怒裸衣紋最終回横浜発

怒裸衣紋の最終回横浜発

その 1

以前噂になった,"怒裸衣紋の物語は,病院で植物状態になっているのびたの夢だった" という救いの無い結末とは違って,今回のものは,まぁ,悪くないと思うのですが……。

怒裸衣紋の最終回
のびたと怒裸衣紋に別れの時が訪れます。それは、なんともあっさりと..。
のびたはいつものように、宿題をせずに学校で叱られたり、はたまたジョイアンにいじめら
れたり、時にはズネ夫の自慢話を聞かされたり、未来のお嫁さんであるはずのじすかちゃんが
不出来杉との約束を優先してしまう、などなどと、とまあ、小学生にとってはそれがすべての世
界であり、一番パターン化されてますが、ママに叱られたのかもしれません。 とにかく、い
つものように、あの雲が青い空に浮かんでいた、天気のいい日であることは間違いないことで
しょう。そんないつもの風景で、怒裸衣紋が動かなくなっていた...。

当然、のびたにはその理由は分かりません。喋りかけたり、叩いたり、蹴ったり、しっぽを引
っ張ってみたりもしたでしょう。なんの反応も示さない怒裸衣紋を見てのびたはだんだん不
安になってしまいます。付き合いも長く、そして固い友情で結ばれている彼ら、そしてのびた
には動かなくなった怒裸衣紋がどういう状態にあるのか、小学生ながらに理解するのです。
その晩、のびたは枕を濡らします。

ちょこんと柱を背にして座っている怒裸衣紋...。のびたは眠りにつくことができません。
泣き疲れて、ただぼんやりしています。無駄と分かりつつ、いろんなことをしました。できう
ることのすべてをやったのでしょう。 それでも何の反応も示さない怒裸衣紋、泣くことを
やめ、何かしらの反応をただただ、 だまって見つめ続ける少年のびた。 当然ですがポケット
に手を入れてみたり、スペアポケットなんてのもありましたが動作しないのです。

そして、なんで今まで気付かなかったのか、のびたの引き出し、そう、タイムマシンの存在に
気がつくのです。ろくすっぽ着替えず、のびたはパジャマのまま、22世紀へとタイムマシン
に 乗り込みます。これですべてが解決するはずが...。のびたは、なんとか怒裸美ちゃんに
連絡を取り付けました。しかし、 のびたは怒裸美ちゃんでもどうにもならない問題が発生し
ていることに、この時点では気が付いていませんでした。いえ、怒裸美ちゃんでさえも思いも
しなかったことでしょう。

「怒裸衣紋が治る!」、のびたはうれしかったでしょう。 せかすのびたと状況を完全には把
握できない怒裸美ちゃんはともにかくにも20世紀へ。しかしこの後に人生最大の落胆をする
ことになってしまうのです。 動かないお兄ちゃんを見て、怒裸美ちゃんはすぐにお兄ちゃん
の故障の原因がわかりました。正確には、故障ではなく電池切れでした。そして電池を交換す
る、その時、 怒裸美ちゃんはその問題に気が付きました。予備電源がない...。のびたには、
なんのことか分かりません。早く早くとせがむのびたにドラミちゃんは静かにのびたに伝えま
す。

『のびたさん、お兄ちゃんとの思い出が消えちゃってもいい?』
当然、のびたは理解できません。なんと、旧式ネコ型ロボットの耳には電池交換時の予備電源
が内蔵されており、電池交換時にデータを保持しておく役割があっ たのです。
そして、そうです、怒裸衣紋には耳がない...。

のびたもやっと理解しました。そして、怒裸衣紋との思い出が甦ってきました。
初めて怒裸衣紋に会った日、数々の未来道具、 過去へ行ったり、未来に行ったり、恐竜を
育てたり、海底で遊んだり、宇宙で戦争もしました。鏡の世界にも行きました。
どれも映画になりそうなくらいの思い出です。
ある決断を迫られます...。

怒裸美ちゃんは、いろいろ説明をしました。ややこしい規約でのびたは理解に苦しみましたが、
電池を交換することで怒裸衣紋自身はのびたとの思い出が消えてしまうこと、今のままの状
態ではデータは消えないこと、怒裸衣紋の設計者は設計者の意向で明かされていない(超重
要極秘事項)ので連絡して助けてもらうことは不可能であるという、 これはとっても不思議
で特異な規約でありました。ただ修理及び改造は自由であることもこの規約に記されていまし
た。

のびたは怒裸美ちゃんにお礼を言います。そして怒裸衣紋は「このままでよい」と一言、告
げるのです。怒裸美ちゃんは後ろ髪ひかれる想いですが、何も言わずにタイムマシンに乗り、
去っていきました。 のびた、小学6年生の秋でした。

