

シネマのデザート
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おなかはいっぱいなのに、ちょっとお茶にしましょう、ということになると話は別。
ケーキも一緒にいただきましょう、となって、さっきまでの満腹感はどこに行ったのでしょう。
やっぱりデザートは別腹ですね。
『丘の上のジェーン』(モンゴメリ著 村岡花子訳 新潮文庫)に登場するミード夫人のお決まりは「腹ふさげ」。
夕食までの腹ふさげだといってバターつきパンをくれたり、
朝食までの腹ふさげだと言って大きな厚いドーナツをくれたりするのです。
子どもの頃、学校から帰るとまずのぞくのがキッチンでした。
キッチンのテーブルの上か戸棚の中には必ずおやつがあって、今日のおやつは何かな、
とわくわくしながらキッチンのドアを開けたものでした。
あれはいわゆる3時のおやつでしたが、夕食までの腹ふさげでもあったのです。
ホットケーキだったり、ドーナツだったり、ビスケットだったり、おかきだったりしましたが、
それらおやつのおかげで、毎日がサプライズの連続でした。
映画の中にも、さまざまなサプライズ・デザートが登場して楽しませてくれますね。
このページでは、そんなデザートを少しずつご紹介します。
デザートさまざま
映画に登場するデザートの中でロマンティックだったのは、『ロバと女王』の指輪入りのパイ。カトリーヌ・ドヌーブ扮する王女様が作ったパイの中にエメラルドの指輪が混じってしまうのですが、それが縁で王子様と結ばれるというストーリでした。この映画を観て以来、指輪入りのパイに憧れたものでした。
憧れたものといえば、アメリカ映画の中によく出てきたパイのぶつけ合い。ちょっともったいないような気もしましたが、豊かさと幸せの象徴のような気がして、うらやましい気持ちになったことを覚えています。
それがサヨナラの合図という皮肉な使われ方をしたのは『心乱れて』。もともとパイ投げは気にくわない相手に対してのものだったのでしょうけれど、この映画ではラスト近く、夫に対してパイをぺチャッ。こうして結婚生活に終止符を打ったのでした。
画面の中に入り込んで、ちょっとでいいからつまみ食いをしてみたいと思ったのは『バベットの晩餐会』のババと『料理長殿ご用心』の中の爆弾という名のデザート。おいしそうなデザートを目の前にすると、やっぱりティータイムにしてデザートでも、となってしまい、ダイエットの決心もどこへやら。デザートは人の心に魔法をかけるのです。
紅薔薇のケーキ
ある商人の美しい娘が、父親の旅行のお土産に赤い薔薇の花を欲しがったことから、野獣の城に捕らわれてしまうというストーリーの『美女と野獣』。
幸福な恋ならスフレが焦げる
サブリナパンツ、サブリナシューズ、という言葉を生んだのが『麗しのサブリナ』。キッチンクロスをとっさに腰に巻いて、俄仕立てのエプロンに変身させるなど、食に関してはいろいろな興味深いシーンがたくさんありました。
この映画に登場するデザートといえばスフレです。
お屋敷のお抱え運転手の娘・サブリナが留学先のフランス料理とフランス菓子の名門校『ル・コルドン・ブルー』で焼くスフレです。
「スフレは華麗であるべきです」
という教授の言葉にもかかわらず、サブリナが焼くスフレはまるでダメ。その時、一緒にスフレの焼き方を勉強しているフォンテネル男爵が、「恋をしているのだろう」とサブリナに話しかけます。
「恋をしとる。ズバリ言えば、恋に破れてる」
「わかるの?」
「よくわかる。幸福な恋ならスフレが焦げる。恋に破れていると
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