旅先レポート



「最後の秘境、知床の原始の森に突撃!(知床自然観察会)」

1998年8月11日 北海道知床

 朝、出発。熊の湯温泉の駐車場に車をとめて、そこから国道を少々歩いたところにある遊歩道の入り口から、原生林の中を入っていく。
 ここは、知床国立公園の真っただ中、原始性あふれる自然が豊富に残っている。そう、最後の秘境、知床の原始性あふれる森の中に入っていこうというのだ。もちろん、こわーいヒグマもいっぱいいる。最近の目撃情報も多く、その日会った人が「見た!」と語っていた。こわいなぁと思いつつ、「野生のヒグマを見られてうらやましいな・・・・・・。」とも思っていた。
 コースは、30分ぐらい歩いたところにある「熊越えの滝」まで行って引き返してくるコースで、そのコースで見たものを順番に紹介していこう。

キク科 ヒヨドリバナ属 Eupatorium chinense subsp. sachalinense
キク科 ヒヨドリバナ属 Eupatorium chinense subsp. sachalinense
ヨツバヒヨドリ
 初めに見たのはヨツバヒヨドリの花。左がヨツバヒヨドリの写真だが、ピンぼけで見にくいという声があったので、イラストも載せた。その写真の葉っぱをよ〜く、見てほしい。葉っぱが4枚、輪になってついているだろう。だから、「四つ葉ヒヨドリ」→「ヨツバヒヨドリ」というんだ。

アキタブキ
 大きいせいか、けっこう目についたのが、アキタブキだ。辺り一帯に大小さまざまなフキが生えている。
 アキタブキは普通のフキより大きいそう。けっこうでかいのもあるぞ。葉っぱは1.5mにも達するのもあるとか。そんだけでかけりゃ、雨が降ったときに傘の代わりになるなあ。(自然保護のため知床では試さないでね。)
キク科 フキ属 Petasites japonicus subsp. giganteus

マタタビ科 A. polygama
マタタビ
 これは、なあんだ?(有名な植物だぞ!)
 マタタビの実は猫の大好物という話は良く聞くが、その有名なマタタビがこの木なんだそう。写真では、葉っぱの先が真っ白になっているぞ。何でなんだ?

ツタウルシ
 木の幹にまとわりついているぞ。そう、まるでツタのようなウルシだ。だから、「ツタのようなウルシ」→「ツタウルシ」なのだ。
 秋になると赤く紅葉してきれいなんだそう。
 ウルシというだけあって、触るとかぶれるぞ!注意、注意!
ウルシ科 ツタウルシ属 Rhus ambigua

涌き水
涌き水
 この水溜り、たんなる水溜りじゃない。ポコ、ポコと泡が出ているのだ。写真をよく見ると、波紋が見えるだろう?水に触れると、なんだか温かいぞ!なんと、これは天然の温泉じゃないか!
 ここで、ちょっとよろめいて、「ツタウルシ」の葉っぱをつかんでしまう。やばい!と思ったけど、かぶれなかったようだ。よかったぁ。でも、思い出しただけで、なんかかゆくなってきたぞ!

キツリフネ
 葉っぱの下になんか黄色いものが、ぶらさがっているのが見えるだろう?これは、花なんだぞ。なかなかユニークな草花だと思わないか?
 この花が船のように見えるかどうかはなんとも言えないが、これが船だとして、
「黄色の船が吊り下がっている草」→「黄・吊り・船」→「キツリフネ」なのだ。憶えたかな?
ツリフネソウ科 ツリフネソウ属 Impatiens noli-tangere

キク科 コウモリソウ属 Cacalia auriculata var. kamtschatica
キク科 コウモリソウ属 Cacalia auriculata var. kamtschatica
ミミコウモリ
 葉っぱの形がこうもりに似ているからミミコウモリというんだそう。全然似てないじゃないか、おかしいなあって悩んでいるうちに、写真を撮っとくのを忘れてしまった。だから、イラストで・・・・・・。
 現地で思ったのは、前から斜めに見ると葉っぱの左右が重みで垂れ下がっているところが、こうもりが飛んでいるように見えなくはないなと思った。
 竜泉洞で見たウサギコウモリと見比べてみよう!どうだ、似てるかい?それより、なぜ、ウサギコウモリを持ってくるのかだって?そりゃ、「ウサギコウモリ」→「耳のでかいコウモリ」→「耳コウモリ」→「ミミコウモリ」だからだ!なに?関係ないってか?

