デラの住めば都の不夜城・バンコク

第23回
タイのホストクラブに通うのは?


サワッディーカ、サバーイディーマイカ?

うちの近くの高級ホテルの地下に、いわゆるホストクラブが出来たらしい。そのホテルは、日本からの観光客がよく泊まるので、有名だし、ビジネスでも使われているホテルだ。だが、地下にあるホストクラブの存在は、そういった日本人客には、ほぼ100%知られていないようだ。

私は、タイのホストクラブと聞くと、指にでかい宝石の指輪をはめ、タイ風の優雅なロングドレスを着た玉ねぎ頭の有閑マダムと、線の細いきゃしゃな身体に、口がうまくてダンスも上手いジャニーズ系の美青年が、薄暗〜いフロアでねっとり絡み合うようにチークダンスを踊っているのを、まず想像してしまう。

子育てが終わり、ふと気付けば夫は若い愛人にうつつを抜かし、家にほとんど帰って来ない。夫の愛を引き止める為に、ウン万バーツもする高級エステで肌を磨き、子供だって自然分娩だと、○○の形が損なわれて、夫が若い女に走る原因の一つになるから、帝王切開で産んだのに(上流階級の奥様方は、夫に少しでも長く自分の身体に興味を持ってもらう為に帝王切開を選ぶそうですが、本当だとしたら、タイの夫族よ、てめーら最低だぜ!)やはり20代の若い肌には適わない、こうなったら、自分も有り余る金と暇にまかせて、若い男と遊んでやるわ、といった40代から60代(!)の奥様も確かにいらっしゃるようですが、最近は、男に不自由していなさそうな若くて綺麗な女性も、ホストクラブに通っているらしい。

実際、その噂のホテルで、夜行便で着く日本からの顧客を待っている時に、ロビーのトイレを利用した際、異様な世界を見てしまった。ちょっととんがった系の服や、ヘソ出しセクシーな服の若い女性達が、鏡の前に陣取って、化粧に精を出していたのである。彼女達の8割は、化粧しなくても美人の部類に入る顔の作りで、そんなに厚塗りしなくても、と思わずにはいられないほど、念入りに化粧していた。最初は、そのホテルのファンクションルームで、何かパーティーでも開かれているのかと思ったのだが、時間は夜の11時過ぎ。パーティーならとっくに終わっている時間だが、彼女たちの化粧の仕方を見ていると、これからが本番、といった感じである。

セクシー系の服装の女性が結構多かったので、もしかして夜の商売の女性かな、でもこのホテルには、カラオケバーは入ってないしなあ。もしかして、宿泊客に”お持ち帰り”された女性達?にしては、化粧の念の入れようが違う。金で寝るだけのどこの馬の骨とも知れない男の為に、ここまで化粧はしないだろう。それ以前に、そういったシチュエーションであれば、わざわざロビーのトイレになんか入らず、とっとと男の部屋に行くだろう。

それとも、外国人の恋人がこのホテルに泊まっていて、会いにきたOLかな、なんて色々と想像を膨らませるも、一向に彼女達の正体が判断できない。しかも、全員がほぼ顔見知りらしく、挨拶はし合っている、でも仲が良いという雰囲気でもなさそう。うーん、いったいこの若い女性達は何者で、何の目的でこんな深夜近くに、ホテルロビーのトイレでせっせと化粧しているのだ?

どう見ても、20代前半から後半までにしか見えない彼女達。アクセサリーは控えめだが、持っているバッグ等は、明らかに一流品。だいたい、普通のOLがシャネルやディオールの口紅なんか、無造作に持ってないって。持ち物から、上流階級のお嬢さん達だと見当はついた。が、夜の11時過ぎにホテルロビーのトイレで、せっせと化粧している理由が皆目わからない。あまり長くトイレに居続けて、変な目で見られては困るので、頭の中は好奇心とクエスチョンマークで一杯になりながらも、トイレを出た。

あのトイレの向かい側に、地下に続く階段があり、そこにホストクラブがあるのだと、後でタイ人から教えてもらった。ホストクラブ!!!

タイの旧貴族達は、財産と血を守る為に、決して外部の人間とは結婚しないそうである。平安朝の日本と同様、王家に近い血縁ほど上流らしく、日本人が、上流階級と結婚したと言っても、それは大金持ちと結婚したのであって、真の意味での上流階級ではない。本当の上流階級は、日本人の私には舌を噛みそうなタイトルが付いていたり、その夫人はクンインと呼ばれる。上流階級と結婚したという日本人女性で、クンインと呼ばれる女性は、残念ながら聞いた事がないし、どうせ私にゃ、縁の無い世界。

で、血と財産を守る為に、同じ階級でしか結婚しないので、生まれた時には既に結婚相手が決まっているケースがほとんどらしい。A家に男の子が生まれた、B家かC家に女の子が生まれたら、それと一緒にさせよう、という感じらしいのだ。昔は、言われるままに嫁いだ。子を産んだ。浮気された。で、ホストクラブで憂さを晴らす。現代のお嬢様は、お金は大切。だから、決められた結婚はする。でも、お母様のようにはなりたくないわ、どうせなら、若くて綺麗なうちに遊ばなきゃ。という訳で、ホストクラブに通うのか?

後は、自分で事業をする女社長とか、華僑等のお金持ちのお嬢様。綺麗だから、男にちやほやされるのは当たり前。だったら、お金で男を思い通りにしてみたい。日本人女性のリゾラバが、タイ人女性のホストって奴ですかね?

もし、タイ在住の読者の方で、ホストクラブに通う若くて綺麗な女性達について、真の理由を知っている!とか、違う、彼女達の出自は実は○×だ!というご意見がありましたら、是非お知らせ下さい。ホテルのトイレで見た彼女たち、ほんとに綺麗だったんですよ。お金も持っていそうだったし。だから、なぜホストクラブなんかに通うのか、その心理が知りたいですね。でも、自分で行くのは、ハマりそうでちと怖い。

2002.7.26