5. スロヴァキア語....(2001/04/19)

 さて、もうそろそろみんなが悩まされるスロヴァキア語についてちょっと書いていきたいと思います。

5.1. スロヴァキア語とはどんな言語?
5.2. スロヴァキア語実用?会話集

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この表紙ページです。今までの更新記録。新しいページを追加した場合は、このページでお知らせします。時々ですが....筆者の自己紹介を少しだけ。別に見る必要もないでしょ?スロヴァキアの紹介。歴史やスロヴァキア語、ブラチスラヴァの街の様子....atd'.でも更新は時々だけ。徒然なるままの日記。最近はここだけ更新している気がする。日記にもなっていないけど、暇つぶしにどうぞ。ゲストブック。ここまできた記念に!うまくいけば作者から返事がくるかもしれません。他のサイトへの入り口。スロヴァキアのサイトもあります。


5.1.スロヴァキア語とはどんな言語?
 スロヴァキア語はスラヴ語の中でも西スラヴ語に属しています。そのため、同じ西スラヴ語のポーランド語やチェコ語と文法や語彙の面で非常に似ているといわれます。特に、チェコ語とは非常に似ており、1918年から1992年まで共同のチェコスロヴァキア国家を形成していたという歴史的経緯も関係して、スロヴァキア国内でもチェコ語の力が使われる場面があります。例えば、書店でチェコ語の本が数多く販売され、テレビではチェコの放送も受信でき映画館ではチェコ語の字幕が付けられた外国映画が上映されることもあります。そのため、スロヴァキア人は、少なくとも「聴く」「読む」といったパッシブなレベルでは、チェコ語をよく理解できます。ただ、その反対にチェコでスロヴァキア語が通じるかというと....1993年のチェコスロヴァキア連邦共和国解体後は、チェコでスロヴァキア語に触れる機会が激減したために若い世代ではスロヴァキア語を、パッシブなレベルでも、理解できない人々が増えているようです。

 さて、このスロヴァキア語、実は非常に新しい言語です。スロヴァキア語の成文化や文法の確定の動きが始まったのは18世紀末のことです。この時期に思想家・作家のアントン・ベルノラーク(Anton Bernolak)が西スロヴァキア地域の方言をベースにしたスロヴァキア語文法を成文化し、発表しました。これは現在、スロヴァキアの専門家の間では「ベルノラーク語」と呼ばれています。このスロヴァキア語文法の制定という動きの背景には、純粋に科学的な理由だけがあったわけではありませんでした。つまり、「スロヴァキア人」を「民族」として認めさせ、その民族概念に基づき、当時のハンガリー王国内でのスロヴァキア人の地位を向上させようとした理由もあったのです。ですから、当初から政治的な意味合いが強かったわけです。また、宗教に沿っても対立軸が生れました。ベルノラーク自身はカトリックでしたが、このスロヴァキア語成文化の動きに激しく反発したのが、新教徒の知識人でした。当時の新教徒は、「聖書チェコ語」を、教会だけでなく教育にも使っていました。彼らは、オーストリア側に居住する「チェコ人」との精神的・言語的な紐帯が断ち切られることを恐れ反発したわけです。そのため、ベルノラーク語の使用範囲は、あまり広がりませんでした。

 19世紀中盤に新たな動きが現れます。思想家・作家・政治家....などなど数多くの顔を持つ、リュドヴィート・シトゥールが、その立役者でした。1843年に、シトゥールは中央スロヴァキア方言に基づく文法を成文化し公表しました。彼の動機も「スロヴァキア民族」の確立であり、その基盤となる「スロヴァキア語」の確立でした。この「シトゥール語」も、様々な抵抗に合いましたが、次第に定着し、現在のスロヴァキア語文法の基盤となっています。

(2001/04/19)

