1.はじめに ▲上に戻る
セレに行ってみよう,と思ったのは,行く1週間前,地元の新聞 La Vanguardia の別冊のタウン情報で,翌週この村で "gran festa de cirera"(サクランボ大祭り)がある,と読んだからでした.赤や黒のサクランボ山積みの箱が青空市のように並んび,広場では色とりどりの風船がわーっといっぱい飛んでいる写真を見て,これは絶対かわいいお祭りに違いない,と行ってみたくなったのです.
日本語のフランスのガイドブックなど持って来ていないので,どの程度メジャーな場所なのかはわかりませんが,たぶん,載ってないのではないかと思われる規模の村でした.(笑) 静かで何もなくて,休息にいい所だと思います.交通手段は,私は在仏の方にセルベレという国境町まで迎えに来ていただいたのですが,ペンピニャン (Penpignan) というフランスの国鉄駅からはバスもあるようです.1時間もかからないと思います.
ただ,本当に小さい村で宿も少なそうでしたので,あらかじめ予約した方がよさそうです.西語は通じなさそうですが.ちなみにホテルは,スペインのあちこちにあるような,シングルで2000ptsクラスの殺風景なオスタルはなく,安ホテルでももう少しインテリアもキレイで,値段ももう少し高いです.私の泊まったところは Hotel Vidal (04.68.87.00.85) というところで,すでに3つベッドの部屋しか空いてなかったのですが,シャワー付きで220FFr(5〜6千円)でした.3人ならかなりお得です.
2.カタルーニャ? ▲上に戻る
フランスのカタルーニャってことは,バルセロナと違って,町ではカタラン語かフランス語が使われているんだろうな,仏語は全然わからないけど,カタラン語なら想像できるかな,なんてわくわくしていたのですが,行ってみてびっくり,カタラン語はほとんど使われていませんでした.
スペインのカタルーニャ地方では,スペインである前にカタルーニャ,スペイン語も理解できるし外人にはスペイン語で話してくれるけれど,日常ではカタラン語,学校教育もカタラン語,公用語としてはカタラン語の方が勢力が強いです.だから,フランスのカタルーニャも「カタルーニャ」というくらいだから,フランスである前にカタルーニャ,カタラン語がメインで仏語は第2言語に違いないと思っていたのですが,通りで聞こえてくるのは仏語ばかり.地元の人同士でも仏語を使っているようです.
屋台でお菓子を売っていた若い女の子に「普段,どっち使ってるの?」と聞いたら,「年輩の人ではカタラン語を使う人もいるけれど,普段みんな仏語を使っているよ.カタラン語は理解はできても,話せない.」と言ってました.ちなみにスペイン語も通じないので,英語で教えてくれました.仏語の次は英語が勉強されているんですね.
同じカタルーニャでも,所属する国家が違うだけで,こんなに言語に対する姿勢にも差が出てくるんだなぁ,と本当にびっくりしました.といっても,彼らはカタルーニャの文化自体は大切にしているようで,あちこちで黄色と赤のストライプのカタルーニャの旗を模したテーブルクロスやお菓子の袋を見ましたし,レストランに行けばカタラン料理のコースもあるし,デザートにはどこでもクレマ・カタラナがあるし,広場では輪になって手をつないでサルダナダンス(バルセロナでも市庁舎の前で毎週末見られます)を踊っているんですが.サルダナダンスはバルセロナのように延々とではなく,月1回だし,わりとあっさり終わってしまってましたけどね.
やっぱり使用言語は国家の方針によって左右されるのですね.百聞は一見にしかずで,来て自分の目で確かめられてよかったと思いました.でなければ,スペイン感覚で,フランスのカタルーニャでは当然カタラン語が日常語なんだろうと思っていたと思います.
3.サクランボ祭り ▲上に戻る
セレはフランスでいちばん早くサクランボを出荷する地域だそうで,毎年5月の最終の週末にサクランボ祭りを行っているそうです.といっても "gran festa"「大祭り」からはほど遠い,とてもかわいらしいお祭りでしたけれど.近所の幼稚園のバザー程度かな.(笑) 地元のお祭りで,観光客なんてほとんど来てないんじゃないかな,という感じでした.
通りの青空市には,生のサクランボ以外にも,サクランボのジャム,タルトなどサクランボものがいっぱいありました.他にカタルーニャのソーセージやチーズ,鴨の油漬け(フランスではよくあるそうです)などを売っている屋台もありました.
スペインもそうですが,ここら辺のサクランボは赤黒い,アメリカンチェリー型です.お菓子作りにもよく使われるようで,屋台で久しぶりにサクランボのクラフティを買いました.(バルセロナでは見ないですね,このお菓子) サクランボもたっぷり乗っていて美味しかったのですが,なんと,種が抜かれていませんでした.(苦笑) 私が日本で自分で作ったときでも種は抜いたよなぁ,と思うのですが.ましてこちらは専用の種抜きがあるんですよ.うーん,忙しくて,そんなヒマなかったのでしょうか.さすがにジャムには種は入ってませんでしたけどね.(笑) でもジャムは極甘を通り越して超甘です.うーん,せっかくのサクランボの甘味が大量の砂糖で殺されてます.やっぱ自分で作るのが美味しいんだろうなぁ.種抜き買おうかなぁ.
