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  ■  100匹の猿  ■


昔、『ワンダーゾーン』と言う番組があり、 不思議な世界を色々な角度からまじめに取り上げていました。
今ならさしずめ『リサーチ2000X』って感じでしょうか。

その番組で100匹の猿の話を紹介していました。
ベストセラー作家がこの題材の本を出版していたので、ご存知の方も多いでしょうが、 番組を見ていた私の記憶を元に簡単に説明しますと、
(その本読んでいないんです)


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日本にいくつか存在する猿山のひとつ(A)の中で、芋を水で洗ってから食べる猿が現れた。
その後、Aの猿山に住むほかの猿たちも、真似して洗って食べはじめた。
そして、その数が100匹を超えた頃、日本中に不思議なことが起こった。
全国の猿山の猿たちが一斉に、芋を洗って食べだしたのだ。

Aで起きたことは理解できる。
最初に一匹、その後少しずつ浸透していくのは進化の雛型ともいえるから。
でも、その他の猿山での出来事は、進化の過程を飛び越して、いきなり習慣となっていた。

このことから、ある行動の認知数が一定の数を超えると、 棲んでいる地域に関係なく、同一種族に、一斉に何らかの変化が起きると 考えられるのではないか・・・

それをまじめに検証するため(たしかイギリスだったと思うが)とある実験を行った。

かくし絵というものをご存知だろうか。
単なる風景画のように見えていて、 実は横にしてみるとモナリザが現れる、という類の仕掛け絵のこと。

それを無作為に、全世界の国の人々に、 かくし絵を見つけられるかアンケートを取った。

その結果は、民族、文化にかかわらず、全ての国で一定の率の人々しか、 仕掛け絵を見抜けなかった。
そのあとでイギリスのとある高視聴率番組の中でその絵を紹介し、 横から見るとモナリザが見えますと、 かくし絵の秘密を暴露して見せた。

それからもう一度全世界で同じ絵を見せてアンケートを取ってみたところ、 番組で紹介したイギリスのみならず、 テレビがあまりない国の人々まで、 隠し絵を見抜く確立が、驚く割合で増したのだ。
最初にアンケートを取っていない国でも実施したところ、見抜けた人の割合は高かった。

イギリスだけで確率が上がったのなら、 たまたまそのテレビを見ていて覚えてないだけかも・・とも思えるのだが 全世界的に同じ割合で見抜く人が増えたことは、何を意味するのだろう。

ユングの『集合無意識』という思想がある。

ユングは無意識を、 幼少時から現代にいたるまでの個人的な経験から形成される個人的無意識と、 その更に奥深くに広がる集合無意識とに分類した。
集合無意識とは、 個人の経験的な枠を超えた、人類に共通の無意識領域である。

例えば人が木だとしたら、一人一人の思想はその枝であり、 無意識は幹である。
そして、集合的無意識とは、その根が、 大地の下で全てひとつの意識としてつながっていると言うのだ。

この思想に基づいて考えるなら、100匹の猿の話も、 何ら不思議な現象ではなくなるのではないか・・・。


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私は短大の心理学でユングのこの思想に出会い、 たぶんそれは正しいと直感しました。
直感以外の何物でもないから、科学的に証明は出来ないけど、 そうとしか思えない現象は、日常の中にあふれていると。

例えば今、自分を取り巻く環境を見つめて それはおかしいんじゃないかと思うことがあります。
こういう風に改まって欲しいと具体的に願う。
それは個人的な願望であるけれども、 それが正しいと、多くの人に共感を覚えてもらえることならば、 同じように願う人が増えていくのかもしれない。

そして、その人たちがある一定の数を超えたとき、 全ての人の心の中に、突然ふっと、 それはいけない、こうしなければと言う思いがよぎり、 それがひとつの風のように多くの人々の願いとなり、 世界を変えていくことになるかもしれない。

人は自然という環境から離れていってしまいました。
それに応じて集合無意識我うまくつながらない人も増えているのかもしれません。

でも、例えばインターネットのように新しいつながりが増えています。
その中で、小さい小さい力かもしれないけど、 私は心をこめて誰かに何かを伝えていきたいと思うのです。

最初は小さい思いかも知れないけど、 いつか大きな風になる日を夢見ています。
私はひとりの母に過ぎないけど、 母の願いは同じだもの。
いつだって、子供の幸せを願っている。
だから今日も諦めずに祈りつづけています。

どうか、世界中の子供たちが、笑顔の明日を迎えられますように・・・。

                               01年1月10日 記




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