 20世紀になり、チェコスロヴァキア共和国が建国された後も、様々な事件が起こり起こります。当時のチェコスロヴァキア政府はチェコ人とスロヴァキア人は一つの「政治的民族」であるという「チェコスロヴァキア主義」を国是とします。まあ、その背景には、国内の多数のドイツ系住民の存在ということがあったわけですが....また、具体的なレベルでも、独立直後のスロヴァキアには教師や役人など国家の運営に利用できる人材が少なかったのです。その結果は、チェコ語とスロヴァキア語の二つの形をもつ「チェコスロヴァキア語」という概念の採用と、チェコからの多数の人材の派遣でした。スロヴァキア語は、いわばチェコ語の次の言語というような地位に置かれ、スロヴァキア人の不満も高まりました。また、言語学的にも正書法(綴り方の規則)の改正などでチェコ語に近づけるようなことも試みられました。
 第二次大戦後はこの「チェコスロヴァキア主義」は放棄されます。そして、1993年のスロヴァキア共和国の独立後は、言語法により「国家語」の地位を与えられました(余談ながら、この法律は少数民族――主にハンガリー人――の言語権の保護をめぐり問題となり、最近修正されました。かつてのハンガリー人とスロヴァキア人、チェコ人とスロヴァキア人との関係が裏返しになったようで....(^^ゞ)。
 このように、何とか地位を確立した現在は、各言語との辞書の整備も進められています。ですが、英語―スロヴァキア語の辞書に関しては、まだまだ満足の得られる辞書がないのが実情。アカデミーとかに頑張って欲しいものです。

 
 さて、言語自体の話に移りましょう。まず最初に子音と母音の話から。

 スロヴァキア語の母音は、"a","e","i","y","o","u"とそれに対応する長母音、二重母音などです。"i","y"は、日本語の「い」に対応する母音で、前の子音が固いか柔らかいか?などなどの基準に従って使い分けられます。スロヴァキア人に言わせると、この書き方の区別は小学校でかなり教え込まれるが、全て憶えるのは難しいのだとか。日本の小学生が漢字の書き取りに悩む感覚なのでしょう。
 子音は"b","c","d","dz","f","g","h","ch","j","k","l","m","n","p","q","r","s","t","v","w","z""dz","ch"は一つの子音として扱われます)。このうち、"c","d","dz","l","n","s","t","z"には柔らかい形があります。流石にここまで子音の数が多いと、日本語のカタカナでは、正確に音を移し変えるのははっきり言って不可能だと思います。下に書いてある発音も自分が言ったり聴いたりした音を、できるだけ似せて書いたもの。専門家が見たら怒るだろうなぁ....(^_^;)
 本当は、これらの長音記号や軟音記号をもつけた形で、スロヴァキア語を表記したほうがいいのですが、残念ながら、日本のブラウザーでは文字化けしてしまう場合が多いので、自分のウェブページ上でのスロヴァキア語表記は、これらの記号を全て省略した形で、記述しています。あらかじめご承知ください_(._.)_。

 ここまで、読んできてスロヴァキア語が難しいと思う方がいるでしょうが、まだまだ続きがあります。スロヴァキア語は、非常に語尾変化が多いのです。ざっと例をあげると、名詞、代名詞、形容詞の格変化。単数形と複数形、それぞれ6つづつ(主格、正格、与格、対格、前置格、造格)。そして、動詞の人称変化。名詞も男性名詞、女性名詞、中性名詞の3種類があって、それにしたがって名詞や修飾する形容詞などの変化形も違います。
 まあ、ここまで、変化形が多いと、語尾で文の中の位置がわかるため、文章を読んでいくときは楽かもしれませんが、自分で使えと言われれば、話は別。練習しても練習しても、間違いがでてきます。まさに日々是練習....まあ、流石にスロヴァキア人にとっても難しいらしく、全ての人が正確に綺麗に話せる事はないとのこと。当たり前か。でも、スロヴァキア人によると、話し言葉で、その人の教育程度がわかるのだとか。怖いです。(^_^;)

