南アフリカのスポーツ

クリケットの簡単なルール説明

クリケットは日本であまり知られていませんが、冬のラグビーと共に、夏の代表的な南アフリカのスポーツです。
ラグビー、サッカーなどもイングランドを母国とするスポーツですが、クリケットは1774年には統一規則ができ、近代的な形を整えたのが最も古く、伝統あるスポーツです。
イギリス、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、インド、パキスタン、スリランカなどの英連邦を中心とした世界各国の多くの人たちが熱狂しているスポーツです。

◇2種類のゲームがある◇

色つきのユニフォームに白いボールを使ったゲームと、白いユニフォームに赤いボールを使ったゲームの2種類があります。

前者はリミティッド・オーバー・ゲーム(Limited Over Game)と言われます。投球単位は6球が1オーバー(1 OVER)で、50オーバー(300球)で終わるか、又は10アウトになるまで(1イニング)の得点数を競うもので、1日で行うゲームです。
野球のように攻撃と守備を交互に行うのではなく、前半に攻撃をすれば後半は守備になります。

後者はオリジナルなクリケットの競技方法で、時間無制限で1イニング(10アウト)若しくは2イニング(20アウト)の得点数を競い、通常3−5日をかけて行うゲームです。

両ゲームともルールは基本的に同じですが、リミティッド・オーバー・ゲームではスピードとパワーが要求されるのに対し、オリジナルのゲームでは天候や相手の得点を考慮した高度な戦略性が要求されるといったように、ゲームとしては全く質の違ったものです。

◇競技方法◇

競技は2チーム、各11名のメンバーが打撃側と守備側に分かれて行います。

フィールドの中央にはピッチ(Pitch)があります。ピッチとはボウラー(Bowler、投手)とバットマン(Batsman、打者)によって投球や打撃の行われる場所です。野球でいうとマウンドとホームベースの間ということになります。
ピッチの間は約20mあり、投球は両脇のどちらからでも投げることが出来るようになっています。そのため、両脇にウィケット(Wicket)が立っています。ウィケットは3本のスタンプ(Stump、細長い円柱)の上に、2本のベイル(Bail、横木)が載せられていて、ボールがスタンプに当たるとベールが落ちるようになっています。

守備側はピッチにボウラーとウィケット・キーパー(Wicket Keeper、捕手)を送り、他の9名はフィールダー(野手)としてピッチを取り巻くように守備位置につきます。野球のようにファウルがないため、360度どの方向に打っても構わないので、打者の後方にも野手がつきます。
プロテクターをするのはウィケット・キーパーだけで、他の野手は何もつけません。野手は野球の硬球と同じくらいの堅さのボールを素手でキャッチします。

投球単位は6球で、これを1オーバー(1 OVER)と言います。ボウラーは1オーバーを超えて続けて投球することが出来ません。1オーバー終了毎に野手のうちの1人と交替し、投げ終わったボウラーは守備につきます。その度に投球エンド(投げる場所)も替わります。このときウィケット・キーパーも反対のエンドに移動し、野手もそれに見合ったシフトをします。ボウラーは2オーバー続けて投げることはできませんが、1オーバーの間隔をあければ何オーバー投げてもかまいません。つまり2人以上のボウラーが必要で、一般的には3−4人います。

打撃側はピッチに2名のバットマンを送り込みます。1人はストライカー(Striker、第1打者)でもう1人ノンストライカー(Non-Striker、第2打者兼走者)です。
ストライカーはボウラーの位置と反対側のウィケットの前に立ちます。
この2人のストライカーは、1オーバーごとに交替します。

アンパイアは2人です。ボウラー・エンドのアンパイアはウィケットの真後ろでかつストライカーを正面で見ることのできる位置に、ストラーカー・エンドのアンパイアはストライカーを横から見ることのできる位置に立ちます。
アウト・セーフの判断、アンフェア・プレイの判断を含めアンパイアのジャッジは絶対です。また、ウィケットをセットするのもアンパイアです。

◇おもなアウトのケース◇

クリケットには10通りのアウトがありますが、次に挙げる4つが代表的なアウトのケースです。

  1. ボウルド(BOWLED)
    投球によって、バッツマンの後ろに有るウイケットが倒された場合。
  2. コート(CAUGHT)
    打球がノー・バウンドで野手にキャッチされた場合。
  3. ランアウト(RUN OUT)
    2人のバッツマンが得点のためにチェンジ・エンドする前に野手の返球によりウイケットが倒された場合。あるいはウイケット・キーパーがボールをウイケットにタッチして倒された場合。
  4. 4.L.B.W.(LEG BEFORE WICKET)
    ウイケットを倒すであろう投球をバッツマンがバット以外の身体の一部で妨害した場合。

◇試合開始◇

ボウラーは、ストライカーの後ろのウィケット目がけてボールを投げます。ウィケットのボールを当ててベイルを落とせば、ストライカーは直ちにアウトになり、ストライカーが退場して、新しいストライカーが入場します。
投球は、野球のようにノーバウンドで投げる必要はなく、打者にとって一番打ちにくいワンバウンドで投げます。ボウラーは肘を曲げてはいけないというルールがありますが、そのかわり投げる前に助走をつけてもかまいません。

ストライカーは、ボウラーが投げたボールでベイルが打ち落とされないようにバットでボールを打ち返してウィケット全体を守ります。
打撃後のストライカーは、ボールが野手の間を転がっている間にボウラー側にあるウイケットに向かって走ります。同時にノンストライカーはストライカーが打撃をした側のウイケットに向かって走ります。2人が互いにウイケットの前に書いてあるポッピング・クリース(POPOING CREASE、打者線)にバット又は体の一部でタッチするか通り過ぎるかすると1点(1ラン)が得られます。これをチェンジ・エンド(CHANGE END)といい、1度のチェンジ・エンドで1ラン。野手からの返球が遅れれば何度チェンジ・エンドしても良く、その都度得点が加算されます。又打球がゴロでバウンダリー(BOUNDARY、競技場の範囲を決める境界線)に達すれば4ラン、ノーバウンドでバウンダリーを越えると(野球でいうホームラン)6ランが走らずに無条件で得点されます。
打者がポッピング・クリースに達する前にボールがウイケット・キーパーに返球されて、そのボールがウイケットにタッチされてウイケットのベイが落ちると、そのウイケットに向かって走っていたバッツマンはアウトになります。

但し、クリケットの特徴として、打った後でも打球の方向、勢いを見て、これは走ってもアウトになりそうだと判断した時には走らなくてもよく、次の投球を待つことが出来ます。バッツマンはアウトになるまで何オーバーでも続けてバッティングを行います。
でも、リミティッド・オーバー・ゲームでは、一定の投球数(50オーバー=300球)で終了するため、最初に登場した2名のストラーカーがアウトにならなければ、この2名のストライカーだけで、得点をあげずに攻撃が終わってしまうということになります。

南アフリカ日本人会の新聞(Springbok)を参考にさせて頂きました。

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