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人種隔離時代の国家犯罪を調査
真実委設置の法案可決
南ア下院

 南アフリカ共和国の下院議会は17日、白人支配時代の国家犯罪、人権侵害を調査し、犠牲者の遺族に対する補償や、犯罪の全容を告白した政治犯らに個別的に恩赦を与える権限などを持つ真実委員会の設置を盛り込んだ「国民統合、人種和解促進法案」を可決した。同法案に対して、白人保守派政党自由戦線の7議員が反対、黒人右派政党インカタ自由党(43議席)が棄権したが、第1党アフリカ民族会議(ANC)、第2党国民党の両党の支持により、圧倒的多数で可決された。
 法案は、上院の採択、マンデラ大統領の署名を経て、法制化される。
 法案によると、同委員会は、裁判官など10数人で構成。ANCがアパルトヘイト(人種隔離政策)下で非合法化された直前の1960年3月から、ANCと旧白人支配政党国民党などが全人種参加選挙の実施で合意した一昨年12月5日までの、34年間に行われた政治犯罪を対象とし、設置後1年半以内という短期間に、全調査を行う。
 犯罪当事者は、恩赦を受けて初めて、犯行が実名入りで発表される。
 オマール司法相(ANC)は「(過去の国家犯罪に関して)報復してはならないが、賠償は行わなければならない」と、委員会設置の理由を説明した。

1995.5.19 読売新聞