他にいない」と大声で叫んでいた。

 世界の100近い国や地域から首脳や元首脳が多数訪れた。

 国連の潘基文(パンギムン)事務総長は「世界は愛すべき友を、精神的指導者を失った。マンデラ氏は世界で最も偉大なリーダーだった。そして、行動をもって教えてくれる、偉大な教師でもあった」とあいさつ。

 「アフリカの大地の息子」と紹介されて演台に向かったオバマ米大統領は「20世紀最後の偉大な解放者であり、歴史の巨人だった。行動の力だけでなく、理想の力を教えてくれた」と弔辞を述べた。


国連事務総長「闘いは続く」 マンデラ氏への弔辞要旨

 南アフリカは英雄を失った。世界は愛すべき友を、精神的指導者を失った。マンデラ氏は現代世界で最も偉大なリーダーだった。そして、行動を持って教えてくれる、偉大な教師でもあった。

 マンデラ氏は自由と平等、民主主義、正義のためにすべてを捧げた。不正に怒り、憎しみを憎んだが、人を憎むことはなかった。許しの力を持ち、真に平和的手段で人々をつなごうとした。それが彼が我々に示したレッスンだ。

 この会場を見てほしい。ステージを見てほしい。あらゆる意見を持つリーダーと、あらゆる立場の人々がいる。その全てが一つとなっている。

 南アフリカの民主化は偉大な勝利だ。国連はマンデラ氏や南アフリカの人々とともにアパルトヘイト(人種隔離)政策と闘うため、制裁やスポーツ行事のボイコットなど、あらゆる手段を使った。我々の不平等や不寛容との闘いはこれからも続く。


オバマ氏「マンデラ氏の強さ、自らに探そう」
(弔辞要旨)


 今日ここで、他の誰にも似ていない、一人の偉人の人生を祝えることを誇りに思う。彼の闘いは我々の闘いであり、彼の勝利は我々の勝利でもあった。彼の人生から見つけ出した、我々の威厳や希望、自由や民主主義こそが、彼の遺産だ。

 マンデラ氏は、行動の力や理想の力、議論することの大切さを教えてくれた。今はマンデラ氏の死去を悼み、彼の英雄的な人生を祝福すべき時だ。同時に、自分自身に問い掛けてみる時でもある。私たちは、どれだけ彼の教訓を自分自身の人生に反映できるだろうか。

 それは私自身への問いでもある。米国や南アフリカでは何世紀もの間、人種問題の克服に向けた闘いが続いてきた。新しい夜明けを待つために、無数の犠牲を必要とした。この闘いがあったから、私と妻がここにいることができるのだ。

(朝日新聞 2013年12月)

新聞記事を勝手に掲載していることをお詫び致します

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