今日は、とりあえず、ここまでにしておきます。

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5.2.スロヴァキア語実用?会話集

あいさつ


発音
表記
意味
ドブレー・ラーノ
dobre rano
おはよう(ございます)。
ドブリー・ヂェン
dobry den
こんにちは。
ドブリー・ヴェチェル
dobry vecer
こんばんは。
ドブルー・ノツ
dobru noc
おやすみ(なさい)。
 基本中の基本ですね。この言葉を使わないで、過ごす日はまずないでしょう。「ドブリー」とか「ドブラー」とかは、英語の"good"、ドイツ語の"gut"にあたる形容詞。一番よく耳にする単語の一つです。会話の中で"O.K."の意味でも「ドブレ、ドブレ。」とよく使います(この場合は副詞)。さて、「ドブレー・ラーノ」ですが、本当に起きたすぐ後のみに使うようで、その後の学校や職場で朝会ったときにはもう、「ドブリー・ヂェン」のほうが広く使われるようです。
発音
表記
意味
ドヴィヂェニア!
dovidenia!
さようなら。
ヂャクイェム!
dakujem!
ありがとう(ございます)。
ネフ・サ・パーチ!
Nech sa paci!
はい、どうぞ。
どういたしまして。
プロスィーム
prosim
すみませんが....
(or) お願いします。
プレパーチ!
(プレパーチチェ!)
prepac!
prepacte!
ごめん。
ごめんなさい。
 ここの表現も、街中でよく使います。特に買い物や、人にぶつかってしまったときとかでしょうか。「ごめんなさい」の表現で二つあげてありますが、下に書いてあるほうは、年上の人や目上の方、初対面の人などに対して使う表現で、丁寧な表現になります。この"....te"で終わる動詞の変化形は、二人称複数形(またはその命令形)で、スロヴァキア語では、目上の方との会話する場合、(相手が一人であっても)この形が使われます。ドイツ語の"du"と"Sie"の使い分けに対応すると考えれば、理解しやすいでしょう。ですが、 "dakujem"を丁寧に言う場合は、"dakujem pekne"「ヂャクイェム・ペクネ」となります。
 訳しづらいのが、"Nech sa paci"です。店員さんにお金を渡すときや、道を譲るとき、"dakujem"への返答....などなど様々な場合で使われます。年配の人が使うときは柔らかい感じが良く出ていて、きれいな言葉です。
"Prosim"は、英語の"Please"にあたる表現です。この言葉もまた、非常に様々な場面で使われます。人に頼み事をするときには、"Prosim Ta."「プロスィーム・チャ(お願い!、お願いだから。)」、 "Prosim Vas"「プロスィーム・ヴァース(お願いします。[目上の人へのあらたまった言い方])」など、人称代名詞を付けた表現になります。買い物などで、「....を下さい。」という場合は、"Prosim si ...."「プロスィーム・シ....」と、微妙に変化します。

 
発音
表記
意味
アホイ!
Ahoj!
やあ!
チャオ!
Cao!
やあ!
     
     
 かなりくだけた表現です(^_^;)。ここまで来ると友達同士の会話でしか使われません。"Ahoj!"も"Cao!"も、出会ったとき、別れるとき、両方の場合で使われます。ラジオなんかでは"Aaaahojte!"「アーーホイチェ!」などとよく叫んでいます。友達同士では、"Caote!"「チェオチェ!」というふうにも使われています。でも、これは、よく考えると変な形です。上にも書いたように"....te"という形は「動詞」の二人称複数形。"Ahoj"とか"Cao"とかは、間投詞ですから、本当はこんな変化形なんかはできないはずなんです。しかも、"...te"がつくからと、"Ahojte"や"Caote"などと目上の人に言うことなど、間違っても、できません....まあ、スロヴァキア語の活力、造語力をまざまざと見せつけらる表現ということでしょうか。
では、今回はとりあえず、ここまで!
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