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先天性甲状腺機能低下症
(クレチン症)について

この病気は喉の部分にある甲状腺が正常に働かなくなったために
血液中の甲状腺ホルモン(T4.T3)がなくなってしまったり少なかったり
してしまう病気です。成人でもかかる病気ですが、産まれてきた時から
甲状腺機能低下症だと、「先天性甲状腺機能低下症」と呼ばれます。
何故、早期発見、早期治療が必要かと言うと、T4.T3は子供が成長する
のにとても必要なホルモンだからです。人間は3歳までに脳の大半が
出来上がります。その大切な段階で、ホルモンが足りなかった場合、
障害がおこってしまうのです。(知的障害など)日本では新生児の
スクリーニングがあるので、早期発見、早期治療がされていますが、
つい数年前まではこのスクリーニングがなかったために病気の症状が出て
初めて気づくパターンばかりでした。症状が出てしまってからの治療では
その間に受けた脳へのダメージは戻りません。今スクリーニングで発見されるよう
になったことはとても良いことだと思います。
何でホルモンが出ないの?
考えられる原因は
1.甲状腺自体が無い
2.甲状腺の場所が正しい位置になく他の部分にある(例えば舌の根元など)
3.大きさが十分ではない ←新生児のうちにエコーで調べますがその時は甲状腺の有無しか
分かりません。大きさが十分かどうかは数年経たないと分かりません。
大体3歳でとりあえず検査しますが、これは病院によってまちまちです。
4.大きさが十分であっても機能していない
などがあげられます。
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ところでTSH・T4・T3って何ぢゃらほい??
TSH:甲状腺刺激ホルモン
T4: 甲状腺ホルモンの1つ
T3: 甲状腺ホルモンの1つ(甲状腺からT4が分泌され、肝臓などで
T4の40%がT3へ変わります)

甲状腺からホルモンが出ていないと、脳(下垂体)から
「おい!大切なホルモンが出てないじゃん!
ちゃんと出さんかいコラ!」という信号を送ります。
この信号の事を甲状腺刺激ホルモン。つまりTSHと呼びます。
その名の通り甲状腺を刺激するんですね。
普通であればこのTSHによってホルモンが
出るはずなのですが低下症はこれが出来ないわけなんです。
つまり、反対にホルモンが出すぎている
場合(亢進症)はTSHが正常範囲よりも低くなります。
上の絵のシーソーが逆になります。
血液中の甲状腺ホルモンは、大部分がタンパク質と結合します。
結合タンパクには
・thyroxine−binding globulin(TBG)
・thyroxine−binding prealbumin(TBPA)
・アルブミン
があります
T4の大部分がTBGとTBPAと結合し、残りがアルブミンと結合します。
T3は大部分がTBGと結合し、一部がアルブミンと結合します。
T4もT3もごく一部がタンパク質と結合せずに遊離型になり活性をもつので重要です。。
つまり甲状腺ホルモンとして活躍するのは、Free4とFree3なんですね(^^)
この遊離型になったT4・T3をFreeT4・FreeT3と言います。
・・と専門的なことを書くとこうなりますが、先生が全部やってくださるので、あまり気にしなくて
いいなと思います(^^;;
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血液検査
血液検査で調べる事:TSH・T4・T3・Free4・Free3などの数値
検査の正常値は検査センターによって少し異なります。
T4 4.7〜11.1μg/dl
T3 75〜195ng/dl
FT4 0.8〜1.9ng/dl
TSH 0.5〜5.0mU/L
(マサチューセッツ総合病院の正常値)
この血液検査のTSHやT4、T3、Free4の数値で病院の先生は薬の量を決めます。
例えばTSHが低くなってきていても、T4が出ていなかったりするパターンも
あります。新生児のうちは母子手帳を見ても分かる通り、赤ちゃんの体は、
数ヶ月で急成長します。体重が大きくなればその分のホルモンも必要になって
きます。ですから最初のうちは検診の間隔が非常に短く、1ヶ月おきなどです。
体の成長もゆっくりになるにつれて徐々に間隔が長くなっていくます。学生に
なる頃には、夏休みや、冬休みなどの年に数回の検診になっていくそうです。
人間の脳は3歳までにほとんどが出来上がってしまうため、大切な時期ですので
たとえ一過性の疑いがあったとしてもよっぽどのことでない限りとりあえず3歳まで
様子をみます。3歳になり、一度薬を止めてみて、ホルモンが出るかどうか調べます。
どう考えても、自力で出せそうに無い場合は薬をひとまずやめない場合もあるそうです。
甲状腺機能低下症の場合何が低いとダメで、何が高いとダメなのかと言うと、、
TSH:高いとダメ
T4(Free4):低いとダメ
T3(Free3):低いとダメ
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薬(チラージンS)について
この病気にとって一番重要なのが薬を飲む事にあります。
甲状腺からホルモンが出ていないのでそれを補充しなければいけません。
それがチラージンSです。足りないものを補充するわけですからビタミン剤のような感じですね。
一日2回の場合朝と夜の2回なるべく時間の間隔が短かったり長かったりしないようにします。
一日1回だけの場合もあります。これも、病院によってやり方が違います。
チラージンS:この薬で補充するホルモンはT4です。
T4は半減期が約1週間と、とても長いのです。
それに比べ、T3は約1日なのでとても不安定だと言えます。
ちなみにT3の薬は「チロナミン」といいます。
薬はT4を少し高めに保つように飲ませます。

