お酒に弱いとはどういうことか
●お酒は化学的に言えば、炭化水素に水酸基(OH)がついた物質で一般的にはエタノールと呼ばれている。

●アルコールは消毒剤としても使われており、70%−83%の濃度で一番効果が強い、100%になるとかえって効果が落ちる。その消毒機序は蛋白の凝固作用である。

●ローション、チンキというのはアルコールを加えた製剤を意味する。アルコールによるスキッとした感じを得るだけでなく、水に溶けないものを溶かすという目的でも使われている。

●このADHでアルコールはアセトアルデヒドにさらにアルデヒド脱水素酵素により酢酸に代謝される、さらに酢酸は水と炭酸ガスに分解される。アルデヒド脱水素酵素(ALDH)が欠損するとアセトアルデヒドが蓄積し、この刺激によって血液中のヒスタミンが増加し、末梢血管が拡張する、そのため顔が赤くなる。

●お酒に弱いかどうかはALDHの欠損の度合いで決まる。このALDHに人種差があり、日本人44%、中国人50%にこの酵素の欠損者がいる。それに対しドイツ人、米国人、エジプト人では0%という報告がある。したがって白人が酒を飲んで真っ赤になっているのを見かけないのもそのためであろう。

●酒を飲む回数が増えるとALDHが誘導され、酔わなくなる。これが酒に強くなるということになる。アルコール代謝は個人差が大きいということである。

●良い酒は悪酔いしないといわれる。アルコールは発酵過程でエタノール以外のアルコールも作ってしまう。これらが混じり合ったものがフーゼル油というもので、これが二日酔いのもとになっている。フーゼル油はエタノールより沸点が高いので蒸留酒には含有量が少ない。

●大量に飲酒すると延髄の呼吸・循環中枢を麻痺させ、死亡する。時には食道と胃の境目がさけ、大量吐血する。(マロリー・ワイス症候群)
適量であれば『百薬の長』、飲み過ぎれば『諸悪の根元』となる。

注)マロリー・ワイス症候群
 MalloryとWeiss(1929)がアルコール中毒者で,頻回の嘔吐後,大量出血を起こして死亡した4症例を剖検し,食道,胃接合部に粘膜裂傷を認め,それに起因する出血死と判定し,以来このような病変をマロリー・ワイス症候群と呼んでいる.
 激しい嘔吐が続いた後に吐血が起こるが,必ずしも過度のアルコール摂取だけでもなく,他の病変に伴う嘔吐でも発生する.X線検査では確定できず,緊急内視鏡検査で,噴門周辺に1条から数条の縦走する粘膜裂傷を認める.
(George Kenneth Malloryはアメリカの病理学者,;Soma Weissはハンガリー生まれのアメリカの医師).
熱燗で飲むというのはフーゼル油を少なくするのでよいのか?
米国の映画俳優ではアルコール中毒が多いようだがこれもALDHに関係があるのか?
ディーンマーチンは映画の中でもアル中演じている『リオブラボー』.
洋画を見ているとオフイスで来客があるとすぐ酒を勧める場面があるが、彼らは飲んでも赤くならないからか?それと水割りを飲んでいる場面を見たことがない?

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