トルトーザはバルセロナからRENFE(国鉄)で南に2時間強,カタルーニャ州南端に近い,エブロ川ほとりの小さな町です.
1.はじめに
2.パラドール
3.リボンのマリア様のお祭り
4.お菓子
5.その他
1.はじめに ▲上に戻る
トルトーザに行ってみたいと思ったのは,こちらのガイドブックに載っていたカテドラルの写真に少しひきつけられて,中を読んでみると,お祭りのときにはホタ(アラゴン,ナバラ,バレンシアの民族舞踊,音楽)が見られると書いてあったのと,この土地の伝統菓子にひかれたからでした.
ホタは一般的にはアラゴンのものが有名なのですが,それとはかなり違うらしい,と聞いていたので,位置的にはバレンシアに近いのかなと思い,アラゴンのものと比べてみたいと思ったのです.といってもアラゴンのホタはこの時点ではまだ見ていないのですが.
町の見所は大きく3つあるようで,1つはパラドールになっているお城及びその周辺の城壁など,1つはリボンのマリア様をまつるカテドラル,もう1つはモデルニスモの建築物のようです.モデルニスモの建物は今回は特には見に行かなかったのですが,たまたまパラドールに行く途中に通りかかった,タイルがかわいらしく使われ,牛や豚の生首の彫刻がぬっと突き出ている変わった建物にはびっくりしました.なんと,公営屠殺場(跡?)でした.動物の頭の彫刻を飾るセンスはなんかすごいと思いました.
2.パラドール ▲上に戻る
トルトーザには古城タイプのパラドール(国営宿舎)があります.今回は,せっかく二人連れでトルトーザまで行くのだし,と,前もってここに予約を入れておきました.
もともとは十世紀にアラブの王様のために建てられたお城で,周りには外に向かって位置する大砲や,城壁跡などが点在しています.アラブ様式の壁とカタラン・ゴシック調の大窓が特徴とのことですが,全体としては,こじんまりとした落ち着いた印象でした.でもプールもあり,小高い丘の上にあるため,部屋の窓やバルコニーからの眺めは絶景です.丘を上る途中やパラドールの庭には何故か巨大なアロエやサボテンが生育していて,一瞬,ここはどこ?という感覚にとらわれましたが.
町の中心からはそんなに離れていないため,歩けない距離ではありませんが,かなり急な坂の上にあります.また,この坂が全く人通りが無いため,いくら平和そうな町とはいえ,夜歩いて帰るのは避けたいところです.
私達はお祭りを見たかったため,帰りは夜になるだろうから,タクシーで帰ろうと思っていました.ところが,どうも町に着いてからパラドールまで歩いてくる途中,タクシーらしいものを一台も見なかったのです.万が一のため,とパラドールを出るときにフロントで無線タクシーの電話番号を教えてもらったのですが,そのとき「タクシーつかまえるのは難しいよ」と言われてしまいました.
実際,一日町中を歩いていても一台もタクシーを見かけず,メインの行事を見て,バルでタパス(つまみ)をつまんで帰ろうとしたときにも,電話しても来るかどうかわからず,一瞬途方にくれてしまいました.近くにお巡りさんが通ったので,どこからタクシーを拾えるか聞いてみたところ「それは難しいね」.どの町でも,何かしら,普通にありそうなものを探すのが難しいということがあるみたいなのですが(シッチェスの荷物預かり所とか),どうやらトルトーザではタクシーがそうらしいです.
距離はたいしたこと無いけれど,あの人気のなさそうな通りを歩いて帰るのはいやだ,と思っていた私達に,そのお巡りさんが教えてくれたのは警察の場所でした.そこに行って,中の警官にタクシー会社に連絡してもらいなさいと.
そんなの,ありなのかなぁ,と思いつつも他にすべもなく,私達は警察に向かい,事情を話したら,警官がタクシー会社に連絡してくれ,しばらくして一台のタクシーがやってきました(普通の自家用車っぽい車だったけれど).帰路の丘を上る道は,ところどころに街灯があるものの真っ暗で,歩いて上るのは絶対いやだったろうなぁというものでした.
たぶん町の人はみんな自家用車で動いているし,よそ者が頻繁に来るようなところではないから,タクシーが町で数台とかいうレベルなのかもしれません.パラドールの宿泊客も,基本的に車で来ているスペイン人のようでしたし.こういう所は車で行くのが基本なのでしょう.もし電車で行って夜タクシーが必要になったら,さっさとお巡りさんに相談することをおすすめします.
ところで,パラドールはレストランもけっこう美味しく,土地のお料理を出してくれるのですが,ここでは「デルタの pato (鴨・アヒル)」が名物料理の1つです.デルタというと鴨川の出町柳のデルタを思い出してしまう私は「鴨川の鴨,そのままやん」と思ってしまったのでした.(笑)
1人前のお皿で2人前はありそうという,すっごいボリュームでしたが,美味しかったです.
