法律に見る電話勧誘の規制

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 電話勧誘販売は特定商取引法によりその営業方法についての規制を受けています。実際に規制を守った業者はほとんどありませんね。残念ながら。


(電話勧誘販売における氏名等の明示)

第十六条  販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売をしようとするときは、その相手方に対し、販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称及びその勧誘を行う者の氏名並びに商品若しくは権利又は役務の種類並びにその電話が売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げなければならない。

勧誘販売をしようとする時。まず告げなければならないこと。

  1. 販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称
  2. 勧誘を行う者の氏名
  3. 商品若しくは権利又は役務の種類
  4. その電話が売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであること

あなたの取った勧誘電話、これらのことが守られていますか?

仮に相手が「○○の△△です」と名乗る場合も、氏名(苗字と名前)を名乗る場合は稀でしょう。

また勧誘電話であることを伏せて、ごちゃごちゃ言う場合も多いですね。

これらは全て特商法違反行為。


(契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘の禁止)

第十七条  販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。

一度断った客にしつこく勧誘する、『「不要です」「何故ですか?」のような応酬話法』は特商法違反を主張できます。

さらに業者は名乗らずに断られても何度も何度も同じ人物に対してかけてくることが多いのが実情。これも特商法違反。相手が確かにその業者かどうかの確認が取れないという点で問題はありますが。


(禁止行為)

第二十一条  販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、電話勧誘顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
 2  販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。

長々と営業電話を受けたあとで断った場合、「人の時間を無駄に使わせた、営業妨害だ」などと営業マンの見込み違い、能力不足、を棚に上げて筋違いの言いがかりをつけてくる例が後をたちません。営業妨害などという言葉を使った時点で『人を威迫して困惑させ』ているといっても過言ではないでしょう。

 第21条違反に対しては「二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金」の罰則規定があります。(第70条)


(電話勧誘販売における書面の交付)

第十八条  販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘行為により、電話勧誘顧客から指定商品若しくは指定権利につき当該売買契約の申込みを郵便等により受け、又は指定役務につき当該役務提供契約の申込みを郵便等により受けたときは、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、次の事項についてその申込みの内容を記載した書面をその申込みをした者に交付しなければならない。ただし、その申込みを受けた際その売買契約又は役務提供契約を締結した場合においては、この限りでない。
 一  商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
 二  商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
 三  商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
 四  第二十四条第一項の規定による売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又は売買契約若しくは役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
 五  前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項

第十九条 略

 ここでは、契約の申込を受けたとき、契約を締結したとき、に業者が発行する必要のある書面の規定があります。ここで、申込や契約の締結は「郵便等により」となっています。

 よくあるのが、「結構です」「いいです」という断りの文句を都合よく業者が解釈して、契約の締結が行われたと、商品などを送りつける非常に悪質な商法があります。この場合そもそも契約が成立しているのか否かと言った問題は残りますが、仮に書面の不交付や、発行する書面内容に問題があった場合、特商法の罰則規定「百万円以下の罰金(第72条)」の適用を示唆したほうが有効かもしれません。


 なお、仮に書面関係の交付に問題はなくても、これはそもそも、民法の

 第九十五条  意思表示ハ法律行為ノ要素ニ錯誤アリタルトキハ無効トス但表意者ニ重大ナル過失アリタルトキハ表意者自ラ其無効ヲ主張スルコトヲ得ス

より錯誤による意思表示として契約の無効を主張でき、契約に基づいていない商品の送付であれば、以下の特商法の条項よりネガティブオプション(送りつけ商法)同等の対処をしてもよいとの判断も可能でしょう。

(売買契約に基づかないで送付された商品)
第五十九条  販売業者は、売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者及び売買契約を締結した場合におけるその購入者(以下この項において「申込者等」という。)以外の者に対して売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合又は申込者等に対してその売買契約に係る商品以外の商品につき売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合において、その商品の送付があつた日から起算して十四日を経過する日(その日が、その商品の送付を受けた者が販売業者に対してその商品の引取りの請求をした場合におけるその請求の日から起算して七日を経過する日後であるときは、その七日を経過する日)までに、その商品の送付を受けた者がその申込みにつき承諾をせず、かつ、販売業者がその商品の引取りをしないときは、その送付した商品の返還を請求することができない。
 2  前項の規定は、その商品の送付を受けた者のために商行為となる売買契約の申込みについては、適用しない。

「契約に基づかないで送りつけられた商品は、14日間は送られた側に保管義務がありますが、14日を過ぎればいかように処分してもかまいません」というものです。

ただし、こうしたケースで消費者が何らアクションをせずに商品のみ処分してしまった場合、契約を追認したとみなされ後々のトラブルになりかねませんので、業者に対して、「契約は存在していないこと」「商品引取り要求」の通知をするべきでしょう。

悪質な業者では、その後色々と嫌がらせなどを受ける危険性もありますので、基本的に電話勧誘に対して発する言葉は曖昧さが残らないよう注意したほうが無難です。私自身もしばしば、「結構です」を使ってしまうのですが。