2001年改訂 ユジノサハリンスクの娯楽

首都モスクワから9000kmも離れた極東地方よりさらに飛行機で2時間も行かなければならない島国サハリン。目次で「休日の過ごし方」の説明に「娯楽施設はない」と書きましたが、娯楽施設は本当にないのでしょうか?ほんとはあります。と言っても現れ始めたのはつい最近、数年のことです。
サハリンの発展はほんの最近まで日本より30年遅れているという感じでした。自分の子供時代を思い出すと、確かに冬場に生野菜はなく、白菜の漬物やらたくわんが食卓に並んでいたし、買い物は買い物カゴを持っていったり、お店で入れてもらうのは紙袋だったり、外食は楽しみだったけど、特に美味しかったとは思えない、娯楽施設だってボーリング場と西武園(埼玉県所沢市)くらいでした。
そんなサハリンの娯楽(歓楽)施設を新旧取り混ぜてご紹介しましょう。

レストラン
ロシアでは伝統的にレストランには生バンドがいます。
これがまた隣りの人と会話ができないくらいの騒音で、
しかも演奏されるのはどれも同じリズムのロシアポップスや数年も同じレパートリーで
日本人は辟易されます。この音楽に合わせてロシア人は踊るのですが。

(順不同)
一番最初にオープンした近代的(?)レストランと言えば2階建ての『レストラン・ソウル』。なぜ、サハリンに「ソウル」?と思われるかもしれませんが、これは韓国系ロシア人が経営者なのです。「お呼ばれで『ソウル』に行く」などと言えば羨望の的。オープンしたては本場韓国はソウルからコックさんが来ていて飾り付けから味まで西側並み。でもコックさんがいなくなったら普通のレストランでしたね。アメリカへ亡命したロシア人歌手がディナー・コンサートを開いたりして高級イメージをアピール。その後景気停滞と他の新しいレストランに押されて女人禁制バーやカラオケバーを作り、お昼時にサハリンでは初めてのバイキング形式ランチを導入したりして客込みに力を入れていましたが、どうでしょう、最近ここの噂を聞きません。
ロシア料理のナンバーワンは『ルースカヤ・クーフニャ(そのままズバリ“ロシア料理”という意味)。大抵の他のレストランは行くたびに味が違うのですが、ここは失敗したことがありません。値段も良心的で味は良いで、昼時も夕食時もお客さんでいっぱいです。最近は女性も収入が上がってきたのか、女性だけで食事に来ていることが増えてきました。以前ならレストランは男性に誘ってもらうところだったのです。
『ニェ・ベイ・カプィタム(蹄鉄で打つな)ここは入り口からユニークです。段差の違う階段をゆっくり下りて中に入れば更にビックリ。こんなレストランもできたのです。地元のアーティストの作った等身大の人形が店のあちこちに飾られていて独特の雰囲気をかもし出しています。値段も高くなく、料理は冷めていることもありますが、まあまあの味。うるさい音楽はありません。
 『ニェ・ベイ・カプィタム』
『アールィエ・パルサー(赤い帆)』州議会の建物の裏、ホテル「ナタリャ」の奥にあります。ホテルの滞在客が仕事帰りにビールを一杯やっている姿をよく見かけます。値段も味も中程度。音楽が嫌いな方は9時前に帰れるようにしましょう。スペースの割に音が大きすぎるのです。―ここのお勧め料理は“豚のもも”。文字通りふっと〜い腿肉が骨、皮、脂ごと出てきます。キロ単位の値段で、3〜4人で一つ頼めばお腹いっぱい!脂身が美味しく感じられるようになればあなたは立派なロシア人!!
『サイゴン』コムニスチーチェスキー通りを一本空港側へ入った、映画館オクチャブリの裏。どちらかと言うと若者や中流所得者層のいきつけの場所といった感じですが、値段が安いのが魅力。冬は暖房が効かず寒いのが難点。料理の味は値段から言って文句は言えないといったところでしょうか。
『エデム』韓国人経営。ロシア人には余り好かれていないようです。サハリン通りを西に下り川を渡ってすぐ、「ボーリングセンター」手前。ロシア料理と韓国料理。日本人の口には合います。お米がちょっとまずいです。値段中程度。ここは韓国人が貸切りで使うことがあるので事前に調べてから行った方が良さそうです。ボーリングの後の腹ごなしというのも良いでしょう。
『クロシオ』黒潮と言えば日本料理かとお思いでしょう。最初は和食もメニューにありましたが、その後ロシア料理屋に。州政府などが接待で使うことが多いです。値段安め、お味も...。周りは住宅地なのですが、ちょっと危ない地域なので、ここに寄る時は車を手配しておいた方が良いでしょう。
『レヂャノイ・スタカンチック(氷のコップ)』ビール工場直営のレストラン。料理はあまり美味しくありません。客がいないのに冷めた料理が出てきたり、直営なのに古いビールが出てきたり。
『ユーラシア』ユーラシアホテル一階。駅の横だということで逆に敬遠されているようですが、ここの厨房長の腕は日本人の間では保証済み。もちろん彼女が料理するわけではありませんが。飲み物の持ち込みも場合によってOK。
『ハイネケン』通称。正式名称がないと言う変わったレストラン。レーニン通りをパベーダ通りへ曲がってすぐ右側にあります。小さいながらも店の造りはなかなか快適。値段も安く、なにより禁煙なのがタバコを吸わない人間には嬉しい。
『コロナ』結構知らない人が多いレストラン。二階にカジノがあり、入り口には強面のお兄さん方が数人いてちょっとおっかない感じがします。レストランホールは品のある造りで落ち着きます。値段や味はしばらく行っていないのでノーコメントとしておきます。―2001年7月現在営業停止中とか。