バイカモ
 川の中に生えているのがバイカモだ。
 バイカモは、まるで梅の花のようなかわいらしい花をつけるという。 それで、「梅のような花のさく藻」→「梅花・藻」→「バイカモ」という名前になったそう。
 ちなみに、バイカモは清流にしか見られないんだぞ!
キンポウゲ科 Ranunculus nipponicus v. major

モクセイ科 トネリコ属 Fraxinus lanuginosa
アオダモ
 アオダモは普通の木のように見えるが、硬い樹皮に触れてみるとびっくりなのだ。ひんやりと冷たいんだぞ。
 もうひとつ「キハダ」って木があって、キハダの樹皮はアオダモと違って、コルク質で柔らかかった。感動!こちらは暖かい。この2つの木を比べると違いがよ〜く分かる。
 ちなみに、キハダのコルク質の樹皮をはぐと中は、ぬぁんと、鮮やかな黄色らしい。それで、「キハダ」っていうんだそうな。
 他に、「イタヤカエデ」って木があって、秋にはきれいに黄葉するとか、葉っぱは手に似ているね。この木からメープルシロップができるのだそう。

ミゾソバ
 これは、「溝に生えるソバのような花」→「溝・ソバ」→「ミゾソバ」なんだそうが、それより、この葉っぱ何に似てるかな?どことなく牛の顔に似てるよね。だからウシノヒタイともいうのだそう。
 いまいち良く分かっていないのでここに載せなかったが、はじめのほうで、「ヨブスマソウ」というのがあって、その葉っぱがウシノヒタイに似ていたので、紛らわしい。もう一回見に行かなきゃ区別がつかないや!
  
タデ科 イヌタデ属 Persicaria thunbergii

マシンガン・ホール
マシンガン・ホール
 笹の葉っぱにはよく、一列に穴があいていることがある。この穴はマシンガンで穴をあけたようなのでマシンガンホールという。なに、マシンガンだともっと穴がでかいって?う〜ん?
 これは、新芽のころ虫に食べられて穴をあけられた葉っぱが育つとこのようになるのだ。(いつか、暇なとき、分かりやす〜いアニメーションイラストを作るよ。)
ちなみに、新芽は食べられるとか、でも、ちゃんと洗って食べようね、エキノコックスにかかるとやばいからね。(自然保護のため、知床のんは採っちゃだめだよ。)
 ここらへんで、何か踏みしめるような変な物音がした。探したけど、何か分からなかった。実は、近くにヒグマが息を潜めているのかもしれない。本当にヒグマがいても、不思議ではない。

ツリガネタケ
 これは見事だ。手のひらの大きさぐらいで結構でかい。形も本当につりがねに似ていてユニークだ!たたいてみたが、意外に、石のように硬かった。当然、食べにくいと思うな。(食用に適さない)
 食べるといえば、「ギョウジャニンニク」ってのがあった。こちらは、食用で、「行者のニンニク」っていう意味なんだって。
タコウキン科 Fomes fomenntarius

シソ科 イヌハッカ属 Nepeta subsessilis
ミソガワソウ
 熊越えの滝のそばまできた。そこに小さな紫の花が咲いていた。
 これは、ミソガワソウというが、「木曽川の支流の味噌川」が名前の由来なんだそう。
 葉っぱはだいぶ虫に食われていた。

