4.15 西山

(上山田 482.6メートル、沓掛山 415.1メートル)

1.概説

西山というのは広い意味では鷹ヶ峰あたりから愛宕山塊を含めて嵐山、さらに淀川西岸までをいう。しかしここでは特に桂の西に位置する保津川、山陰道(国道9号線)に囲まれた山塊について記す。

このあたりの山は低山ばかりで山というよりも、むしろ丘陵地帯といったほうがぴったりする。そのほとんどが雑木林と竹薮で北山とも東山ともまた異なった趣がある。山城五十山に該当する山は2山あり嵐山の西にある無名(点名は上山田)の482.6メートルと老ノ坂峠の北にあり、いつの間にか沓掛山と呼ばれている415.1メートルの山だ。これらの山一帯は製紙会社の持ち山と国有林になっており迷路のように小径があるが保津川に下ると急峻な崖もあり危険なので必ず踏み跡をたどるようにすべきだ。

2.上山田(点名)嵐山の西 482.6メートル

渡月橋の南側の散策路を川にそって西へ1キロメートルほどすすむと大悲閣という寺の入口に来る。この入口の少し北から南の山腹に登る道がついている。急坂を半時間ほど登ると尾根筋に出ることができる。ここは地形図に烏ヶ岳と載っているところで東西に道がついており西へ行くと松尾神社のほうへ出られる。鳥ヶ岳より東にも山腹つたいによい道がついており、西芳寺川の源流と合するあたりからは眼下に有名な小倉山が見える。さらに尾根道をすすみ高いほうへと道をたどっていけば482.6メートルの三角点に到達できる。山頂は木々の間から保津川や愛宕山塊を望むことができる。以上は1960年(昭和35)の記録だが大悲閣からの道は現在通行止めになっているようだ。道のりはあるが苔寺の奥から竹林を登り松尾山、嵐山、烏ヶ岳経由で尾根筋を行くか西芳寺川の流れる松尾谷をつめるかの二つの方法がある。前者の尾根筋は野猿が多数出没するので危険なこともあるが眺めはよい。松尾山は標高276.1メートルの三角点があり縦走路から少し尾根筋に入りこんだところにあるので分かりにくい。嵐山も縦走路から離れているがピークがはっきりしているので迷うことはない。500年前に砦があったといわれ、いまでも石垣と思われるものが残っている。1998年(平成10)5月に松尾谷をつめた。松尾谷は車道が源流ちかくまで、ついているが一般車は苔寺の少し奧で通行止めになる。車道の終点まで入ると地形図上の歩道を通りすぎてしまうが東側の山腹に明瞭な道がついており地形図の標高点407メートル地点から南へ、沓掛山につながっている尾根に出られる。この間、苔寺から1時間半かかる。標高点407メートル地点の付近は枝路が多く大変分かりにくい。北へ向かって保津峡へ降りるやせ尾根の道をたどると20分ほどで482.6メートルの三角点の東南に出てくる。ここから本道を離れて西北へテープの目印をたよりに10分ほど登ると三角点482.6メートルに到達できる。2001年(平成13)3月時点では松尾谷は車道が尾根をこえ保津峡方面までついている。この峠から標高点407メートル地点までは簡単に行けるようになった。

もともとこの山は1914年(大正3)参謀本部発行の地形図では「烏ヶ嶽」になっていたが、その後「烏ヶ嶽」の山名は少し南のピークに移って現在の「烏ヶ岳」になってしまった。以降、地形図に採用された名称はなくガイドブックや登山地図にも掲載されていない。

3.沓掛山 415.1メートル

前出の嵐山西482.6メートルの三角点から東南へ少し引き返すと、いままで通ってきた尾根と唐櫃越(からとごえ、古くは「からびつごえ」)と呼ばれている尾根とを結んでいる連結尾根の分岐点(西芳寺川の最上流)に来る。枝路が多くてどれが地形図にある道か判断しにくいところもあるが唐櫃越の尾根はどこからでも見えるのでなるべく南寄りの小径を選んですすむ。沓掛山の三角点に達する手前は少しブッシュがあり通りにくい。1960年(昭和35)にはなんとか通過できたが1998年(平成10)5月時点、このあたりは私有林になっており立入禁止の標識と柵があり通れなかった。三角点は唐櫃越の道から20メートルほど離れた杉木立のなかにありここからの展望は正面に愛宕山を望むことができる。唐櫃越は上桂からはじまって国道9号にそって亀岡の手前にある馬堀へ出ている。戦国時代は軍用道としてつかわれたらしい。沓掛山だけなら上桂から唐櫃越に入るのが最も分かりやすい。苔寺の南にある浄住寺の北側から西に入る衣笠山の墓地までは車道がある。ここから西へ入るが、はじめのうちは美しい竹薮がつづきそれが終わると尾根の南にある桂坂の野鳥公園からの遊歩道になり、ところどころにはベンチもある。それも終わると、やせ尾根で道の左右とも急峻で踏みはずすと大変なことになる。やがて急坂を登りきると右側が沓掛山の三角点だ。浄住寺から1時間半かかった。この尾根道をすすめば馬堀方面に出られるが国道9号側に降りる道は地形図に載っている以外に沢山ありいずれも半時間程度で降りることができる。なかでも野鳥の森の遊歩道あたりから桂坂団地へ降りるリヨウブの道は快適で木々に名前もつけてあり植物園を歩いているようだ。降りたところが水道局の浄水場ですぐに桂坂小学校のバス停に出られる。



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