3.リボンのマリア様のお祭り ▲上に戻る
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トルトーザでは毎年9月の第一日曜日が la Mare de Deu de la Cinta(リボンのマリア様)を祝うお祭りの日です.カテドラルにある,両手でリボンを持ったマリア様像(左写真)がトルトーザの町の象徴のようで,このリボンのマリア様をたたえるお祭りです.町中にカタルーニャの旗の他,リボンのマリア様の描かれた垂れ幕も飾られていました.町の雑貨屋には,このリボンのマリア様の置人形もいろいろあり,モンセラの黒いマリア様を思わせます.
後からトルトーザ出身の知り合い他数人に聞いたところ,このリボンは妊婦帯で,ご懐妊しているマリア様を表しているのだそうです.妊婦帯って見たこと無いんですが,こういうものなんですかね?
というわけで,このカテドラルは安産祈願の地にもなっているようです.
カテドラル自体も,とても優美な建築なので,中に入ってじっくり見る価値ありです.
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お祭りでは,ホタの格好をした女の子たち(下写真)やヒガンテス(巨大な人形)が,音楽隊とともに,町中を行列になって練り歩きます.ぐるぐると何周かしたあと,最終的にはカテドラルに向かいます.この行進(プロセッション)のときは,町中の人が通りに出て,彼女たちの行進を道路の両脇から眺めています.
本当はホタのダンスもあったのではないかと思うのですが,私達はプロセッションしか見ることができませんでした.
私達は,音楽隊や女の子たちが行進しだしたので,ついノリでくっついて歩き始めてしまいました.最初は野次馬的に横をくっついて歩いている人もいるかな,と思ったのですが,しばらく歩いているうちに,どうも横にくっついて歩いているのは保護者くらいらしいと気づきました.(苦笑) でも途中で抜けそびれ,最後まで延々と町中を一緒に行進してしまいました.東洋人どころか外人などまるでいなさそうな町の中,2人の東洋人がプロセッションに添って一緒に歩いているのは,かなり目立ったのではないかと思います.(汗)
女の子たちの着ている民族衣装は,右側の子達の着ているような深紅の色のものが最も多く基本のようでした.他にも濃いピンク,淡いピンク,オレンジ,水色,藤色などいろいろバリエーションがあって,なんとなく幼稚園の劇の発表会の衣装を思い出します.
頭を覆っているものは,スカートを同色の毛糸で編んだもので,縄編みなどの模様編みが入っており,それに太い同色のリボンをつけているのですが,なんとなく毛糸のタイツをかぶっているみたいで,少し妙な感じがしました.
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しかし,やはり小さい子はみんなかわいらしいです.高校生くらいの若い子でもこの格好をしている人達がいたのですが,どうもそのくらいの年頃になると,美しい子とそうでない子がはっきりわかれてきて「みんなかわいい」とは思えなくなっていました.
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他に,こんなウェディングドレス風の真っ白なドレスを着た女の子たちもいました.
特に左から2番目の女の子が,撮った画像をその場で再生して見せてあげたら,すっかりデジカメを気に入ってしまい,その後行進中もずっと,写真撮って,撮ってとせがまれてしまいました.(笑)
でも,みんなそれぞれ違う真っ白でふわふわのドレスを着て歩く女の子たちは本当にかわいらしかったです.ちょっと統一教会を思い出してしまいましたが.
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結局,ずっとプロセッションと並んで歩き,最後にカテドラルに到着した頃は夜になっていて空も真っ暗でした.そして突然,近くから空に向かって打ち上げ花火が十数発,打ち上げられたのでした.まさかこんなところで花火が見られるとは予期していなかったのですが,仕掛けはシンプル,規模は小さくても,商業的においの全く無い,とても美しい感動的なものでした.
4.お菓子 ▲上に戻る
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左はトルトーザ銘菓の1つ,Garrofetes del Papa という,平たい小石の形,大きさの,卵ボーロ色のお菓子です.小さなメレンゲ菓子なのですが,味,舌触りは卵風味の柔らか目の落雁のようで,1つ口に入れたとき,懐かしいな,という気持ちになりました.
普段からどこのケーキ屋さんにも置いてありますが,お祭りのときは地元の人がみんな買っていくようで(この日は朝からどこのケーキ屋さんもいつもお客さんでいっぱいでした),お祭りの翌朝は全然残っていないという店が多かったです.お昼にはまたできていましたが.100g単位で袋に入れて売ってもらえます.
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"del Papa"という部分の名前の由来ですが,まずスペイン語では papa というと神父さんやローマ教皇などを意味します.そして,このケースでは,Papa del Luna と呼ばれた,ベネディクト13世をさしています.当時,彼が非常に胃が悪くなり,何も食べられなくなったため,トルトーザのお菓子屋がその彼のために作ったお菓子なんだそうで,彼は結局このお菓子だけ食べることができた,つまりこのお菓子しか食べられなかったという話です.それで,このお菓子のことを Garrofetes del Papa というようになったそうです.
他に pastissets という,半月型の,大きな揚げ餃子のような形をした,衣の外をグラニュー糖でまぶし,中に cabello de angel(半透明のカボチャのマーマレード)を詰めた焼き菓子も土地の伝統菓子の1つです.こちらはバルセロナでも置いてあるパン屋さんも多いです.
5.その他 ▲上に戻る