山城五十山 鷹ヶ峰、氷室付近 沢山 城山 十三石山


4.14 鷹ヶ峰、氷室付近

(沢山 516.0メートル、城山 479.8メートル、十三石山 495.5メートル)

1.概説

市街に接している鷹ヶ峰付近はちかくて気軽に行け、それで北山の面白さが少しばかりあるところだ。ここで言う範囲は氷室を中心として周山街道と鴨川源流にあたる雲ヶ畑川のとりまく範囲だ。山城五十山に該当する山は沢山、城山、十三石山の3山でいずれも名前が昔からついておりよく知られている。いずれの山も半日行程で十分行けるし、また一日かければ3山全部も征服可能だ。

2.沢山 516.0メートル

京都市街から西北の方向を見ると左大文字の山を東の端として西北の方向に同じような形のピークが四つばかり連なって山塊を形成している。東から左大文字山、桃山、沢山、砂山などで沢山はそれらの中間に位置している。沢山に登るにはつぎのようなルートがある。

1)鷹ヶ峰から桃山を経て尾根つたいに行く(2)鷹ヶ峰から坂尻、上ノ水峠を経て谷をつめる(3)宇多野から高鼻川をつめる(4)中川から菩提の滝、沢池を経る。などありいずれもよい道がついているが(4)の中川からが最も簡単でハイキングにもよく利用される。

北山丸太の集落として有名な中川まではJRバスで来られる。バスは中川の集落の手前にある菩提道で降り、そこから広い車道を菩提川にそって歩けばよい。最近は車で沢池まで入る人が多い。沢池は山中には、めずらしく大きな池で昔は貸しボート屋もあったくらい休日は賑わっている。沢池は東側に歩道がついており南に向かうと桃山からつづいている東西の尾根に出られる。ここから沢山の三角点までは、少し潅木をくぐらねばならないが、すぐに到達できる。この山はよく人が来るとみえ以前は三角点標石が大分削られていた。四隅はすべてハンマーで壊されていたが1993年(平成5)に更新されている。

頂上は木が多くて展望は東の方向しかきかないが三角点から少し戻ったところから沢池の全ぼうが木々の間から望める。山の上にある大きい池なので火山湖のような感じがする。また前出の沢池から尾根筋に上がったところはホトグリ峠といい南に降りる広い道がついており(3)のルートである白砂山の北を通って宇多野へ出られる。中川、沢池、宇多野のルートはハイキングコースとなっており、だれでも間違いなく行けるよい道だ。また宇多野へ降りずに高雄の白雲橋へ降りる道も整備されて京都一周トレイルの一部になっている。一方、(1)(2)の鷹ヶ峰からのルートは鷹ヶ峰方面には市バスが、ひんぱんにあり玄琢(げんたく)行きのバスに乗り源光庵前で降りる。鷹ヶ峰は市街にある吉田山や船岡山の高さと同じくらいのところにあり市街が見下ろせる眺めのよいところだ。また光悦寺という有名な寺もあり観光客が多い。源光庵前でバスを降りると南からきた道は東西に分かれバスは東に去ってしまう。西へ行くと学校や光悦寺さらに杉阪方面への分かれ道を通りすぎ急坂の下りとなって、千束に出られる。千束をすぎ道標にそって天神川を少しすすむと左から原谷が入っている。この原谷と天神川の中間にある尾根は桃山から張りだしており京都府立大学(元西京大学)の演習林になっている。尾根には地形図どおりの道が桃山の山頂までついているが、それから吉兆山をへて沢山までは岐路が多く、尾根を見失わないようにしなければならない。灌木ばかりでクマザサの薮はない。また桃山を経ずに天神川にそっていくと坂尻の集落にくる。ここから沢山の東の吉兆谷を登ってもよいし、また上ノ水峠からも三角点へ行くことができる。2000年(平成12)5月、沢山山頂から上ノ水峠の南へ下ったときは倒木が少しあったが歩きやすい道であった。

