Kyrgyz Republic ニュース


キルギス共和国の新聞"Vechernij Bishkek"の記事の抜粋を翻訳したものです。

イシククル湖に潜む謎の生物 (2003/07/11)

1980年代、地理的調査のためイシククル湖の潜水撮影が行われた。 その結果、いくつかの写真が、当時のソ連邦科学アカデミーの研究員らを驚かせた。 水深300〜350mで撮影された写真に、無脊椎動物のものと考えられる、奇妙な跡が写っていたのである。
しかしながら、ソビエト科学界は、あえてこの発見から目を背け、共産党もこれを信用しなかったため、 このニュースが日の目を見ることはなかった。

ところが、キルギスタンの科学者にとっては、魚にしろ無脊椎動物にしろ、この深さまで下りることのできる生物が イシククル湖に存在しないことは、明らかであった。国際自然社会科学アカデミー会員で撮影にも加わったアザット・コヌルバエフ氏は、 「この痕跡は、未知の何者かが湖底に存在することの証明だ。」と強調する。
昔から、イシククル湖には多くの謎が秘められていると信じられてきた。 事実、行方不明になった漁師は二度と見つからないと、地元の人々は言う。

更に興味深いことに、イシククル湖に怪物が存在することは、中国でも信じられてきた。 7世紀、布教のためイシククル湖の南岸を旅した中国の僧、三蔵法師は、次のような記述を残している。 「それ(湖)は、周囲の長さが千里あり、四方を山に囲まれているので、多くの流れがここに集まる。 穏やかなときもあれば、波立つこともある。魚もいれば竜も棲む。」
もちろん、現代人で竜を目撃した者は誰もいない。しかし、地元の漁師は、夜、漁にでると、まるで巨大な獣のうめき声のような正体不明の音が、暗闇の中で響き渡るのを、ときどき耳にしている。

現在、地元民により、「怪物探し」の潜水探検が企画されている。 とにもかくにも、イシククル湖にひそむ謎はこれだけにとどまらない。 果たして現代の我々にそれらを解明することはできるであろうか。


バトケン(風の谷)のアイグル(月の花)(2003/07/18)

バトケン(BATKEN)とは、タジク語で「風の谷」という意味である。 ここ(キルギス共和国バトケン州)が強風で名高いわけでは決してない。 それどころか、この地域の山や谷は実に様々な神秘に満ちている。
ここでは、バトケン、カナダ、アフガニスタンでしか目にすることのできない不思議な存在について紹介しよう。 これらの地域以外は、どこにも存在しない、レッドブックにも登録されている「月の花」についてである。

・・・・遠い昔、この地域に、ある富豪が住んでいた。 彼は娘アイグル(「月の花」の意)に愛情を注ぎ、月のように美しい娘に育て上げた。 やがてアイグルは勇敢な青年コズ・ウランを愛するようになった。 しかし、二人を待ち受けていたのは、華やかな結婚式ではなかった。
ある戦いで、ウランが敵に斬り殺されたのだ。 仲間は勇敢な戦士の心臓をアイグルの元へ持ち帰った。 アイグルは女友達を集め、断崖に登り、そして自ら身を投げた・・・。 間もなく、不幸な血に染まった石の上に、驚くほど美しい花が芽を出した。 人々は、その花をアイグル、その岩をアイグルタシュ(アイグルの石)と呼ぶようになった。 真向かいに聳え立つ山はコズ・ウランと呼ばれている。 そこに一族が英雄の心臓を葬ったのだ。

ことのほか貴重なこの花は、バトケンの人々により大切に保護されている。 近くにあるカラ・ブラク村では、小中高校生による「緑のパトロール」も設置されている。 アイグルは7年を経ないと発芽せず、更に7年を経てから最初の花が開く。 しかも、満月のときだけ! そして毎年一つずづ明るいオレンジ色のつぼみが増えていくのである。 だから、花の数を数えれば、その花が何歳なのか知ることができる。 34個の花を付けたアイグルを見た人もいる。 しかし、開花したアイグルを目にすることは滅多にできない。 それは気まぐれで傷つきやすい月の花なのだ。 植物学者らがキルギスタンの他の地域にも植え付け増殖させようと、どんなに骨折り、どんなに苦労しても、すべて無駄だった。 アイグルは永遠に愛するコズ・ウランへの貞節を守り続けるのだろう。
バトケンについては、まだまだたくさん語ることがある。次回乞うご期待。