『チョールナヤ・コーシュカ(黒猫)』コルサコフで漁業会社やホテルを経営している人がオープンしたレストラン。日本へ魚を売っている関係で、食材は日本から持ってくるという話でした。ステーキが40ドル!とても期待していたのですが、今年8月に行った際、「届いたばかりの海産物」と言われて出てきた海老は生まれて初めて見た古くひからびた海老。こりゃもうダメだと思いました。以来、行ったことはありません。
『パシフィック・カフェ』サフインセンター一階にあるアメリカン・カフェ。当初マクドナルドができると聞いて楽しみにしていたのですが、蓋を開けるとほとんどセルフサービスのカフェテリア。これが高くてまずくてびっくり!でも何故かアメリカ人達には好評です。やはり彼らは味オンチだ〜。ここの良い点はコーク一杯で長時間座っていられること。そういった場所はユジノサハリンスクには少ないので。奥にバーがあります。 ―開店当初に比べて味も美味しくなりました。12〜13時くらいはビジネスマンで混んでいますが、ちょっとずらせば大丈夫。
 『パシフィック・カフェ』(画像は明るくしてあります)
『コンチネンタル』ディスコ『ジャンプ』に近いレストラン。内装がエジプト風ということは知っているのですが、行ったことがありません。
『シサフィコ』知る人ぞ知る、ロシア・ベトナム合弁企業の食堂。50人ほど収容できるここは予約制でパーティーなど大人数の場合だけに使われます。料理は予算に合わせて作ってくれますが、腕は信用できます。
『サハリン・サッポロ』サハリンサッポロホテルの一階にあります。値段的には市内で一番高いレストラン。その代わり、食材は日本やアメリカなどの質の良いものを使っており、料理の味も一定、安心感があります。煩わしい音楽もなく、落ち着いて食事ができます。禁煙者用のホールが別にあり、手前のバーは毎日アメリカ人で賑わっています。―地下にディスコを建築予定だそうです。大人が気軽に行けるようなものにして欲しいものです。
『飛鳥』『ホリデー』の一階にある日本人の経営によるレストラン。一時期値段が高かったのですが、現地材料を使うものに関しては納得のいく値段です。よく内緒の会談がされる場所でもあります。畳の個室や接待用の大部屋(洋室)もあります。私がいつも食べるのはカツどん。―まずここで食事をし、2階のディスコで踊り、その後朝までカジノという徹夜コースも可能です。
『豊原』日本食。こちらも日本人の経営です。『飛鳥』が高級イメージを作ろうとするのであれば、こちらは大衆食堂。純粋和食というよりは日本の家庭で食べられる料理を作っているところで日本人に人気があります。ここの顧客は魚屋さんたち。スナックもあります。―欲を言えばもう少しこぎれいになって接待などでも使えるようにして欲しいところです。(Iさん、ぜひご検討願いま〜す。)
『アストリア』プルカエバ通りとコムソモーリスカヤ通りの交差点に2001年新春オープンしたレストラン。“イタリア料理”の欄に「ザンギ(※)とパイナップルソース」とあったり、メニューはめちゃくちゃ。カニサラダが300ルーブルと値段もべらぼうに高く、質も良くありません。評判では「いつ行ってもガラガラ」。地下に15人ほど収容できるサウナあり。
※ザンギ:北海道弁で鳥のから揚げのこと。サハリンではこれが当たり前のように使われています。
ディスコバー
金曜、土曜の夜は男性のお誘いを待つ女性がいっぱいいます。
大人っぽい未成年もいっぱいいるので気をつけましょう。
また、飲み物はまがい物も多いので飲み過ぎないように。
『777(トゥリ・セミョールキ)』これがオープンした時はセンセーショナルでした。西側で言うショットバーのような感じです。出される飲み物はまがい物も少なくありません。ホールの奥に食事のできる席がありますが、ディスコの音が筒抜けでうるさく、落ち着いて食事はできません。同じ建物に日本食品店、化粧品店、スポーツジム、プール、サウナ、ヘアサロン、美容サロンがあります。2000年9月現在改装工事中。―改装後見てみたところ、さほど広くなったという印象はありません。2001年7月現在、更に改装工事中。
『ジャンプ』初めての本格的ディスコ。大きなホールを半分囲むように座席があります。その奥に女の子を品定めをする(?)ソファー席。そこだけ照明が暗く、怖いお兄ちゃん方が目を細めて座っています。ここに来る女性は20歳前後が多いようです。
『ホリデー』一階に和食レストラン『飛鳥』、バー『エンペラー』、サウナ、二階に韓国レストラン(改装中)、カジノ、ディスコがあります。ディスコは入場料を支払ってから入ります。カメラ、ビデオは持ち込めません。撮っているところを見つかるとフィルムを没収されてしまうので気をつけましょう。ディスコに来る女性陣の年齢層は20−30歳。
バー『エンペラー』 ディスコ(デジカメならではの秘密撮り)ストロボなしのためブレてますが感じは分かりますよね
『ロイヤル』毎週土曜日の昼間はお子様向けディスコ。行ったことはありませんが、夜も恐らく若い子中心でしょうか、私のディスコ好きな友人達もここには行ったことがありません。
『ルーヌイ・スヴェート(月の光)』ここは以前「湖」という名の日本食レストランでした。ディスコと化した後も昼間は昼食が食べられます。
カジノ
人口18万の田舎町ユジノサハリンスクにもこれだけカジノがあります。
カジノと名のつく所で行ったことがあるのは『ホリデー』だけ。