あれから、数年後...。
のびたの何か大きく謎めいた魅力、そしてとても力強い意志、どこか淋しげな目、眼鏡をさわ
るしぐさ、 黄色のシャツと紺色の短パン、じすかちゃんが惚れるのに時間は要りませんでし
た。 外国留学から帰国した青年のびたは、最先端の技術をもつ企業に就職し、そしてまた、
めでたく じすかちゃんと結婚しました。そして、それはそれはとても暖かな家庭を築いてい
きました。 怒裸美ちゃんが去ってから、のびたは怒裸衣紋は未来に帰ったとみんなに告げ
ていました。そしていつしか、誰も「怒裸衣紋」のことは口にしなくなっていました。しか
し、のびたの家の押入には「怒裸衣紋」が眠っています。あの時のまま...。

のびたは技術者として、今、「怒裸衣紋」の前にいるのです。
小学生の頃、成績が悪かったのびたですが、彼なりに必死に勉強しました。
そして中学、高校、大学と進学し、かつ確実に力をつけていきました。企業でも順調に、ある
程度の成功もしました。 そしてもっとも権威のある大学に招かれるチャンスがあり、のびた
はそれを見事にパスしていきます。 そうです、「怒裸衣紋」を治したい、その一心でした。
人間とはある時、突然変わるものなのです。それがのびたにとっては「怒裸衣紋の電池切れ」
だったのです。 修理が可能であるならば、それが小学6年生ののびたの原動力となったよう
でした。

自宅の研究室にて...。
あれからどれくらいの時間が経ったのでしょう。じすかちゃんが研究室に呼ばれました。絶
対に入ることを禁じていた研究室でした。中に入ると夫であるのびたは微笑んでいました。そ
して机の上にあるそれをみて、じすかちゃんは言いました。
『ドラちゃん...?』 のびたは言いました。
『じすか、こっちに来てごらん、今、怒裸衣紋のスイッチを入れるから』
頬をつたうひとすじの涙...。じすかちゃんはだまって、のびたの顔を見ています。 この瞬間
のため、まさにこのためにのびたは技術者になったのでした。 なぜだか失敗の不安はありま
せんでした。こんなに落ち着いているのが変だと思うくらい のびたは、静かに、静かに、そ
して丁寧に・・・・何かを確認するようにスイッチを入れました。ほんの少しの静寂の後、長
い長い時が繋がりました。

『のびたくん、宿題は済んだのかい?』
怒裸衣紋の設計者が謎であった理由が、明らかになった瞬間でもありました。あの
時と同じように、空には白い雲が浮かんでいました。

その 2

第1章 出来事
それは、子供達が心おどる正月の出来事だった。。。
「のびたさぁ〜ん。羽子板で一緒に遊びましょうよ。」
「うん。やろうやろう。」
しかし、運動音痴なのび太は、あっという間に真っ黒な墨だらけの顔になった
「よ〜し。今度は負けないぞ。」
「え〜い。」
のびたが打ち上げた羽は、とんでもない方向へ飛んでいき、
大きな木のてっぺんに引っかかってしまった。
「ごめ〜ん。僕取ってくるよ。」
「あんな木に昇るとあぶないわ。あきらめましょうよ、のびたさん。」
「だいじょぶだよ。」
そういうと、少しは頼りになる所を見せたかったのか、のびたは大きな木をのぼり
始めた。
「のびたさん、降りてきて〜。危なくてみてられないわ〜。。。」
上に昇れば昇るほど、足をかける枝は細くなる。
その時である、
バキッ!!!
乾いた枝が折れる音とともにのびたが落ちた。
「きゃ〜〜〜〜〜ぁぁぁぁぁぁぁ。」
ドスン!
鈍い音がした。
この木はどれぐらいの高さなのだろう。
何メートルあるかはわからないが、のびたとじすかにはとても大きな木に見えた。

第2章 告白
「のびちゃん!のびちゃん!」
「のびた! おい のびた!」
「のびたくん!のびたくん!」
「のびたさん!のびたさん!」
ここは私立病院。不幸な事にのび太は頭から落下し、意識を失っていた。
ママ、パパ、怒裸衣紋、じすかが、涙を流し、必死にのびたに話かけている。
連絡を受け、ジョイアン、ズネオも駆けつけた。
「おばさん。のびたはだいじょうぶなんですか?」
「うぅぅぅうぅぅぅ。」
ママはその場に崩れ座り込んだ。
「手術をしなければ、このまま、、、ずぅ〜っと このまま、のびちゃんはこのま
ま、、、
植物人間のようになってしまうんだって。。。」
「じぁあ手術をしてのびたを助けてよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「失敗すれば、死んじゃうかもしれないの・・・・・・・。」
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。」
「おい。怒裸衣紋!!!!いつものように何とかしろよ!タイムマシンだとかな
んかあんだろ!」
「そうだ!そうだ!何とかしろっ!」
「・・・・・・・・・・・・・できないんだ・・・・・・・。」
怒裸衣紋の脳の中に「生命救助」に関する禁止事項プログラムがある。
そのプログラムの中の111059841行目に、このような命令がある。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
歴史を壊す可能性大。生命を直接的に救助する事を禁ず。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
この事実を怒裸衣紋はみんなに告白した。
「この役立たずロボット!」
「お前なんか未来へ帰れ!」
「みんなごめん。。。。。僕はのびたくんの為に未来から来たのに。。。」
ボカッボカッ!!!
ジョイアンは怒裸衣紋を殴った。
「うぅぅぅぅぅぅぅぅ。ごめん。。。」
ボカッボカッ!!!
今度は怒裸衣紋が自分で自分を殴りつけた。
「たけじさん!怒裸衣紋!もうやめて! 私が悪いのよ。 私が一緒に羽子板遊
びなんてしなければ。。。」
じすかは自分を責めた。
「いいえ。みんなのせいじゃないわ。。。」
ママの声が、みんなに届いたかどうかは定かではない。

