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南ア国民統合政府2年で幕閉じる

 南アフリカの政府は30日、1994年5月のマンデラ政権発足から続いてきた国民統合政府から第2党で旧白人政権与党の国民党が離脱することで、大きく転換を迎える。少数白人支配から平和的な民主化を図る交渉で実現した「人種間の権力分有」制度だった暫定的な国民統合政府は2年で終わった。

白人政権与党の国民党
マンデラ氏の前に影薄く 政権離脱し野党で「再起」

 マンデラ大統領は、国民党の6閣僚のうち、4人を自ら率いるアフリカ民族会議(ANC)で埋め、2閣僚のポストを廃止することを明かにした。第2副大統領だった国民党党首デクラーク氏が抜けた後は、空席にする模様だ。ブテレジ議長(内相)ら3人を送り込んだ第3政党のインカタ自由党は、内閣にとどまるので、7月1日以降のマンデラ政権はANCとインカタとの連立になる。
 国民党は、知事と議会を握る西ケープ州以外の州政府からも離脱することを表明している。国民党がねらうのは、黒人層の圧倒的な支持があり、前回選挙で62%の票を得たANCに対抗する「批判的、建設的な野党」になることである。
 デクラーク氏は。89年に党首に就任して以来、黒人保守層を取り込むことをめざし、国民党を「キリスト教民主主義」的な全人種政党に変えようと努力した。
 しかし、国民統合政府に加わって以来、圧倒的なマンデラ大統領のカリスマ性の前にデクラーク氏の存在は薄れ、マンデラ政権の政策に表立った反対もできないままで、政権最大与党のANCが中央や地方で着々と支持を広げるのを阻めなかった。
 今年5月に成立した新憲法づくりの交渉でも、ANCの主張が大幅に通り、国民統合政府の廃止が合意された。党内では、政権に残っていれば、同党のもともとの地盤であるアフリカーナーとカラードの利益も守れなくなっていくという保守派の不満が強まっていた。
 このため、デクラーク氏は新憲法の国会投票で賛成票を投じることによって制憲過程という移行期間での責任を果たしたうえで、99年の選挙をにらみ、野党としての再出発を図る考えのようだ。
 今後、国民党はANCの失策や、黒人中心となる行政組織の腐敗などの失点を攻撃し、キリスト教民主主義を掲げて、急増している黒人中産階層の支持獲得をめざすことになろう。

1996.6.28 新聞不明