PLYMPUS OM-2N

オリンパス OM−2N

もっとはやくに紹介すべきだった銘機OM−2N。OM−1ではメカニカルシャッター機であったがOM−2では電子シャッターとなり絞り優先とマニュアルモードを搭載する。最も特徴的な機能としてはAUTOモードでの撮影時、フィルム面に反射した光を積算し露光を制御している点だ。シャッター動作中の被写体の明るさ変化にも対応できる画期的なシステムである。このシステムは後にPENTAXのLXにも搭載された。メカニカルシャッターがもてはやされている昨今ではあるが、こういう意義のある電子シャッター搭載は歓迎できる。

さて、研究所で購入したOM-2であるがシャッター速度が安定せずメーター動作もおかしかった。電子シャッター機だけに修理に自信はなかったが各部の注油をかねて分解してみた。分解は巻き上げレバー(正ネジ)、ホットシューターミナル、巻き上げクランクの分解でトップカバーは外せた。トップカバーを外した状態で各部の動作を検証したところレンズマウントの絞り連動ピンの動きを伝達する糸が時々弛む事が判明、メーター可動部分の油切れが露出不良の原因だった。

メーターコイルを降ろした状態

メーターコイルASSYを分解する為にはプリズムを降ろさなくてはならない。プリズムを押さえている金具の根本にはストロボチャージで点燈するLEDも共締めされているので断線や変形に注意する(オレンジの導線)。更にファインダー上部のホットシューターミナルの金具を外しファインダーアイピース部のASSYも分解する。ホットシューターミナル、アイピースとも導線があるので断線には注意。アイピースASSYには両サイドにCdsの受光素子が組み込まれており、それぞれ3本計6本のビニール線がメインSW基板に伸びている。また、露出補正時のファインダー内表示部もアイピース部のASSYとともに固定されているので注意。ここまで分解してようやくプリズムが降ろせる。メーターコイルASSYは露出補正ダイヤル直下に位置するのだが、分解は可変抵抗の帽子を外す。この時、可変抵抗のブラシも緩めておくのだがこれを留めているネジは逆ネジとなっている。ブラシの変形にも注意。そしてメーター基板には黄、白の導線がボディー下部より接続されているのでこれも予めハンダごてで外しておく。後はネジ2本でメーターASSYが外れる。注意点として絞り連動の糸がレンズマウント部よりメーターに繋がっているので、絡まないよう注意。

メーターASSY

可動部分に適量注油し動きを確認する。ついでに可変抵抗部分のクリーニング(両面)もしておく。

スクリーン部分

プリズムを降ろした状態だとファインダー情報表示部がよくわかる。チャージ完了LEDの光はミラーに反射されファインダー内に導かれる。メインSWのセレクターに連動するシャフトはファインダーアイピース下を通り反対側のコイル下の表示目盛り可動部へと繋がる。OM-2はAUTOとMANUALでファインダー内の目盛り表示が切り替わるのだ。老婆心ながらプリズムを降ろした状態でAUTO、MANUALの切り替えはあまりしないほうが良い。スクリーン周辺部のマスクと目盛りプレートが干渉して不都合が起こるからだ。

ファインダー表示が切り替わる

   AUTO    MANUAL

(露出補正指標)

露出補正表示部

露出補正ダイヤルを回すと露出補生部の上部ピンが押され+−表示がファインダースクリーン内にせり出す。この表示部の取り付けも慎重に位置決めしなければ露出メーター針と干渉したりファインダー内へのせり出し量が不十分だったりする。

今回の修理項目はメーター可動部への注油の他に断線しかかっていたアイピース部Cdsの導線ハンダづけ。スクリーン、プリズムの清掃、それからセルフタイマー連動シャフト(底プレート内部)の歪み補正で終了。モルトもクイックリターンミラー部と裏ぶた部分、アイピースASSY上部を張り替えた。

フィルム面に反射した光を捕らえる素子

まき戻しクランク右横がメインSW

電池切れなどでミラーアップしてしまった時は、メインSWをバッテリーチェック位置まで押し込むとシャッターは切れる。

各部の質感もなかなか良い

シャッター速度セレクターはレンズマウント部

総評:小型軽量でペンタックスと競った機種であるが、OM−1 VS MXならばOM−2との対抗機種はMESUPERといったところか。どちらの機種もそれぞれ小型軽量ながらもしっかりとした方向性を持っているので一概にどちらが優れているかは判断しがたい。あえて両機種の欠点をあげるならMESUPERはMANUALモードでのボタン操作性の悪さ、OM−2では電池無しではB以外にまったく機能しなくなるシャッターがあげられる(MESUPERでは1/125メカニカルシャッター有り)。OM−2の巻き上げレバーのガチャガチャ感ももう少し上品なら良かった。ただ、OM−2はそれらの欠点を考慮しても非常に魅力的な機種であり操作する楽しさと機能的なレイアウトは所有する満足感も十分にある。あと、余計な事だが他メーカーの一眼を使ってきた者にとってOMのズイコーレンズの絞りリング位置ははじめちょっと戸惑う。無意識にレンズ根本を探ってしまうのだ(^^;