第3章 未来へ
それから1週間。
のびたの意識はいっこうに戻らない。
「先生。手術の成功率はどのくらいなのですか?」
「・・・・・・・・・・いままでの成功例から言いますと、20パーセント以下で
す。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「でも、このまま何もしなければ、のびちゃんは・・・・・・。」
手術をしなければ、のびたは生命すら危険な状態であった。
しかし、手術の成功率は絶望的に低い上、手術にかかる多額の費用も野比家にはあ
るはずもなかった。
「20パーセントでも、助かる確率があるなら、手術して、のびたくんを助けまし
ょうよ。」
できすぎがママに言った。
「僕、クラスのみんなにカンパを呼びかけます。」
「よし、ふできすぎ!そうしようぜ。」
ママの目にまた涙がこみ上げた。
しかし、いままでの涙とは違う別の涙だ。
みんなにこんなに愛されているのびた。。。
ママはのびたを産んで本当に良かった。そう思った。
そう思ったら、涙があふれた。
数日後。
もう決断しなくてはのびたの命が危ない。
ふできすぎや、ジョイアン達が集めてくれたカンパも微々たるものだった。
成功率は低いが手術をしなくてはのび太は助からない。
しかしそんなお金はどこにもない。
「だめか。。。。」
「パパ!そんな事言わないで!うううぅぅぅぅぅ。」
「すまない。ママ・・・・」
ママとパパは我が子の為には命さえ、惜しくないと思った。
しかし何もしてあげられない自分達に無性に腹が立った。
「ママ、パパ、お金は僕が何とかするよ。僕はのびたくんの為に未来からここに来
たんだ。
絶対にのびたくんを助けてみせる。」
「ドラちゃん。。。。。。」
怒裸衣紋はそう言い残すと、家に帰り、引き出しの中のタイムマシンで未来へ戻
った。

第4章 急げ!
怒裸衣紋は21世紀に帰ると、真っ先にリサイクルショップへ向かった。
「いらっしゃ〜い。」
無愛想なロボットの店員が怒裸衣紋を迎えた。
「これ全部売りたいんだ。」
「全部????」
「そう。全部だ。」
「本当にいいんですね?」
「はやくしろっ!」
怒裸衣紋は何と、4次元ポケットの中の道具を全部売り払ってしまった。
額にすると、どこかの惑星を1つまるごと買えるぐらいの金額だ。
「ありがとうございました。2.68秒後に、あなたの電子マネーの口座に全額振
り込まれます。」
「またのお越しをおまちしております。」
それを聞かない内に、怒裸衣紋は店を飛び出していた。
のびたくんを絶対に助けてみせる。。。。怒裸衣紋の頭は、その事でいっぱいだ
った。
オーバーヒート寸前だ。
いや、もうすでに怒裸衣紋の内蔵コンピューターは、すでにおかしくなっていた
のかもしれない。。。
怒裸衣紋は次に、宝石博物館へ向かった。
この時代、ほとんどの宝石は人工的に作られて、天然の宝石は、莫大な金を積まな
ければ、
手に入れる事は出来なかった。
「いらっしゃいませ」
人間女性型ロボットが迎える。
「ご見学ですか?」
「いや。」
「天然のダイヤで一番大きいのください。」
「少々お待ちください。」
女性ロボットはそう言うと、奥のスタッフルームへ入っていった。
数分後、10人のガードマンロボットを引き連れ、
館長らしき人が出てきた。
「あなたですか?天然の一番大きいダイヤをほしいというお客様は。」
「そうです。売ってください。」
「本当ですか?とてもあなたのような方が買える代物ではありませんよ。」
館長は明かに怒裸衣紋の事をバカにしていた。
「お金ならあります。見て下さい。」
そう言うと、怒裸衣紋はマネーカードのバランスボタンを押し、
残高を館長に見せつけた。
「お  おおおおお」
「す すいませんでした。どこぞの大富豪様にお仕えしているロボットだとは
。。。」
「今すぐそのダイヤをお見せいたしましょう。」
全く、現金なものだ。商人あがりの人はいつもこうである。
館長は奥の金庫から大きな箱を大事そうにかかえ、再び怒裸衣紋の前に現れた。
ゆっくりとその箱を館長が開ける。。。
「どお〜ですか。この輝き。すばらしいでしぉ。私のコレクションの中では最高で
す。」
ばかでかいダイヤだ。その大きさは怒裸衣紋のこぶし位ある。
「このお金全部払うから、そのダイヤをください。」
「ぜ・全額いただけるのですか?」
「そうだ。早くして。」
「はいわかりました。」
怒裸衣紋はダイヤを受け取ると、店を飛び出し、
のびたくんがいる時代へとタイムマシンで再び戻った。
現代で、怒裸衣紋はダイヤを宝石コレクターに売り、のびたの手術費を作った。
その宝石コレクターの孫が、21世紀で先ほど怒裸衣紋がそのダイヤを購入した
宝石博物館を開く事になるとは、怒裸衣紋は知るよしもなかった。

