ご利益の理由

金ぴかシールを貼って
宝くじが当たった!


大分県胎蔵寺の金のシール


金ぴかの七福神が迎えてくれる。胎蔵寺は、大分県の国東半島の山なかにある天台宗寺院だ。
寺号よりも、むしろ熊野磨崖仏の通称で知られている。磨崖仏とは山肌に刻まれた仏像である。
拝観するには山腹まで石段を登っていかなくてはならない。僕も当初は磨崖仏を眺めるために訪れた。 高さ7メートルの大日如来と8メートルの不動明王が山肌に浮き彫りにされている。 どちらも重要文化財に指定されている。 熊野の名が示すように、紀伊半島の熊野権現を国東の地に勧請したのである。平安末期の作と伝えられている。
巨大な彫仏を眺めて、ふもとに下りると、そこが胎蔵寺の境内だ。
胎蔵寺は718年の開基と伝えられるから、磨崖仏の彫られる前から、あったらしい。 史伝によると、12世紀頃に胎蔵寺の住職が熊野を訪れて、権現信仰に感動して、改宗をして磨崖仏を彫ったようだ。 それから明治時代に、再び天台宗へ回帰した寺院だという。 境内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは金ぴかに輝く七福神の像だ。ずらりと七体が並んでいる。




境内のあちこちが金ピカピカ

「うわっ、派手に塗装したな」
と目を近づけて、再び驚いた。塗装ではなく、小さな金色シールが貼り付けられているのだ。 七福神だけではない。見回すと、境内のあちこちに龍神像や巨大な天狗の顔などが点在する。 しかも、どれにも金シールが貼りつけられているのだ。
「ほれ、あんたもシール貼っていきなされ。宝くじが当たるご利益に恵まれるかもしれんぞ」
と5枚つづりのシールを手渡された。1枚が小指の爪ほどの大きさしかない。
真ん中には梵字が印刷されている。
「<か>と読むんじゃ。種という意味じゃな」
シールを手渡してくれたこの人こそ柴崎順正住職である。
「本当はな、金箔を貼るもんなんじゃ。ほれ、タイとかミャンマーにあるじゃろ、金を貼って人々が功徳を積むという風習がな。金は腐らないじゃろ。仏教では、だから金は不滅を現すものなんじゃ」
願いの種を貼りつけて、祈願をするという由来だ。それにしても、シールというのは……。

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