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ウィニー・マンデラ次官 政権批判
別居中の大統領夫人

ANCに波紋
差別撤廃進まず 黒人不満を大弁

 南アフリカ共和国のネルソン・マンデラ大統領(76)の別居中の芸術文化科学技術省次官(59)の政治批判発言が、政権党アフリカ民族会議(ANC)内で波紋を呼んでいる。
 ウィニー次官は今月上旬、旧黒人居住区ソウェトのサッカー競技場で行われた黒人警官の葬儀で、アパルトヘイト(人種隔離政策)による経済格差是正、職場で続く人種差別の撤廃を進められない南ア政府は、「国民を裏切っている」と演説し、政府の無為無策を批判。昨年4月の全人種選挙後も、生活が改善されない黒人聴衆から万雷の拍手を受けた。
 地元紙の報道によると、政府は10日、発言撤回に応じなければ辞任を迫る「最後通告」を同次官に付き付けた。マンデラ政権は最近、各職場、特に警察内で依然残る人種差別の平和的解決に手を焼いているため、火に油を注いだ同次官に厳重注意したものと見られる。
 ウィニー氏は、過去に少年誘拐、殺人ほう助などの罪で起訴されながら、罰金刑で済ませた経歴を持つなど、種々のスキャンダルに包まれてきた。同氏は、昨年選挙直前にも「1人の白人に、1発の弾丸を」などの過激なスローガンを展開したため、政府内穏健派や、一般社会で危険人物と見られているが、これらの急進的な発言は、黒人貧困層の不満の高まりを示すバロメーターとも言える。

1995.2.14 読売新聞