熊越えの滝
 やっと着いたぞ。ここで、少し休憩。
ネット上では、姿を見せない主義なのだが、せっかく、こんなとこまで見てくれたのだからサービス(?)しよう。
 長靴はいて双眼鏡を首にかけて登場しているのがたかくん(左)。なに?小さくて見えないって?でも、今回は、滝の引き立て役なんだからいいんだよ。身長が180cmを超えるたかくんが前に立てば、熊越えの滝がどんなに立派なものかよく分かるだろう?
 川の石をひっくり返すと。石の裏にいっぱい虫がいた。これは、「カワゲラ」の幼虫だ。川の水が清らかなのがよく分かる。
 川辺に「ハクセキレイ」がいたよ。双眼鏡で観察、観察。
 さすがに、ここまでは観光客は来ない。雄大な風景を独り占めだ!
熊越えの滝


スイカズラ科 ガマズミ属 Viburnum furcatum
オオカメノキ
 ここで、問題!この葉っぱ何に見えるかな?
 葉っぱが大きくて丸いよね!亀の甲羅に見えるだろう。それで、「大きな亀のような葉っぱの木」→「大・亀・の木」→「オオカメノキ」というんだってさ。

トドマツ
 トドマツはエゾマツとともに北海道を代表する針葉樹なのだ。
 トドマツの針のような葉っぱの先を手のひらでたたいてみよう。何?痛いから嫌だって?そう言わずにどうぞ。
 どう?痛くないだろ。不思議だろう?それは、なぜか?葉っぱの先を良く見ると二股に分かれていて針の先のようにはなっていないのだ!(右のイラスト)
 ちなみに、それがトドマツの見分け方らしい。
 トドマツの葉っぱを軽くもんで、臭いをかいでみよう!すると、とてもいい香りがする。これが、アロマテラピーのグリーンノートの香りなんだそうだ。
マツ科 モミ属 Abies sachalinensis

バラ科 ナナカマド属 Sorbus commixta
ムシコブ
ナナカマド
 この木はなかなかしぶといやつで、なんと七回かまどに入れて焼いても燃えないんだそうな。それで、「七回かまどに入れても燃えない木」→「七・かまど」→「ナナカマド」というんだそうだ。
 このナナカマドの木、代表的な紅葉の木で、秋になると見事に赤くなるんだそうだ。
 さて、下の写真のナナカマドの葉っぱをよ〜く見てみよう。小さな黄色いこぶがいっぱいついているだろう? この中には虫が入っているらしいのだ。それで、このこぶを「ムシコブ」と呼ばれているんだって。

アワフキムシ
 シダ科の植物に見事な泡がついている。この中にはなんとアワフキムシという虫の幼虫がいるんだそうな。中にいる幼虫は草から養分をとって、たくましく育っていく。それで、泡がついている草は、枯れかけているのが多いのだ。
 なに?コメントとイラストが結びつかないって?絵がヘタでゴメン!
アワフキムシ

オオイタドリ
 この草は、けっこうでかくて2m〜3mぐらいの高さのものもあるよ。葉っぱもでかい。それに、この草、なんと痛み止めになるそうな。
 ということは、「痛みを取る大きな草」→「大・痛・取」→「オオイタドリ」なんだな。
タデ科 イタドリ科 Reynoutria sachalinensis

 ここまでで、紹介していないのは次のとおり。参考までに。

 1.コウゾリナ
かみそりの意味
 2.ツルニンジン
つるになっていて、他の植物にからみついている。
 3.フランスギク
国道沿いに咲いている。元々、路肩を固めるために植えたもの。帰化植物。
 4.トウボクコウシン
倒木するとこうしんするんだそうな?(ごめん、内容を忘れちゃった。)
 5.サンゴンソウ
三つの魂の意味。幽霊に見える。
 6.ノコギリソウ
花屋で売っているものと同じ。
 こうやって、植物の名前の由来を考えてみると、面白いよね。本当に勉強になったな。

自然観察指導:羅臼ビジターセンター   (ありがとうございました!)


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