栗野江山城(畑野町栗野江城ケ平)

*参考資料  『新潟県中世城館等分布調査報告書』 『日本城郭体系』

*鳥瞰図の作成に際しては『新潟県中世城館等分布調査報告書』の図を参考にした。

 栗野江の旧三十二貫村にあった城である。標高150m(比高90m)ほどの城ケ平と呼ばれている山の上にあり、地図にも掲載されている。山上はかなり広い平坦地になっており、切岸によって数段に分けられている。また、周囲には腰曲輪が巡らされている。主郭の「佐渡一国義民殿」には、慶長から天保にいたる佐渡の様々な義民を祭っている。

 私がこの城を初めて訪れたのは、小学校4年生の時の秋遠足であった。それ以来何度か訪れているのだが、近年では遊歩道も整備されており、登城口には駐車場も設置されている。佐渡の城址の中でも、城址公園として整備されている数少ない城址の1つである。今回(2017)訪れた際にも、城内はきれいに草刈りがされていた。

 なお、整備事業の関係か、現在は山頂まで続く車道も付けられている。これを使用すれば山頂まで車で行くことも可能なのであるが、途中に「工事車両以外通行禁止」という看板があったので、あきらめて、下から登った。下から登っても10分ほどで城内に到達することは可能である。

 山上からの眺めは良く両津湾・国仲平野・真野湾を一望することができる。

 山頂は大きく数段に削平されており、最高所の部分が土塁で囲まれており、そこに一国義民殿が建てられている。その脇には案内板も設置されている。案内板は城に関するものではなく、一国義民殿に関するものである。
 
 戦国期の城らしく、5の腰曲輪から4の郭、3から1へと向かう登城道ルートがよく分かる城郭となっている。4の城塁には折れも認められ、切岸もしっかりとしている。
 

 栗野江山城は、雑太本間氏に属した半国入道の城と伝えられている。

 山の下には、「平城」「古城屋敷」「馬場屋敷」といった地名が残っており、平時は山麓の居館に居住していたものと考えられる。

 この城は戦国期の城郭としてよりも、一国義民殿によってよく知られている。現地案内板から概略を示すと以下の通りである。

 近世を通じて、佐渡では4度にわたって一国騒動(一揆)が起きている。それによって、年貢の軽減などが行われているのであるが、首謀者は直訴の罪で死罪に処せられた。島民はこれらの人を義民として、それぞれの地で丁重に祀ってきた。

 昭和8年、それらの義民の功績を称えるために、一カ所に義民を祭ろうという運動が佐渡全体で起こっていた。そこで「佐渡一国義民奉賛会」が結成され、募金活動が行われ、昭和12年、景勝の地である、ここ城ヶ平に佐渡一国義民殿が建設されることとなった。

 戦後、政教分離政策によって、義民殿は行政の枠外に置かれ、以後、管理が行き届かなくなり、加えて老朽化や倒木の直撃を受けたこともあり、倒壊寸前の状態となっていた。平成25年、佐渡一国義民殿再建実行委員会が結成され、再び、義民殿が整備されることとなったのである。





南側から遠望する栗野江山城(城ヶ平)。 栗野江山城登山口にある案内板。
駐車場から続いている遊歩道。 5の腰曲輪と4の城塁。
4から3郭に続く虎口。 3郭にある塚状の高まり。
1郭にある一国義民殿。 北側の城塁と腰曲輪。
先端部からは眺望が利いており、国仲平野だけではなく、真野湾も両津湾もいっぺんに見下ろすことができる。。 折れをともなった4郭の城塁。




栗野江平城(畑野町栗野江)

*図の作成に際しては『新潟県中世城館等分布調査報告書』の図を参考にした。

 栗野江平城は、栗野江山城の西麓に築かれていた。栗野江山城の城主の平素の居館があったところであると考えられる。東西に流れている小川に臨む、北側の微高地を利用したもので、民家や水田となっており、耕地整理も行われているようで、本来の形状はよく分からなくなってしまっている。

 『新潟県中世城館等分布調査報告書』には「東側に空堀が残る」とあるが、現在では、それも消滅してしまったようである。
















東海林屋敷(畑野町栗野江)

*鳥瞰図の作成に際しては『新潟県中世城館等分布調査報告書』の図を参考にした。

 東海林屋敷は、栗野江平城からさらに西側に300mほど進んだところにある微高地に築かれており、現在は一軒の民家の敷地となっている。民家のお宅なので内部に進入してはいないが、航空写真を見てみると、微高地が長方形の区画を成しており、北側に川が流れているのが分かる。周囲の水田は堀跡のようにも見える。

 伝承では、半国入道の居館であったという。半国入道についての詳細は不明だが、この地を支配していた豪族であったと考えられる。栗野江平城も栗野江山城も、この半国入道に関連した城郭であった可能性があると思う。









































大竹屋旅館