第5章 「友達」だということ
「今夜が山場ですね。手術を行わなければ、命が危ないです。」
先生がママに言った。
ママはその場に崩れ倒れた。
その時である。
バタンッ!
ドアが勢い良く開くとともに怒裸衣紋が、病室に飛び込んできた。
「のびたくん!」
「怒裸衣紋。こんな時にどこ行ってたんだよ!」
「ごめん。のびたくんの手術費を作る為に、ポケットの中身を全部売ってきたんだ
。。。」
「え?本当か?これでのびたは手術できるのか?」
「ママ。。。このお金でのびたくんを助けてあげようよ。」
「ドラちゃん・・・・・・・・・ありがとう・・・・」
「先生。おねがいします。」
迷ってる時間はない。パパは先生に手術をお願いした。
「よし。緊急手術を行う。大至急手術室へ運んで!」
病院内に緊迫した空気が一気に張りつめた。
手術室は1階のB棟だ。
みんなも、意識のないのびたをのせたベットの後を追った。
「全力をつくします。」
ドアが閉められると、
手術中のランプが点灯した。
3時間位たっただろうか。。。
ママとパパは親戚に連絡をとり、近い所に住む親戚は、もうすでに駆けつけていた
。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。」
みんなが驚いた。ジョイアンが突如大声を張り上げたのだ。
近くの看護婦が大声の元を探して、こっちへ来た。
「ここは病院ですよ。他の患者さんも居るんですから、大声ださないでください
。」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。」
「静かにしてください。」
「のびたががんばってるっていうのに、何もしてやらないのが友達って言えるかっ
っっっ!!!!」
「のびたは俺様の友達だっ!!! いじめる事もあるが大事な大事な友達なんだっ
!!!」
「フレ〜!フレ〜!の・び・た〜!フレッフレッのびた!フレッフレッのびた
〜!」
看護婦はジョイアンの迫力に驚いた。
そしてみんなもジョイアンの後に続いた。
「がんばれ〜のびた〜!」
「のびたさん〜。絶対に負けないで〜!」
「がんばれがんばれ のっびった!」
「のびたく〜ん。ファイト〜」
「野比〜負けるんじぁないぞ〜!」
みんなの声援は館内中に響きわたった。
看護婦はみんなののびたを思う気持ちに心を打たれたのか、それ以来無理にやめさ
せようとはしなかった。

