Last update : 1999/11/09
眠り猫ねむりねこ

坂下門へと続く回廊の長押の牡丹の花の下で眠って居る猫の小さな彫り物です。国宝。
左甚五郎ひだりじんごろうの作と言われています。またその裏側はスズメの彫刻です。

この左甚五郎ひだりじんごろうという人物は後世の創作であるという説があります。左甚五郎ひだりじんごろうの作であるという根拠も無く、さらには他に左甚五郎ひだりじんごろうの作と言われる作品も無いことからです。

東照宮とうしょうぐうの現存する建築物のほとんどは、3代将軍家光公が寛永の大造替だいぞうたいで建て替えたものですが、この際に工期が1年5ヶ月で延べ454万人が携わったとされています。

当時の美術の監修を狩野探幽かのうたんゆう(幕府御用絵師)がしたとされ、絵師ではありますが彫刻の想像の象の下絵は狩野探幽かのうたんゆうの手によるものだそうです。それから考えれば他の彫刻も同様に狩野探幽かのうたんゆうの監修のもとに、全国から集められた彫刻師らの手によって作られたと考えられるのが自然です。

また左甚五郎ひだりじんごろうは「飛騨の甚五郎ひだのじんごろう」が訛ったものだという説があります。「ひだりじんごろう」ではなく「ひだのじんごろう」だと、寛永の大造替だいぞうたいでは全国から名工を集められていますから十分に考えられると思います。

また、眠り猫が表現しているのは、次のような説があります。
  • 奥社にねずみ一匹通さないように。
  • 禅問答「牡丹花下眠猫児ぼたんかかすいびょうじ」を表した。
  • 裏側の雀と対で猫の裏では雀も遊べるという安定と平和を表した。
  • 牡丹と眠る猫で「日の光」を表現した。
正解は有りません。現実的にはただの偶然なのかもしれません。東照宮とうしょうぐうの彫刻には空想の動物を含めかなりの数の生き物が彫刻されています。植物も同様です。

「絶対に意味が隠されている」と思ってしまうのは東照宮とうしょうぐうの謎にはまっている証拠です。