![]() |
つけて、吊して、ヘチマのご利益 |
たくさんのヘチマが 下がる「へちま薬師」
名古屋市東区東桜にある東充寺は別名を「へちま薬師」という。 吊す場所がもうないからか、賽銭箱の上にまで、そのままゴロゴロと置かれたりもしている。はて、こうしてヘチマを奉納して願を掛けるのだろうか……。
東充寺住職の奥さん、星野とし子さん(67)によると、
ヘチマの実は、60センチほどの長さにまで成長するが、
そのヘチマを寺に持って来て頂いて、寺で祈祷した後に、経文にヘチマを包んでしまう。封じるんですね」
これを祈願の翌朝から、3日の間、初水(起床して初めて汲む水)に割り入れて飲む。その際、肉、魚を断つ。 |
![]() |
![]() |
「10年くらい前までは、お子さんの癇の虫を封じるとか、神経痛や脱腸に悩む人などが、多かったわね。 近ごろは、ストレスに悩む人や、酒を断ちたいとか、交通事故の後遺症を手術するから、その無事を祈願したいなどと、お詣での方が増えましたよ」
へちま薬師に祈願する人たちの、悩む病の種類が移り変わっているという。
「ヘチマ水を使わないとか、ヘチマのたわしで顔や身体を洗わないとか、様々なヘチマ断ちをなさるようですねぇ」 参詣の気持ちを強くするため、自分の心の支えにするために、ヘチマを積極的に使うのも良し、ヘチマ断ちをして、まったく使わないのも、それでまた良しという。
ヘチマによる加持祈祷の由来は、
現在に伝わるヘチマ加持の法を教えてくれたという。温空上人は疝気から回復し、この秘法を衆人にために施すようになった……、というのが縁起である。 |
次のページへ |