第6章 不幸
手術中のランプが消えた。
8時間におよぶ、大手術だった。
「やった〜終わったぞ。のびたは助かったんだぁ。」
「やったやった〜。」
クラスのみんなは、抱き合って喜んだ。
ドアから手術を終えた先生が出てきた。その白衣は赤く染まっている。
「先生っありがとなっ。」
ジョイアンは泣きながら言ったが、
先生は笑顔を見せなかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「のびたくんが直る見込みはありません。
思ったより、病状がひどく。。。命をとりとめはしましたが、それが精一杯でした
。。。」
「え?・・・・・・・・・・・」
「どういう事ですか?・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「命はとりとめましたが、のびたくんはこのまま意識が戻る事はありません
・・・・・・植物人間です。。。。」
「そんなっ!うそだっ!」
「嘘ですよね先生!」
「我々、この病院の名医と呼ばれる医師全員で、全力を尽くしました。」
「もうしわけございません・・・・」
バタッ
「おまえっ!」
のびたのママは気を失って、倒れてしまった。
「そんな・・・そんな・・・・のびたが・・・・のびた・・が・・・の・・・び
・・・・ 嘘だぁぁぁぁぁ!!。」
「昨日まで元気だったのびたさんが・・・嘘よ。そんなはずないっ」
ダダダダダダッ
みんな手術室に駆け込もうとした。
「いけませんっ!のびたくんは手術は終わりましたが今は危険な状態ですっ。あ
ちょっと!入ってはダメです。」
「うるせ〜!!!!!!」
 最終章 さよなら怒裸衣紋〜〜みんな友達〜〜
忙しい1月が終わろうとしていた。
3日間降り続いた雪もやみ、今日はお日様が燦々と輝いている。
いつものように平和な1日が始まろうとしている。
ただ1つ、のびたの病室を除いて・・・・・。
「のびちゃん♪ 学校行かないと遅刻するわよ。 それにしてもかわいい寝顔だ事
♪」
ママはショックのせいでおかしくなってしまったのだろうか?
毎日毎日、朝から晩まで、のびたに話しかけている。
どれほど寝れない日が続いたのだろう、今ではママはガリガリにやせ細ってしまっ
た。
のびたの寝顔はまるで天使のようだ・・・・・。
パパも会社を辞め、毎日のびたのそばにいる。
怒裸衣紋はあれ以来、誰とも口を聞かなくなってしまった。
 ちょうど小学校が終わる時間・・・・
「おばさ〜ん。のびたは?」
ジョイアンを筆頭に今日もクラスのみんながお見舞いにきた。
「あら剛くん。 今日はのびちゃん まだ起きないのよぉ、しょうがない子でしょ
?
 のびちゃ〜ん、クラスのみんなが来たわよ。ほらっ起きなさい!」
「おばさん・・・起こさなくていいよ。まだ寝かせてあげてよ・・・まだ眠いんだ
よ、きっと・・・・」
「そお?ごめんなさいねぇ。せっかく遊びに来てくれたのに。」
「怒裸衣紋っ元気だせよっ」
「のびたは死んだ訳じぁないさ。」
「そうよ、私達の友達ののびたさんはここにいるじぁない。」
「・・・・・・・・・・・・・・みん・・な・・・・・・・・・。」
怒裸衣紋が口を開いた。
堰を切ったように、いままで我慢してきた涙が一気に怒裸衣紋の目からあふれる
。
「みんな・・・・僕、のびたくん大好きだから、病院で寝たきりののびたくんをど
こかに連れていってあげたいんだ・・・・」
「パパ・・・ママ・・・・・・・いいでしょ?僕はのびたくんの為に未来から来た
んだ・・・・。」
「怒裸衣紋・・・・・。」
「ドラちゃん・・・・・。」
そういうと、怒裸衣紋は空っぽのはずの4次元ポケットから、「どこでもドア
ー」を取り出した。
怒裸衣紋は何かあった時の為に「どこでもドアー」だけは売らずにとっておいた
のである。
怒裸衣紋は「どこでもドアー」を狭い病室の中に立てると、
寝たきりののびたに話しかけた。
「のびたくん・・・・どこに行きたい?のびたくんの好きな所に一緒に行こう。
僕達、いままでだってどこに行くにもず〜っと一緒だったもんね。」
怒裸衣紋はそう言うと、のびたを背中におんぶした。
「どっこいしょ。 重くなったねぇ のびたくん・・・・。」
のびたを背中に背負った怒裸衣紋は「どこでもドアー」の前に立って、もう一度
のびたに聞いた。
「どこに行きたい?ねぇのびたくん。」
答えが帰ってくるはずはなかった・・・・・。
しかし、一瞬みんなにはのびたが笑ったように見えた。
幻だったのかもしれない・・・・。
「わかったよ。のびたくん。 そこへ一緒に行こう・・・。」
怒裸衣紋には何か聞こえたのだろうか?
またのびたが微笑んだ。
見間違いなどではない。みんな見たのだ。
「のびたくん。じぁそろそろ行こうか・・・・。」
「どこでもドアー」が一人でに開いた・・・・
開いたドアの向こうに素晴らしい景色が広がった・・・・。


綺麗なチョウチョが飛んでいた。
見たこともないほど可憐で、嗅いだ事のないほどいい匂いのお花が咲いていた。
まぶしい程の光でいっぱいだった。

のびたが最後に行きたい所。
そこは天国だった。

「さあ 行こう。」
怒裸衣紋は動かないのびたくんを背負ってその中に入っていった。

ギィー バタンッ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−完−−−−−−−−−−−−−−−−−

その 3

キン肉マン? (^^;

