インターネットの匿名性



・掲示板などの匿名性

「インターネットでは、匿名だから何をしてもわからない」という人がいます。
一方、「インターネット上でも、匿名なんかけしからん、ちゃんとHNを名乗れ!」という方もいます。
どちらの意見ももっともらしく聞えます。では実際どうなのでしょうか?
皆さんも、これを読んでおられる限りインターネットユーザーですから、自分なりにわかっておられると思いますが、改めて考えていただきたいと思います。

私がネットを始めた数年前からこの話題はありました。
そのとき、ある方からこういう意見を頂いていたので紹介します。
「メールアドレスでフリーメールは信用できない、プロバイダ固定のメールアドレスであれば個人が特定できるので信用できる。」
「ホームページは無料サイトは信用できない。プロバイダ固定のURLでなければ信用しない。」
この2つの意見は、同じ方の意見でしたが、当時のネット仲間のほとんどがこの意見に賛同していました。
今ほど、無料フリーメールも多く普及してませんでしたし、無料WEBサーバーもあまりありませんでした。
通信料やプロバイダの使用料も安くはなかった時代のことですから、無理もなかったかもしれません。

今では、フリーメールと無料サーバーは無数にあると言っても過言ではありません。
そういう意味でも、昔より匿名性が高くなっているともいえます。

1.「インターネットでは、匿名だから何をしてもわからない」
2.「インターネット上でも、匿名なんかけしからん、ちゃんとHNを名乗れ!」

1、の匿名の利点。私はそれを認めたいと思います。
現実社会で、内気な方や気の弱い方で自分の意見をはっきりと表明できない方が大勢おられます。
そのような方々にとって、この匿名性は非常にありがたいものです。
私は、色々な意見や考え方を聞いて参考にしたいと思うことがあります。
そんなとき、主張できる方だけの意見では、どうしても意見が偏ってしまうのは明らかです。
匿名で意見を書くのは卑怯だとかけしからんとか言われる方もおられますが、匿名だからこそ言えることも多いと思っています。それによって正しい意見、弱者の意見、少数派の意見が見えてくるのではないでしょうか?
ただし、当然のことですが匿名だから何を言ってもいいというわけではありません。
誹謗中傷はもちろん、無責任な言動はやはり謹んでいただきたい。
その区別が難しいんですよね、受け取り側にとっては・・・

2.の匿名性についてですが、
最初にも書いたように、今ではフリーメール、無料サーバーが氾濫しています。
このような状況で、メールアドレスが書いてあって、それとHNの関連がはっきりしていたとしても、メールアドレスがフリーメールである以上、それは匿名と同じです。
掲示板などで、メールアドレスを記入する項目があります。また、HPアドレスを書く欄もあります。
でも、書き込んでいない方が多いですよね。
私は、掲示板などで、メールアドレスやHPアドレスを書いていない人、それはまず匿名と同じだと考えています。だって、記入している名前はあったとしても、本人かどうかの確認のしようがないですからね。別人がその人に成りすまして書いていてもわからないわけです。
メールアドレスやHPアドレスが書いてあったとしても、それがフリーのメールアドレスや無料HPサーバーのアドレスであれば、やはり匿名と同じです。ただ、無料サーバーであっても、そのHPが長期にわたって運営されていて、ある程度メンテナンスされているようであれば信用してもいいかな?とは思っています。
早い話が、ほとんどの掲示板の書き込みは匿名と同じだと思っているわけです。
ま、最近の掲示板ではあまり意味のある書き込みも少ないので、どうでもいいようなものなんですけどね・・・

・チャットと匿名性
Yahooのチャットではログインという行為が必要です。
つまり、ユーザーIDとパスワードが必要で、そのユーザーIDを取得するには、メールアドレスが必要になります。
しかし、ここで使用するメールアドレスはフリーメールでもOKですから、やはりIDがあっても匿名であることには間違いありません。
また、ID取得時に、誕生日や住所など登録する必要がありますが、嘘八百並べ立てても、メールアドレスさえあればIDは取得できます。
さらに、Yahooでは、IDのほかにHN(ハンドルネーム:ニックネームのようなもの)を6個まで作ることができ、そのHN一つ一つに個別のプロフィールが作成できるようになっています。
つまり、一人のユーザーが7人の顔を持てるわけです。
この状況では、チャットで会話するときの名前は、同一HNであれば同一人物であろうという意味ぐらいでしかなく、匿名であるということは疑いようもありません。
チャットの中では色々な人がいます。実社会以上に、様々な人と会話できます。
実社会で接することのできる人々には限界がありますが、チャットの上では、実社会ではなかなか接することのないような人々と話すことが可能です。そこが、チャットのよさであると思いますが、実社会以上に怖いところでもあります。
人は一般的に、自分の物差しで物事を考えがちですが、チャットの中では、自分の物差しでは計り知れない人が多くいるということです。よく、「常識では考えられない!」ということがありますが、ここでいう常識というのは自分の常識であって、全ての人の常識ではないはずです。匿名ですから、今話している相手のことは何もわかっていないはずです。よほど長い間ネットで話してお互いに理解しあっていれば別ですけど・・・

チャットでときどき、匿名性をいいことに、浮気の自慢話や夫婦間のセックスの話しなど、実社会ではできない話を堂々とする人がいます。
確かに匿名ですから、どこの誰かはわかりません。
実社会では言葉に出せない話も匿名になると話しやすくなります。実は誰かに言いたくて仕方のないものなのかもしれません。
ですから、匿名性をいいことに、チャットで人前では話せないことを話すのもわからないわけでもないんです。

ところが、匿名が匿名でなくなる時は、意外と早くやってきたりします。
チャットでもそうですが、ネットの社会では、オフ(オフラインミーティング)というものがあります。
「私は、実社会とネットは完全に分離しています。」という人は、オフに参加したりしないのでしょう。しかし、多くのネットユーザーは友だちが増えてくるとオフに参加してみようかな?という気になります。
ネット上で話しているときに、写真の交換などを行ってオフに参加する人全ての顔を知っていれば別ですが、ほとんどの場合、参加者の何人かの顔を知っていればいいほうだと思います。
つまり、オフでは全く顔も名前も知らない、HNしか知らない人と合流するわけです。写真交換と同様、何人かの参加者とは、よく話しもしてどんな人かある程度はわかっているでしょう。しかし、全く知らない人も中にはいると思います。
「オフに参加してみると、参加者の中に隣の家の人がいた。」なんてことは珍しいことですが、意外と身近な人がいることは珍しいことではありません。
ネットだから言える事、それはあっていいと思いますが、知り合いに知られてはまずいこと、匿名でなくなったとき困ることは、自己の責任のもとに分別を持って行って欲しいと思います。

「ネットは匿名だから」「自分だということはわからないから」という発想は怖いんですよ!



戻る