3.城山 479.8メートル

鷹ヶ峰から杉阪までは、せまいが車道がついていて周山街道のバイパスとしてよく利用されている。鷹ヶ峰から半時間ほど車道を歩くと東側に潅木で覆われた小高い山が見られるが、これは釈迦谷山といい標高291.2メートルの三角点がある。頂上まで車道から10分の道のりで踏み跡は明瞭についている。頂上からの展望はない。釈迦谷山は標高400メートルに満たないため山城五十山には入れていない。さらにすすむと堂の庭というところがあり、少し先が京見峠で峠にふさわしく、いまでも茶店があり甘酒など飲むことができる。名前のとおり京都市街の眺めが非常によい。京見峠は室町時代から山城と丹波、若狭を結ぶ通路として旅人の往来があったといわれている。ここまでは徒歩ならば千束から旧道を登って来るほうが速い。堂の庭をすぎると道はいずれも車道で二つに分かれる。城山へ行くには右の氷室方面への道をとる。やがて京都市防災無線中継局があらわれる。ここで細い道が三角点の西をまわって氷室へ行くようになっているがこれは旧道で、もう少し本道をすすみ西側の、よう壁がなくなる地点から西側の山に入り踏み後にそって登ると本道から10分たらずで三角点に到達することができる。頂上は潅木に覆われ展望はない。以上は2000年(平成12)1月に確認ずみ。城山には昔、明智光秀の砦がありそのため城山といわれているが山頂付近は城跡と思われるような段差の多い地形だ。

4.十三石山(じゅうさんごくざん)495.5メートル

十三石山に登るには氷室を起点にすればよい。氷室へは前出の城山を経て車道が通っているし、また杉阪から氷室川にそった道を行ってもよい。後者は1997年(平成9)現在、完全に車道が氷室まで入っていないので20分ほど歩かねばならない。また1995年(平成7)に京都一周トレイル北山西部コースが整備され上賀茂の山幸橋から氷室小峠を経て1時間半程度で氷室へ来る人も多くなった。さらに私のとっておきのコースとしては京都ゴルフ場の西コースにある尺八池から船山の北へ登り林道を氷室へぬける道がある。途中には北山台杉の植林地があり眺めもよく快適だ。

氷室は平安時代に皇室の氷を蓄えておいた場所で、いまでもその遺跡らしい窪地が村はずれの斜面に3箇所残っている。また集落の城山よりには氷室神社があり昔、宮中に氷を献上した日にあたる6月15日に例祭がある。神社の境内には

  「夏ながら秋風たちぬ氷室山ここにぞ冬を残すと思へば」定家(拾遺愚草)

と掲示がある。

氷室の東端にある人家から北へ入る道があり間もなく京都一周トレイル、北63の道標がある。これから寺山と呼ばれる低い丘の東を登り、ここから少し下り坂になり二万五千分の一の地形図の標高点414メートル地点の四つ辻に出られる。これが満樹峠で、氷室から30分で到達できる。満樹峠は1701年(元禄14)に作成された実測大絵図(中井家作図か)によると「万寿峠」として載っており市中から雲ケ畑方面への要路にあったようだ。ここからは尾根つたいによく踏まれた道をたどり笹と潅木の生えている尾根筋から杉林に入っていくが、この杉林は三角点の北側にあたる。これを右手へ入れば三角点で踏み跡はついている。氷室から50分かかる。頂上からの展望は非常によく京都市街の一部と雲ヶ畑街道が見える。下りはそのまま杉林のなかに入り植林地帯の急坂を降りる早刈谷の車道へでられ、さきほどの標高点414メートル地点から西へ降りる道と合する。この車道を下ると雲ヶ畑出合橋手前の市ノ瀬の集落に出られる。なお氷室からは雲ヶ畑方面へ行くもう一つの道がある。これは雲ヶ畑の南にある白木谷山(565.6メートル)方面へ行く山道で十三石山へは行けない。十三石山へ行く道より寺山の西にあたり道標も一応ついているが入口には十分注意する必要がある。以上は2000年(平成12)1月に確認ずみ。



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