『怒裸衣紋最終回』。
 『怒裸衣紋最終回2時間スペシャルプロット<極秘>』
 (前編)
 いつもの生活が続いている野比家。
 ママは怒りのびたは宿題をやらずに遊んでばかりいる。
 怒裸衣紋はそんな生活をほほえましげに見つめていた。
 と、突然通信機に連絡が入る。相手は未来世界の全能統括者、
 マザーコンピュー。
 その連絡で、怒裸衣紋は本来の自分の使命を思い出す。
 実は怒裸衣紋が来た未来社会は機械帝国が支配する世界で、
 人間達は虐げられ、レジスタンス活動を続けていた。そして、
 そのレジスタンス団『白の同盟』のリーダー、「修羅のノビール』こと
 片目の戦士ノビール・チギレールこそ、だれであろう野比のびたの成長
 した姿であった。
 理工学博士でもあるノビール率いるレジスタンス軍団は機械帝国の
 心臓部であるマザーのハッキングを始めており、このままでは機械帝国の
 敗北は目に見えていた。このままでは機械帝国が危ない、と判断した
 マザーは、タイムマシンを使い現代にあるロボットを送り込む。
 そう、それが怒裸衣紋であったのだ。
 のびたことノビールは15才より北欧独立戦争に参加し同時に機械工学の
 博士号を取る。それは、幼少の頃から運動神経・頭脳ともに人並み以下と
 いう環境の中で、彼がコンプレックスを克服すべく必死で努力を続けた
 結果であった。
 マザーはのびたを亡き者にしようとしたが、それはできなかった。
 なぜならマザーの基礎理論を作り上げたのもノビールであり、のびたの
 存在が消えるという事はそのまま機械帝国の消滅を意味するからだ。
 そこでマザーは一計を案じた。のびたの頭脳はその素養のまま成長させ、
 その心に培われる筈の『反抗心・独立心』というものだけを削り取る作戦を。
 そして、便利な道具を持った夢のロボット、怒裸衣紋が小学生ののびたの
 前に現れた。彼がのびたの夢をかなえてやると同時に、どんどんのびたの
 反抗心はなくなっていった。
 (ただし馬鹿になっては困るので『しゅくだいやれ』と言い続けていた事は
 周知の事実)
 しかし、段々と怒裸衣紋はのびたの事が好きになり始めていた。
 否、人間の事を好きになり始めたというのが適切だろうか。
 のびたはひつ道具を使って様々な失敗をしたが、
 その度に少しづつ成長しているのが怒裸衣紋は『嬉しい』と感じたのだ。
 それは、けして自らの血族を持つ事無い機械の彼が、初めて感じた肉親の情
 だったのかもしれない。
 マザーからの通信は、のびた堕落化計画の打ち切りの通告だった。
 その代わり、別の時代で独自の理論を別の研究者に開発させる為、
 もう用済みののびた=ノビールを抹殺し、未来世界に帰還せよとの指令が
 届いた。
 苦悩する怒裸衣紋。
 のびたは元気の無い怒裸衣紋を元気付けようと色々な努力をする。
 その全てが怒裸衣紋にとってはいじらしくてしかたない。
 つい涙を流す怒裸衣紋。
 怒裸衣紋は、のびたに全てを話すのだった。
 話し終えた怒裸衣紋に、のびたは笑ってみせる。
 怒裸衣紋は僕の大事な友達だ、その怒裸衣紋がそんなに苦しんでいる
 のなら、と怒裸衣紋に背中を向けるのびた。
 なんということか、のびたはいつの間にか友の為自らの命も惜しまない真の
 男に成長していた。
 怒裸衣紋は再び滂沱の涙をながし、未来世界との通信機を自ら破壊するの
 だった。
 第一の部下である怒裸衣紋の裏切りに、22世紀のマザーは激怒した。
 そして、最強の刺客、怒裸衣紋5人衆を送り込む。
 1.バラえもん・フランス貴族のサーベル剣術を使うちょび髭の剣士。
 2.コーラえもん・黒い。
 3.アシュラえもん・手が8本ある。顔は3つある。
 4.キングコブラえもん・へび。寒さが弱点。
 5.マックスマーラえもん・化粧が得意。
 最強の5人衆を相手に、ドラえもんとのびた、仲間達の最後の戦いが始まった!
     
