「クエルナバカの碧い空」第116号
#3-2 読書感想文 − LOS HERMANOS KARAMAZOV


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週刊誌で「カラマーゾフの兄弟」の日本語新訳がベストセラーになっているという記
事を読んだ丁度その時、本屋でスペイン語版文庫を見つけました。

	タイトル: LOS HERMANOS KARAMAZOV「カラマーゾフの兄弟」
	作者:   FIODOR M. DOSTOIEVSKI

高校生時代から20代にかけて、ロシア文学が大好きで(ロシア語にも挑戦した!)、
ドストエフスキーは大全集まで買いました。今回、読み直してみたら、昔読んだこと
があるなんて全然思えないくらい新鮮でした。

昔読んだのは岩波文庫の米川正夫氏訳だけれど、これが難しい訳だったらしい。当時
は、ロシア文学と言えば米川正夫か原卓也が主だった。けれど、翻訳が難解だったと
いうだけでなく、のっけから若い女を父親、兄弟で奪い合う話の内容からも、若いと
きに読んで理解できる話じゃないです。

日本の新訳は全5巻、スペイン語版は相変わらずの全一巻。分厚い本ですが、色々出
版社がある中で、一番、ポケット・サイズ(カンガルーのポケットくらい)の小ぶり
なものを買いました。一冊にしてしまうスペイン語版もすごいけれど、5冊に分けて
合計4,000円以上で売る日本のやり方もすごい。

『「カラマーゾフの兄弟」続編を空想する』という本まで出ているそうですが、そう
言われれば、話は尻切れトンボのようでもある。ドストエフスキーは、書き始めたは
いいけれど、収拾がつかなくなったのでは? と言うのも、本の語り手は、「ここで
は詳しく述べないけれど…」と言いながらも、各場面の描写が非常に細かく、その上、
登場人物がみな饒舌過ぎ。

科白が数ページにも及ぶことがあって、感情も言葉もほとばしる状態。噴出する情熱
と言葉数は、日本文学ではありえない。海外では大統領の演説が4時間にも5時間
にもなることがあり(特に、ロシア、キューバ、ベネズエラ、メキシコなど)、私自
身、メキシコ人のおしゃべりには時々うんざりするのだけれど、これじゃ、長くなる。
スペイン語訳は難解ではなかったけれど、科白を読むのに努力と忍耐が必要でした。

その他は、展開が速くて、盛りだくさんな内容。面白く読みました。また、ロシア文
学を好きになりそう。
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