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番外で,サクランボを使ったケーキの美味しい店(日本).1つは神奈川県の葉山にあるサンルイ島という店です(まだあるよね〜).なんでも美味しいんですが,フルーツのタルト系は中でもおすすめです.もう1つは,京都の左京区は万里小路にある鞠小路という店のレアチーズケーキ.これ,底に大ぶりのチェリーがドーンと入っていて美味しいんですよ.
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そしてメインのイベントの1つは「サクランボの種飛ばし大会」でした.(爆) そう,誰がいちばん遠くまで口から飛ばせるかの競争です.平和でしょう〜.優勝は地元のおじさんだったようです.みんな真剣に,サクランボを1つずつ口に含んでは,全身ではずみをつけて思い切り前に向かって飛ばすんです.小さな広場で,まわりは人だかり,というほどでもなく,通りすがりの野次馬(私もでした)がわいわい見ている程度.んー,いいなぁ.こういうのどかな日常って大好きなんです.
他はスプーンレース(何を運ぶんだろう?やっぱサクランボかなぁ?)とか,サルダナダンス(盆踊りみたいなもの)とか.本当に地元のローカルなお祭りという感じです.
特に観光スポットもなく,とても小さい村なので1時間も歩けばもう村の様子がだいたいわかるようなところなのですが,こうい小さい村の一大祭りのときの村の人々の生き生きした様子を眺めるのは楽しいです.特に何があるわけじゃないんだけど,来年も来ようかなー,と思い始めています.
4.セレの食べ物 ▲上に戻る
特にセレというわけではありませんが,フランスに入ると突然クレープ屋さんが多くなります.甘いものだけでなく,チーズやハム,ツナなどをはさんだスナック系もあり,軽食によく食べているようですね.普通の小麦粉のクレープ生地の他,Galettes de Sarrasin という蕎麦粉を使ったクレープ生地があってびっくりしました.けっこう味わいあって好きでしたが,フランスでは蕎麦を栽培しているのでしょうか.だったら乾麺にしてくれてもよさそうなのになぁ.
セレの郷土料理はやはりカタラン料理で,どこのレストランにも,伝統的なカタラン料理コースがありました.メインにはうさぎとカタツムリ,デザートにはクレマ・カタラナなど.とても小さい村なので,レストランもそんなに数はありませんが,どこもかわいらしく,いい雰囲気のようでした.サクランボ祭りの最中はたいてい,特別メニューでさくらんぼを使ったコースを用意しているみたいです.
この村には1軒,3トック(フランスで4段階評価のうちの上から2番目)のレストランがあると聞き,そこで食事したのですが,さすがにレストランの雰囲気も,料理の盛り付けも,もちろん味も,全て素敵でした.伝統料理も取り入れたヌーベルキュイジーヌ系で,盛り付けは日本の懐石料理を思わせる美しいものだったし,味付けもスペインのおおざっぱで投げやりなものとは違い,全然塩辛くなく(爆) マイルドで,アーティチョークやうさぎのお肉など,何もかも美味しかったです.
デザートはロックフォートチーズとダークケーキ1切れだと思っていたら,その後,たぶんこの時期限定のさくらんぼスープというものが出てきました.これはスープというか,シャーベットがたっぷりのさくらんぼソースに浮いているというもので,フレッシュなイチゴやフランボワーズもふんだんに添えられており,酸味もほどよくきいていてとてもさっぱりいただけました.そのあと,別にハーブティーを頼んだら,お茶だけでなく,一緒にガナッシュ入りチョコレートとかヌガー,薄いパリパリのクレープなどがついてきて,お菓子好きの私にはうれしかったけれど,さすがにヘビーで,翌朝は何も食べられませんでした.
お値段は日本円にして7〜8千円くらいだったと思うのですが,このクラスのレストランで,街中では,とてもこんな値段では済まないそうです.とても雰囲気も落ち着いていてよかったので,せっかくだから行ってみたいという方は Les feuillants (04.68.87.37.88) まで予約してみて下さい.フランスはすべて予約の国なんだそうです.
また,セレではないのですが,近辺のワインも売っていて,南仏のラングドック・ルーション地方を中心に作られている VIN DOUX NATUREL という,とても甘い酒精強化ワインがよく見られました.通りの露店で試飲させてもらったところ,とてもいい香りで美味しかったので,酒屋さんで他にも試飲させてもらい,樽寝かせのリヴザルトを1本買ってきました.美しい甘さで,これで59FFはお得です.