 (後編に続く)
 今日色々な人に『嘘だろ』といわれました。
 これは本当に放映されるんだよみんな。
 でわ。
 (後編)
 じすかちゃんを人質に取られた怒裸衣紋と仲間達は、
 遂に最終決戦地(?)である冥凰島に辿り着く。
 タイマンの試合形式で5人衆と闘うのだ。
 第一試合 バラえもん      vs不出来杉
 第二試合 コーラえもん     vs小池麺人さん
 第三試合 アシュラえもん    vsパギーちゃん(2代目)
 第四試合 キングコブラえもん  vsポー助
 第五試合 マックスマーラえもん vsジョイ子
 このメンツ構成の中にいつものメンバーがいない。
 そう、怒裸衣紋とのびた率いる一軍(ジョイアン・ズネオ)は、
 この隙に未来世界に乗り込み、マザーコンピュータを破壊すべくノビール=
 未来ののびたと協力し、中央指令塔に潜入していた。
 ノビールは歴戦の勇者であった。だが、少し精神に異常をきたしていた。
 目の前で恋人(=じすかちゃん)を殺された為に、機械帝国に対して異常な
 憎しみを抱くようになったのだ。
 同時に、彼はレジスタンスになる前の記憶を全て無くしていたのだ。
 『死ね!死ね!虫どもめッ!虫ィィィィィィッッ!!』
 彼の中にあるのは憎しみの記憶だけであった。
 マシンガンで機械帝国のむしがたロボットを破壊するノビール。
 そんな彼をみてのびたは、それが未来の自分の姿である事にショックを受ける。
 自分の中にもあのような凶暴な血が流れているのか、と。
 そんなのびたに怒裸衣紋はそっと告げる。
 未来を決めるのは君のチカラなんだ、自分の中のチカラを信じる事ができれば、
 運命なんて簡単に変わるんだよ、と。
 そのころ冥凰島では、不出来杉がバラえもんに刺し殺されていた。
 (0−1)
 中央管制塔には機械獣たちが集結していた。あまりの猛攻に、のびた達は一時
 撤退する。
 ノビールは、敵の手際のよさを怪しみ、怒裸衣紋を疑う。
 彼から見れば怒裸衣紋も憎き機械帝国の一部に過ぎないのだ。
 皆の制止を振り切って、ノビールは怒裸衣紋を破壊しようとする。
 あえて抵抗しない怒裸衣紋。
 だが、怒裸衣紋を刺し殺そうとしたノビールのジャックナイフの前に、
 のびたが立ちふさがる。ナイフはのびたの胸に突き刺さった。
 「だめだよ…怒裸衣紋は僕たちの為に苦しんでるんだ…」
 昔の自分の姿に真の勇気を見るノビール。
 このままではのびたが死に、同時にこの未来世界そのものが消滅する。
 この世界では四次元ポケットが使えない上に、タイムマシンもマザーの干渉を
 受け停止している。一刻も早くマザーを倒すしかない。
 だが、ノビールは放心状態であった。
 そのころ冥凰島では、小池麺人さんがコーラえもんをラーメン責めにしていた。
 (1−1)
 マザーのあるセントラルタワーへの道は、最強の敵達にって
 埋め尽くされていた。
 マザーの命令電波を受けて動く、むしロボットの軍隊である。
 途中の戦闘で、ジョイアンは両足に重傷を負う。
 ノビールの仲間達、『白の同盟』の戦士達も次々に死んで行く。
 ズネオは恐怖し、泣き叫ぶ。
 「もう帰ろうよジョイアン!!本当に死んじゃうよ!!」
 しかし、剛田武志はそんなスネオを殴る。
 のびたが、怒裸衣紋が必死に戦っているのに、俺達はなにもできないと
 いうのか、と。
 ズネオはまだ俯いているばかりだ。
 そしてジョイアンは高らかに歌う。皆を勇気づける為に。
 『ホゲ〜』
 その時。奇跡だろうか、むしロボット達の動きが止まった。
 驚くのびた一行。ジョイアンの歌声とマザーコンピュータの電磁波が共鳴し、
 むしロボットへの命令系統が一瞬麻痺したのだ。
 ある程度の時間ならこの大群を足止めできるかもしれない…。
 突然、ジョイアンが皆をドアの向こうに突き飛ばす。
 ドアは堅く閉ざされた。
 『みんな先に行けッ』
 ジョイアンは皆を先に進ませる為みずから捨て石となるつもりであった。
 『ジョイアン!!』
 みなドアにすがる。ドアの向こうからは、いつものジョイアンの
 『ホゲ〜ホゲ〜〜ホゲ〜〜〜!!』
 という必死の歌声が響く。それは、まるでワーグナーのシンフォニーの如く。
 動きを止めている虫たちも、まるでそれに聞き入っているかのようだ。
 喉から血をだしながら、武志は歌いつづけた…。
 『みんな行こう!! 僕らがいつまでもここにいたら、ジョイアンが
 何の為にあそこで頑張ってるのかわからないよ!!』
 声を上げたのは、泣いていたズネオだった。
 皆、涙をこらえ、エレベーターに向かう。
 エレベーターは動き出した。
 背後で、歌声が止まった。
 ジョイアンは、一瞬ののち、細切れの肉片と化した。
 そのころ冥凰島では、パギーちゃん(二代目)がアシュラえもんに
 解体されていた。
 (1−2)
 ノビールは苦悩していた。
 自分は、のびたなのである。
 今、幼い頃の自分が死にかけている。
 そして、親友であったというジョイアンは死んだ。
 過去が、すさまじい勢いで回天している。この未来世界自体の存在も歪み
 始めている筈だ。
 だが、自分がここにいるという事は、幼いのびたは死なないという事だろうか。
 このタイム・パラドックスの渦の終末はどこなのだろうか。
 自分の失われた記憶に何があるのだろうか。
 4人をのせたエレベーターは最上階につこうとしていた。
 その頃冥凰島では、決戦が佳境に入っていた。
 『ぴー』
 『シャアー』
 蛇が恐竜にかなうわけが無い。
 パー助がキングコブラえもんを飲み込み、これで2−2。
 勝負の行方はマックスマーラえもんとジョイ子との戦いに持ち越された。