なぜ、T3ではなくT4を飲むのかと言うと、T4の方が半減期が長いので、安定する。
という点と、甲状腺からはT4の形で分泌されるので、体内でT3に変わるようにした方が
より生理的と言えます。
赤ちゃんはよく吐きますよね?
薬を飲んだ後に吐いてしまったら?
と考えると思いますが、薬の効果が現れるのは1週間後です。
ですから吐いたからといってまた飲ませなくてもいいと思います。
過剰に飲ませる事もいけないことですから、たとえ飲ませるのに
数回失敗してもほとんど影響はないと言えます。
吸収を悪くする食べ物:大豆製品(豆乳など)・鉄剤など
※ただし、極端に食べさせれば確かに影響はありますが好き嫌いなどが
出てしまう方がもっといけない事です。過剰に与えるのだけはやめて、
まったく食べさせないというのはやめましょう(^^)
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先天性甲状腺機能低下症=クレチン症?
先天性甲状腺機能低下症=クレチン症とは少し表現が違います。
一般的に、先天性甲状腺機能低下症は、一過性の可能性や一過性だった場合に使われ、
クレチン症は一生薬を飲まなくてはいけない場合、もしくは治療を受けずに症状が出てしまった
場合に使われます。ですから、一過性の可能性が低くても、「きっとこの子はクレチン症ね」
などの表現になりますね。でも、実際、「先天性甲状腺機能低下症」
なんて長くて言いにくいですよね。(^^;;
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ところで一過性って何?
ずっとこの先天性甲状腺機能低下症を抱えていくわけではなく歳をとるにつれて
ホルモンが出るようになり、薬を飲まなくてよくなる事を一過性と言います。
一過性については先生も、「この子は一過性です!」とは断言できません。
なぜならその子がこれから先、ホルモンが出るようになるか、出ないようになるか
なんて予想がつかないからです。
お母さんが妊娠中にワカメなどヨードをすっごく大量に取りすぎた場合一過性になるようです
また、未熟児だった場合も一過性の可能性もあります。
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原因は?
遺伝性の可能性は低いと言われています。しかし、身内に同じ病気の方が
いらっしゃれば可能性はあると思います。遺伝性の可能性かどうかは後々検査していきます。
ですが、ほとんどが突発的だと言われています。
ヨード不足や、ヨードの過剰摂取も考えられます。
日本は、ヨードが豊富(ワカメなど)なので、不足になる事はないかもしれません。
過剰摂取といっても、毎日ワカメを丼いっぱいたべるとか・・
ヨード入りのうがい薬をがぶ飲みするとか・・。(^^;;
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薬を飲んでいれば絶対大丈夫?
こればっかりはその子によって違ってきます。たとえ何らかの障害が後から
発見されたとしても、それがクレチン症とつながりがあるかどうかも分かりませんし、
もちろん発見されないケースもあります。
ただ1ついえることは、薬を飲ませなければ障害は出てしまいます。
・新生児期
体重増加不良・臍ヘルニア・皮膚の乾燥・不活発・長引く黄疸・浮腫(目の回りが
腫れぼったくなってしまう)・便秘など・・。
・幼若乳児以降
成長発育障害・脳の成長遅延と意的障害など・・。
薬を飲ませていても、肌の乾燥や、成長発育障害などが出ている子もいます。
だからといって必ず、症状がでてしまうわけではないようです。結局、個人差だと思います。
クレチン症の子で耳の聞こえが悪い子もいるそうです。
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このページ内容は皆さんから頂いた情報や、甲状腺専門のHPや
トモの主治医の先生から頂いた情報をもとに作りました。
ご協力頂きましてまことにありがとうございました。
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頂けるとありがたく思います。。
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