外国人はいいカモなので現地の事情に詳しい人と行くのがベスト。
『ホリデー』ここが便利なのは、『飛鳥』で和食を食べ、しばらく『ディスコ』で踊った後カジノへ行けること。一つの建物でいろいろ済ませられるのは便利です。ましてや歓楽街というものがなく、店と店が離れていて車なしでは不自由するからです。
 『ホリデー』入り口。二階正面がカジノ。お兄さんが見張っています。
『ロイヤル』、『コロナ』、『コンチネンタル』、『ラーダ』、『ザラトイ・チェリョーナック(金の子牛)』どれもあるのは知っていますが、行ったことがありません。賭け事で儲けられるとは思っていないし、遊び方も知らないし、マフィアのお兄さん方に顔を覚えられるのはごめんだからです。
その他
遊園地、動物園、スケート場、ボーリング場、ゲームセンター、映画館

遊園地 ユジノサハリンスクの遊園地はガガーリン公園の中にあります。ですが、心の底から喜んでいる子供たちを見ると私は変に悲しくなってしまいます。余りにも貧相な遊具。今にもレールからはずれそうなジェットコースター(?)。日本の中古遊具は使えないのでしょうか?輸送もそうですが、メンテナンスも大変でしょうか?唯一まともそうなのが子供鉄道。公園の周りを15分ほどかけて一周します。
動物園 「えーっ、これが動物園???」日本人なら誰もが叫ばずにはいられません。それほど陳腐な動物園。噂には聞いていましたが、実際見ると...。熊に鷲、ウサギにガチョウ、蛇に猿。このくらいです。それでもキャアキャア言っている子供たち。財政的に難しいのは分かるのですが、ユジノサハリンスクは州都。なんとかならないものでしょうか?
スケート場 冬の間、団地の中庭に突如出現するスケート場。雪を平らにして水をかけて凍らせるだけでインスタントスケート場の出来上がり。コンクリートで固めたスケート場は数少なく、私自身一ヶ所しか見たことがありません。
ボーリング場 今年初めてオープンした『ボーリング・センター』。サハリンスカヤ通りを西に、川を越えたところにあります。崩れ落ちかけた工場を改築、韓国の中古品を買って建てたものです。オーナーはレストラン・カジノ『コロナ』の支配人。平日の昼間1レーン1時間300ルーブル(約1,250円)、18時以降と土日は600ルーブル。平均的ロシア人には高い遊びです。サハリンで初めてのボーリング場ですから、市民はもちろん遊び方を知りません。ただでさえ力のあるロシア人が思いっきりボールを“投げる”せいか、レーンがどうも歪んでいて、真っ直ぐ投げたつもりのボールも傾くような気がします(念のため:私だけじゃなくてほかの日本人も言ってますう)。もうちょっと町の中心部にあったら良かったかなと思います。
ゲームセンター まともなものはありません。「ゲームセンター」と呼んでいてもゲーム機が3台くらい並んでいるだけ。もちろん遊んでいるのは小学生〜中学生。今はコンピューターゲームの方が流行っていそうです。
映画館 市内に3ヶ所あります。『オクチャーブリ』と『コムソモーレッツ』、『プリミエール』。日本同様、ロシアでも映画館離れが進んでいます。そんな風潮の中で今年オープンしたのが『プリミエール』。大画面にDolby音響、柔らかい座席が売り物。アメリカで公開されたものがすぐ放映されます。日本より半年も先に見れる点がいいですね。前者2つの入場料が20ルーブル程度なのに対し、後者は150ルーブルもします。ただ、ロシア語の一人吹き替えのためロシア語が分からない人には面白くないかもしれません。
 『コムソモーレッツ』

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