 しかし女らしさと無縁であるジョイ子にマックスマーラえもんの洋服攻撃も
 通用しない。
 まるで兄が乗り移ったかのような豪快な一撃で、マックスマーラえもんは
 吹き飛んだ。
 勝負は、3−2で怒裸衣紋復活キャラチームの勝利に終わった。
 しかし、勝負に負けると自動的に爆発を起こすような仕掛けが怒裸衣紋
 5人衆には仕掛けられていた。
 現代の水爆の1兆倍の質量を持つ爆弾が、5個同時に誘爆する。
 冥凰島のあるインド山中(彼らはその位置を知らされていない。
 謎のヘリコプターに乗せられてここに来た)
 を中心にユーラシア大陸が吹き飛んだ。
 冥凰島はもちろん吹き飛んだ。
 と、同時に空間に歪みが生じ、『時震』が起こった。
 怒裸衣紋チームはそれぞれ、さまざまな時代に吹き飛ばされてしまったの
 である。
 小池麺人さんは古代中国に吹き飛んだ。
 そこにはラーメンが無かったので、小池麺人さんは我慢できず、
 自分でラーメンを作った。
 なんと、ラーメンの発明者は小池麺人さんだったのだ。
 この後小池麺人さんは中華料理の大家として名を馳せるのだが、それはまた別の話。
 パー助は奇跡的にもとの世界に帰れた。よかったね。
 その後恐竜界の帝王となるのだが、それはまた別の話。
 ジョイ子は14世紀のフランスに飛んだ。
 そこで、天から降りてきた乙女として、フランス革命戦争に参加した。
 彼女は自分の名を『ジョイ子』と言ったのだが、
 フランス人には発音しにくかったらしく、
 どこかで『ジョンヌ』と歪んで伝わった。
 …というわけで彼女はジョンヌ・ダルクになったのだが、それはまた別の話。
 遂にマザーコンピュータと対峙するノビール一行。
 もうほとんどのびたは虫の息だ。
 マザーコンピュータにマシンガンを向けるノビール。
 その時。
 マザーの中枢部分が開いた。そこには、なんとじすかちゃんが!!
 その時、ノビールは全てを思い出した。
 じすかかちゃんを殺したのは、のびたの作ったロボットだったのだ。
 理工学博士になったのびたは北欧独立戦争で人々が死んでいく事に
 深い悲しみを感じ、機械兵士を作ろうとした。
 そして、そのプロトタイプ第一号が暴走し、
 そばにいたじすかちゃんを殺した。
 狂気にとりつかれたのびたは、じすかちゃんの記憶を持ったロボットを
 作ろうとした。
 そしてできたのがマザーコンピュータだった。
 そうだ、そして彼が作った第一号の戦闘機械兵士こそ。
 もともと戦争を終わらせようとして作った平和の色、青。
 過度な残虐性を持たせぬ為にデザインした、球体。
 どんな武器だろうと装備できるような、自由変形物質製の手。
 彼が幼い頃にみた、あの親友の姿。
 そう、目の前にいる怒裸衣紋であった。
 ノビールは全てを思い出したのだ。
 そして、目の前にいるじすかちゃんは現代で怒裸衣紋5人衆が吹っ飛んだ
 ときの時震で、時空を超え、姿は違えど同じ魂を持つマザーに引き寄せられ、
 一体化してしまった現代のじすかちゃんだという事を知った。
 もともと、怒裸衣紋が現代で幼いのびたにであった事が、
 このタイムパラドックスの渦の原因であったのだ。
 このまま、こんな悲惨な歴史を繰り返すわけには行かない。
 ノビールは決意した。
 この世界を消す事で、歴史の流れを正常に戻そうと。
 そして、ノビールはマザーに銃を向け、自分の歪んだ愛情の結晶を破壊する。
 マザーの干渉が消え、タイムマシンが動くようになった。
 機械帝国は壊滅していく。
 そこかしこで起こる爆発。
 しかし、まだ一つ残っていた。
 怒裸衣紋が。
 ノビールは、怒裸衣紋に銃を向ける。
 怒裸衣紋は、全てを知っていた。そして、理解していた。
 最後に怒裸衣紋は、そっとのびたの顔に手を当てる。
 『未来は、運命は自分の手で掴むものなんだ』
 と、その眼が語っている。
 のびたとズネオをのせたタイムマシンが、現代に向けて飛び立つ。
 二発の銃声が響き…。
 現代。
 何事も無かったかのように日常がまた続いている。
 怒裸衣紋は当然、現実の社会にはいない。
 死んだ筈のジョイアンや不出来杉も、普通の生活を送っている。
 のびたは、奇跡的に命をとりとめ、
 しかし、怒裸衣紋そのものの記憶をうしなっていた。
 だが、なんの不都合も無い。
 もともと怒裸衣紋なんていない世界なのだ。
 病院で眼を覚ましたのびたの手には、金色の鈴が握られていた。
 のびたは、その鈴がなんなのか、思い出す事はその後二度と無かった。
 決して、思い出す事は。
 時の旅人として一人、ズネオは全てを知っている人間として残された。
 なぜか、元の世界には別のズネオがいたためだ。
 一人だけ記憶の残っているズネオに、「時」という偉大な力が干渉した為
 であろうか。
 ズネオはタイムマシンを降り、破壊する。
 そこは、昭和初期の日本。
 そこでズネオは、モトオという友人と知り合う。
 ズネオは当然全てを話しはしない。
 ただ、ときどき面白おかしく元いた世界の話をするのみ。
 二人はいつしか、その世界をマンガにし始めた。
 忘れはしない、あの頃の友人達。
 勇敢に戦い、勇敢に死んでいったジョイアン。
 いつもやさしかったじすかちゃん。
 いじめられてはいたけれど、たまに真の強さを発揮したのびた。
 そして、不思議で悲しい運命を背負った猫型ロボット、怒裸衣紋。
 忘れる筈はない。
 彼のペンは、いきいきと昔の友人達をつづった事だった。
 そして、時は経ち、二人は青年になり、漫画家になった。
 そのペンネームは…。
            (ドラえもん最終回 完)

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